バッハ ゴールドベルク変奏曲 シュタットフェルト
神宮外苑のいちょう並木。
連日晴れていたのに、土曜の午前は、よりによって厚い雲に覆われる曇天でした。
それでも、地面に降り積もった黄色い葉と、曇り空でも、上からは黄色い光が舞い降りてきて、目にも優しく、歩道の散策も楽しいものでしたね。
バッハ ゴールドベルク変奏曲
Pf:マルティン・シュタットフェルト
(2003.10 @カイザースラウテルン)
最近、よく眠れない。
夢ばかり見て、寝た気がしないうえ、朝、やたらと早く起きてしまう。
酒を飲んだ晩も、飲まない晩も、みんなおんなじ。
だから、電車に乗って座ったら即寝。
昼食べたら、パソコンのまえで、うつらうつら。
いかん悪循環。
そんないまの自分に、ぴったしの音楽が、なんといっても「ゴールドベルク」。
ただ、ワタクシは、この曲の作曲を依頼したカイザーリンク伯爵のように不眠ではありませんよ。
ちゃんと寝てるけど、目ざめが早すぎなだけ。
この曲、もう何度か取り上げてるし、いつもその内容は、同じようなことを書いてます。
あらためて、バッハのこの作品の緻密さと、全体が網の目のように、互いに結びつけあっているという完璧な統一感、それらを実によく解らせてくれる演奏で。
10年前の録音ですし、もう、多くの方がお聴きかもしれません。
わたくしは、ビジュアル的にも、売り出し方が気にいらず、どこぞの若造・・・・的な、偏向反応で、遠ざけておりましたが、彼のCDをいくつか入手したのは今年に入ってのことでした。
その彼の名は、マルティン・シュタットフェルト。
1980年、ドイツ、ゴブレンツの生まれ。
録音時23歳、現在は34歳の若手。
97年、ルービンシュタイン・ピアノコンクール優勝
01年、ブゾーニ国際ピアノコンクール入賞
02年、バッハ・コンクール優勝
そして、03年の、この録音。
若さに似合わぬほどの巧みな語り口と、全体を見通した考え抜かれた表現力。
でも、一方で感じさせる、奔放なまでの若さの爆発という眩さ。
才気走ったところを感じさせずに、強い説得力を鮮やかな手口でもって披歴。
テンポや、表情は、ときに動きますが、それが、グールドのような感性的、突発的なものでなく、知的に考え抜かれたものと感じます。
最初と最後におかれたアリアが、それぞれに、異なる味付けでもって、嫌味なく滔々と奏されます。
楚々と展開するカノンのあと、変奏の中央に位置する16番目の序曲をきっぱりと弾いたあとの後半。
この前半と、後半の鮮やかな対比は、バッハの意図を見事に表出しているかと思います。
わたくしには、ひとつひとつの変奏を個々に楽しめる個性的な演奏だし、全体を見渡して作品の緻密さに感じ入ることもできる、いわばマルチな演奏でもありました。
今のところ、ドイツ系の音楽ばかりのシュタットフェルト氏ですが、ショパンやフランスものなんかどうでしょう。
これからも注目の若手ですね。
過去記事
「マレイ・ペライア盤」
「ピーター・ゼルキン盤」
「レオンハルト盤」
「リヒター盤」
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コメント
こんにちは、ご無沙汰してます
>最近、よく眠れない。
夢ばかり見て、寝た気がしないうえ、朝、やたらと早く起きてしまう。
酒を飲んだ晩も、飲まない晩も、みんなおんなじ。
あはは、、
私もまったく同じです
加齢によるものでしょう、仕方ないとあきらめましょう(^_-)-☆
ゴルドベルク変奏曲を昼間に聴くと眠くなるのですが
夜に聴いても効果がありません
世の中、うまくいかないものです(・_・、)
投稿: パスピエ | 2014年12月 1日 (月) 16時09分
パスピエさん、こんにちは。
こちらこそ、ご無沙汰してまして恐縮です。
ひぇ~、やっぱりそうだったのですねぇ~
認めたくない自分でしたが、もう甘んじて積極的に受け止めるしかないですね(笑)
この演奏が気にいって、朝に晩に何度も聴きましたが、眠くなりませんでした。。。
投稿: yokochan | 2014年12月 2日 (火) 09時17分