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2014年11月30日 (日)

バッハ ゴールドベルク変奏曲 シュタットフェルト

 Gaien_a

神宮外苑のいちょう並木。

連日晴れていたのに、土曜の午前は、よりによって厚い雲に覆われる曇天でした。

それでも、地面に降り積もった黄色い葉と、曇り空でも、上からは黄色い光が舞い降りてきて、目にも優しく、歩道の散策も楽しいものでしたね。

Bach_goldberg_stadferd

  バッハ   ゴールドベルク変奏曲

     Pf:マルティン・シュタットフェルト

             (2003.10 @カイザースラウテルン)


最近、よく眠れない。

夢ばかり見て、寝た気がしないうえ、朝、やたらと早く起きてしまう。

酒を飲んだ晩も、飲まない晩も、みんなおんなじ。

だから、電車に乗って座ったら即寝。
昼食べたら、パソコンのまえで、うつらうつら。
いかん悪循環。

そんないまの自分に、ぴったしの音楽が、なんといっても「ゴールドベルク」。

ただ、ワタクシは、この曲の作曲を依頼したカイザーリンク伯爵のように不眠ではありませんよ。
ちゃんと寝てるけど、目ざめが早すぎなだけ。

この曲、もう何度か取り上げてるし、いつもその内容は、同じようなことを書いてます。

あらためて、バッハのこの作品の緻密さと、全体が網の目のように、互いに結びつけあっているという完璧な統一感、それらを実によく解らせてくれる演奏で。

10年前の録音ですし、もう、多くの方がお聴きかもしれません。
わたくしは、ビジュアル的にも、売り出し方が気にいらず、どこぞの若造・・・・的な、偏向反応で、遠ざけておりましたが、彼のCDをいくつか入手したのは今年に入ってのことでした。

その彼の名は、マルティン・シュタットフェルト。

1980年、ドイツ、ゴブレンツの生まれ。
録音時23歳、現在は34歳の若手。

97年、ルービンシュタイン・ピアノコンクール優勝
01年、ブゾーニ国際ピアノコンクール入賞
02年、バッハ・コンクール優勝
そして、03年の、この録音。

若さに似合わぬほどの巧みな語り口と、全体を見通した考え抜かれた表現力。
でも、一方で感じさせる、奔放なまでの若さの爆発という眩さ。
才気走ったところを感じさせずに、強い説得力を鮮やかな手口でもって披歴。

テンポや、表情は、ときに動きますが、それが、グールドのような感性的、突発的なものでなく、知的に考え抜かれたものと感じます。

最初と最後におかれたアリアが、それぞれに、異なる味付けでもって、嫌味なく滔々と奏されます。
楚々と展開するカノンのあと、変奏の中央に位置する16番目の序曲をきっぱりと弾いたあとの後半。
この前半と、後半の鮮やかな対比は、バッハの意図を見事に表出しているかと思います。

わたくしには、ひとつひとつの変奏を個々に楽しめる個性的な演奏だし、全体を見渡して作品の緻密さに感じ入ることもできる、いわばマルチな演奏でもありました。

今のところ、ドイツ系の音楽ばかりのシュタットフェルト氏ですが、ショパンやフランスものなんかどうでしょう。

これからも注目の若手ですね。

 過去記事

「マレイ・ペライア盤」

「ピーター・ゼルキン盤」

「レオンハルト盤」

「リヒター盤」

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コメント

こんにちは、ご無沙汰してます

>最近、よく眠れない。

夢ばかり見て、寝た気がしないうえ、朝、やたらと早く起きてしまう。
酒を飲んだ晩も、飲まない晩も、みんなおんなじ。

あはは、、
私もまったく同じです
加齢によるものでしょう、仕方ないとあきらめましょう(^_-)-☆

ゴルドベルク変奏曲を昼間に聴くと眠くなるのですが
夜に聴いても効果がありません
世の中、うまくいかないものです(・_・、)

投稿: パスピエ | 2014年12月 1日 (月) 16時09分

パスピエさん、こんにちは。
こちらこそ、ご無沙汰してまして恐縮です。

ひぇ~、やっぱりそうだったのですねぇ~
認めたくない自分でしたが、もう甘んじて積極的に受け止めるしかないですね(笑)

この演奏が気にいって、朝に晩に何度も聴きましたが、眠くなりませんでした。。。

投稿: yokochan | 2014年12月 2日 (火) 09時17分

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