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2014年8月22日 (金)

シベリウス 交響曲第3番 ラトル指揮

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相模湾の遠景に、もくもくとした雲。

四季の境目が年々曖昧になってゆき気がします。

春と秋が短く、夏と冬が長くなってます。

そして、イメージは北欧なので、冬がお似合いだけど、真夏のシベリウスも、こうした景色にはいいかも。

Sibelius_sym3_rattle

  シベリウス 交響曲第3番 ハ長調

   サー・サイモン・ラトル指揮 バーミンガム市交響楽団

                     (1985 @バーミンガム)


たまには、帯付きのCD画像を。

これが出た頃は、海外盤は今ほど溢れてなくて、欲しいものは国内盤で買うしかなかった。

CDが世に出た頃は、1枚4,500円もして、それがまた輸入盤の国内仕様みたいなものでした。
そう何枚も買えないから、それこそ何度も何度も同じCDを聴いたものです。

 それが、今現在の激安のCD反乱状態。

安く手に入るのはいいことだけど、音楽の中身そのものまで、お手軽になりすぎては困りもの。
残りの音楽人生、限りある時間ですから、大切に聴いていきたいと、何故かまた思うのでした。

 シベリウスの交響曲の中で、6番と並んで、おとなしい存在の3番。
1907年の作品。
あの2番から5年が経ち、欧州ロマン派的な要素から、一歩も二歩も抜けだし、民族主義的かつ、シンプルな古典的な雰囲気が強くなってます。
 このあとの、晦渋な4番にくらべると、牧歌的・田園的でもあり、ハ長の明るさも調和にあふれてまして、聴きやすい音楽です。

しかし、2楽章、繰り返される北欧的な旋律は、内省的でもあり、4番に通じるものもあります。
弾むような第1楽章は、一度聴いたら忘れられない気持ちよさ。
3楽章形式なので、3つめの終楽章は、このシンプルで可愛い交響曲が、思いきり盛り上がるクライマックスを持ってます。

バーミンガム時代に、30代にしてシベリウスを全曲録音したラトルは、さらにデビュー間もないころに、フィルハーモニアとも5番をロ置く音してます。
ベルリンでもチクルスを行ってますので、いずれ自主制作音源でも出てくるものと思います。

バーミンガムの頃のラトルは、縛られるものもなくて、そのレパートリーも含めて、思うように、やりたい放題一直線って感じだった。
その一方で、若さに似合わない、渋い大人びた音楽造りもする面もあって、面白い存在であり、コンビでありました。
 そんな感じの演奏が、この一連のシベリウスで、リズムのよさと、キレのいい弾みかたは、実に新鮮で、一方で、あっさりとしすぎの踏み込みの弱さもあったりです。
でも、3番は、こんな風な演奏がいいかも。

2018年にベルリンを卒業するラトルは、その時点で63歳。
ベルリンの後の指揮者も気になりますが、まだまだ若いラトルの、その後も気になりますね。
バイエルン、ロンドン、シカゴ・・、妄想は楽しいものです。

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