チレーア 「アドリアーナ・ルクヴルール」~マウリツィオのアリア カレーラス
不届きなやからが、ハートにいたずらの缶を置いちゃってますが、桜木町のコレットマーレのエントランス。
クリスマス・バレンタイン・ホワイトデーと、ハートマークが活躍しますな。
寒い冬も、もうじきおしまい。
わたくしの、好きなイタリアオペラでも、1,2をあらそう、チレーアの「アドリアーナ・ルクヴルール」から、テノールのアリアをツマミ聴き。
チレーア 「アドリアーナ・ルクヴルール」から
マウリツィオのアリア
「あなたの中に母の優しさと微笑みを」
「心、疲れて」
「ロシアの将軍の命令は!」
マウリツィオ:ホセ・カレーラス
ジャン・フランコ・マシーニ指揮 NHK交響楽団
(1976)
このオペラ大好きで、映像はまだ少ないですが、音源は、そこそこ集めて聴いてます。
プッチーニと同じころのイタリアオペラ界のヴェリスモの潮流に乗りつつも、抒情派として、旋律重視の優しくも儚いオペラを数々残したチレーア。
当時、まださほど知られていなかったチレーアのこのオペラを世界最高のキャストでもって上演したNHKのイタリア・オペラ団。
1976年のこと、わたくしは、高校生ながらに、銀座のどこだかのチケットセンターに並び、このオペラと、「シモン・ボッカネグラ」のチケットをなけなしのお小遣いでゲットしたのでした。
前にも書きましたが、カウンターのチケット売りのおばさまは、「え?ドミンゴはいいの?」と聞いてきたものでした。
そう、このときの、もうひと演目は、ドミンゴが、二役やった「カヴァ・パリ」で、並んだ大方のお客さんは、そちらが狙い。
そして、巨大なNHKホールの隅々にこだました、カヴァリエのピアニシモと、コソットとの丁々発止の迫真のやりとり。
彼女たち、存在感ばりばりのお姉さまたちに挟まれ、翻弄される憂国の志士を歌ったカレーラス。
おっきなカバリエに愛を告白するカレーラスは、健気で、その一途さが、男のわたくしにも、とても好ましかったものです。
ほかのふたつのアリアも、さらのあのときの全幕も、youtubeにあるとこがすごいものです。
このアリアの、盛り上がりの途中で、フライング拍手があったのですが、そこは巧みに編集されてました。
マウリツィオ役は、多くのテノールが歌ってますが、わたくしには、カレーラスがいちばん。
デル・モナコは強すぎてヒロイックだし、コレルリは重たい。
ドミンゴは、ワケ知りすぎて面白くないし、ベルゴンツィは、おっさんにすぎる。
ちょっと真面目すぎのカレーラスが、この悩める愛する男にはぴったり。
そして、N響が、こんなに柔らかく、雰囲気豊かなのは、フランコ・マシーニの素晴らしい指揮があってのものでした。
チレーアのオペラは、いくつあるかまだ勉強中ですが、4作ほど揃えて、ちょびちょび聴いてます。
いつか、しっかり記事にできればと思ってます。
過去記事
「アドリアーナ・ルクヴルール」NHKイタリアオペラ
「アドリアーナ・ルクヴルール」 テバルディ、シミオナート、デル・モナコ
「アルルの女」
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