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2014年11月28日 (金)

ディーリアス チェロソナタ L・ウェッバー

Kenchoujia

2週間少し前の、鎌倉の建長寺。

そう、ここで、ヴァイオリンとチェロのリサイタルを聴いたのでした。

Kenchoujib

まだ、緑の占める割合が多かった。

今頃は、きっと、もっと色づき、さらに枯淡の中庭の景色となっているのでしょう。


Delius_cello_sonata

    ディーリアス チェロとピアノのための1楽章のソナタ

       Vc:ジュリアン・ロイド・ウェッバー

       Pf: ベンクト・フォシュベリ

              (1999.9 @アビーロード・スタジオ)


フレデリック・ディーリアス(1862~1934)は、わたくしのもっとも大好きな英国作曲家。

とはいっても、ディーリアスには、英国の血は流れてません。

英国に帰化したドイツ人の両親のもとに、ブラッドフォードで生まれた英国人です。

音楽への傾倒を避けるために、実業家の父によって、フロリダのプランテーションに修行に使わされ、そこでも、黒人霊歌などにインスピレーションを得て、音楽の道忘れがたく、父が折れたのちは、ライプチヒで今度は、音楽修業。
それからパリでさらに、あらゆる芸術に接し、さらに放蕩の限りもつくし、結婚し、パリ近郊のグレ・シュール・ロワンに居を構える。
戦火(第一次)のため、英国に戻ったことはあったものの、その生涯は、愛する妻とグレにて終えている・・・・。

と、こんな風に概略その生涯を見てみると、独・英・米・仏にまたがる、まさに、コスモポリタンだったディーリアス。
でも、その音楽は、やはり、英国の自然や風物、空気を感じさせるものに、まさにほかなりません。

アメリカ時代の作品に、フロリダの自然を感じるのは当然ですが、もうひとつ大切なファクターは、北欧です。

ライプチヒ時代に知己をえたのが、大先輩のグリーグ(1843~1907)で、1880年頃から、グリーグが亡くなるまでの四半世紀に渡って、お互いに敬愛しあう仲となりました。
北欧の厳しい大自然のなかに立ちすくむような光景を感じさせる音楽を、たくさん書いたのも、こうしたつながりがあったからこそでありましょう。

 今日のCDは、ディーリアスと、そのグリーグのチェロ・ソナタをともに収録しているところがミソであります。

約13分ほどの単一楽章によるこのユニークなソナタ。
1916年に、イギリスのチェリスト、ベアトリス・ハリソンのために書かれ、2年後に初演。
単一楽章ながら、3つの部分に別れております。

普通の作曲家なら、3つの部分を、急緩急といくところですが、そこはディーリアス。
全体に渡って、ゆるやかで、そう、ある意味捉えどころがなく、曖昧なままに、たゆたうような音楽が続きます。

いきなりメインの主題が、ラプソディックに歌われます。
その主題を中心に、優しく、流れるような展開が行われ、もう、そこには身を任せるしかありません。
いまは思い出せませんが、ディーリスのほかの作品と似た旋律が出て、そのまま、テンポを落としていって、第2部に入ります。
こちらはもう、静かな静かな、ささやきのような音楽となります。
追憶のディーリアスに相応しい、極めて儚くも、夢見ごこちの雰囲気。
 そして、やがて、徐々に、冒頭の旋律が回顧されて、やがて、しっかりと繰り返されます。
第3部の始まりです。
1部と同じような展開となりますが、徐々にスピードと活気を増して、明るく、きっぱりとした表情も持つようになり、どこか希望を抱けるような展開のまま曲を閉じます。

これは、なかなかの桂曲であります。
なによりも短いのがいい。
その短いなかに、ディーリアスらしさが、しっかり詰まっていて、おまけに、チェロの優しい音色が、とてもよく活かされているし、それを包み込みつつ、幻想味もたっぷりなピアノもいい。

ウェッバーの上品かつ、真摯な演奏でした。

一方、グリーグのソナタは、こちらはもう、まさにグリーグしてます。
あのピアノ協奏曲みたい。

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