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2015年1月17日 (土)

神奈川フィルハーモニー県民ホールシリーズ第2回定期演奏会 ゲッツェル指揮

Bay

1月15日は、嵐のような天候の1日でした。

木曜日でしたが、この日は、今年度から始まった、神奈川フィルの県民ホール定期公演。

関内で打ち合わせがありましたので、傘を壊されそうになりながら、この日ばかりは、とてつもなく遠く感じた県民ホールまで難渋しながら歩きました。

さすがに写真を撮るような状況ではありません。

県民ホールのまん前は、山下公園。

ちょっと前の画像です。

ベイブリッジに、氷川丸。

みなとヨコハマを代表する景色ですね。

そして、ここ横浜に、あの人が。

この日ばかりは、まさに、嵐を呼ぶ男、サッシャ・ゲッツェルさんが帰ってきました!

201501kanaphill

  チャイコフスキー  ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調

        ピアノ:小山 実稚恵

  ベートーヴェン   交響曲第3番 変ホ長調 「英雄」

  J・シュトラウス   ポルカ「浮気心」 アンコール

     サッシャ・ゲッツェル指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                     (2015.1.15 @神奈川県民ホール)


首席客演指揮者として2年目の登場。
そして、神奈川フィルへは、これが4度目のゲッッエルさん。

われわれも、そして何よりも、オーケストラにとっても、すっかりお馴染み。
ファンもオケも、みんなゲッツェルさんのことが大好き。

年々、その活躍の場を広げつつあり、世界的な指揮者としても注目が集まってます。
昨年は、手兵のボルサン・イスタンブール・フィルを率いて、アジアのオケ特集をしたロンドンのプロムスに登場し、熱狂的な歓声を浴びました。
わたくしも、ネットで聴きましたが、熱かったですし、トルコの音楽も巧みにとりいれた、エキゾチックな音楽運びが、とても新鮮でした。
 さらに、これは未聴ですが、ウィーン国立歌劇場で「フィガロ」を指揮して、大成功をおさめました。
ウィーンという街は、オーケストラ以外、その出身者には、とても厳しい印象があるのですが、ウィーンっ子ゲッツェルさんが、今後、かの地でどうのような活躍をするか、これもまた楽しみであります。

もちろん、日本では、われらが神奈川フィルに専念して欲しいですよ。

そんなゲッツェルさんの、今年のプログラムのひとつは、チャイコフスキーとベートーヴェン。

王道の名曲の組み合わせですが、そのブレない姿勢に、聴く前から感服。

そして、ピアノソロは、今年、活動30周年を迎えた小山実稚恵さん。

Michie_koyama

こんな小冊子も配られました。保存版ですな。

始終聴いてるし、身近な存在だからあんまり気にしなかったけれど、もう30年なのですね。
チャイコフスキーやショパンのコンクールに入賞して、もう、そんな年月が経つわけで、ほぼ同年代の自分に照らし合わせると、真っすぐに、ピアノの道を歩んで来た誠実な彼女が、とても眩しく、そして羨ましく感じてしまいます。

そんな風に思わせるチャイコフスキーでした。

えんじ色のドレスの小山さん、そのお色のとおりに、派手さや、この曲の演奏でおちいりがちな、技巧の披歴のような浮ついたところは一切なく、優しさと安定感とにあふれた、着実なピアノを聴かせてくれました。

耳にタコができるくらいの名曲ですが、ゆったりしたテンポに感じた幻想的な展開の第1楽章では、静かな、独白のような語り口に耳がそば立ちましたし、何と言っても第2楽章が絶品の美しさ。
 神奈川フィルの、愛らしい木管群と若々しいチェロたちとともに、とても素敵な緩徐楽章を築き上げましたね。
もちろん、終楽章では、押さえるところは、しっかり押さえ、じわじわと盛り上げ、やがて爆発させるゲッツェルマジックに、見事に加担して、鮮やか極まりないフィナーレとなりました。
その3楽章のコーダ突入の前の、クレッシェンドで、ゲッツェルさんは、ものすごいピアニッシモからの入りを仕掛けまして、それが盛り上がってゆく、ジワジワ感と、ついに到達するコーダの大爆発が、実に効果的に描かれました。

優れた演奏家同士にして、聴くことができる、練達のチャイコフスキーでした。

一本のコントラバスが、左側に立てかけられていて、おやっ?と思っておりましたが、後半のベートーヴェンでは、配置がガラリと変わって、妙にお馴染みの対向両翼配置。
 そう、ベーレンライター版を選択したゲッツェルさんなのでした。

2管でしたが、弦楽器はたっぷり増量されてステージは、意外なまでのギッシリ感。
そして、繰り返しも励行し、時計タイムでは、55分(多分)。

ミューザで、ふたたび聴くことになりますが、あの響きの少ない県民ホールが、実によく鳴っておりました。
しかも、ベーレンを使い、ヴィブラートも抑え気味にしながらです。
 そう、弦の皆さんは、音を思いきり、目いっぱい弾いているんです。
やってみました的な、おっかなびっくりのカサカサ乾燥肌の演奏をかつて聴きましたが、ここでは、潤い成分満開で、この巨大なホールが、たっぷりと、なみなみした音たちであふれかえったのでした。

そう、こういうことなのですな。
音を解放するってことは、いい意味で。

ゲッツェルさんによって、解き放たれたベートーヴェンの音、ひとつひとつは、その指揮棒に夢中になって反応する神奈川フィルの奏者のみなさんのもとから、われわれ聴き手に、がんがん・どんどん届き、ときに、高揚し、熱くなり、そして、泣き叫びたくなり、ウキウキしたくなり、そして気が付けば、最後のあっけないくらいの幕切れの、キッレキレのエンディングに興奮している自分を見出すのでした。

ジャンプは、ほとんどなくなりましたが、腕の振りは、相変わらずすさまじくて、腰振りも、かなりのものな、その指揮ぶり(笑)
亡きカルロスをほうふつとさせる指揮姿であり、その鮮やかな音楽造りであります。

葬送の第2楽章は、実に深かった。
泣きそうになってしまった。

木管のみなさんも、チャイコにもまして、素晴らしかったし、ホルンも輝いてました。

より響きのよい、ミューザで、土曜にまた聴き、そしてまた、その印象をしたためてみたいと思ってます。

アンコールは、もしかしたら、お決まり、確信犯的に、ノリノリのウィンナ・ミュージック。
昨年の、爆発は文字通りありませんが、しなやかで、思わず笑みを浮かべたくなる曲に、演奏。
お尻ふりふり、また見れましたよ(笑)

神奈フィルの皆さんも、精一杯、ふるまったでしょうが、もっとにこやかにして欲しかったかもね。
でも、日本人って、そういうの難しいのよね。
自分もそうだし。
欧米の、あの雰囲気はなかなか・・・・・。

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