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2014年8月 9日 (土)

チャイコフスキー 交響曲第5番 メンゲルベルク指揮

Hamamatsucho201408_a

8月の小便小僧は、予想に反して厚着しちゃってますよ。

いえいえ、これはライフセーバーのジャケット姿なんですね。

下に着たボーダーの縞々もかわいいのです。

 

Hamamatsucho201408_b_2

今回の月イチは、チャイ5の番です。

みんなの大好きなチャイ5。

「悲愴」は、たまに聴くと、あぁいい曲だなぁ~と、しみじみ思うのだけれども、5番の方は、始終聴いて、その都度、ワクワクさせてくれ、気分も乗せてくれちゃう名曲だ。

でも、なかには、あれれ??、とか、へなへなっとなってしまう、そんな演奏もあるんですな。

そんな中から、今日は、これ。
しかも暑苦しいよ。

Mengelberg

   チャイコフスキー  交響曲第5番 ホ短調

  ウィレム・メンゲルベルク指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

                     (1928.6 @アムステルダム)


メンゲルベルク(1871~1951)は、ドイツ人を両親に、オランダで生まれた指揮者。

コンセルトヘボウを半世紀に渡って指揮し、コンセルトヘボウのオケを名門に仕立てあげた恩人であります。
このオケに、コクの深さと、重厚さと、濃密な響きをもたらしたのは、ホールの響きにもよりますが、この指揮者の長い治世によるところ。

いまのわれわれの耳で、メンゲルベルクの指揮する音楽を聴くと、思わずズッコケそうになりますが、しかし、一度はまるとヤバイのです。

テンポの異様なまでの動かし方は、許しがたく感じたりもしますが、それが、人の心を引きつけ、揺り動かしたりするようにもなります。
超スローで始まった第1楽章が、徐々にテンポアップしてゆき、ものすごい高まりへと導かれます。
 そのあとは、走ったり、止まったりの繰り返しで、ぼぉ~っとしていらんない。

第2楽章は、これぞまさにメンゲルベルク節炸裂の、大ロマンティック大会。
ホルンのあの主題も、濃厚甘口の味付けで、とろとろにされちまう。
管から、主題が弦に引き継がれると、今度は、大ポルタメント大会。
ネコが、100匹ぐらいいそうなのですよ。
正直、疲れてくるーー
むせび泣きもほどほどにしてほしー。
でも、オモシロい。

意外とまっとうな3楽章ですが、微妙なゆらしは、ここでも健在。
節回しが、丁寧すぎる一方、ぶっきらぼうだったりで、油断も隙もない。

ちょっとやる気なさそうに始まる終楽章ですが、ここで、ぼんやり聴いているととんでもないことになる。
聴いたことないフレーズや、楽器が飛び出してくる。
あげくの果てには、最後のコーダ部分。
思わず拍手してしまう、あの休止のあと。
いきなりの、モットー運命主題が飛び出してきてびっくり。
さらに、盛り上がりのピークでは、シンバル一発!
さらに、びっくり。
そして王道の大フィナーレは、小細工弄せず堂々たるもの。

あーー、お腹いっぱい。

メンゲルチャイコは、もういいや。

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コメント

おおっ!メンゲルベルク大帝ではないですか~。
胃にもたれても、ついつい何度も聴いてしまう、
まるで、麻薬の様な演奏。

もうっ!
BOXモノ引っ張り出してきたくなっちゃったじゃないですか(笑)

投稿: スリーパー | 2014年8月10日 (日) 08時32分

佐藤さん、これはいかんです・・・。
もうやめてほしい、そんな領域です。
でも、なぜかあとひく。

某氏にお借りしてるSP復刻集ですが、ほかの諸盤もやばいです。

水没BOXですか、不死のゾンビのようなCD音源ですね。

投稿: yokochan | 2014年8月10日 (日) 23時05分

yokochanさん

 メンゲルベルクの時代の大指揮者は、大作曲家の名曲に手を入れて編曲するというのは普通だったようですしね。トスカニーニがNYPに着任した時、オケのスコアを見たら前任者のメンゲルベルクが運命のスコアにトロンバーンパートをもう一つ書き加えていたのを見てひっくり返った、というのは有名ですし。ただ、そういうトスカニーニもシューマンの「ライン」を実はかなり書き直していた、ということが遺品のハンドスコアでバレた、ということで、みんなやってるわけですね。この意味でストコフスキーなんかは全く正常なのかもしれません。
 メンゲルベルクは私は英雄の生涯以外あまり聴いたことはありませんが、1940年代のコンセルトヘボウとのこれは意外に聴けましたよ。

投稿: 安倍禮爾 | 2014年8月12日 (火) 00時34分

安倍禮さん、こんにちは。

譜面どおり、厳格主義と思いきや、トスカニーニに、そんなエピソードがあるんですね。
いまでは、まったく受け入れにくいことですが、逆に、いまの耳で聴けば、極めて新鮮(と呼ぶべきか)に聴こえることも事実で、ある意味ネタ的に聴いてしまうところがまたなんとも・・です。

メンゲルベルクは、あとは、マタイをよく聴きます。
すすり泣きが聴こえるという、ロマンティックなマタイは、バッハの音楽の懐の深さと偉大さをも感じさせてくれます。

投稿: yokochan | 2014年8月13日 (水) 07時08分

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