ディーリアス 「シナーラ」 グローヴズ指揮
夜の紅白しだれ梅。
お月さんも、アングルにはおさめられなかったのですが、朧に輝いておりましたよ。
梅の甘い香りが、少しづつ緩みつつある夜の気配に色気を華ってましたね。
ディーリアス 「シナーラ」 ダウソンの詩による
バリトン:ジョン・シャーリー=クヮーク
サー・チャールズ・グローヴズ指揮ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー
(1969 @リヴァプール)
ディーリアス(1862~1934)が、薄幸の同世代の世紀末英国詩人、アーネスト・ダウソン(1876~1900)の同名の作品に作曲した「シナーラ」。
1907年に筆をとるも、長く捨て置き、ビーチャムの新作の依頼により、そして、その晩年に献身的に尽したフェンビーの強力を得て、1929年に完成させた。
バリトン独唱が、主人公となって、忘れえぬ女性「シナーラ」を歌う。
ポーランド系の娘、シナーラは、レストランの娘。
ダウソンは惚れこんで、2年間通い、口説いたが、結局、彼女は店のウェイターと一緒になってしまった。
自暴自棄となった彼は、夜の街に沈み、酒と女の日々。
そして、そんな歓楽のなかにも、ふっと思い浮かぶのはシナーラの姿・・・・。
曲は、やるせないまでに切なく、そして官能的でもありつつ、感覚的。
ときに響きはぼやけて虚ろだし、そして、反面明晰。
いろんな要素が10分たらずの曲に込められてる。
それは、忘れられないシナーラを、つねにどこかで求めている主人公の感覚かも。
「さらに狂える楽を 強き酒を呼ばった
だが宴が終わりを告げ 燈火消え去れば
その時こそさしおりるは おまえの影よ
シナーラ! 夜はおまえのもの
そしてこの身は想いに沈み 昔の情熱に苛められる
そうよ 恋しきおまえの唇を求めもとめて
おまえを思いとおしてきたのだ シナーラよ
我なりに 」
南條竹則 訳
三浦淳史さんの解説を参考にいたしました。
ディーリアスの音楽に帰ってくると、ほんとうに、心の底から安寧感に満たされる・・・・・。
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