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2014年9月30日 (火)

ブラームス ルツェルン祝祭管弦楽団

Abbado_lucherne

ルツェルンのカペル橋。

そして、アバドの指揮姿と、ルツェルン祝祭管弦楽団のメンバーたち。

こちらは、2006年来日公演のゴージャスなプログラムから拝領いたしました。

亡きマエストロの創設スタートしたルツェルン祝祭管弦楽団のこの夏の演奏会がNHKで放送されました。

10年間、マーラーとその周辺の音楽をずっと取り上げ続けてきたアバドが、ブラームスのチクルスに取りかかろうとした2014年。

その意思を次いで、同じプログラムを引き継いだのが、アンドリス・ネルソンスでした。

Nelsons_4

  ブラームス   セレナード第2番 イ長調

            アルト・ラプソディ

              Ms:サラ・ミンガルト

            交響曲第2番 ニ長調

   アンドリス・ネルソンス指揮 ルツェルン祝祭管弦楽団
     
                 (2014.8.15.16 @ルツェルン)


いつもとほぼ同じルツェルンのメンバーに、お馴染みのホールの景色。

でも、指揮台には、アバドではなくネルソンス。

寂しいです。

そして、アバドの代役がネルソンスと発表されたときは、正直、がっかりしたものでした。
ハイティンクか、ムーティ、ヤンソンスがいいと、心の中で思っていましたから。

ネルソンスが受けたプログラムが、こちらの開幕コンサートと、ポリーニを独奏者とする、ピアノ協奏曲第1番と交響曲第3番。
おそらく、来年に、残りの協奏曲と交響曲を取り上げて、本来なら、アバド3度目のブラームス全集が完成するはずでしたのに・・・・・。

 期待せずに聴きだしたネルソンスのブラームス。

これがまあ、いいじゃないですか。

全体を覆う大らかさは、このふたつの2番の作品にぴったりの雰囲気で、しかも、音楽の表情がとても生き生きとしいて、聴きなれたこれらの曲が、いま生まれたばかりの新鮮な感覚をもって聴こえてくる。
ネルソンスが、譜面から感じとった音楽が、この優秀なオーケストラから、そのまま出てきているみたい。

素晴らしかったのは、やはり交響曲のほう。
なかなかにたっぷりと鳴らしているものの、音楽は軽やかさを失わずに、音色も明るくて、若々しい。
アバドだったら、さらにもっと軽やかに歌いまくるかもしれなかった2番だけど、2楽章の思わぬ憂愁も悪くはない。かなりしっとりやってます。
 そして、終楽章では、テンポアップの爆発は起こさず、音楽の流れに任せた自然な盛り上がりでもって、見事なフィナーレを築きあげました。

Nelsons_2

気持ちのいい第1楽章に代表されるように、ネルソンスの音楽作りは、息使いが自然で、抒情も劇性もそれぞれに、あるべき姿で表現され、無理がなく、気がつくと、こちらも彼の音楽に乗せられている感があります。

デビュー間もないころは、指揮姿がヤンソンスそっくりの、爆演系かと思いこんでいたら、そうでもなかった。
バイロイトでの「ローエングリン」は、あのヘンな演出だけど、音楽だけを聴くと、極めてまっとうで、美しい限りの演奏でありました。
歌い手や、演奏者も、きっとやりやすいであろうネルソンスの指揮なのです。
 ですから、オペラが非常によろしい。

Nelsons_3

アバド亡き、ルツェルンの指揮台を、大先達の名に恥じぬ名演でもって飾ってくれたネルソンス、堂々の45分でした。

追悼コンサートでのマーラー3番も素晴らしかった。
今年のプロムスの放送で聴いた「戦争レクイエム」も緊張度の極めて高い名演だった。

ボストンでの活躍も、きっと約束されたようなものでしょう。

好調期に入ったと思われるネルソンス。

でも、ルツェルン祝祭管が今後、継続するとして、ネルソンスでは役不足ですな。
来年もブラームスをやるならネルソンス。
もうやらないなら、ハイティンクが短期間継いで、あとは、ラトルかな?

アバドのもとに集まったオーケストラだからどうなのかな?

アバドの薫陶を受けた指揮者や、仲のよかった指揮者たちで、というのもありかな。

天国のマエストロ、にこにこ見守ってるだろうな・・・

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コメント

yokochanさん

 そうですか。ネルソンスではちょっと荷が重いかな?
 もう少し大物を連れてきた方がいいかもしれませんね。私もこの番組を録画しましたが、ブラームスの交響曲第2番は、なかなか悪くなかったですね。まあ、アバドと同じレベルでやるのは誰にとっても非常に難しいですが。
 ルツェルンは昔行って、焼ける前のこの橋を観たのを忘れません。

投稿: 安倍禮爾 | 2014年10月 1日 (水) 01時03分

安倍禮爾さん、こんにちは。
夏の音楽祭シーズンでしたから、スケジュール調整も考慮してのことだったのでしょうね。
ネルソンスは、ルツェルンの二つのプログラムの間に、ロンドンへ飛んで、プロムスで「戦争レクイエム」を指揮してます。
ほぼ1週間の間のことです。
まだまだ、伸び盛りの指揮者ですね。

わたくしも、焼失の前年に、この橋を渡りました。
ルツェルンの街は、ほんと素敵ですね。

投稿: yokochan | 2014年10月 1日 (水) 23時14分

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