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2014年11月 3日 (月)

プッチーニ トスカ マゼール指揮

Yokohama_kaikou

横浜の開港記念館。

10月末から、11月の連休にかけて行われた、横浜スマートイルミネーションでのひとこま。

ふだんのライトアップは、暖色系のオレンジのみ。

今回は、パープル系。

横浜三塔のほかのニ塔も、美しく染められてました。

いつもは、再褐ですが、これ。

Kaikoukinenkan

今夜は、横浜の街に似合うと、勝手に思ってる、プッチーニを、変わり種で。

Tosca_maazel


    プッチーニ  「トスカ」 ハイライト ドイツ語版

  トスカ:アニア・シリア      カヴァラドッシ:ジェイムズ・キング
  スカルピア:ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ
  スポレッタ:ピエロ・デ・パロマ 

   ロリン・マゼール指揮 ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団
                  ローマ聖チェチーリア音楽院合唱団

                     (1966 @ローマ)


ドイツのオペラハウスでは、かつては、イタリアオペラも、フランスオペラも、ドイツ語で歌い演じることがあり、同様に、イタリアでは、ワーグナーもイタリア語上演したりしていた時代がありました。

いまでは、考えられないことですがね。

日本も同様、70年代までは、日本の劇団によるオペラ上演は、日本語訳で歌っておりました。
わたくしのオペラ体験初期の頃は、みんなそんな感じでした。
オテロも、ファルスタッフも、ヴォツェックも、みんな日本語。
でも、ワーグナーは、独語上演だった。

いまは昔のおはなしです。

そして、60年代を中心に、DGやデッカ、EMIは、独語によるオペラハイライト盤を、多数録音しておりまして、その歌手たちも、ドイツ系が中心で、ふだん、ワーグナーやモーツァルトを歌っているような強力な歌手たちが、ヴェルディやロッシーニ、ドニゼッティなどを軽やかに歌っていて、思わぬ貴重な音源となっているのでした。

マゼールのユニークな「トスカ」は、すでに取り上げました→トスカ

全曲盤は、ニルソン、コレッリ、フィッシャー=ディースカウという、個性の異なる超絶歌手を主役に据えての、ド迫力と、不思議なまでに繊細な演奏でした。

そして、まったく同じときに、FDさまと、名脇役デ・パルマだけが残って、ドイツ語抜粋盤が録音されました。

シリア、キング、FD。

まるで、ワルキューレか、ローエングリン、はたまた、フィデリオでも上演できそうな顔ぶれに、おののいてはいけません。
ドイツ語のゴツゴツ感は、随所に感じ、思わず吹き出しそうな場面(スカルピアの、行けトスカよ・・・は、Geh~になってるし)もありますが、全然OKなドイツ語。

そうそう、わたくし、このブログで、ホルスト・シュタイン盤をとりあげてました→トスカ

武骨な感じで、真っすぐの迫力がありつつ、以外に細やかな歌いぶりのキング。
プッチーニはお得意なはず。
蝶々さん以外にも、アリア集とか録音はあったはずなので、復活して欲しい。

FDさまは、独語になると、その狡猾さと、ずるさが際立ちます。
言葉の一つ一つを、これほどまでに全霊を込めて歌う歌手は、もうなかなかいませんね。

そして、アニア・シリアの以外なまでの少女のようなトスカ。
これ、聴いて、わたくしは、妙なことに、「ルル」を思い起こしてしまった。
可愛い感じでありつつ、シャウトすると、人を殺めてまで、歌と恋に生きる女性の強さを感じさせるのでした。
ニルソンの、怜悧さと、少しの大味ぶりとは、かなり違うトスカ。

そして、安定のマゼールの指揮。
全曲盤と同じく、ちょこちょこと、面白いこと仕掛けてきます。
その劇的なお運びのうまさは、さすがであります。

おもろいトスカ、おわります。

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