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2017年3月

2017年3月24日 (金)

「ラヴェンダーの咲く庭で」 映画

Ravender

 その音楽だけは、ニコラ・ベネデッティの演奏するCDを通じて、とても気にいってたし、きっと、わたくしの理想とする英国の辺境の海辺の街が、すてきに描かれてるんだろうなと、想いをめぐらせていました。

いつも探してた。

そして、なんのことはない、近くのツタヤにありました。

そしてお借りして、じっくり鑑賞。

じんわりと、そして、あまりに同調もできる美しくも哀しい心情。

今日は、自分にも特別な日かもしれないのど、メルクマール的に、エントリーしておきます。

美しい映画の印象と、その思いは、またあとで、追加更新したいと思います。


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2017年3月21日 (火)

ショスタコーヴィチ ふたりのペトレンコ

Zojyoji_2

お彼岸の昨日。

東京は、温暖の陽気に。

ここ、増上寺も、桜がちらほらと、開花し始めました。

東京の開花宣言は、靖国神社で、そちらが、まだ準備ととのわずとのことだったけれど、21日の今日、開花宣言なされました。

春ちかし。

が、しかし、冷たい雨で、一進一退・・・・

で、ペトレンコ。

Petorenko

これからの、オーケストラ界をリードする指揮者たち。

今回は、ふたりのペトレンコ。

ニュース的に、情報量の少なさや、日本での馴染みの不足から、驚きの報だった、キリルの方のペトレンコ。

シベリア地方の出身で、音楽家だった両親とともに、若き日に、オーストリアに移住し、同国と、ドイツのオペラハウスで、叩き上げのオペラ指揮者として、徐々に頭角を現すようになった。
 そんな、伝統的なカペルマイスター的な、積み上げの成果が、バイエルン国立歌劇場の音楽監督や、バイロイト音楽祭でのリングに結びつき、そして、ベルリンフィルの指揮者という最高のポストにたどり着いた。

2018年の正式就任には、46歳となるキリルさにん。

天下のベルリンフィルに、この年代で若すぎるのでは・・、と思ったら、現任のサイモン・ラトルは、47歳での就任だった。
クラウディオ・アバドは、さまざまな華やかなポストを歴任したあとの、ベルリンフィル音楽監督は、57歳。
ちなみに、カラヤンは、フルトヴェングラーのあとを継いだのは47歳。

より自主性を増したこのオーケストラの判断の正しさは、これまでの歴史と経緯が物語ってます。
そして、さらに、キリル・ペトレンコの音楽メディアに対する慎重さが、ユニークであり、そして、キリルに対する謎めいた雰囲気を高める効果ともなっている。
 いま聴ける、正規音源が、スークの作品と、ベルりンへの客演映像のみ。
商業的にたくらみそうな、ベルリンフィルとの録音や、バイエルンでの映像もなし。

いいじゃないか、こんな硬派な存在!

数年前のライブ録音を、youtubeから聴いた。

 ショスタコーヴィチ  交響曲第7番「レニングラード」

   
キリル・ペトレンコ指揮 RAI交響楽団


2013年ごろの演奏会ライブと思われます。
RAIは、トリノのイタリア国営放送のオーケストラで、ローマと、ミラノ、トリノにあった放送オケをトリノで一体化させたもの。

 スピード感と、音圧のすごさを、この放送音源からでも感じます。
そして、重苦しくならない、軽やかさと、不思議に明るい解放感も。
 終結の、豪勢きわまりないエンディングも、このイタリアのオーケストラから、びっくりするぐらいの精度も伴って引き出してました。
 しかしながら、表面的な効果狙いとは遠く、さまざまな問題提起のある、意義深いショスタコを聴いた想い。
これはまた、ベルリンでのショスタコの全曲演奏に、大いなる期待を抱かせてくれるひとこまでありました。
 ちなみに、戦争の主題の繰り返しのサブリミナル効果場面では、ものすごい興奮と熱狂が聴く人を待ちうけてますよ。

こういったところも、うまいんだ、これまた、キリルさん。

Shostakovich_13_petorenko_a

  ショスコーヴィチ 交響曲第13番「バビ・ヤール」

     Br:アレクサンダー・ヴィノグラードフ

 ヴァシリー・ペトレンコ指揮 ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団
                       〃          男声合唱団
                  ハッダーズ・フィールド・コーラル・ソサエティ

                       (2013.9 @リヴァプール)

もうひとりのペトレンコ、ヴァシリーの方は、今年41歳。

キリルと比べても、まだ若手だけど、しかし、もうすでに多くの録音と、日本への数度の来日もあって、その存在は、ひろく知れ渡っている。
 サンクトペテルスブルクの出身で、若き日々にソ連崩壊を経験し、音楽家としては、オペラの道を極めようとした点で、キリルと同じ。

しかし、旧西側でのポスト、ロイヤル・リヴァプールフィル、さらにはオスロ・フィルの指揮者となることで、コンサート指揮者としての存在ばかりが評価されるようになった。
この世代としては、録音に恵まれていて、ナクソスとEMIに、相当量の音源を残しつつあるし、共演盤も多いことから、合わせものでの才覚もある。
 が、しかし、ヴァシリーさんは、キリルと異なって、得意であるはずのオペラに、いまだに恵まれていない。

キリルさんの方は、とんとん拍子に、オペラとオーケストラを高度なポストでもって披歴することが可能となったが、ヴァシリーさんは、いまのところ、コンサート系のみ。
 オペラのポストは、なにかと忙しいし、苦難も多いから、それがゆえに、才能あふれるヴァシリーさんには、どこかオペラのポストも得て、ゲルギーなみの物理的な多忙さをコントロールしていって欲しい。

で、リヴァプールフィルによるショスタコーヴィチは全曲録音も完結し、次々に、多様なプロジェクトに取り組むヴァシリーさん。
ロシア物以外にも、エルガーに取り組んで、英国での長い活動をレパートリーに反映させるようになってきた。
このあたりの本来の多彩な活動ぶりが、もっと表面化し、評価されるようになると、ヴァシリーさんは、さらにステップアップすると思います。

で、今回の「バビ・ヤール」。
スマートで、イギリスのオーケストラならではの、ニュートラルな雰囲気で、金管をはじめ、弦は爽快なまでに爽やか。
でも、ときに、手荒な混沌たる響きを導きだすのが、ヴァシリー・ペトレンコの腕前で、悲壮感あふれる強大なフォルテの威力は強烈だ。
 わたくしには、このリヴァプールのオケは、チャールズ・グローヴスのもと、ディーリアスの数々の繊細な演奏での印象が強くあるが、こんな音色を聴くことになることに、驚きを感じた次第。
13番ならではの、皮肉にあふれたシニカルな様相も、たくみに表出されている。
 しいていえば、エグさが少ないかも。
その点は、キリルさんの方が多様に持ち合わせているかも。

 キリルとヴァシリー、ふたりのペトレンコ。
これからも、注目して、聴いて行きましょう。

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2017年3月12日 (日)

ワーグナー ニーベルングの指環 抜粋 P・ジョルダン指揮

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銀座の顔のひとつ、ソニービル。

築51年の老舗ビルは、2017年3月末を持って閉館し、解体される。

待ち合わせや、ビル前での催し、飲食店など、私にとっても懐かしい思い出がたくさんある。

2018年から2020年にかけて、この場所はイベントスペースとして活用され、その後にビルとなる。

このビル前の、数寄屋橋阪急もいまはリニューアルされたし、松坂屋は、いまギンザシックスという巨大な複合ビルとして、開業間近。

思えば、街も、人間と同じで、新陳代謝や新旧交代がなされて、あらたに生まれ変わって、成長していく。
都会ばかりでなく、どの街も、人が係われば、大なり小なり同じことだと思う。

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春は近いよ!

そして、今日は、血肉と化したワーグナーを。

前記事に続いて、次世代大物指揮者を。

さらに、こちらは、二代目サラブレット。

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  ワーグナー ニーベルングの指環 抜粋

   フィリップ・ジョルダン指揮 パリ・オペラ座管弦楽団

     ブリュンヒルデ:ニーナ・シュティンメ

                 (2013.6 @パリ、バスティーユ)


スイスの名指揮者、アルミン・ジョルダン(1932~2006)の息子、フィリップ・ジョルダンは、42歳の、指揮者にとっては若手中堅筋。

しかし、そのオペラにおける豊富な実績からして、もうオペラ界の重鎮的な存在といってもいいかもしれない。
 バレンボイムのもとで、ベルリンで活動し、2009年より、パリのオペラ座の音楽監督になってる逸材。
しかも、2014年から、ウィーン交響楽団の首席指揮者に登用され、オペラとコンサート、両方の確たるポジションを築きつつある。

オペラを極めた親父ジョルダンと、そっくりの道のりを歩むフィリップ。

父ジョルダンは、ルツェルン出身で、チューリヒに没し、フィリップは、そのチューリヒが出身。
多国籍的なスイスにあって、ドイツ語圏だから、親子ともに、ドイツ・オーストリア音楽に近しい。
さらに、スイスの国柄から、フランスとイタリアにも境があって、当然にフランス系の音楽や、イタリアオペラにも精通してる。
そんな親子ともどもの共通点のDNAを高レベルでもって引き継いでるジョルダン氏。

 バイロイトには、2012年に、パルシファルで登場し、今年のマイスタージンガーのプリミエを任された!

そんなフィリップ・ジョルダンのワーグナーを確認できる音盤が、パリのオペラオケを指揮したリングだ。

これが実に、素敵なワーグナーなんだ。

重厚でオーソドックスな、師バレンボイムと、明晰で透明感あるブーレーズの解析度、ともに譲り受けたようなスタイリッシュなワーグナー。

そう、ドイツの本格派を引継ぎながら、ラテン的な目線も持つクリアなワーグナー。
ヴィーラント・ワーグナーが聴いたらな、とても喜びそうな曇りない音楽で、クラウディオ・アバドのワーグナーにも通じると聴いた。
 聴かせどころで、私の基準からすると、ちょっとスルーしてしまうところもあるが、どうしてどうして、本物のクリア系ワーグナーですよ。

クリュイタンス以来の、パリ・オペラ座のワーグナー録音。
思えば、バスティーユ・オペラと呼ばれていた時分の初代指揮者は、バレンボイムだった。
そして、数年前、ビシュコフの指揮で東京で聴いた「トリスタン」も、フレンチでありつつ、明快なワーグナーだった。

ティーレマンとドレスデンのワーグナーと、対極にありつつ、ともにワーグナーの真髄を聴かせてくれる、そんなジョルダン&オペラ座でありました。

「ブリュンヒルデの自己犠牲」では、シュティンメが、ぜい肉をそぎ落としたような、まったくもって、赤身肉のような、脂身ゼロの、超ウマい美声でもって、リングのハイライトを締めくくっております!!

さぁ、次の有望指揮者は、誰にしましょうね。

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