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2015年2月11日 (水)

マリオ・デル・モナコ ヴェリスモアリア

Tokyotower20150129

真夜中の東京タワー。

先日、アバド会のあと、歩いて帰還。

人っ子ひとりいない寒い街に、このタワーのオレンジの灯は、とても暖かく、心強いのでした。

途中あった、熊野神社から1枚。

Del_monaco

  マリオ・デル・モナコ  ヴェリスモ・オペラから

  ジョルダーノ 「フェドーラ」(56エレーデ)
           「アンドレア・シェニエ」(48,51クワドリ)

  ボイート    「メフィストフェーレ」(58セラフィン)

  ザンドナイ  「ロメオとジュリエット」(56エレーデ)

  カタラーニ  「ワリー」(56エレーデ)

  チレーア   「アドリアーナ・ルクヴルール」(48ネグリア)

  プッチーニ  「蝶々夫人」(56エレーデ)、「西部の娘」(58カプアーナ)
           「トスカ」(抜粋、59プラデッリ、テバルディ)


ヴェルディもいいけど、デル・モナコの魅力は、ヴェリスモ系のオペラにあると思います。

激情的なドラマに、音楽だから、デル・モナコの直情径行的な真っすぐの情熱的な歌唱は、まさにぴたりときます。

「カヴァ・パリ」と、「トゥーランドット」は、別なCDに収録されてますが、こちらは10枚組の激安アンソロジー集からとなります。

1915年生まれ、1982年没。
そう、今年は、デル・モナコの生誕100年なんです。
67歳での心臓発作によるその死も早かったですが、デル・モナコの全盛時代も意外と短くて、それでも、たくさんの録音が残されたのは、デッカレコード専属であったことが大きいですね。

63年に自動車事故に会い、その後は、声も少し後退してしまった。
40年代後半から50年代がそのピークで、62年のカラヤンとの「オテロ」は、確かに素晴らしいものの、声の威力では、54年の旧録音、そして、なんたって、NHKイタリアオペラの来日上演が無敵にすごい。
あの声の威力を維持するのはたいへんなことだったろうけれども、喉を酷使しても、歌に、演技にと全力投球するその姿は、まさにプロ中のプロであったと痛感します。

69年の単身来日では、子供時代の記憶に、N響と共演したリサイタルのテレビ放送が、うっすらとですが残ってます。
オペラに目覚めた中高生は、イタリアオペラは、もうなんでもデル・モナコしかなかった。
ステファーノも好きだったけれど、破滅的なまでの一期一会の感情移入と、聴く側へ没頭感と快感をもたらすのは、デル・モナコをおいて、ほかにいなかった。。。

そして、テノール歌手のありかたは、その後、スタイリッシュで危なげのない、スマート歌唱が主体となりました。
まさに、不世出の大歌手と呼ぶに相応しい、マリオ・デル・モナコさまです。

この1枚の中では、やはり、アンドレア・シェニエが素晴らしい。
祖国を思い、ギンギンに熱くなるシェニエは、わたくしには、このデル・モナコが一番。
そして次に好きなシェニエは、以外にもカレーラスとコレッリだったりします。
 あと、「トスカ」が、デッカの正規全曲盤のものだけに、録音も素晴らしくよくて、デル・モナコの情熱のカヴァラドッシは、新鮮さすら感じるテバルディとともに、ローマの輝かしいオケも含め、とても魅力的でした。

休日の午前、デル・モナコの声に力を与えられ、やたらと元気もいただきました

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コメント

マリオ・デル・モナコのポピュラーアルバムをずっと愛聴していました。CDの解説にも書いていましたが、カンツォーネやミュージカルナンバーでも、一期一会の如く、全力で歌い上げる...心に響くものがありました。カタリ・カタリなどは、なかなか、これを超える歌声には出会えないままですね。自分の好みで言えば、淡々と歌い上げるタイプも好きなのですが、モナコは別格だと思っています。
 最近のテノールでは誰がおすすめでしょうか?

投稿: udon | 2015年2月16日 (月) 11時28分

udonさん、こんにちは。
ご返信遅くなりました。
わたしも、あの青空に笑顔のデル・モナコ・アルバム、大好きでした。
ステファーノと、カタリひとつとっても全然違う。
どんな曲でも、全力全霊でしたね。

最近のテノールは、誰がいいでしょう~
うーーん、もう若くないけれど、独伊両方のボータとかアルヴァレスでしょうか。
独系では、バイロイトをチェックしてると、あれこれ思い浮かぶのですが、イタリアもの系は昨今、さっぱりアンテナを貼っていないもので、あんまり知らない自分が情けないです。。。

投稿: yokochan | 2015年2月21日 (土) 17時36分

こんばんは。
デル・モナコ、やはりこの人は特別です。はじめて購入した「イタオペ」全曲盤はモナコによるラダメスの『アイーダ』でした。
ちなみに、私が彼以上に好きなのがコレッリだったりします。いずれにせよ、いまなかなか見られない歌手ですね。

投稿: フジヤマ | 2015年12月15日 (火) 21時26分

フジヤマさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
わたくしも、デル・モナコとともに、コレッリも好きです。
テバルディとともに来日して、ジョイントコンサートをやった模様をテレビで観ました。
あと、デル・モナコも事故後の来日で、N響をバックにソロ・コンサートを行いましたが、子供心にテレビの映像を凄い声とかっこよさとともに覚えております!
ともかく、大歌手と呼ぶに相応しい方々でしたね。

投稿: yokochan | 2015年12月20日 (日) 23時08分

デル-モナコの1969年の最後の来日でのリサイタル、YouTubeで『パリアッチ』のプロローグを見ました。バックはNHK交響楽団だった訳ですか。晩年は腎臓のご病気の為、透析をせねばならずその為観光目的の来日も叶わなかったとのお話を、かつてあった大月シンフォニアのA-Mさんが、仰有ってましたね。

投稿: 覆面吾郎 | 2019年5月28日 (火) 09時07分

69年のN響とのリサイタルは、モノクロのテレビで子供時代に見ました。指揮は、ニーノ・ヴェルキさん。
その数年後の、コレルリも強烈な印象を受けましたし、息の長かったステファーノもテレビで。
いずれも親日家の大テノールで、今思えばテレビの役割は大きかったです。

投稿: yokochan | 2019年5月30日 (木) 08時07分

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