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2014年5月 9日 (金)

モーラン 幻想四重奏曲 

Shibapark

バラの季節でもあります。

赤いのもいいけど、黄色いのが好きだな。

東京タワーともに、青空に映えるバラに、濃い緑。

もう初夏にございますね。

あの大雪や、極寒の日々は、いったい何だったんだろうと思えるくらいに、季節の巡りは早いです。

Moeran_fantasy_sq

  モーラン  Fantasy Quartet 幻想四重奏曲

         ~オーボエとヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための~

          ob:ニコラス・ダニエル

          ヴァンブルー四重奏団

                  (1997.6 @ブランドン・ヒル、ブリストル)


アーネスト・ジョン・モーラン(1894~1950)は、ロンドン近郊の片田舎、スプリング・グルーヴ・ヴィカレイジに生まれ、若くして第1次大戦に参戦し、頭部に重傷を負うことになります。
そのことが、その先、遠因となって、55歳にして、アイルランドにて亡くなることとなります。
 作品数が、さほど多くないので、その早い死は、とても悔やまれるのであります。

昨日、取り上げた、アイアランドの弟子筋にあたり、その作風も師に似て、極めて穏健で、抒情的です。
その師が、朋友バックスとともに、アイルランドや北イングランド、スコットランドのケルト文化を愛したように、モーランも、そうした流れに沿っていると同時に、ノーフォーク地方の民謡や風物の収集に熱をいれて、その音楽にも、多々取り入れられております。

まさに、この時代の英国作曲家の在り様、そのものの人がモーランなんです。

以前に書いたことの再褐ですが、その音楽は、イングランド風の大らかでなだらか、そして抒情的なV・ウィリアムズの流れと、アイルランド・北イングランドのケルト風で、シャープかつ、ミステリアスな、アイアランド・バックス流派と、このふたつの特徴を合い持ち、ときにそれらがミックス混在するユニークなものといっていいかもしれません。

オーボエと弦楽三重奏のための、単一楽章の四重奏曲は、1946年に書かれました。
亡くなる4年前、51歳。
ノーフォークの民謡、「Seventeen Come Sunday」と「The Pretty Ploughboy」のふたつが断片的に聴かれるといいますが、聴いていて、それらがどこにどう現れるかは、わかりません。
しかし、ともかくメロディアスで、オーボエならではの哀愁さそう、メランコリックな響きと切ない旋律の連続に、14分間が、あっというまに、それこそ夢見るようにして終わってしまいます。
描写的な音楽ではなく、多分に雰囲気的、感覚的な音楽ではありますが、そこには、モーランが生涯愛し、若い頃から散策し続けた、ノーフォーク地方の霧が降りた、少し寂しい水辺の光景が思い浮かぶようです。

Norfolk_fen

ジャケットにもありますが、ノーフォーク州のフェンという場所が、若い頃、モーランが家族で、移住して過ごした場所です。
後年は、ケント州や、アイルランドに住むようになりましたが、モーランの心の中には、フェンの情景がずっと残っていたのでしょうか。
誰しも、心のなかの景色は、そっと持ち続けているものですから・・・・。

モーランの過去記事

 「モーラン ヴァイオリン協奏曲 モルトコヴォッチ」 

 「モーラン 弦楽四重奏曲、ヴァイオリンソナタ メルボルンSQ」 

   「モーラン  交響曲 ハンドレー指揮」

 「モーラン ロンリー・ウォーターズ」

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