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2015年7月11日 (土)

神奈川フィルハーモニー第311回定期演奏会  川瀬賢太郎指揮

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久しぶりの金曜夜の神奈川フィル定期。

それでも、まだ明るくて、これまた久しぶりのお日様は、西日が眩しいのでした。

県民ホール定期の最愛のプッチーニ、音楽堂のハイドンと、2回欠席してしまい、これまた久しぶりの神奈川フィルです。

今宵は、ドヴォルザークと、アイヴズ。

一見、まったく関係のない二人の作曲家ですが、アメリカというキーのもと、前半に「新世界」、後半にアイヴズの交響曲という、実に秀逸なるプログラム。

若きマエストロ、川瀬さんが、是非とも聴かせたかったというこの組み合わせです。

夕日が沈むように、調和の和音が消えるように終る前半と、賑やかな中に、意表をついて不協和音一発で終る後半。
 これもまた、鮮やかななる対比でございましたnote


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      ドヴォルザーク  交響曲第9番 ホ短調op95 「新世界より」

   アイヴズ      交響曲第2番


           川瀬 賢太郎 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                      (2015.7.10 @みなとみらいホール)


まず、苦言をひとつ。
楽員さんが登場し、いつも拍手でお迎えして、みなさんのご挨拶から始まる恒例の定期。
ホールは静まり、指揮者の登場を待ちうける静寂に聴こえはじめた、ピッ、ピッという時を刻むようなデジタル音。
ん? 私の席の斜め後ろの方からする。
曲が始まっても、いや、最初から最後まで、静かな場面ではずっと気になって仕方がなかった。
 周りの皆さんも等しく苦言を呈してました。
休憩時に、事務局さんを通じて、この件をお話しして、調査していただき、後半には解決したのですが、メトロノームの電子音だったそうな。
ご本人は気がつかなかったのだろうか?また、何故にメトロノームが作動?
まったく論外のこと、多少の雑音は目をつぶるにしても、今回に関しては、とんでもないこととして、猛省を促したい!

 さて、気を取り直して、「新世界」。
先の雑音を耳から取り除くようにして、ステージ上の熱演に集中。

いゃぁ~、こんな本気の「新世界」、久しぶりに聴きました!

聴衆も、オーケストラも、互いに、聴き古し、演奏し尽くした名曲中の名曲。
でも、若き川瀬さんの、情熱溢れる指揮ぶりと、新鮮な切り口が、活力あふれる、まさに、ニュー「新世界」といっていいくらいの名演を築きあげることとなりました。

時間を測ったら46分。1楽章の繰り返しを行ったこともありますが、ともかく丁寧に歌い上げ、細部にも目を凝らした結果、その演奏時間だったのではないかと思います。
 それでいて、意図的であったり、恣意的であったりといった感じは、まったく受けることなく、指揮者の感じたままの感性が素直に、そのまま音になって奔出してくる、といった風情なのです。
 強弱のダイナミクスが豊かなこと~弦がサッと静まり、木管の主旋律がふわっと浮かんできて、この曲ならではのしみじみとした魅力が引き立ちます。
 ヴィオラやチェロの内声部にも気をつかい、ときに浮き上がらせ、思わぬ表情が聴かれることもしばしば。
 そして、なんたって、ラルゴのイングリッシュ・ホルンの、懐かし感は、この音楽のイメージそのもの。ここで、こんなに感激したの久しぶり。
ソロの方も、見事で、演奏後、喝采を浴びてましたね。

 ボヘミアを感じさせた3楽章のトリオは、まさに舞曲で、体も動きそう。
そして、決然と、颯爽と、そして、疾走感も、高揚感もたっぷりあった終楽章。

褒めちぎっちゃいましたが、ともかくナイスな「新世界」だったんです。
楽員さんたちの、夢中の演奏ぶりも印象的でした。

あの不愉快な音も、忘れちまいました。

 休憩後は、アイヴズ。

新世界が1893年。アイヴズの2番が1900年。
その7年の年月が、まったく短く感じた、今回のアメリカ・テーマの聴き比べ。

 生命保険会社のサラリーマン・経営者として、ニュー・ヨークに在住を余議なくされながらも、故郷コネチカットを想い続けたアイヴズ。
マーラーと同じくして、曲中に、故郷で聞いたマーチングバンドや賛美歌、民謡などがごった混ぜになって挿入されるその作風。

ライブで聴くと、オーケストラが何をやってるか、どの奏者がソロを奏しているかがよくわかって、錯綜したアイヴズの音楽が、すっきりと整理されて耳に届きました。
 それも、この曲に熱意をかけた川瀬さんの献身的な指揮ぶりと、神奈川フィルのクリアーで透明感あふれる音色、そして、ベテランと若手の素晴らしいソロがあってのことかも。

ともかく面白かった。
CDで聴くと、1~4楽章は流し聴きしてしまい、終楽章で覚醒する感じなのですが、今回は、5つの楽章が、互いに関連性を持ちつつ、最後の不協和音の一音に向かって積み上げられているのを受け取ることができました。

分厚い弦の響きが楽しめた第1楽章。
何故か、マーラーの6番のフレーズを思い起こしてしまった第2楽章では、リズム感がとても豊かで、川瀬さんのジャンピングも決まってましたよ。
小山さんの奏でるオーボエ、江川さんのフルートに橋渡しされる旋律も可愛い。

緩除楽章たる3楽章の、アメリカの方田舎を思わせる、夕暮れ時のしみじみ感。
山本さんの情感あふれるソロも聴けます。
ほのぼのして、体の余分な力が抜けていく感じでしたね。

次ぐ4楽章は、最初の楽章の回帰では、弦ばかりでなく、フルオケ。
一転して、明るく楽しげな、終楽章。
川瀬さん、弾んでましたぜ。
お馴染みの旋律がちょこちょことと顔をだし、ホルンから、これまた懐かしい調べが。
実加ちゃんの艶のあるホルンを聴いてて、何故か、フンパーデインクの「ヘンゼルとグレーテル」を思い起こしてしまいました。
休みなく、いろんな表情を交えつつ、木管群の巧さも炸裂、金管も分厚く入ってきて、太鼓やスネアも効いてます。
石田さんは、腰を浮かせ、となりの崎谷さんも熱い演奏ぶり。
 そしてですよ、曲はまたしみじみ調に。
フルートのオブリガートを伴いつつ、チェロのふるい付きなるような素敵すぎるソロが。
ずっとずっと聴いて、浸っていたかった山本さんのチェロです。
 そんな気持ちをひきはがすように、曲はずんずんと、お祭り騒ぎに突入し、不協和音一発で終了。

あ~、楽しかった。

お客さんの反応も上々で、みんな集中して熱心に聴いてたし、アイヴズって、こんなに面白いのって、きっと思える曲に、演奏でした。

神奈川フィルの定期は、今回で夏休みに。
サマーミューザでも、アメリカものやるから、平日昼だけど、行こうかなnote

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コメント

アメリカ音楽といえばアイヴス。
アイヴス2番といえばバーンスタイン。中学生くらいのときから聞いてました。
前衛作家みたいなぶぶんも重要でしょうが、基本的には古典的で、フーガみたいにはじまるのもおもしろいと思います。4番のたしか3楽章は、わかいころの四重奏曲をつかっていて、それもゴスペルの剥ぎあわせのような旋律。賛美歌にくわしいひとには、たまらないでしょうね。
まえにYoutubeで、作曲家が胴間声でうたっているのをきいたことがあります。信心深いアメリカの田舎、救世軍だの福音派、シェーカー教徒・・・。そんな歴史をかんじさせます。

投稿: もちだ | 2015年7月17日 (金) 22時32分

もちださん、こんにちは。
2番を中学生のときからお聴きだったとのこと。
すごいです。
私は、4番を小澤さんのベルリンフィルライブのエアチェックで、高校生の頃でしたが、さっぱりわからず、チンプンカンプンでした(笑)

2番に、ぎっしり詰め込まれた、いろんな旋律、いまだに紐とけませんが、でも、ライブでオーケストラを眼前にして聴くことができて、この曲への理解が少しは深まったような気がいたします。
アイヴズ、面白いですね。

投稿: yokochan | 2015年7月21日 (火) 21時20分

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