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2015年2月21日 (土)

神奈川フィルハーモニー第306回定期演奏会  川瀬賢太郎 指揮

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みなとみらい定期の定点観測。

思えば、この観覧車の原型が、いま立って写真を撮っているクイーンズスクエアの場所に出来たのが横浜博覧会「YES89」のとき。

1989年、その年に、わたくしは、結婚いたしまして、博覧会に遊びにきましたね。
そして、その年は、世界的にもいろんなことがあった。
1月には、昭和天皇が崩御され、平成が始まり、私が初ヨーロッパ旅行から帰ってきたら、消費税が施行されていて、オウムによる事件や凄惨な出来事が発生。
そして、天安門事件、ベルリンの壁崩壊もこの年。

なんか、すごい年だった。

その年、5歳の少年が、いま若きマエストロとなって、わたくしをこのところ楽しませてくれてます。

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  ヒンデミット     ウェーバーの主題による交響的変容

  ウェーバー     クラリネット協奏曲第1番 ヘ短調

           クラリネット:アンドレアス・オッテンザマー

  レオー・ヴァイネル 2つの楽章より 第2曲「Barndance」~アンコール

  チャイコフスキー  交響曲第2番 ハ短調 「小ロシア」

     川瀬 賢太郎 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                     (2015.2.20 @みなとみらいホール)


先週の音楽堂のリゲティ&ハイドンに次いで、本拠地みなとみらいでの定期も、ご覧のとおり、ユニークなプログラムです。

音源はそれぞれあふれるほど持ってるけれど、いずれの曲も、コンサートで聴くことは、お初でありました。
そして、いずれの曲も、ライブで聴くことの面白さを満喫。

フルオケ大迫力のヒンデミット、マイルドでその息使いまでが聴こえるクラリネットソロ、手に汗握る怒涛のチャイコフスキー。

①この日は、NHKの放送で、カメラが随所に陣取り、いつもと違った雰囲気だし、指揮者もオーケストラも気合の入り方が違う。
 一曲目、ヒンデミットの力強い出だしからして、おっ、今日はよく鳴ってるな、と思いました。

 第1部 アレグロ 「4手のための8つの小品」第4曲
 第2部 トゥーランドット・スケルツォ 劇音楽「トゥーランドット」
 第3部 アンダンティーノ 「4手ピアノのための6つの小品」第2曲
 第4部 「4手のための8つの小品」第7曲

交響曲のような容姿を保ったウェーバー作品をテーマにした自在な作品。
ふだんは気難しい音楽のヒンデミットでも、この曲は、親しみやすく賑やかなものですから、とかく表面的になりがち。
 この日の演奏は、オケをよく鳴らしながらも、濃淡をしっかりつけて、第3部の緩徐楽章的な場面を、とてもしっとりと響かせて、その前後の威勢のいい部分との対比をしっかりと際立たせてくれました。
シニカルなパロディともとれるのも、この作品のまた違った一面。
 ことに、神奈川フィルの誇る、打楽器陣が勢ぞろいして、目にも耳にも楽しめた第2楽章はとりわけ面白かった。
 ソロとアンサンブル、双方が引き立つように巧みに書かれているのも、多彩なヒンデミット
ならではで、各奏者さんを、あっち向いたり、こっちむいたりしながら、きょろきょろ堪能。
 そして、チョーかっこいい第4部は、マーラーをも思わせる行進曲調で、のりのり。
川瀬さん、よく見ると、髪型変わった?
その若い後ろ姿が、縦横無尽に、躍動する姿は、日に日に、頼もしく思えてきました。
曲のジャジャジャじゃん、という終結に、ささやかながらブラボー献上しましたよ。

次いで、ベルリンフィルの首席奏者であります、オッテンザマーさんのウェーバー。
この曲は、まるでさながら、オペラです。
オペラ作曲家ウェーバーの本領を、この日の演奏ほど感じたことはありません。
全曲にわたって、よどみなく、しなやかに響きまくるオッテンザマーさんのクラリネットに、ホールを埋めたすべての聴衆の耳が釘付けになりました。
 おまけに、背が高く、すらっとしたイケメンさん。
困ったもので、完璧すぎて、非のうちどころがありません。
強いていえば、その完璧さが、唯一の不満かしら(笑)

少しシリアスに、情熱的なアリアのような第1楽章で、一気に引き込まれ、仲のいい、お友達という指揮者の川瀬さんの合いの手も素晴らしく、オケは切実な演奏。
 そして、ロマンティックなドイツの深い森から響いてくるような、繊細かつ濃密な第2楽章。
ほんとに素晴らしかった。
「魔弾の射手」のアガーテのアリアみたいだった。
そして、ホルン3本が、あまりに素敵でしたよ。
 オペラの幸せなフィナーレは、明朗快活で、生き生きとした表情が、聴く側をも幸せにしてくれました。

 大きな拍手に応えて、弦楽を従えてのアンコールは、ハンガリアンダンス調の、イケイケ音楽。
いぇーーい♪
鮮やかなエンディングが見事に決まって、ハイタッチをする若者ふたりに、歓声は鳴りやみませんでした。

あとで聞いた話ですが、なんでも、熱っぽくて体調がイマイチだったというオッテンザマーさん。
プロ魂に脱帽です。

大好きチャイコフスキー、と言ってしまおう。
2番は、新旧アバドの演奏が大好きで、抒情と弾むリズム、そして歌がこの作品の身上と思います。

そんな思いに、しっかりと応えてくれました。

冒頭のウクライナ民謡。実加さん、ツヤのあるホルンで危なげなくスタート、そしてズッキーさんのファゴットに橋渡しされ、今の神奈川フィルの若い世代が、このオーケストラの新しい顔になりつつあることを確認。古山さんのオーボエもいつもながら、優しい音色です。

オーケストラにだんだんと力がこもり、盛り上がってゆくさまを俯瞰するのも楽しいし、川瀬さんの踊るような指揮も微笑ましい。
 わたしの好きなヶ所は、弦が克明なまでに刻む第2主題が展開する場面。
ここで、川瀬さんは、思いきり掘り下げるような指揮ぶりでしたが、わたくしの趣味では、もっとテンポをあげた方が好きかも。

緩徐楽章とも呼べないチャーミングな行進曲2楽章は、斉藤さんのクラリネットが素敵なもので、チャイコフスキー独特の節回しも楽しみました。
江川さんの憂愁のフルートもステキすぎ。
しみじみ、いい曲だよなぁ~と思わせてくれましたね。

そして、バレエのひと場面のような3楽章、中間部の木管の活躍も可愛い。
でもって、大爆発のラストは、弦の激しいまでのダウンによる刻みが、見ていて、「チャイコフスキーのばか」って思えるほどに、情け容赦なく過酷。
おおどころで、よく腰を浮かせてジャンプする、石田コンマスも、腰を浮かせる余裕もヒマもない。
ともかく激しい。楽員さんに、心からお疲れさまを申し上げました。
 でも、聴いてる方は、ドキドキしながらも気楽なもんですが、ほんとに手に汗の終楽章でした。
くどいくらいのエンディングに突入前の大見さんのピッコロ最高で、ワクワク大作戦の開始に相応しかった。
あとはもう、怒涛の全力全開全速力で、こっちも首が動いちまう。
 この日、2発目のブラボーをお見舞いしましたぞ!

繰り返します、ベタですが、チャイコフスキー大好き。

若い神奈川フィルの新しい顔ぶれと、以前からお馴染みのベテランのみなさん。
そして、それを率いる若いマエストロ。
いい感じになってきましたup

次回は、5番だぜnote

楽しみで、いまから吐きそう~

Seiryumon

興奮で火照った喉と、気合を込めすぎて空きすぎたお腹を、みんなで満たしました。

お疲れのところ楽員さんにもいらしていただき、いつものように、楽しく、和やかな時間を過ごすことができました。

みなさま、お疲れ様でした。



今回のNHKのテレビ放送は、3月29日のEテレです。

全国のみなさま、神奈川フィルのいまをご確認ください

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コメント

みなとみらいホール繋がりで。
先日、【第190回】オルガン・1ドルコンサート 〈 ORGAN 1-dollar CONCERT Vol.190 〉に行って来ました。
私は、一昨年のあれでしか行ったことがなく、そういえばみなとみらいホールの音響を堪能していないな、と思い行きました。
オーディオの充実が最大の目的だったりします。そのためにアマチュアオケのブル8を聴きに、すみだトリフォニーに行ったり、睡眠不足で寝てしまっていけなかったのですが、ミューザ川崎にも行く予定でした。
すみだトリフォニーでは雨宿りしない、中央かつ残響が聴ける場所ということで3階最前列中央を取りました。うわさには聞いていましたが、金管に弦が推されがち。ただこれは録音でも、ブル8は多いのであまり気にしていません。ただ、バランスがまだ未解明に。というのは、ラウドネス曲線とか意識したEQが低音聴かせすぎかなと考えたからです。みなとみらいホールでの感想は、今のままでいいかなでした。ただ、オケとパイプオルガンの違いもありますしね。
そして先日のみなとみらいホールのコンサート。
最後のリストは、平均律的歪みが不快になりながらも、それは仕様ということで気にせず。メンデルスゾーン スコットランドのアダージョのオルガン編曲がとても素晴らしかったです。ヴィンヤードのホールで感じた音が上から降ってくる感覚はありませんが、明瞭に、ほんのりと残響が感じられるこのホールは素敵だなと思いました。満席時がヴィーン楽友協会大ホールと同じ2.1秒、高さも20mということで気になっていましたが、素晴らしいホールですね。ヴィーンフィル本拠地がそうであるように、演奏者からの反応もいいのではと思いました。オルガンなので、もう少し残響がとも思いましたが、そうなると人の声が響きすぎますし。物音が柔らかく響きやすいですね。行きたい演目が、モーツァルト、ブルックナー、ヴィーン世紀末に絞られかつ平日休み夜勤の身で、そういけませんが、そうした演目があるときには、また行きたいと思います。
ここでも、3階最前列中央で聴きました。終わってから知りましたが、この辺りがやはり一番音のバランスがいいそうで。オケだと、管が弦に勝りがちになってしまうのかなと色々考えてしまいますね。こんなことを考えていると、かつてONKYO グランド・セプターを開発したタイムドメイン社長の吉井氏かと、言われてしまいそうですね。録音エンジニアがイメージしている座席がこの辺りかなと思いながら堪能しました。この辺りは知らないことばかりですがいいホールだなと思いました。カラヤンが訪れたら形状を考えると大阪シンフォニーホール級の賛辞を贈られたのはないでしょうか。
今度は、ミューザ川崎にて4月行われる平日昼のオルガンコンサートに出没予定です。

投稿: Kasshini | 2015年2月28日 (土) 12時27分

Kasshiniさん、こんにちは、ご返信遅くなりました。

この数日、あわただしく、ずっと飲んでまして、休日は、家族サービスに翻弄されてます。
 こんな状況ですので、充実のコメントには、なかなかご返信できませんで、申しわけありませんでした。
 いただきながらで、恐縮ですが、ちょっと短めでいただければ助かります。

みなとみらいホールは、ご指摘のとおり、豊かな響きが特徴です。
席によっては、響きすぎて、長風呂してしまうような感覚に陥りますが、概ね、その響きの溶けあいが美しくて、ヴァイオリンの音が、とても素敵なのです。
 こんなこと言いながら、オルガンは、ソロで聴いたことがなく、申しわけありませんが、各ホールのオルガンの聴き比べ、なかなかに趣きある活動ですね。
 NHKホールの大きなオルガンも、いがいといいですよ。

投稿: yokochan | 2015年3月10日 (火) 20時47分

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