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2014年4月 9日 (水)

アバド追悼演奏会 ルツェルン

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4月6日に行われた、ルツェルン春の音楽祭における、クラウディオ・アバド追悼演奏会。

日本時間、同日晩に、慎んでネット観劇いたしました。

こちらは、終演後の聴衆を映したもの。

このパンフレッウトだけでも、グッときてしまう。

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 シューベルト  交響曲第8番「未完成」 第1楽章

          ルツェルン祝祭管弦楽団

 ヘルダーリン  

          語り:ブルーノ・ガンツ

 ベルク      ヴァイオリン協奏曲

          Vn:イザベル・ファウスト

 

 マーラー    交響曲第3番 第6楽章

    アンドリス・ネルソンス指揮 ルツェルン祝祭管弦楽団

                       (2014.4.6 @ルツェルン)


アバドの音楽への想いを集約したような選曲。

あと、ここに、モーツァルトとベートーヴェン、そしてブラームスとヴェルディがあれば完璧と思うのは贅沢で不謹慎すぎること。

ルツェルンのクンストハウスのホールの、あるじなしの指揮台。

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オーケストラだけで、演奏された「未完成」の第1楽章。
痛切すぎる、涙にぬれたような未完成は、聴いてて辛くなった。
コンマス(この人、名前が出てこない)が、大きな身ぶりで主導しつつも、各セクションは、アバドの指揮でもあったように、お互いに聴きあいつつ、目線を交わしながらの演奏。

次いでのヘルダーリンは、まったく不明、わかりません。
ガンツさんは、アバドとの共演歴も長く、CDやDVDでも多く一緒に出てます。

そして、ベルク。

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イザベルさんとのベルクは、先年、モーツァルト管とのライブが出たばかり。
CD音源での精度の高さには及ばぬものの、彼女の熱い思いを込めたベルクは、切実で、静かに始まりつつ、後半の憑かれたような演奏には、驚きと感動を禁じえませんでした。
きっと、アバドとの共演を、思い描きながら弾いていたのでしょう。

そのアバドへの想いが、とてつもなく、最高度に高まり、神々しくも、侵しがたい雰囲気にホール全体が包まれてしまったマーラー。

アバドが愛したマーラーの、しかも、「愛がわたしに語るもの」。

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追悼を通り越して、これはもう、クラウディオ・アバドという名伏しがたい存在に対する、人々の想いの昇華であり、彼を失ったことに対する、人々それぞれの想いの結実なのかもしれません。

観て聴いて、ずっと不条理に哀しんでいた自分のなかで、オケも聴衆も、等しく涙する姿で、ようやく一体感を持って、アバドとの現生の告別を済ませることができた気持ちです。

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いつもの金管セクション。
フリードリヒさん。
2006年の来日でのリハーサルで、マーラー6番で、見事ひっくり返った。
繰り返しでは、完全復調。
アバドに投げキッスをされて、顔を真っ赤にして、嬉しそうにしていたフリードリヒ。
いつも必ず、彼はアバドの指揮の時には主席を吹いてます!

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涙・・・・

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そして、涙。


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ルツェルン名物、楽員同士のハグも、今回は、涙。


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やむことのない拍手。

ネルソンスの頬にも涙。

そして、スタンディングの聴衆にも・・・・・

オーケストラが去ったあとも、拍手はずっと、ずっと、放送中、止むことはありませんでした。

あと、数日後に、アバド仲間のみんなとお会いする予定です。

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コメント

こんにちは。この放送は見逃してしまいましたが…
こちらを見ただけでも涙が止まりません…
改めてアバドは素晴らしい指揮者であったことを実感しました。
記事にも感謝します。ありがとうございます。

投稿: よしお | 2014年4月10日 (木) 08時02分

よしおさん、こんにちは。
保存が出来ないので、カメラを構えつつ、日曜深夜に泣きながらの視聴でした。

オーケストラから愛されていたアバド。
ベルリンの顔も、アバドに見出された若い顔も・・・、そんなアバドの履歴を物語るメンバーが流す涙に、もう耐えようがありませんでした。

投稿: yokochan | 2014年4月10日 (木) 23時12分

  こうしたアバドの追悼演奏会が開かれたとは露知らず、こちらの記事で曲目まで確認させていただき感謝いたします。アバドの晩年のシューベルトがどんなだったかわからず、またベルグのバイオリン協奏曲も購入しようとしてまだの状態なので、せめてアバドのマーラー3番の思い出を書きたいと思います。

  それは1998年の10月19日(月)のサントリーホールでのマーラー3番のコンサートです。アルトはアンナ・ラーソンでした。この頃アバドはベルリンフィルとの契約を2002年までで更新しないことが明らかになった頃でした。また体調が悪化へと向かう前の来日公演でした。なぜかリハーサルではオケ、指揮者共に調子が悪いと伝わってきたのも覚えています。

  しかし、実演では重量感のある第1楽章に続いて、アンナ・ラーソンの歌唱は荘厳で深く、東京少年少女合唱隊の声も十分に天使達の歌唱を伝えていました。しかし、特に最後の6楽章のアダージョは、アバドの気合いの入り方が違い、とても濃密な時間でした。
 
  このアダージョは、私は「愛が語ること」であると同時に、人生の上り坂にある人が、心からの希望を託した、「人生」を展望するアダージョだととらえています。そんな意味でも、深く、明るく、希望に満ちてこの楽章、そして3番の交響曲が閉じられた時、心からの満足感を抱きました。1999年にベルリンフィルと英国で録音されたCDも折りにふれて聞いています。ベルリンフィルを去ることに決めたアバドが、しっかり仕事をしていたことを表すものであり、個人的にはこの頃のベルリンフィルとのマンネリ化の風評に大いに異議を唱えたいと思ったことを思い出します。
 
  それにしても、この第6楽章を追悼演奏会で演奏するルツェルン、並びにネルソンスの選曲のセンスに敬意を表します。春が来ましたが、アバドの曲を聴き続けたいと思います。貴重な演奏会のニュースありがとうございました。

投稿: 新潟のbeaver | 2014年4月13日 (日) 17時05分

このTV番組は「アバドを讃えて」という題名になっていますね。
「未完成」は昨年のルツェルンでのアバド最後のコンサートで演奏したので、それを思い出しながら演奏していたのでしょうね。
尚、このTV番組は arte にアーカイヴされているので今でも視聴できます。
URLを貼り付けさせていただきますので、アバドのファンの方々はぜひ視聴してください。

http://concert.arte.tv/fr/gedenkkonzert-fuer-claudio-abbado

投稿: Macky | 2014年4月14日 (月) 06時53分

新潟のbeaverさん、こんにちは。
ご返信、遅くなりまして申し訳ありません。

このコンサートは、Mackyさんから頂いたURLで、まだ観ることができます。
ハンカチをご用意してご覧ください。(というか、もう観てますよね)

日本での、マーラーの3番、わたくしは、当時、子供ができたり、移動があったりで、コンサートから遠ざかっていて行くことができませんでした。
NHKの放送を録音したビデオを、DVDにしようと思ってます。
その時に立ち会われた様子を拝読して、胸が熱くなりました。
マーラーは、アバドが本当に愛した作曲家だったのですね。

ルツェルンの仲間たち、そしてヤンソンスが、アバドの愛した作品を、アバドだったらきっと・・・、という思いのもとに演奏しているのがわかる演奏会でした。

これからも、われわれは、アバドの演奏を聴き続けてまいりましょう。
ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2014年4月16日 (水) 19時44分

Mackyさん、こんにちは。

URL情報ありがとうございました。
演奏会のリアルタイムは、慟哭してしまい、画像撮影も失敗してしまいました。
翌日に、ストリーミング視聴ができることを発見し、こちらの画像を原始的手法で撮影した次第です。

「アバドを讃えて」、そうですね、でも涙になってしまいました。

ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2014年4月16日 (水) 19時48分

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