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2015年7月 8日 (水)

ショスタコーヴィチ 交響曲第13番「バビ・ヤール」 コンドラシン指揮

Shenyang_a

中国の瀋陽市に行ってきました。

一応、お仕事です。

瀋陽は、旧満州国の奉天。そう、小澤征爾さんが生まれたところです。

最近では、ピアニストのラン・ランがこの地の出身。

人口800万人を超える大都市で、中国には、この規模以上の街が、ごろごろあるから、そりゃマスとしての力はスゴイもんです。

ホテルからの朝の景色は、高層マンションの群れ。
街中、ビルだらけで、環状線で見事に整備された都市景観となってました。

ベンツなどの国内生産の欧州ブランド車に、韓国車など、いずれもいい車ばかり。
しかし、その運転は激しくて、よく事故らないかと思うくらいに、スリルにあふれていて、乗ってて心臓が、何度も飛び出しそうになりましたよ。
 ちょっとでも前へ出ようと、車線変更の嵐で、へたすりゃ車線の真ん中を走ってるし。
自転車も、歩行者も、みんな強気で、車とすれすれ・・・・。
 でも、へこんだりしてる車があんまりないから、連中は運転が超絶上手いのでしょうか・・・・。

いろんなことを見て、思いましたが、それは、またいずれ。

ともかく、光と影、外から来た人に見えるところと、そうじゃないところ、それらが明確に区別されているような気がしました。
株価急落とか云々も、まったくわからないし。

Tako13

 ショスタコーヴィチ 交響曲第13番 変ロ短調 op113 「バビ・ヤール」

        Br:ジョン・シャーリー=クワァーク

    キリル・コンドラシン指揮 バイエルン放送交響楽団
                     バイエルン放送合唱団

                                        (1980.12.18 ミュンヘン)


ショスタコの13番。
好きなんですよ。
ともかく、暗くて、シニカルで、かつダイナミック。
独唱と合唱も、どこも皮肉たっぷりのペーソスが効いてる。

過去記事より~「1962年、スターリン体制終結後のフルシチョフ体制化の作品で、「体制の雪どけ」で固く閉ざしてきたリアルな音楽を書き始めた頃。
エフゲニー・エフトゥシェンコの詩「バビ・ヤール」のいくつかの部分と、さらに、この作品のためにあらたに書かれた詩の5篇からなる。
「バビ・ヤール」は、キエフ郊外にある谷の名前で、ナチスがユダヤ人はおろかウクライナ人、ポーランド人、ロシア人までも大量虐殺した場所という。」

 しかし、初演後、当局からは、反体制のレッテルを貼られ、詩は改定を余儀なくされ、その後数回演奏されただけで封印されてしまった。
初演は、まさに、キリル・コンドラシン。

モスクワ・フィルを指揮した、コンドラシンのショスタコーヴィチ全曲録音の13番は、1967年の録音で、当然に、改訂版が用いられている。
 
 このいわくつき作品を西側初演したのがオーマンディで、70年、大阪万博の年にフィラデルフィアで、同時に録音。
こちらは、当然に、初演時の版によるもの。

 そして、その8年後、1978年、この曲の初演者コンドラシンは西側に亡命。
1980年、首席指揮者が内定していたバイエルン放送交響楽団に客演し、この「バビ・ヤール」を指揮した。

バイエルンとコンセルトヘボウ、ウィーン、ドイツ各地、東京などで、ひっぱりだことなった、コンドラシンは、81年3月、67歳の誕生日を迎えてすぐ、心臓麻痺を起こして、亡くなってしまう。
 「バビ・ヤール」の演奏後、3ヶ月。

ソビエト時代は、モスクワフィルの音楽監督として長く活躍し、そのイメージは、見た目の厳しさも加味して、妥協のないシャープな演奏で、ソビエト体制下にある厳密な指揮者だった。
でも、マーラーを早くから取り上げたり、来日公演でも第9を演奏するなど、他のソ連指揮者と、どこか違うところも散見されました。
 わたしのコンドラシン観は、そんなもので、西側に出て、急速に、その実力が日の目をみてからというもの、イメージは一新されました。
 そのターニング・ポイントは、コンセルトヘボウとの「シェエラザード」と、N響への客演。

早めのテンポ設定で、スマートな演奏を築きあげつつ、細部もおろそかにせず、なかなかこだわりの表現もするコンドラシンでした。
このきっと思い入れ深かった「バビ・ヤール」を、異常なまでの集中力と、一気呵成の勢いと厳しさでもって指揮してます。
それに応えるバイエルン放送響のうまさと、機能性の高さ。
ハイティンク盤のコンセルトヘボウとともに、この曲に、大いなる奥行きを与えているオーケストラなのでした。
 

この演奏、NHKFMで放送され、エア・チェックしたテープは、いまもCDRとして保存してあります。
そして、この日、演奏されたのは、あと、ベートーヴェンの8番で、こちらも名演でした!

過去記事より~

①「バビ・ヤール」この曲の白眉的な1楽章。ナチスによる暴虐が描かれる。
独唱は、自分がユダヤ人ではないかと歴史上の人物たちを上げて歌う。アンネ・フランクの悲劇についても言及される。リズミカルで不気味な行進調の音楽が2度ほど襲ってくる。
ファシストたちの到来である・・・・。

②「ユーモア」、ユーモアを忘れちゃならねぇ。支配者どもも、ユーモアだけは支配できなかった。辛辣かつ劇的な楽章、オーケストラの咆哮もすさまじい。

③「商店で」、獄寒のなかを行列する婦人たちを称える讃歌。
これも皮肉たっぷりだが、音楽は極めて深刻で寒々しい・・・。

④「恐怖」、これまた重い、重すぎの音楽。恐怖はどこにでもすべりこんでくる。その恐怖はロシアにおいて死のうとしている。・・・・が、詩(DSは作曲であろうか)を書きながらとらわれる、書かないという恐怖にかられる。仮面を被った痛切きわまりない音楽に凍りそうだ。

⑤「出世」、終楽章は一転おどけた、スケルツォのような音楽だ。
ガリレオ、シェイクスピア、パスツール、ニュートン・・・、世の偉人たちが生前そしられ、誹ったものたちは忘れられ、誹られた人々は出世した・・・・。
「出世をしないことを、自分の出世とするのだ」
皮肉に満ちた音楽、最後はチェレスタがかき鳴らされ静かに曲を閉じる。。。。。

過去記事

 「プレヴィン&ロンドン響」


 「ハイティンク&コンセルトヘボウ」

 「オーマンディ&フィラデルフィア」


 

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