チャイコフスキー 交響曲第5番 小泉和裕指揮
6月の小便小僧は、これまた、お約束の雨ルック。
梅雨入りして、すぐの中休み。
日が出ると、雨合羽も蒸し暑そうね。
でも、小便水が涼しげだったり・・・
はい、うしろ。
レインシューズ、かわいいね。
左右の山手線、京浜東北線、うまく撮れましたよ!
チャイコフスキー 交響曲第5番 ホ短調 op64
小泉 和裕 指揮 ロイヤル・フィルハーモニック管弦楽団
(1988.2.27@ロンドン)
月イチ、今月は、チャイ5の番です。
幻想に、チャイ5、いつ聴いても楽しい。
オーケストラ好きなら、当然のことかもですが、ともに、昔から大好きだった。
ポケットスコアも買って、一生懸命に聴いたし、唯一演奏できたフルートを、レコードに合わせて、むちゃくちゃになりながら吹いたし、指揮の、ものまねなんかも、まんま、カラヤンやアバドしましたよ(笑)
そのスコアは、まだあるけれど、チャイ5は、昭和48年の版で、たったの350円ですよ。
ちょうど、そんな頃、小泉和裕さんが、カラヤン指揮者コンクールで1位を取る快挙を成し遂げました。
1973年のこと。
課題曲は、たしか、「トリスタンとイゾルデ」だったかな?
それとも、優勝後、すぐさま招かれてベルリン・フィルを指揮したときが、トリスタンだったかな?
飯守泰次郎さんが、バイロイトで副指揮者として活躍していたのもその頃で、N響に招かれて指揮したのも、やはりトリスタンで、ごっちゃになってるかも・・・・
で、1974年、今度は、夏のザルツブルク音楽祭に登場して、小泉さんは、ウィーンフィルを指揮することとなりました。
カラヤンとベームという大巨匠に、アバドやメータが常連、そして、ムーティやレヴァインが同時期に登場し始めた頃。
残念ながら、小泉さんの登場は、この年だけでしたが、翌年からバーンスタインや、小澤さんが登場したものと記憶します。
そして、ウィーンフィルとの、そのプログラムは、ハイドンの92番「オックスフォード」と、チャイコフスキーの5番なのでした。
演奏は、概ね好意的に迎えられ、その年の暮れには、NHKFMでも放送され、わたくしも、この耳で聴くことができました。
ハイドンはともかく、チャイコフスキーでは、決して、この曲を、当時まだそんなに演奏しなれていなかったウィーンフィルを、慎重ながらも、うまくリードして堅実に仕上げていたものと思いました。
当然に、カセットテープに録音しましたが、のちに、そのテープも上書きしてしまい、いまや残念極まりないことにございます。
その後の、小泉さんの活躍と、内外のポストに関しては、ここに記すまでもないですね。
14年後、ロイヤル・フィルを指揮して、お得意のチャイコフスキーの後期交響曲を録音しました。
当時、国内では、クラウンかどこかから出ましたが、いま聴く、このRPOレーベルの1枚は、驚くことに、楽章ごとのトラックがなくって、1曲まるまるなんですよ。
48分27秒。
ジャケットには、楽章ごとのトラック表示がありますが、わたしの装置では、トラックを読みとりませんでした。
このレーベル、以前も、マーラーの5番を、プレヴィン指揮と表示していて、実は、井上道義の指揮だった、とか、非常に信頼が薄いのよ。
ロイヤルなのに、いかんでしょ。
で、この演奏、録音場所が教会ということもあって、響きが過多で、高音が少しキンキンします。そして厚みが、ちょっと薄くって、その点で、演奏の良さが減点されてしまいます。
小泉さんらしく、手堅く、かっちりした構成を感じさせつつ、各所に目配りの行き届いた、安心安全の演奏。
ロイヤルフィルも、きっと演奏しやすかったのでは。
そして、手馴れた曲らしく、お馴染みの各フレーズを、とても念入りに歌わせていて、すみずみまで、丁寧な歌い回しです。
ひとつとして、気の抜けた音がしてないのも、演奏会で聴く小泉さんと同じ。
しかし、オーケストラが、ニュートラルにすぎるものだから、個性の表出という点では、ちょっと薄いかもしれません。
もっと、分厚く鳴らしてもいい場所があるし、テンポも、もう少しいじってもよかった場面もあります。
そんななかで、2楽章が実にステキですよ。
カラヤンのように、聴かせまくりの、お化粧しまくりの美人タイプじゃなくって、スッピンでも、この曲は、こんなにキレイで、美しいの、という典型の演奏。
指揮者とオケが、音楽に感じ入りながら無心で取り組んだ、音楽の良さだけを感じさせるものに思います。
終楽章は、もっと盛り上がってもいい。
でも、堂々としてないとこ、こけおどしにならないところがいい。
そして、エンディングはカラヤンに似てる。
小泉さんには、川瀬さんが、この前やったばっかりですが、神奈川フィルで、ここ数年のうちにやって欲しいな。
わたくしにとっても、思い出に残る、チャイ5を、横浜の地で、是非、成し遂げて欲しいです。
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コメント
私にとって小泉和祐というと真っ先に思い浮かぶのがウィーン・フィルとのチャイコフスキーの5番なのです
当時はショルティ/パリ音楽院のLPで聴いていたのですが日本人指揮者がウィーン・フィルを指揮したチャイコフスキーということもあって4トラックオープンテープに録音して何度も聴きました
なんども聴いたのですが今となってはどんな演奏だったのかは覚えていません。
ただ録音もよく録れていてLPよりは良い音で聴けたことは覚えています
テープはあるのですが再生できるデッキがないので確かめられないのが残念です
当時日本人がウィーン・フィルを指揮するということは凄いことだったのではないでしょうか?
小泉和祐氏は私と同い年、20代半ばでウィーン・フィルを指揮したのですね
投稿: パスピエ | 2015年6月12日 (金) 11時12分
パスピエさん、こんにちは。
やはり、あのFM放送を聴き、録音されたクチですね。
年末のNHK放送は、ヨーロッパの音楽祭の模様が、毎日放送されて、当時、ほんとに、嬉しい悲鳴でした。
ウィーン音楽祭や、ザルツブルク、バイロイトは、ほんとうに音がよかったです。
あの一連の放送で、オペラにオーケストラに、ずいぶんとレパートリーを増やすことができました。
そしてたしかに、ウィーンフィルを指揮する日本人は、小澤さん以来だったですね。
岩城さんも登場しましたが、もう少し後だったように記憶してます。
投稿: yokochan | 2015年6月14日 (日) 22時03分