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2014年11月 2日 (日)

チャイコフスキー 四季 アシュケナージ

Tokyotower20141028

晩秋の東京タワーの夕暮れ。

すっかり、秋冬バージョンとなりました。

そして、夏バージョンは。

Tokyotower_8m

すっきり、見通しもいい感じの夏姿の東京タワー。

すけすけ感が、涼しげですよね。

こうした、照明プロデュースをする企業が、我が邦には、しっかりあって、かつては考えにくかった芸術・商業ジャンルを切り開きましたね。

四季が、しっかりあって、それぞれの機微に敏感なわたくしたち日本人。

その感性こそが、いろんな想像力をそだて、育むんだと思います。

この日本の美しい四季が、世界の人々を魅惑し、多くの訪問客を産んでいるのですね。

近隣のふたつの国が、どうあがいても、逆立ちしても及ばないこと、それは、日本の美しい四季ですよ!

Tchaikovsky_seasons

     チャイコフスキー  「四季」

      ウラディミール・アシュケナージ

              (1998.12 @ベルリン)


チャイコフスキーの「四季」は、ピアノによる12ピースの小品集。

ヴィヴァルディの四季は、協奏曲集。
ハイドンの四季は、オラトリオで規模の大きい声楽作品。
真夏に、神奈川フィルで聴いたグラズノフの四季は、バレエ音楽で管弦楽曲。

それぞれの「四季」が、それぞれにいろんな形式と、作曲家たちの生国の四季に、しっかりと寄り添った特徴ある季節を描いていて、その聴き比べも楽しいものです。

しかし、ロシアとイタリアの違いは、あまりに大きいですね。

1875~76年にかけて、チャイコフスキー35歳の作品。
有名どころでは、ピアノ協奏曲第1番の頃ですね。

月刊誌Nouvelliste(小説家)に掲載するために、作曲され、年間各月、1月から12月までを、ロシアの詩人たちの詩に基づいて、連続して書かれ、12の互いに結びついたような素敵な小品集が生まれました。

   1月 「炉端にて」              プーシキン

   2月 「謝肉祭」               ヴァゼムスキー

   3月 「ひばりの歌」            マイコフ

   4月 「松雪草」               マイコフ

   5月 「白夜(五月の夜)」       フェート

   6月 「舟歌」              プレシチェーエフ

   7月 「草刈りの人の歌」       コリツォフ

   8月 「収穫の歌」           コリツォフ

   9月 「狩りの歌」           プーシキン

  10月 「秋の歌」            トルストイ

  11月 「トロイカ」         ネクラーソフ

  12月 「ノエル(クリスマス)」 ジュコーフスキー


 12か月が、ときに、日本の四季とも合致するタイトルたちで、いずれも詩的で、夢見るような雰囲気は、いかにもチャイコフスキー。
そして、チャイコフスキーのバレエ音楽の世界です。

ですが、さすがに、日本の四季と、どうみても、そして、どう聴いても違うのは、陽気な2月の「謝肉祭」、日本は、豆まきの鬼退治?

あちらでは、初夏のように迎える、日の沈まない白夜の5月は、日本では、春から夏の陽気のいい季節で、夜の音楽の様相ではないですね。

この曲集で、一番有名で、ロマンティックな6月の「舟歌」は、哀愁たっぷりで、日本の鬱陶しい梅雨の季節とは明らかに違う憂愁です。
美しい音楽です。

7,8月は、収穫の秋のような題材となってますが、これはロシア旧暦によるものなので、先取りのかたちになってますが、それでも、季節は冬に向けて早い足取りです。

9,10月は、われわれにも親しい、ちゃんとした秋で、ことに「秋の歌」は、儚さも感じるもの憂いムードですよ。

のこり二つの章は、まさに冬。
ロシアの冬は、閉ざされたように長い。
11月から、ムードとしては、4月まで。

日本の四季との違いを、書いてみましたが、このチャイコフスキーのこれらの桂曲は、まさにそのタイトルを感じさせる、そのとおりの音楽たちです。

そのどれもが、二部構成で、音楽的にも、互いに結び付きがあって、12曲が、大曲的には、大きなひとつの作品としても、巧みに構成されています。
 劇音楽家、シンフォニストとしての大家、チャイコフスキーならではの、優れた作品ですね。
きっと、みなさん、その懐かしいまでの雰囲気に、これ、聴いたことがある、といった既聴感にもとらわれることでしょう。

ガウクがオーケストレーションした版は、まだ聴いたことがありませんが、まさに、オケ向きの原型です。
でも、わたくしは、ピアノによる、ロマン溢れる演奏で、あれこれ、ロシアの自然やら、日本の四季やらを、思いめぐらすのが好きです。

 指揮者としては、いまでも、なんともやら的なアシュケナージさんですが、かねてのむかしより、ピアニスト、アシュケナージは、完璧な存在です。
繊細でリリカルで、強鍵にもことかかない、その多彩な表現力は、一律的な指揮活動とは大違いの感。
ともかく、素晴らしいピアノです。

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コメント

yokochanさん

 これって元々ピアノ曲だったんですか。管弦楽版はアレクサンドル・ガウクによるもの?、知りませんでした。管弦楽版しか持ってません。CDがすぐには見つかりませんが、見つけて見直してみましょう。

投稿: 安倍禮爾 | 2014年11月 3日 (月) 01時19分

安倍禮爾さん、こんにちは。

わたくしは、逆にピアノ作品しか知りませんで、スヴェトラーノフ指揮のオケ盤が出た時はびっくりしました。
ピアノ版は、ともかくステキで、懐かしい感じがたまりませんよ。
是非、お聴ききください。

投稿: yokochan | 2014年11月 3日 (月) 23時09分

今日は。ご無沙汰しております。ブログは毎日拝読しております。東日本大震災、S河内事件、アバド氏逝去など公私ともに辛いことが重なっても不死鳥のように立ち直ってはブログを更新されて読み手を楽しませてくれるブログ主様は本当にすごい方だと思っております。
 チャイコフスキーは読書家だったようですね。マーラーもそうですが。チャイコがこの曲集であげている作家で私が知っているのは、プーシキン、トルストイ、ネクラーソフだけです。私が聴いているチャイコの四季はスヴェトラさんが指揮したガウク版だけです。アシュケナージが弾いた原曲のCDがあったのですね。これは聴かないと…でも今、CDを買うのは自主規制中なのです。これ以上未聴CDと未読本の山を築くのが怖くなりました(笑)。
 余談ですが、この齢になってモーツァルトの交響曲をやっと全部聴きました。ベーム、マリナー、ホグウッドをはじめ、6セットもの全集を持ちながら、どれも全部聴いていないという情けない状況でしたので…初期はピノック、中期はマッケラス、後期はベームとガーディナーを中心に聴きました。モーツァルトが交響曲作家として成長していく過程が分る面白さがありました。でもあの17枚組70曲以上収録という化け物のようなホグウッドの全集はまだ全部聴いてはいないです…

投稿: 越後のオックス | 2014年11月 4日 (火) 10時52分

越後のオックスさん、こんにちは。
コメントご返信したつもりが、飛んでました。
酔ってたもので、すいませんでした・・・・。

スヴェトラさんのオケ盤の宣伝ページが刷り込みで、しかも、グラズノフといっしょくたになってしまい、ピアノのオリジナルをちゃんと聞いたのは、ほんの数年前のことです。
 まったくいい曲ですね。
こういうピアノは、アシュケナージ、一番、安心です。

そして、モーツァルトの交響曲ですか。
恥ずかげもなく宣言しますが、わたくしは、後期と、有名作品しか知りません。
こうした探究心は、貴殿には毎度叶わず、刺激されっぱなしですよ。
きっと、知らずに、去ることになるかもしれませんが、でも、ハイドンはともかく、モーツァルトは、一度は全部聴かなくてはなりませんね。

思い出したように更新するようになってしまいましたが、ブログは生活習慣の一部ですので、これからもがんばります!
お誉めのお言葉、ありがとうございます。

投稿: yokochan | 2014年11月10日 (月) 23時04分

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