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2015年7月 6日 (月)

ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第1~3番 バックハウス

Zojyoji

出たり引っ込んだり、関東では、今年の梅雨も7月の上旬に、いよいよ本番。

紫陽花は、もう見ごろのピークを終えてしまいましたか・・・

いろんな色があるけれど、やっぱりブルーですかね。

そして、新鮮なブルーに似合うのが、ベートーヴェンの初期作品の清々しさ。

Beethoven_backhaus

  ベートーヴェン ピアノ・ソナタ第1番 ヘ短調 op2-1

                ピアノ・ソナタ第2番 イ長調  op2-2

        
             ピアノ・ソナタ第3番 ハ長調 op2-3


        Pf:ウィルヘルム・バックハウス

                      (1963.10 1968.3 1969.4
                         @ジュネーヴ、ヴィクトリア・ホール)


ベートーヴェンは、1795年(25歳)、作品番号2の3曲のピアノ・ソナタを完成させ、師ハイドンの前で、演奏しました。
 その3曲の前にも、5曲ほど、ソナタないしはソナチネは書かれているが、番号付きとしては、これらの3つがスタートとなります。

ウィーンに出てきたばかりの頃のベートーヴェンは、当時のウィーンの大御所、ハイドンの門をくぐり、勉強をしたものの、血気あふれるベートーヴェンからすると、師のもとでの授業は、予想外に退屈なものだったらしい。
 
 むこうみずにも、別な先生のもとに走ったベートーヴェンは、さすがに、師ハイドンに対して気兼ねし、感情的な行き違いを、なんとか解消しようとして、師に捧げるべく、これらの3つのソナタを作曲したわけです。

ですから、この3曲は、意欲的な顔、師への感謝を込めた明朗な顔、そして、のちの大きなソナタへの先駆けのようなシンフォニックな顔、いずれも異なる気分が横溢している。

1番は、いきなり短調という悲劇色の濃い作品。
短いけれど、ベートーヴェンの野心がにじみ出たソナタです。
短調の両端楽章にはさまって、2楽章と3楽章は、軽やかで、装飾性も豊かで古典的。
終楽章は、のちの、熱情ソナタみたいですね。

2番は、1番とかわって、明るいイ長調。
短調のあとには、明朗快かいたる、長調がやってくる。
これも、後年のベートーヴェンの常かもです。
ちょっと掴みどころがないけど、流れるような優美さと、弾むリズムの対比がいい1楽章。
内省的な面持ちをもった2楽章は、これも後年、ベートーヴェンの美しい緩徐楽章の典型の走りと感じます。
低音で、ずっと続くスタッカートも印象的。
 そして、この曲で、はやくも、軽やかにスケルツォが登場。
さらに4楽章も流れがよく、明るく、のびのびした若々しさを感じます。
この2番のソナタは、結構好きですよ。

さて、一挙に規模を大きくした3番
ハ長調ならではの、壮麗さと、がっしりした印象をあたえる構成感。
よく演奏される曲だし、耳馴染みもいい。
 なんたって、1楽章は、アレグロ・コン・ブリオ。
いかにも、ベートーヴェンらしい。
アダージョ楽章は、ずいぶんとロマンティックで、古典派の枠をすでに超えた雰囲気もあり、なかなかに詩的であります。
この楽章は、好き。
 短めのスケルツォは、弾みがよろしく、続く華麗なフィナーレの前段として、交響曲の中の同じ存在のように聴ける。
ダイナミックで、技巧的でもある終楽章は、意欲に燃えるベートーヴェンらしく、元気はつらつ♪

 レコード時代、一気に全集で購入したバックハウスのソナタ全集。
当時は、ドイツものだったら、なんでもバックハウスとケンプだった。
そののちに、ブレンデルやアシュケナージ、ポリーニがやってきたのだったが、CD化された同じ全集を、あらためて、入手して、ことあるごとに聴いていますが、揺るぎない威厳と格調の高さが、こうした初期作でも感じるのは、バックハウスならでは。

最近の演奏家たちのような、鮮烈さや、タッチの冴え、考え抜かれた多彩な解釈などとは、一線を画するバックハウスの演奏ですが、やっぱり、わたくしには、別格の存在であります。
梅雨の長雨のなか、とても麗しい時間を過ごせた夜です。

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