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2014年9月 1日 (月)

マーラー 交響曲第3番 アバド指揮

Azumayama_201408_a

8月も終わってしまいました。

本来なら、朝晩に秋の気配を感じつつも、まだまだ夏の日差しを受けて、眩しく、暑い日が続くはず。
今日も、ここ首都圏は、暑い雲に覆われて、雨がしっかり降って、肌寒さすら感じる陽気です。

夏の終わりは、寂しいもの。

夏よ行かないで、まだまだ聴き足りない夏の音楽。

しばらく夏の音楽、いきますよ。

バイロイトやPromsのレビューもしてないし。

Mahler3_abbado

   マーラー 交響曲第3番 二短調 

       Ms:アンナ・ラーション

    クラウディオ・アバド指揮 ルツェルン祝祭管弦楽団
                    アルノルト・シェーンベルク合唱団
                    テルツ少年合唱団

                       (2007.9.19 @ルツェルン)


やばい、泣きまくり。

3番は、最後に向かうほど、うるうるしてきて、最終楽章では、涙腺ほぼ決壊。

なんたって、「愛が私に語るもの」なんだもの・・・・・。

そして、全体を覆う夏の躍動するムードから、かつては「夏の交響曲」とも呼ばれていた3番です。

 この曲を初めて聴いたのは、たぶん、ホーレンシュタインのレコードのFM放送だったかと記憶します。

交響曲なのに、6つもの楽章があるし、1時間40分だなんて、へんてこだ、そんな思いでした。

中学生だった自分。
その後に、メータのレコードの、これまたさわりをFMで。
なんか、かっこいい、そんな思いが出てまいりました。
全貌を知るのは、ベルティーニとウィーン響のFMライブをエアチェックしてから。
滔々と流れる雄大かつ、壮麗なる美の世界にうちのめされました。
ほぼ同じころに、ノイマンの演奏もやはりFM録音しましたが、こちらは快速で、1時間30分。
終楽章が早すぎて、泣かせてくれなかった。

Abbado_mahler_3_d

そして出たのが、アバド&ウィーンフィルの名盤。
すぐさま飛び付き、飽くことなくレコード4面を何度も聴きました。

テンポ感が実にほどよく、全編に流れるウィーン情緒と、オーケストラのマイルドなまろやかさ。そして、アバドならではの鋭い切り口に、敏感なリズム感。
 いまもって、3番の理想の演奏のひとつであります。
前にも書きましたが、自分の結婚式で、最後に会場の下手で、両家が挨拶をする場面で、この曲の終楽章を静かに流しました。
亡き父が、訥々と感謝の言葉述べるなか、流れた「愛が私に語るもの」。
わたくしは、感極まって、思わず、はらはらと涙を流してしまいました・・・・・

いまとなっては、若気の至り、そんなこともあったな的な物語ですが、父の声と、このマーラーの音楽だけは忘れえることない思い出です。

 さて、その後、99年にベルリンと、そして、2007年にルツェルンで、それぞれライブ演奏を残したアバド。
それぞれがまったく素晴らしいのは言うまでもありません。

しかし、すべての点で、申し分なく完璧なのは、ルツェルン盤で、これはもう人知を超えた、超無垢な人間が成し得る蒸留水のような澄み切った演奏なのです。
ウィーン盤は、わたくし自身の若い日々の思いでもたくさん詰まっていて、別格なのですが、このルツェルン盤は、また違う次元で、わたくしの最良の3番となっております。

Abbado_mahler_3_c

この演奏の前年に、日本を訪れて6番の超越的な名演をやってのけたアバドですが、そのときの面持ちそのままに、気力と活力にあふれた指揮ぶりを、こうして最高の画質で味わえる喜びは、なにものにも替えられません。
 豪華なオーケストラのメンバーたちが、喜々として見つめ、尊敬の念でもって、指揮者を見あげつつ夢中になって演奏する姿も、10年に及んだアバド&ルツェルンのコンビの毎度の様子で、それこうして何度も味わえるのも、さらに喜びです。

ときに笑顔を浮かべつつも、異常なまでの集中力と緊張感が全編にわたって満ちあふれている。
アバドのすごさです。

Abbado_mahler_3_a

この曲の独唱のスペシャリスト、ラーションのクリアでありながら、深々とした歌唱は、オーケストラメンバーと同じく、アバドの指揮のもとに、一体化しております。
彼女は、舞台袖や奥でなく、指揮者の前で歌います。
しかも、1楽章からずっと、そこにあって、マーラーの3番に耳を傾け、演奏に参加しております。
ラーションは、最後の楽章も、ずっと聴いていて、演奏終了後、感極まって涙ぐんでます。

長い静寂ののちに、ブラボーは静かなうねりのように広がり、会場は大きな拍手へと飲まれてまいります。

 そして、この演奏を視聴していた自分も、泣いておりました。

今年、アバドとの別れが突然にやってきました。

この3番も、自分として追悼の念をもって何度か聴きましたが、ウィーン盤のみ。

いま、こうして、ルツェルンのライブ演奏を死後初めて聴き直しました。

しかも、季節は夏から秋へと向かうさなかに。

この映像を見て、同じアングルで、涙にくれた演奏を思いだしました。

4月に、同じ会場で行われた、「アバドを讃えて」という追悼演奏会。

この終楽章が演奏され、オーケストラのメンバーは、涙にくれ、会場の聴衆も、泣き、そして祈るような面持ちとなりました。

Abbado_mahler_3_e


愛する人を思い、そして愛情とともに、思い起こすことのできる、そんな音楽が、この交響曲の終楽章です。

わたくしが逝ったあとに、「愛が私に語るもの」を流してもらいたい。

 過去記事

「アバド&ウィーンフィル」

「アバド追悼演奏会~アバドを讃えて」

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コメント

マーラーの交響曲の中で一番気に入っているのは3番と6番です。嫌いなのは2番です。中学生時代、FMでバーンスタインNYPで初めて耳にしました。最後のティンパニの連打、凄かったです。手にした3番の最初のLPはホーレンシュタインLSOでした。その後手元には25種のCDがあります。実演を耳にしたいと願うものの、やっとかなったのは最近。佐渡裕/PAC&マーラーチェンバーズと大植英次/大フィルの演奏でした。我が家の再生装置はかなりいい音がしますが、ホール中に溢れる生の音の迫力には負けてしまいました。終楽章はやっぱりいいですね。

投稿: ornellaia | 2014年9月 2日 (火) 10時53分

8月30日、サントリーで「暦年」を観、数日前、Eテレのヤマカズ=スイス・ロマンドのアンコールの素晴らしさ(シュレーカーの舞踊劇「ロココ」~マドリガルでありました!)に、CDを購入して悦に入っている俗物生活です。

「愛する人を思い、そして愛情とともに、思い起こすことのできる、そんな音楽が、この交響曲の終楽章です。

わたくしが逝ったあとに、「愛が私に語るもの」を流してもらいたい。」

そうなんだなぁ・・・。残念ながらアバドのライヴで聴くことがなかった第3番でしたが、ヤンソンス=RCOの演奏は、一生の宝物ですね。
1時間20分近く、ひたすら美しい音楽に身を任せ、その果てにたどり着くフィナーレのアダージョこそ、マーラーの音楽の中で最も幸福な音楽ではないかと思います。

でも、yokochanさん、まだ「先」のことは言わないでくださいね。

来月、神奈川県民ホールでお会いできる日を楽しみにしておりますよ。

投稿: IANIS | 2014年9月 2日 (火) 22時27分

ornellaiaさん、こんにちは。
3番と6番、さすがですね。
1,2,5,6,9あたりが、いまのファンの好きな番号でしょうか。
わたしは、優柔不断なもので、聴いたその番号が、そのときの好きな番号になったりで、浮気症なんです。
 それにしても25種の3番。
素晴らしいですし、CD棚に並ぶさまはきっと壮観ですね。
わたしは、アバドばっかりの昨今の3番ですが、新しい演奏を知らず、井の中の蛙状態だと思ったりもしてますので、また、いろんな演奏をご教示いただけると幸いです。

そして、ライブをお聴きになられた由。
マーラーほど、実演の素晴らしいさを味わえる作曲家はおりませんね。
そして、長い作品を締めくくる終楽章の素晴らしさには、言葉がありません。

投稿: yokochan | 2014年9月 3日 (水) 22時46分

IANISさん、まいどです。
相変わらず、旺盛な活動ぶりに、頭が下がります。
神奈川フィルのみの日々で、それはそれ、大満足であります。

この映像を何度も繰り返し見て、ほんとうは、6番の方にこそ、アバドは愛を注いでいるのかも、と逆説的に感じたりもしましたが、それでも、この長大な作品を弛緩せず、わがものとして指揮する姿は感動的でありました。

ころころ、今際の音楽は変わりますが、この終楽章はいまのところ確定です(笑)
わたしも、アバドの3番の実演は聴き逃しましたが、それを補ってあまりあるあの6番をご一緒できましたね。
来月の8番。
よろしくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2014年9月 3日 (水) 23時00分

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