シベリウスの交響曲 お願いランキング
だいぶ前になりますが、北海道の洞爺湖。
普通の日に通りかかったものですから、人っ子ひとりおりません。
静謐な動きのまったくない光景に、わたくしの頭のなかには、北欧、ことにシベリウス、それから英国の、こちらはディーリアスの音楽が静かに奏でられる思いでした。
今年、生誕150年(1865~1957)の、シベリウスの交響曲のランキング、ちゃちゃっとやっちゃいます。
テレ朝の番組からお借りしたお願い戦士たちの画像に、恐れ多くも、シベリウスさまを。
7つの交響曲、いやその作品のほとんどを、60歳までに書き終えてのちは、沈黙と名声のうちに過ごしたシベリウス。
その残りの生涯に、作曲を継続していたら、いったいどんなに素晴らしい音楽が生まれていたことでしょう。
究極なまでに、凝縮された名作7番のあとの、8番を想像するだけで、震えがきます。
でもしかし、いまのわたくしたちは、7つの交響曲で、完結されたシベリウス像を享受しているわけで、その珠玉の作品たちに、感謝しなくてはなりませんね。
ランキングでは、交響曲を好きな順に、好きな演奏をあげてしまおうという企画です。
①交響曲第7番 短くてよろしい・・・
じゃなくって、20分に凝縮された濃密さ
人生、山あり谷あり
ここにそのすべてが圧縮された感あり
・バルビローリ&ハレ管の気合いとエモーショナルな熱さ
唸り声も音楽のうち
最後のピーク時のホルンが実によろしい
②交響曲第4番 暗くたちこめた雲
その中から光る輝きを垣間見るときの感動
辛く厳しい毎日、人は所詮、孤独
でもそんななかに、喜びや輝きを見いだす枯淡の境地
・ベルグルント&ヘルシンキの言葉少ないなかに音楽が語る演奏
3楽章のラルゴで、音の断片がだんだんと形をなし、
じわじわと熱くなっていくところでは、感涙必須
③交響曲第5番 明るく牧歌的
随所に北欧の自然の息吹が
エンディングの面白さもいつも楽しみ、気分爽快
・デイヴィス&ボストン響 ヨーロピアンな美しさ
重厚さと軽やかさもあり
小澤さん以外の指揮で聴いたボストンの魅力と底力
端正ながら、これまた一本義の男の指揮、録音も極上
④交響曲第6番 渋くて、ミステリアス
和音や調性の展開も異世界の感じ
ほのかに浮かびあがる北欧の寂しい自然と人間
ほんとは、もっと順位を上げたいところ
突き抜けるような弦は、鼻孔を刺激するかのような冷涼感
・N・ヤルヴィ&エーテボリ響 同コンビが登場したCD初期
本場のサウンドに狂喜した。
さりげなくも、音の節々にシベリウスならでは語感が
その音色はクールかつ、暖か。
⑤交響曲第1番 チャイコフスキーの流れのなかにある幻想味とロマン
旋律は、情熱的で、儚く、美しく、そして悲しい。
・渡辺暁雄&ヘルシンキ 自分にとって懐かしの演奏
FM東京の同団のシベリウスチクルスは、カム指揮とともに
社会人生活初期の侘びしさまぎらす夜毎の糧となった
この曲のよさをわからせてくれた忘れ難い演奏
⑥交響曲第3番 シンプル、古典的、楽想が可愛い。
北欧のさわやかな春、1,2番の作風からの決裂
4番への橋渡しを随所に感じ、孤独感も
・ザンデルリンク&ベルリン響 克明な刻みが旧東ドイツ
木管のソロも美しい
全体の様式美と、意外なまでのしなやかさもあり
⑦交響曲第2番 一番有名な曲。
通ぶってるわけじゃありませんが。
子供の頃から、もう聴きすぎだ。
かえって慣れてしまい過ぎて遠くに
でも、聴けば聴いたで、やたらと感動する
幻想的な1楽章と、じんわりの2楽章が好き。
・決められません。。強いてオーマンディか。
でもやはり、セル&クリーヴランドかコンセルトヘボウか。
いや、カム&ベルリンフィルも懐かしい、シュタインもいい。
あとなんて言っても、バルビローリに、濃密バーンスタイン
いやもう、どんな演奏でもいいし
ということで、いずれも普遍的な演奏ばかりになってしまいました。
歳を経て、シベリウスの交響曲への嗜好や想いも変わってきました。
この先は、もう変わらないかもしれません。
演奏も、ここにあげたのは大好きな演奏のほんの一例で、CD時代になって、全集が求めやすくなったものだから、全集をそろえて、それぞれの番号を、ときに応じて聴き分けることができてます。
バルビローリ、ザンデルリンク、ヤルヴィ、ベルグルンド、ブロムシュテット、セーゲルシュタム、ラトル、オーマンディ、新旧デイヴィスなどなど。
ヴァンスカと、サカリ・オラモ、カラヤンを今後聴かねばと思ってます。
心の琴線に触れるシベリウスの旅、のこりの人生もともに楽しみたいと思います。
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コメント
追加で、ぜひマゼール/VPOの全集をお勧めします。
投稿: faurebrahms | 2015年4月19日 (日) 18時55分
faurebrahmsさん、こんにちは。
マゼール盤は、そのチャイコフスキーとともに、レコード店でも、何度も手に取りつつ、いまに至って、入手したことも、まともに聴いたこともありません。
今年こそは、と!
投稿: yokochan | 2015年4月19日 (日) 21時34分