レスピーギ 交響詩「ローマの松」 オーマンディ指揮
歴史ある、国道一号線を西へ。
大磯宿を超え、いまも残る松並木。
かつての昔から、歴史の大動脈だった、東海道。
国道一号線は、こちらの画像の、左側が海で、右が山。
旅人は、その道すがら、山や、近隣の寺社に詣でながら旅したことでありましょう。
この手前に、高麗山。
ちょっと行くと、左に、吉田邸(焼失したけど再建中)があり、左には、国府神社の鳥居も。
そこは、相模国の神社の総元締め的な場所でして、年に一度、相模の六社が集まる、国府祭(こくふさい)があります。
思った以上の規模でして、子供の頃は、よく行ったものです。
この松並木も、年々、病気などもあって劣化してます。
そりゃそうですよね、樹木・木々も、人間と同じく、生きているわけですからね。
可哀そうだけど、植え替えとか、伐採とか、悲しい決断も必要なのでしょうね。
そんなことが、成熟した日本の社会のあちこちに起きてます。
前置きが、本題から、どんどん遠くなっていく。
「松」、そう、「ローマの松」です。
レスピーギ 交響詩「ローマの松」
ユージン・オーマンディ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
(1973.4 @フィラデルフィア)
川瀬&神奈川フィルによる「ローマ三部作」のコンサートで、前半のトリをつとめるのが、一番有名な、「松」。
有名度では、まさに、松竹梅の、松を担う存在で、1924年初演以来、その華やかさにおいて、世界中のオーケストラで演奏され、そして、われわれ愛好家にも、愛される名曲となっております。
以下、またズルしますが、過去記事より。
>この曲を最後にもってくれば、必ずコンサートのフィナーレとして成功するし、祝典的な気分も横溢しているから、ジルヴェスター系のコンサートにももってこいだ!
「松」を歴史の証人としての恒久的な存在として、ローマの悠久の過去を音楽で振り返るという寸法で、そのアイデアは実に秀逸。
①「ボルジア荘園の松」松の木立の下で元気に遊ぶ子供たち。
②「カタコンブ付近の松」ローマ時代の地下墓地、迫害を受けたキリスト教徒たちに思いをはせる。グレゴリオ聖歌の引用。
③「ジャニコロの松」満月を受けて浮かびあがる松。幻想的な光景でナイチンゲールも美しく鳴く。
④「アッピア街道の松」ローマ軍の進軍街道、アッピア街道沿いに立つ松。勇壮で力強い大行進が思い起こされる。
この4編の中では、③ジャニコロが一番好き。
ドビュッシー的な雰囲気で、いかにも詩的な夜のムード。夜鶯が心をくすぐる。
そしてもちろん、最後はローマ軍の大進軍で打ちのめされてください。<
という、かつての記事。
レスピーギのリアルさは、こうしたタイトルに則した、完璧なまでの、そして、静止画像を超えて、見たまんまの画像が、聴き手にそのまま伝わるところの精度の高さ。
どうしても、勇壮で華やかなフィナーレに、耳目がいってしまいますが、あらためて、「ジャニコロの松」における、抒情の輝きと、ナイチンゲールの囀りの融合が素晴らしい♪
煌びやかなフィラデルフィア・サウンドを全開にさせつつ、こうした抒情を、しんみりと、さらりと聴かせてくれるオーマンデイの、味わい深い演奏は、永遠の名演と言ってもいいかもしれません。
爆発的な盛り上げには、欠けるかもしれませんが、オーケストラを聴く喜びは、ここにたっぷりとあるし、フィラ管の名技性と、鉄壁のアンサンブルも、あわせて味わえます。
レコード時代、「火の鳥」とのカップリングで、擦り切れるほどに聴きまくった演奏でもあります。
川瀬&神奈フィルの「松」、若さはじける演奏を期待!
こちらは、三保の松原。
松は、ほんのちょっとだけ。
手当もしてましたが、風や病虫対策がきっと難題なんだろうな・・・・・
日本の松と、ローマの松、見た目は違いますが、いずれも、そこにあって、歴史の移り変わりを見てきた点では同じです。
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コメント
オーマンディーの金箔を貼り詰めた部屋でお尻がはまっちゃいそうな大きなフカフカのソファーにゆったりと座って、キューバの葉巻をくわえながら、ブランデーをたしなむような演奏は、このコンビを聴く大きな喜びではないでしょうか。ゴージャスでピカピカでゆったりと、香水の香りにむせながら、官能とインスピレーションを刺激リッチなイマジネーションがどんどん広がる、このコンビで聴くこの曲ならではなのではないのかと。
投稿: yurikamome122 | 2015年4月24日 (金) 07時25分
yurikamomeさん、こんにちは。
まさに、おっしゃるとおりのオーマンディ盤。
おまけに、所有してた音盤は、ゴールド仕上げでした(笑)
往年の、という言葉がふさわしい名コンビは、RCAよりは、CBSの方が本領発揮のような気がしますね。
投稿: yokochan | 2015年4月25日 (土) 17時57分