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2014年11月10日 (月)

石田泰尚・山本裕康 デュオ・リサイタル in建長寺Ⅲ

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鎌倉の建長寺。

奥に長く、広い境内は、まだこのあたりは序の口の山門です。

この先の方丈にて、今回が3度目となる、神奈川フィルの誇るふたり、コンサートマスターの石田泰尚さん、首席チェロの山本裕康さん、おふたりのデュオコンサートが行われました。

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こんな感じのセッティングで、三方を取り囲むように、わたくしたち聴き手は、後ろの方は3人掛けの椅子席、畳の上は、座布団に思い思いに座ってのコンサートです。

そして、場所が場所ですから、経文が配布され、みなさまで読経。

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正座して、頼りない声ですが、お声を発して、清々しい気持ちになり、いよいよコンサートです。

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ぎっしり満席。

350人前後でしょうか。

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  ベートーヴェン 3つの二重奏曲より、第1番

  バッハ       無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV1007

            無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第1番 ロ短調 BWV1002

  グリエール   ヴァイオリンとチェロのための8つのニ重奏曲

  ヘンデル     パッサカリア (アンコール)

         Vn:石田 泰尚

         Vc:山本 裕康


                 (2014.11.9 @鎌倉 建長寺)

初めて聴きました、ベートーヴェン22歳の頃の作品といわれる二重奏曲。
クラリネットとファゴットによる作品が原曲で、このように、ヴァイオリンとチェロで演奏されることも多々あるそうです。(Musician's Partyの寺田さんの解説より)
 しかも、ベートーヴェン自身の作かどうかも、まだ定まっていないといいます。

若きベートーヴェンらしい、抒情とうららかな優しさに満ちた桂曲に聴きました。
まだ、手慣らし程度、軽いタッチで合わせた、名手のふたりの素敵な演奏でしたよ。

ついで、山本さんのソロで、無伴奏の1番。

あの冒頭を聴いた瞬間に、時間は、歴史ある方丈の空間に止まり、山本さんの奏でるバッハの音楽のみが、その空間を淡々と埋め尽くしてゆくのに感じ入りました。

おわかりいただけると思いますが、こうした、木造と畳、そこそこ厚着をした、多くの聴き手で満たされた、お堂の中は、音は響きにくく、デッドです。
そのかわり、わたくしたち聴き手には、ストレートに音のひとつひとつが届きます。
 しかし、この日、山本さんも語っておられましたが、演奏する側は、音を響きとして受け止められないので、たいへんに苦慮してしまう。

でも、ごめんなさい、聴き手ですから、この荘厳なる雰囲気も相まって、素晴らしいバッハを堪能しました。
CDで、何度も聴いてる山本さんの無伴奏ですが、回を増すごとに、音楽への切り込みと、集中力を増しているように思います。
日々、鍛練怠りない、まさにプロの技を、こうして、和の空間で味わう喜びは、筆舌に尽くしがたいものです。

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休憩中に、ストレッチに育む方をパシャリ!

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廊下を渡って、方丈の庭園を。

静謐な心持で、後半の、今度は、ヴァイオリンの無伴奏を。

石田さんが、いま取り組んでいるバッハの無伴奏。

一夜で、全6曲を演奏するコンサートも、12月に控えてます。

さっと、登場し、淡々と弾き始めるその音色は、いつもの石田サウンド。

優しくて、鋭くて、繊細で、でも、強い求心力をもってる。

でも、さすがに、この場所では響かない。

わたくしの場合、ヴァイリンの無伴奏は、レコード時代、教会で録音されたアーヨ盤に親しんだものですから、音の響きの按配に、もどかしさを覚えました。
でもさすがの石田さんですよ、ともかく美しいバッハ。
静々と迫ってきました。

途中途中で、チューニングに細心の中止を払ってました。
音が自分でつかめてないのかと思ったら、この方丈内は、人いきれもあるし、山の中腹だから、寒暖の差が激しく、外と内で温度差が激しい。
実際、蒸し暑かった。
そう、湿気だったようです。

最後は、初聴きのグリエールの作品。
グリエールは、ロシアの後期ロマン派で、その濃厚サウンドがお気に入りの作曲家ですが、この8つの作品も、ほんと、気にいりました。
完全に性格の異なる8つの小品の集まりですが、それぞれにみんな可愛いし、抒情的だし、ロシアならではの歌にもあふれてます。
 こんなような曲が、もしかしたら、この場所には、トーン的にはよかったのかもしれません。
次の、このコンビの定番、ヘンデルとともに、まったく間然とすることなく、熱気もはらみながらの素晴らしい演奏でした。

 音のこと、あれこれ書きましたが、でもですよ、でもでも、こうした場所で、音楽が聴ける。
しかも、お馴染みの方々の演奏で。
こんな素晴らしい企画は、これで終わりにならずに、この先もずっと続いて欲しいです。

そんなこんなを、わいわい話しながら、音楽堂チームと、今回手分けして、聴いた仲間のみなさんと、大船へ繰り出して、ナイスな居酒屋で楽しく一杯beer

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主催された如水会鎌倉支部、北鎌倉湧水ネットワークのみなさん、ミュージシャンズ・パーティさま、そして鎌倉市、建長寺、神奈川フィルの、それぞれみなさん、ありがとうございました。

そして、なにより、石田さん、山本さん、最高ですぜsign01

みなさま、おつかれさまでした。

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コメント

Yokochanさん

 何と風流な!、建長寺で無伴奏を!。羨ましいですね。このバッハの無伴奏曲は、ヴァイオリンもチェロも、独自の無我の境地(?)にいざなってくれる曲集で、私も先日ビルスマの新しい方を聴いたばかりです。最近マイスキーの新しい方を買いましたので、これもじっくりと聴きたいですね。
 ただ、おっしゃる通り、お寺の本堂でこれらの曲を聴くのは、やはり音響効果は難しいでしょうね。聴く方はそのつもりで聴くだけですがね。

投稿: 安倍禮爾 | 2014年11月11日 (火) 00時43分

安倍禮爾さん、こんにちは。
そうですね、このような歴史的建造物で音楽が楽しめる。
しかも、バッハですから、その雰囲気はご察しのとおり、音楽に集中してくると、まったく陶酔境にございます。

そして、やはり音響の面では、厳しい点、ご指摘のとおりです。
でも、それを差し引いてもなお、素晴らしい体験となりました!

投稿: yokochan | 2014年11月11日 (火) 20時19分

この取り合わせは、何とも興味深いですね!お能の舞台と無伴奏も、もしや意外と相性がイイかもしれないと思ってしまいました。そんな取り合わせが実現すれば、もちろんブリテンの無伴奏チェロも加えて頂きたいものです!

投稿: Booty☆KETSU oh! ダンス | 2014年11月20日 (木) 21時48分

Booty☆KETSU oh! ダンスさん、こんにちは。
神社仏閣系プラス能舞台、ご指摘のとおり、バッハにはぴたりと符合するものがありますよね。
能といえば、ブリテンですし、ブリテンもいけますよ、絶対!

投稿: yokochan | 2014年11月22日 (土) 16時53分

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