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2014年6月18日 (水)

ビゼー 「アルルの女」 バレンボイム指揮

Ouji_ajisai

いま、もっとも盛りの紫陽花です。

アジサイには、いろんな品種があって、しかもパステル調の色合いが、梅雨の時期にぴったり。

Ouji_ajisai_2

じめじめのところにも、道端のほこりだらけのところにも、日の当たる乾燥したところにも、紫陽花は、どこでも強いのであります。

いまの季節、雨の中でも、梅雨の中休みの晴れ間でも、楽しませてくれる紫陽花たちなのでした。

Bizet_barenboim

  ビゼー  「アルルの女」組曲 第1番

    前奏曲、メヌエット、アダージェット、カリオン

  ダニエル・バレンボイム指揮 パリ管弦楽団

               (1972.10 パリ)


何故か、ビゼーが、そして「アルルの女」が聴きたい気分。

そして、第1組曲しか録音してくれなかったので、ちょっと残尿感も残る(?)音盤で。

ビゼーがドーテの「アルルの女」に劇付随音楽をつけたのが、全部で27曲。

初演はイマイチの評判だったし、全作が録音されることは、いまでも極めて稀ですが、ビゼーが自信を持って、それらのなかからセレクトした4曲が、この第1組曲。

メヌエットやファランドールが入ってる第2組曲は、友人で、「カルメン」をレシタティーボ付きの華やかなスタイルに補筆したギローが、作者の死後に選んだものです。
 しかも、フルートの美しいメヌエットは「美しいパースの娘」からの転用であります。

ですから、ビゼーのオリジナルの意思を反映しているのは、第1組曲のみ、ということになり、ここで、若きバレンボイムが、そうした選択をしているのは、ひとつの見識でもあります。

まだフルオーケストラを指揮しはじめて間もない頃のバレンボイム。
ありあまる才気を、そこに爆発させているかといえば、必ずしもそうではなく、思いのほか慎重で、爽やかですらある半面、低音もずしりと響かせ、旋律線も、場面によってはねばりを見せたり、曲に切り込もうとする意欲がヒシヒシと出ております。
 そんな、多面性が妙に面白かった、若いころのバレンボイム。

せっかくのパリ管を使っておきながら、お洒落でも、おフランスでもなんでもない。

でも、このオケの管の独特の華やかさと、美しさは、充分に感じられますよ。
EMIの録音も、ここでは悪くはないです。

前奏曲のサキソフォーンの歌いぶり、アダージェットの美しい表情。
そして、わたくしの大好きな2曲、メヌエットとカリオン。
夢のような中間部が素敵なメヌエットに、輝かしいカリオン。
そして、全曲にわたって、どこか暗い影も漂わせるのがバレンボイムの指揮。

そもそも「アルルの女」の物語は、極めて血なまぐさくて、南フランスの血の濃さ。
たぎる情熱が、まるで、南イタリアのようで、イタリアオペラにいう、ヴェリスモみたいな現実の痴話物語でもあるんです。
チレーアの同名のオペラで、その筋を紹介してますので、あらすじだけでも読んでみてください。バカらしくなります。 →チレーア「アルルの女」

ですから、きれいきれいに仕上げるばかりでなく、そんな暗さをも引き出すのも、指揮者の解釈のひとつかもです。

「アルルの女」にも、いろんな楽しみ方があるもんです。
定番のクリュイタンス、明るい歌の満載のオペラティックアバド、ピュアな爽やかマリナー。
これらも大好きです。

Bizet_barenboim_1

ネットで、オリジナルジャケット見つけました。

懐かしいな。

そして、あたりまえだけど、若いな、バレちゃん。

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コメント

「アルルの女」は、以前、劇の順番に並べなおして、組曲に入っていない曲も含めた抜粋版演奏(朗読付き)を実演で聴いてから印象が一変しました。
特にファランドールなどは、主人公が狂気の行動に出る予兆として聴こえてきて恐ろしい感じでした。
全体に「組曲」とはかなり違った印象でしたよ。
ところで、バレンボイムは未聴盤いっぱいで、手を出し始めたら大変なことになりそうです。でも70年代までの録音はぼちぼちと買っています。

投稿: 親父りゅう | 2014年6月19日 (木) 13時57分

親父りゅうさん、こんにちは。
劇版は、実は音盤もふくめ、まだ未体験ですが、おっしゃるとおりの狂気の予感も含んだ劇性は、ずっと気になっているところでした。

ミンコフスキやロトのCDを入手しようかと思ってます。

バレンボイムの膨大なレコーディングも含めて、このようにして、聴いてみたい音盤は、いつまでたってもキリがありませんね・・・・。

投稿: yokochan | 2014年6月20日 (金) 00時12分

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