高崎保男先生を偲んで
最後まで残っていた冬のイルミネーションですが、バレンタインの終わった週末を限りに、こちらも終了してしまいました。
このあたりは、旧薩摩藩の敷地で、幕末の出来事と所縁のある場所。
ビルの立ち並ぶエリアに、ぽつんと、勝海舟と西郷隆盛の会ったところ、などの表示があったりします。
音楽評論家の高崎保男先生が、12月にお亡くなりなっていたそうです。
レコード芸術で、目立たぬように静かに記事になっていました。
故人のご遺志とのこと。
近年、ただでさえ、オペラの新譜が、ことに国内盤ではまったく発売されなくなり、レコ芸オペラ担当の、高崎さんの名評論がまったく読むことができなくなっていた。
しかし、ときおり出るソロCDなどで、今度は高崎先生の名前が見られなくなっていたので、ちょっと心配をしておりました。
そして、この訃報。
静かに去られた高崎先生。
わたくしが生まれて間もないころからずっとレコ芸のオペラ担当をされていらっしゃいました。
わたくしがオペラが好きになったのも、それから、クラウディオ・アバドが大好きになったのも、高崎先生の数々の文章があってのもの。
心に残るいくつかの記事を思いおこすと、今後活躍する指揮者の特集での「アバド」の記事。
オペラ評論での、「アバドのチェネレントラ」「カラヤンのトリスタン」「ベームのリング」「ヴェルデイ、オペラ合唱曲、アバド・スカラ座」「アバドのマクベス」「アバドのシモンボッカネグラ」・・・・数限りなくあります。
オールドファンの域に達しつつあるわたくし。
音楽を活字と共に味わう世代だったかもしれません。
今のように、あふれかえる音源を自由自在に受け止めることのできる時代とはまったく違う世の中だった。
高額だった1枚のレコードを擦り減るように聴き、そしてそれを買うにも、大切な指標となったのが評論家の先生の記事。
自分の想いと、波長のあう方のご意見なら間違いないと思う先生の存在がうれしかった。
そんな高崎先生でした。
同じレコ芸の、今度は巻末の訃報欄に、同じく音楽評論家の岩井宏之さんがお亡くなりなった記事が出てました。
岩井さんも、好きな音楽評論家でした。
やはり、アバドのことを高く評価し、さらには、神奈川フィルの役員もつとめられた方。
時の流れを大きく感じます。
高崎、岩井、両先生に感謝をいたしますとともに、その魂の安らかならんことをお祈りいたします。
| 固定リンク
コメント
好きな音楽評論家と書きながら、その方たちの訃報関連で
名前を間違えるってアホすぎる。
高崎先生は高崎保男
岩井先生は岩井宏之
ですよ。
投稿: 通りすがり | 2018年2月24日 (土) 18時26分
あ、間違えました。
故人に、あまりにも失礼でした。
亡くなられた方に申し訳ありません。
しかし、名乗れよ。
あほとはなんだ!
ふざけるなよ、あんたこそ、この場にふさわしくない。
もう見ないでください。
来るな!!
人の想いをなんだと思ってるんだ!!
間違った自分が悪いですが、なんでこんな悪意のコメントをするのでしょうか。
アホは甘受しますが、人の哀しみを小ばかにするようで、許しがたいです。
あなたは、いったい何様ですか!
ほんとに腹が立ちました!
わたくしは、純粋に、長年の想いを哀しみの言葉にしただけです。
普通に、間違いを指摘すればいいじゃないですか!
ほんとに失礼な方だ。
哀しみの記事を買いて、こんな、嫌な思いをしたことはかつてありません!
人の気持ちをわからないような人は、ともかくもう来ないでください。
投稿: yokochan | 2018年2月24日 (土) 22時00分
好きな音楽評論家と書きながら、その方たちの訃報関連で
名前を間違えるってアホすぎる。
高崎先生は高崎保男
岩井先生は岩井宏之
ですよ。
はぁぁ、この御指摘さっぱりわからんのふ
しかし、昔のFM
お相手は
わたくし 高崎保夫でした
というフレーズ お耳アジャパーのあたくしの脳裏にこびりついてますなぁ どんな番組だったか忘れ申した
フレーズのあとで 別れの音楽がながれますなぁ
テンポの遅い音楽 弦楽だけの響き
誰の曲だかのふ モーツァルトかのふ
ま、この記事読んで その音楽があたくしの脳裏にリフレイン
しかし、聞こえななくなっても音が聞こえるってえのは重宝かものふ 一所懸命モーツァルトあたり聞いててよかったわ ワグナーマーラーブルックナーはご免こうむりまっせぇ
投稿: 真坊 | 2018年2月26日 (月) 21時46分
私も一オペラファンとして、レコ芸での高崎先生の批評を毎月楽しみに読み、昔存在した「オペラ愛好会」という同好会で月に一度、先生の講議をお聞きしながら新譜のレコード(未だCDの時代ではありませんでした)を聞く集まりに出席して、帰りにご一緒にお食事をしたり、たまには当時目黒にお住まいだった先生のマンションをお訪ねさせて頂いたりしてきましたので、先生のご逝去はとても悲しく、寂しいです。先生のおかげで私はオペラファンとして成長させて頂いたように感じております。私は先生の「旅立ちの会」に出席させて頂きましたが、それは1月27日の土曜日、ご遺族は土曜日ならご出席の方々に都合がよいので、この日を選んだようですが、その日はヴェルディの命日でした。やはり、”オペラ命”の先生に天の誰かが配剤してくれたのでしょうね。
私もクラウディオ・アッバードが大好きです。一番好きな指揮者です。 スカラ座の初来日(1981年)の時のヴェルディ・レクイエムに感動のあまり、ロンドンに手紙を出しましたら、お返事をくださいました。それを大切に額に入れて飾っております。
悪意のコメントは無視しましょう。腹をたてるだけそんですよ。
高崎先生のこと、忘れないでくださいね。
投稿: | 2018年3月13日 (火) 05時18分
真坊さん、ほんと困ったコメントでした。
高崎さんのFMでの解説は、わたしも鮮明に覚えてます。
8時からの海外のライブで、たしか、金曜日のご担当が多かったのではと記憶してます。
投稿: yokochan | 2018年3月18日 (日) 22時16分
読み人知らずさま、コメントをどうもありがとうございます。
高崎先生の講義や、そしてお近くで接しられたとのこと、とてもうらやましく思い、さらに、お送りのご様子も書いてくださり、とても感激いたしました。
わたくしは、70年ごろからずっと先生のレコ芸主体のお言葉を読んで、オペラ好きの心情をはぐくんできました。
ことに、先生が書くアバドのオペラの批評は食い入るように、一言一句を読み、記憶すらしてしまいました。
アバドの一時の不調も残念そうに書かれてましたし、願わくは、日の目を見なかったアバドのトリスタンの先生のご評論を伺いたかったです。
そうですね、普段は冷静なのですが、ちょっと怒ってしまいました。無視することとします。
このたびは、コメントどうもありがとうございました。
投稿: yokochan | 2018年3月18日 (日) 22時26分
お久しゅうございます。秋田のモナコ命です。高崎先生の訃報、初めて知りました。オペラファンの私としてはかなりの衝撃です。くるくるパーのコメントへのさまよえる様の対応を見、痛快に感じました。
田舎住みの私にオペラの魅力をレコードの解説、雑誌の講評を通じて教えて下さいました。この数年間まったく動向を知りませんでした。恩知らずでした。反省しております。高崎先生のオペラへの情熱と愛情、オペラファンを増やし支えてきてくれた活動に心からの敬意と感謝を申し上げたいと思います。
投稿: モナコ命 | 2018年5月12日 (土) 20時46分
モナコ命さん、こちらこそご無沙汰をしております。
ほんと、おっしゃる通りです。
高崎先生の数々の評論や書物、そしてFM放送の解説など、身に染み入るほどに何度も読み、そして聴き、オペラへの情熱を高めることができたと思います。
「心からの経緯と感謝」、わたくしもまったく同感に思い、御礼を申し上げたく存じます。
投稿: yokochan | 2018年5月15日 (火) 17時35分
このところ業界不景気で、オペラの月評担当の方も休業だなと思っていた矢先の、氏の訃報、確かに驚きでしたね。評論家も世代交代が徐々にしかし確実に、進んで居ます。
投稿: 覆面吾郎 | 2019年6月 3日 (月) 07時19分
この所この業界も不景気の煽りで、オペラ全曲録音もなかなか登場せず、月評担当の方々も開店休業状態だなぁ‥と慨嘆していた矢先の氏の訃報、やはり驚きましたです。LPやCD解説書の充実して熱の籠った楽曲分析力には、頭の下がる思いでした。海外でのオペラ公演体験も豊富なようで、お羨ましい限りでした。遅まきですが、謹んで御冥福をお祈り申し上げます。
投稿: 覆面吾郎 | 2019年6月 3日 (月) 09時46分
高崎先生お亡くなりになっていたのですね。しかももう5年も前・・・。フォーレのレクイエムのエラート版を流すだけの「お葬式」無事にご存命の頃からのご希望通りになったのでしょうか。以前同レコードのライナーノーツの冒頭に書かれていた文章がふと気になって検索してこのサイトにたどり着きました。合掌
投稿: 針谷野種 | 2022年10月 9日 (日) 15時32分
針谷野種さま、コメントありがとうございました。
返信が遅くなり申し訳ありません。
高崎先生の多くの文章はいまでも大切に拝読してますし、NHKFMの解説における、その渋いお声もしっかり耳に残ってます。
間違いなく、日本のオペラファンのすそ野を増やすことに一翼を担われた先生と確信しております。
ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2022年10月31日 (月) 08時42分
yokochan様変わり
日本のクラシック評論に於ける、オペラ・ジャンルの第一人者で、あらせられました。
ただ、モンセラ・カバリエ、ジョーン・サザランド、マリリン・ホーン、グィニス・ジョーンズ、ジャンニ・ポッジ、ジョン・アレクサンダーと言った面々への、酷評ぶりと評価の低さには、『う~ん、そうかなぁ?』と、首を傾げてしまいました(笑)。
投稿: 覆面吾郎 | 2024年11月 6日 (水) 12時34分
故高崎先生のオペラ評はレコ芸の最大の楽しみでした。
指揮者も含め、厳しい方には徹底してましたね。
ある意味、そのあたりもとても勉強になりました。
60年代の論評からまったくブレがなかったです。
投稿: yokochan | 2024年11月26日 (火) 17時47分