ドヴォルザーク スラヴ舞曲 ハイティンク指揮
靖国神社の御霊祭に行ってきました。
東京地区のお盆は、7月のこの時期。
それに合わせて、行われる都会の夏祭りなのですが、本来は、靖国に眠る英霊への慰霊を込めた、いわゆる慰霊祭。
このたくさんの提灯にも、個人や、戦没者の遺族、同期の会などの名前が刻まれてます。
今年から、境内・参道には、出店もなくなり、より慰霊の念の強まる厳かな雰囲気が。
もちろん、遅い時間に行ったので、このような感じでしたが、もう少し早いと、盆踊りが、写真の先にある、大村益次郎さんの像の下の特設ステージで行われてましたし、日によっては、青森ねぶたとか、歌謡ショーとかもにぎやかに行われています。
前にも書きましたが、社会人1年生のとき、当時の会社が、九段下にあったものですから、当時は、よくこのお祭りに行ったものでした。
当時は、おどろおどろしい見世物小屋とか、お化け屋敷なんかも出てて、完全なお祭り状態。
祭、本来の意味を考えるうえでも、今回の出店中止の処置やよかったのではないかと。
浴衣を着た若者や、欧米中心の外国人など、ほんとに多かったですし、わたくしも何人ものシャッターを押しましたよ。
ドヴォルザーク スラヴ舞曲第1集 第1番~8番 op46
ベルナルト・ハイティンク指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
(1959~68 @アムステルダム)
ハイティンクの若き頃の録音。
ハイティンクはドヴォルザークには、そんなに積極的ではなくて、交響曲は7番と8番、その折りのカップリングとして作品46のスラヴ舞曲。
あとは、ジャンドロンとチェロ協奏曲。
これぐらいしかないです。
「新世界」を振らない~ハイティンクの七不思議のひとつです。
以下、過去記事より~
「先輩ブラームスの勧めもあって、ドヴォルザークは、ピアノ連弾用のボヘミアの舞曲集を作曲することとなるが、それは同時に、ブラームスのハンガリー舞曲でひと儲けした楽譜商ジムロック社にとって、二匹目柳の下のドジョウなのでした。
8曲の作品46のこちらのスラヴ舞曲集は大成功をえて、文字通りドヴォルザークの本格出世作となり、即座にオーケストレーションもされました。
8年後には、作品72の二番目の曲集も作曲され、全16曲のスラヴ舞曲は、ボヘミアの息吹きを感じさせるばかりでなく、スロヴァキア、ウクライナ、ポーランドなどのスラヴ諸国の民族音楽の集大成のような舞曲集となっております。
コンサートのアンコール曲でも、この曲集のなかの多くが定番となってます。」
全曲録音も多くて、セルやクーベリック、ノイマンらの往年の東欧系指揮者によるものを聴く機会がどうしても多いです。
そんな中で、妙に好きだったのが、この堂々たるハイティンクの演奏。
高校時代に、ハイティンクのファンになりましたが、その時の来日を機に発売されたいくつかのレコード。
その中にあったのが、ハイティンクとコンセルトヘボウの管弦楽曲名演集で、全部で8曲。
スラブ舞曲の第1番が、そこには収録されてまして、正直重々しくて、当時効き慣れてたセルのリズム感あふれる演奏との違いに驚いたものでした。
そして、後年、ハンガリー舞曲とカップリングされて、まとめられた作品46の8曲の廉価CDを入手し、その年代の違いによる録音の質感の違いはあるものの、当初の1番を聴いた重厚感あふれるイメージに包まれていて、さすがはこのコンビと唸らせるものでした。
さらに聴き重ねるごとに、このオーケストラの持つ、独特の色気のようなものも感じるようになりました。
ことに4番ヘ長調あたりであらわれる、各種楽器のソロの色香に。
独奏ヴァイオリンは名手、クレバースでしょうか。
6番ニ長調の軽やかさと、思わぬ自在さは、当時、ぼんくらのように批評していた評論家諸氏は、何を聴いていたのでしょうか。
やはり、ブルックナーやマーラーなどの大曲ばかりを、60年代から録音しまくっていたハイティンクは、それらがまだ完全認知されていない時代に先行していたために、まともに聴く人がいなかったから、その評価が遅きに失したのでしょう。
後年、スケールが大きくなり、オーケストラの結びつきも強まり、他のオーケストラでも、遜色なく名演を残すようになったハイティンクは、若いころから変わりなく、ハイティンクでした。
8番のダンス音楽として熱気をはらんだ雰囲気と、恰幅のいい悠然たる響きを伴った演奏を聴いて、つくづくそう思います。
ともかく立派でありつつ、洗練された軽やかさも。
そんな印象が、この曲集の最初から最後まで貫いてまし、毎度の褒め言葉は、フィリップス録音の素晴らしさ。
廉価CDのカップリングのブラームスのハンガリー舞曲は、後年、80年に10曲録音されたもので、こちらも最高ですよ、立派すぎるのが難点(笑)。
ともに、民族的であるよりは、ヨーロピアンな香りの舞曲集の演奏でありました。
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