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2015年7月17日 (金)

アーノルド 英国の舞曲 トムソン指揮

Ajisai_shiba_1

梅雨の最盛期のときの紫陽花。

今年の梅雨は、台風も絡んで異例ずくめ。

いつ終わるか、どのタイミングかさっぱり不明で、気象庁泣かせ。

世界中、そうなんだろうな・・・・

Ajisai_shiba_2

  アーノルド  英国の舞曲

    4つのイギリス舞曲集第1集、第2集

    4つのスコットランド舞曲集

    4つのコーニッシュ(コーンウォール)舞曲集

    4つのアイリッシュ(アイルランド)舞曲集 

    

   ブライデン・トムソン指揮 フィルハーモニア管弦楽団

                     (1990.2 @ユダ教会、ロンドン)


サー・マルコム・アーノルド(1921~2006)は、イングランド中東部のノーザンプトン出身の作曲家。
かなりの多作家で、その作品数は、300超。
映画音楽もかなり手掛け、国民的な人気もあった存在です。
 そう、あの「戦場にかける橋」の音楽を担当し、アカデミー音楽賞をとったのがアーノルドです。
誰もが知ってる、クワイ河マーチですよ、あの口笛。

一方で、本来は、クラシカルな存在でして、あらゆるジャンルに万遍なくその曲を残していて、交響曲は、ちゃんとお約束通り9曲。
ハーモニカやオルガンなど、さまざまな楽器のための協奏曲。
今回のダンス曲や、序曲、バレエ。
室内楽、器楽、歌曲、オペラ、吹奏楽・・・・。

おまけに、ロンドンフィルのトランペット奏者であったり、指揮者であったりと、ともかく、音楽に関しての超マルチな方でした。

その作風は、現代に生きた作曲家でありながら、明快で、基本は聴きやすい調性音楽です。
そうした点で、軽んじられていた向きもありますが、ダイナミックで耳を心地よく刺激する鳴りのいい音楽は、今後、もっと聴かれるようになるかもしれません。
先輩のウォルトンと、映画音楽系の後輩、J・ウィリアムズの間をゆく音楽と言ったらわかりやすいでしょうか。
 いや、わたくしは、まだアーノルドの音楽を、交響曲数曲と、こちらの舞曲のみしか聴いてないので、即断はいけませんね。

 さて、この英国連邦の舞曲集セット。

イギリス、スコットランド、コーンウォール、アイルランドの順に作曲されましたが、最初と最後では、30年以上の年月の開きがあります。

1950年代に二度に分けて書かれたイギリス舞曲は、広域のイギリスを描いたもので、ドヴォルザークのスラヴ舞曲を多分に意識していたらしいです。
トラディショナルな英国スタイルをイメージしてみてください。
気品と、ウィットとユーモア、そしてちょっとの憂愁。
戦場にかける橋を思わせるマーチも出てきますよ。
1956年には、サドラーズ・ウェールズ・バレエ団のレパートリーにも取り入れられたらしいです。

1957年には、スコットランド舞曲。
こちらは、スコットランド民謡が満載で、どこかで聴いたことあるフレーズが、じゃんじゃん登場します。
少し、いかつい、男臭さも漂い、スコットランドの雄大な自然を俯瞰するかのようなスクリーンの背景っぽい場面もあります。

1966年に、コーンウォール。
イギリスの最南西、トリスタンの生まれ故郷は、ケルト文化の里でもあります。
この地を愛したアーノルドは、海の街に特有の明るさと、大らかなユーモアあふれる人々が好きだったらしい。
 船乗りの歌、マーチングバンドの曲、そしてミステリアスな雰囲気、ジーグ、力強い男声合唱を思わせる曲など、ユニークなものです。

最後は、1986年のアイルランド。
連邦を離脱して、政争も経て、英連邦とは複雑な関係にあったアイルランド。
元気よく開始しますが、この曲集には、解説にもありましたが、曇り空に覆われたような陰りある雰囲気を感じます。
これまでの、明るく、快活で聴きやすい音楽から、アーノルドは、その筆に、なにか引っかかるものを感じさせるものを書きました。
70~80年代って、アイルランドは、連邦として残った北アイルランド、IRAなどの問題の方のイメージが先行して記憶されます。
本来のアイルランドといっしょくたにすべきではないですが、そんなシャープな雰囲気も感じさせるアイルランド舞曲なのでした。。。

 アーノルド、面白いでしょ。

ブライデン・トムソンと、ザ・フィルハーモニアの切れ味と、大らかな味わいにあふれた演奏は、録音の良さもあいまって最高です。

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