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2017年1月14日 (土)

コルンゴルト 「死の都」 ピエロの歌 ニコラ・ベネデッティ

Ginza_douri_2

銀座通り、イルミネーション、ヒカリミチ。

先日の連休まででおわり、いまは、普通の通りに戻っていることかと思います。

が、しかし、そこのあふれる人々の顔触れは、繁忙期も閑散気もかわらない、かの国を中心とした声高な面々。

日本中、どこにもかしこにも・・・・あ、もう言いません。

Ginza_douri

ブランド店ばかりだけど、ともかく、きれいで憧れに満ちた銀座。

昭和のわたくしには、いつまでも、銀座への渇望と憧れはやみません。。。。

銀座には物理的に行けるけれど、その先の本質には行けない、そんなもどかしさが、きっと一生あるんだろうな。

銀座には関係ないけど、こんな眩ゆさと、影の姿を両面あわせもつ、はかない音楽を。

そう、もう何度もここに登場してるコルンゴルトの最愛のオペラのなかの一節。

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  コルンゴルト  「死の都」 第2幕から

       ピエロの歌

 わが憧れ、わが惑いが、この夢に蘇る。

 踊りで得て、そして失ったわが幸せ
 ラインの川沿いで踊る
 月光のなかで、青い瞳が、この身に
 切なる眼差しをそそぎ
 辛い思いを訴える
 ここにいて どこにもいかないで
 故郷を見守って、静かに花開く幸せを
 わが憧れ、わが惑いが この夢に蘇る
 遥かなる魔力が この魂に 火をともす
 踊りの魔力に誘われ
 役者へと たどりつく
 優しすぎる あの女に従い
 涙ながらの口づけを知る

 酔いと苦しみ 惑いと幸せ
 これが曲芸師の定めか
 わが憧れ わが惑いが
 この夢に蘇る
 蘇る 蘇る・・・・

      (訳:広瀬大介)

オペラでは、妻を失い、街で見かけた妻そっくりの踊り子に声をかけるが、あとは、彼女の劇団グループも妄想と夢想のなかで登場し、恋敵たるピエロが、踊り子に対して歌うのをうつつに聴く・・・・

そんなピエロは、上演の際には、主人公の友人役の裏役として扱うことが多い。
それは、例えば、「タンホイザー」における、エリーザベトとヴェーヌスに二面性と、それをひとりで受け持つクンドリーみたいな感じだ。

この甘味なる音楽における、コルンゴルトの若き筆致は、ほんとうに耳がとろけるほどに素晴らしい。

バリトンの歌を、ヴァイオリンで素敵に演奏したニコラ・ベネデッティの、ある意味、健康的で、ヴィヴィットな弾きぶりにうっとり。
もう何度も記事にしてますね。
ほんと好きなんだから。

それと、本来のバリトンの歌では、ヘルマン・プライの友愛と、ビターなほろ苦さにあふれた歌が好き。

Korngold_die_tote_stadt

ついでに、このオペラ、第2幕への前奏曲も壮大でゴシック感も出てて素敵です。

わたくしは、全部聴けないときには、ちょくちょく、この前奏曲と、ピエロの歌と、マリエッタの歌を抜き出して聴いてます。

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コメント

 以前のように、活発に更新なさるようになって、なによりです。また、時々、訪問させていただきます。このCD聞きたいなあと思いつつも、聞けずにきましたが、聞きたい思いが更に強くなりました。「死の都」も何度か取り上げておられましたっけ?私は、廉価のnaxos版を何度も聞いていますが、魅力的なオペラですね。名前ほどには、世紀末感は感じないで、ただ、美しい音楽が延々と続いていくという印象ですが… それでは、また。

投稿: | 2017年1月19日 (木) 13時22分

すみません。あわてて、名前を書くのを忘れまして、よろしくお願いします。
最近、耳にして、取り上げていただきたいと思ったのは、ビゼーとレスピーギですかね。ビゼーは作品は少ないのですが、佳品揃いで、彼独自の世界があると思います。カルメンの音楽とストーリーの一体感はすごいと思います。今で言えば、映画音楽の大家になったのではないかと思います。

投稿: udon | 2017年1月19日 (木) 13時27分

udonさん、コメントいただきながら、ご返信、遅くなってしまいました、すいません。

ビゼーは、有名曲以外の音源がなかなか入手しにくいですね。
カルメン以外のオペラをいずれは取り上げたいと思いますし、オペラといえば、レスピーギです。
いくつか併行して聴いて練習中です(笑)
こちらはもう、ずばり、ワタクシの大好きな世界ですが、難題は対訳がまったくないこと・・・・・
ゆっくりと制覇したいと思います。

思い出したように、更新しますので、ときおり、ご訪問いただければ幸いです(笑)

投稿: yokochan | 2017年1月28日 (土) 23時59分

 ディーリアスの記事もまた書いていただいて、感謝です。
レスピーギのオペラはあまり知りませんでしたが、また、紹介してください。NHKFMで教会のステンドグラスが流れていて、興味深かったです。
 ビゼーは音源がカルメン以外は少ないんですね。真珠採りとか、美しいパースの娘あたり、紹介していただければ感謝です。
それでは、また、時々訪問します。寒い季節、ご健康に気をつけてお過ごしください。

投稿: udon | 2017年2月 2日 (木) 16時13分

udonさん、こんにちは。
レスピーギのオペラ、気がついたら、今日明日で、ベルファゴールが東京オペラプロデュースで上演されるようです。
残念ながら行けませんが、この作品もきらびやかな旋律にあふれたオペラです。いつかは取り上げたいと思ってますし、欲張りにもビゼーも!

ディーリアスは、冬でも、春でも、夏に秋にも、素敵すぎる音楽ばかりですね。

投稿: yokochan | 2017年2月 4日 (土) 09時57分

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