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2014年9月21日 (日)

神奈川フィルハーモニー第302回定期演奏会 キンボー・イシイ指揮

Mm21_20140920

曇り空の涼しい土曜日、9月の神奈川フィル定期は、14時からの開始。

思えば、短時間のプログラムで、その分、たっぷり飲めました(笑)

でも、コンサート終了後は、心がとても暖かくなり、大きな何かに包みこまれたような気持ちにあふれました。

バーンスタインの音楽の包容力と、メッセージ性の強さを痛感したのです。

Kanaphill_201409

  ガーシュイン    「キューバ序曲」

              「パリのアメリカ人」

  バーンスタイン   交響曲第2番「不安の時代」

          Pf:三舩 優子

    キンボー・イシイ 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

               (2014.9.20@みなとみらいホール)

8月は、グラズノフとチャイコフスキーの、真夏のロシアスペシャル。

9月は、ガーシュインとバーンスタインの、初秋のアメリカンプログラム。

いい感じの流れです。

来月は、コルンゴルトとエルガーの、わたくしの最大級のフェイヴァリット作曲家たちのプログラム。そちらは、自作の引用による作品たちと、20世紀中葉の頃の作品というくくり。

こうして、次々に、われわれ聴衆の感覚を刺激してくれるプログラムと、演奏の素晴らしさでもって、感動を与え続けてくれる神奈川フィルです。

3度目の定期登場のキンボー・イシイさん。
アメリカ、ヨーロッパ、日本で活躍中のイシイさんの作りだす音楽は、手堅くも明快、すっきり系で、神奈川フィルとの相性もばっちりでした。

そして、お得意のアメリカものです。

めったに演奏されない「キューバ」序曲は、10分たらずの曲のなかに、キューバン・ミュージックのダンスのリズムが満載の、はじけるような音楽です。
神奈フィル誇る打楽器陣が勢ぞろいして、ボンゴ、マラカス、ギロなどのラテンに相応しい楽器たちが楽しく打ち鳴らされるのは、観て聴いて、ウキウキしてしまうものでした。
惜しむらくは、昼の2時、われわれ聴衆が少し乗りきれなかったことでしょうか。

次の「パリのアメリカ人」とともに、ちょっとアルコールでも入った夜に聴いたりするのがよろしいかと・・・

でも、そんなこといいながら、さすがに神奈川フィル、美しい「パリアメ」でした。
パリアメに美しい・・という表現は、なんですが。
この曲には、明るく楽しい半面、郷愁やちょっとの寂しさも感じるので、こんなきれいで美しい演奏も充分にありなんです。
華奢な弦と、厚すぎない低弦、楽しいソロが満載の木管と金管。
そして、ここでも打楽器の活躍は楽しかった。
 ジーン・ケリーのミュージカル映画「巴里のアメリカ人」を、このガーシュインの曲ゆえ、何度も見たことがありますが、そこに漂うのも、笑いとともに、一抹のさみしさ。
 最後に、ジーン・ケリーが拾う、真っ赤な1輪のバラ・・・、その印象があまりに強いものですから。

そんな残像も、脳裏に浮かぶような、イシイ&神奈フィルのステキな「パリアメ」でした。

 さて、後半は、濃密バーンスタインの音楽。

この曲は、事前によく勉強して、曲のなりたちや背景、構成を頭にいれておかなくては、ただの暗→明の、よくあるピアノつきの交響曲としか受け止めることができません。

かなり以前に、秋山和慶さんがN響を指揮した演奏テレビで見たのが初験。
その後、バーンスタインがベルリン音楽週間で、イスラエルフィルを指揮したもののFM放送を録音し、長くこれを聴いてました。
CDでは、バーンスタインのふたつの自演と、スラトキンの演奏を聴いてます。

ですが、この曲のほんとうの姿、それは、曲の内容の詳細も含めて、これまでロクに知らずにまいりました。
神奈フィルの応援ページで、楽曲案内のお勉強記事を書くこともあって、今回は、相当に聴きこみ、原作のオーデンの詩のこと、CDの英文解説書などじっくり読みこんで、この音楽のなんたるかを手にしてからのコンサート。


 第1部 ①「プロローグ」
      ②「7つの時代」
      ③「7つの段階」

 第2部 ④「追悼歌」
      ⑤「仮面劇」
      ⑥「エピローグ」


こうした2部構成、6つの場面からなる全体が、さらに、第1部を第1楽章、以下、④=第2楽章、⑤=スケルツォ楽章、⑥=終楽章とみなされ、交響曲としての容に収まっている。

こうして緻密に構成された全貌を、しっかりと踏まえて理解させてくれたイシイさんの見通しのよい指揮ぶり。
そして、そこに一糸乱れずついて着いてゆく神奈川フィル。
楽員さんみなさんが、この音楽を感じ取り、バーンスタインの音楽の中に没頭している感が見受けられました。
日々、いろんな曲を演奏し、数日単位で、まったく異なる曲へと切り替えなくてはならない、オーケストラの皆さん。ほんと、尊敬します。
聴き側は、あれこれ言うだけで、ほんと勝手なものです。

そして、さらに素晴らしかった三舩さんの、この曲への打ち込みぶり。
それこそ、瞬間瞬間で変わる楽想や、弾き方のスタイル。
めまぐるしいまでのその進行を、完璧極まりなく手の内にされ、しっかりわれわれにバーンスタインの音楽の面白さを届けてくれました。

第2部の3つの場面の描き分け方も、指揮者・ピアノともに、見事でした。
深刻でヘビーな④、オケの咆哮もシビアで、キリキリしてしまいました。

一点、ジャジーな⑤は、ノリノリでかっこいい
わたしは、体がウキウキ動いちゃいましたよ。
三舩さんの、こういうピアノ最高ですね。
米長さんのコンバスのピチカートもかっこええ。
打楽器群もナイス極まりなし!

そして、来ました終楽章の感動の大団円。
前のブログにも書きましたが、どうしてもユダヤ的な思想が垣間見られるバーンスタインの手口ですが、宗教云々を言う前にそこにある、人間愛。
その讃歌として、この輝かしくも感動的なラストはあるのでしょう。
それを実感できた、素晴らしい演奏ではなかったでしょうか。

終了後、ホールは完全な沈黙の波にのまれました。
静かに、ブラボー一声、献上させていただきました。
聴こえたかな?

Yokohama_brewery

恒例懇親会は、横浜地ビール「驛の食卓」の食卓にて。

午後公演だったので、今回は、お疲れのところ、多くの楽員さんをはじめ、楽団の方にもお越しいただき、さらに、いろんな輪の広がりから、たくさんの皆さまのご参加を頂戴し、新鮮なまさに産直ビールに、神奈川県産の食材の数々の料理を肴に、たいへん楽しいひと時を過ごすことができました。

こんな風に、聴き手と、音楽家のみなさまや、その関係者の方々と親しく触れあうことができること、これもまさに神奈川フィルの魅力ですね

みなさま、お疲れ様でした、お世話になりました。

さぁ、10月は、すごいことになるぞ。

千人、アラベラ、コルンゴルト、エルガー、わたしの大好物ばっかり。
どーしましょう

あっ、新国のパルシファルもあるし・・・・・。
ちゃんと仕事しなくちゃ・・・。

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コメント

今晩は。すみません。私は大変な失態をおかしてしまいました(大汗)。20日付の記事を拝読して、ブログ主様が19日か20日に演奏会をもう観劇されたのではないかと勘違いしてコメントを書いてしまいました。20日の記事は演奏会の前夜祭だったのですね。これではあのクレンペラーを間抜け呼ばわりできませんね。どうも様子がおかしいとは気づいていたのですが…馬鹿なことをしでかして申し訳ありません。不快に思われたのであれば20日のコメントもこのコメントも消してくださっても結構です。本当にごめんなさい。

投稿: 越後のオックス | 2014年9月21日 (日) 21時43分

なにをおっしゃる越後のオックスさん。
不快もなにも、感じませんよ。
いつもありがとうございます。
ゆっくりまたご返信させていただきますので。
全然OKですよ!

投稿: yokochan | 2014年9月22日 (月) 00時59分

こんばんは。
大変ご無沙汰してます。このところ、下手な芝刈りに熱中してました。先週、王子ホールのアルカント泊まりで聴いてきました。大変美音の一言です。かみさんと席を替わって聴きましたが、印象が大きく違いびっくりでした。
パルジファルとサントリーのミドリ・ベルグを聴きに二人で上京します。お小遣い、もう、有りません。かみさんも人が変わってきました。当方には好都合です。

投稿: | 2014年9月29日 (月) 20時14分

mieさん、こんにちは、こちらこそご無沙汰です。
話題のアルカントですね。
一度は、生で聴いてみたいグループです。
シューベルトなんぞ、さぞや素晴らしいことでしたでしょうね。

奥さまとともに、オペラにコンサートに、我が家では想像もつかないことにございます。
なんだか羨ましいです。

投稿: yokochan | 2014年10月 1日 (水) 23時07分

こんばんは。
昨日、パルジファル聴いて来ました。
ヘルリツィウスのクンドリーが受けていました。三列目真ん中と左サイドをかみさんと交代で聴きました。2時から7時半過ぎまで、疲れました。台風関係なく、9時半の新幹線で帰れました。かみさんは初期作品以外は何とか全部聴いた事に喜びを感じているようでした。でも、二幕はクンドリーとパルジファルのかけあいに感激したと言ってました。指揮に後方から少しブーがでていましたが、下品で止めて欲しい物です。

投稿: | 2014年10月 6日 (月) 21時37分

mieさん、こんにちは。
はやくも、パルシファル行かれましたか!!

今回、わたくしもヘルリツィウスのクンドリーを一番期待してます。
とか、いいながら、いまだにチケットありません。
コンサート重なりすぎて、仕事もありつつ、お財布の折り合いもついてません。
いきなり、思いたって行くつもりですが、残席あることを祈るばかりです・・・。

それにしても、奥さまのワーグナー主要作品コンプリートは実にたくましいですね!
素晴らしいです。

そう、いい加減、日本での上演で、同胞、日本人演奏家に対するブーは止めて欲しいです。
お里が知れるというものです・

投稿: yokochan | 2014年10月 7日 (火) 00時32分

こんばんは。先週金曜ミドリのベルグ聴いて来ました。予定では前半二曲目の予定でしたが、後半一曲目でした。これには痺れました。他の曲は楽譜を出してましたが、この曲だけ暗譜で弾きました。凄い気合いを感じました。バッハが緩く感じてしまいました。席は最前列左サイド通路席、半年前先行予約パソコンの前でドンドン消えてゆく席を見ながら、必死で取った席です。かみさんはのんびり電話で取ったといってましたが、しっかり二列目真ん中にいました。

投稿: Mie | 2014年10月14日 (火) 20時23分

Mieさん、こんにちは。
いま、調べましたが、そんな公演があったのですね。
バッハ、ベルク、シニトケ。
素晴らしい演目ですね。
チケットの売れ行きに相応しい名演だったご様子です。
ベルクの協奏曲は、大好きなので、いつか、わたくしも、ミドリさんの演奏で、聴いてみたいです。

投稿: yokochan | 2014年10月16日 (木) 08時03分

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受信: 2014年9月21日 (日) 23時55分

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