クィルター 「虹の終わる場所に」 ヒコックス指揮
連休も終わり、街は日常に。
でも、頭のなかは、まだお休みっぽかった休み明け。
カレンダー通りのわたくしは、後半に、神奈川の実家に行ってきまして、また、まいどおなじみの、吾妻山と、海へと、それぞれ歩き回ってきました。
この時期の吾妻山は、ツツジが満開を終えたところで、ぎりぎりに、その美しい色合いと香りとを楽しむことができました。
奥に見える山は、大磯の湘南平です。
子供の頃の遠足は、この吾妻山と、向こうの湘南平が定番にございました。
クィルター 「Where the Raibow Ends~虹の終わる場所に」組曲
サー・リチャード・ヒコックス指揮 ノーザン・シンフォニエッタ・オブ・イングランド
(1989.5 @クゥエイサイド、ニューカッスル)
ロジャー・クィルター(1877~1953)は、サセックス州ホーヴの生まれの英国作曲家。
あまり、お馴染みではないかもしれません。
彼が、歌曲の分野に多くの作品を残したからかもしれませんが、100曲以上に及ぶクィルターの歌曲は、多彩な作風の宝庫で、英国歌曲の系譜にしっかり名を連ねる彼の面目躍如たる世界なのです。
明るく、親しみやすく、そしてメロディアスな歌曲たち。
でも、そんな中にも、シリアスで、どきっとするような歌たちも、またたくさんあります。
シェイクスピアの詩による、「来たれ、死よ」などは、まったくもって素晴らしい名品です。
そのクィルターさんが、残した管弦楽作品のひとつが、劇音楽「Where the Raibow Ends」です。
1911年、ロンドンのサヴォイ劇場で上演される、クリフォード・ミルズとレジナルド・オーウェンの作による子供向けの妖精劇とも呼べるような、ファンタジーな舞台作品のために書き下ろした音楽。
劇の内容は不肖ですが、初演以来、ロンドンのクリスマスシーズンには欠かせない舞台となっていったようです。
この音楽のなかから、5曲を選び、組曲としました。
① Rainbow Land
② Will o'the Wisp
③ Rosamund
④ Fairy Frolic
⑤ Goblin Forest
それぞれ、数分の小曲。
でも、それぞれのタイトルのとおり、とっても優しくって、心なごむ雰囲気にあふれてます。
①などは、英国抒情派ならではの、透明感と、まさに雨上がりの淡い虹のような景色が思い浮かぶようです。
②可愛いワルツに、ちょっと切ない中間部。
子守歌のように、静かで愛らしい③
妖精たちの踊りでしょうか、陽気で快活な④と⑤
こうして、人を優しい気持ちにしてくれる、クィルターのWhere the Raibow Endsでした。
では、いい夢を見るようにいたしましょう。
さらば、おやすみ。
過去記事
「英国歌曲展14 辻 裕久」
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