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2018年12月20日 (木)

東京都交響楽団演奏会 R・シュトラウス ビゼー R=コルサコフ

Tmso20181219

師走のクリスマス前の文化会館。

クリスマス感は、ちょっと少なめだけど、モニュメントがエントランスにいくつかありましたので、ちょっと手を加えてみました。

クリスマス期に、スペインにまつわる音楽特集。
それも、スペイン人以外の作曲者で。
なかなかナイスなプログラミングです。
そして、自分的には、R・シュトラウスの作品を数日の間に連続して聴けることが大きな喜びでした。
しかも、シュトラウス自身が、対の作品と称した「英雄の生涯」を聴いて、少し遡った作曲年代の「ドン・キホーテ」であります。

  東京都交響楽団第870回 定期演奏会

 R・シュトラウス     交響詩「ドン・キホーテ」

        Vc:ターニャ・テツラフ

        Vla:鈴木 学

 ビゼー          歌劇「カルメン」組曲より
                  A・ギルバート・セレクション

 R=コルサコフ     スペイン奇想曲

       アラン・ギルバート指揮 東京都交響楽団

         コンサートマスター:四方 恭子

               (2018.12.19 @東京文化会館)

演奏会の曲のメインということでは、シュトラウスが最後なのだろうけど、盛り上がりという点で、この演奏曲順は納得せざるをえない。
 そして、後半の名曲集の演奏があまりに鮮やかだったので、シュトラウスの滋味あふれる作品の印象が、コンサート終了後にちょっと弱まってしまった感はあります。

赤のドレスで登場のターニャ・テツラフさん、スリムで小柄な方で、遠めには、前駐日大使のキャロライン・ケネディを思い起こさせるような風貌です。
でも、写真でお顔を見ると、確かにお兄さんのヴァイオリニスト、クリスティアン・テツラフに似ている。
 その彼女のチェロの音色は美しい。名器ガァダニーニとのことですが、技巧に走らずバリバリ引くタイプでない、しっとりした雰囲気です。
兄たちとのアンサンブルや、カンマーフィルでの首席などの活動で、身についた、ほかの奏者をよく聴き、その溶け合いや対比にすぐさまに対応してゆくしなやかさを感じます。
実際、指揮者を挟んで向こう側で弾いていたヴィオラの鈴木さんの方をよく見て、聴いていました。
 狂気に走る、そんな唯我独尊的な主人公を雄弁に語る演奏は多々あれど、この日のターニャさんのチェロは、柔和な語り口の優しい雰囲気の主人公のように感じました。
だから、最終章の死の床にあった回想が、しみじみとして、そして万乗の物語を締めくくるに相応しいシーンとなりました。

対する従者のヴィオラの鈴木さんは、かなり克明な刻みで、ふくよかだけれども、音圧も豊かで、ご主人さまよりも、主張が明確、かつ強めの音。
でも、ヴィオラの肉声的な語りかけるような中声部的な魅力がたっぷり。

コンマス四方さんは、この日、ソロも多く、まさにベテランの味わい深さに、楽員の、指揮者のリスペクトを一身に受けてました。

そして、アラン・ギルバートさん。
登場人物たちの活躍の背景、シュトラウスの巧みな筆致によるオーケストラを、どちらかといえば控えがちに導いてました。
文化会館の木質だけれども、響きの少な目のパレットを意識したのでしょうか、ソロを引き立てるために、オーケストラを押さえがち。
曲の内容の違いもあるが、ノット&東響のノリに乗った、そして歌心にあふれたシュトラウスの前には分が悪かったし、オペラの経験もどんどん積んでほしいと思わせる、アランの指揮でした。
でも、ソロが出てこない場面のくだりは、都響の巧さもあって、聴きごたえ充分でした。

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後半は、オーケストラ名曲大会。

アラン・ギルバートの面目躍如たるシーンが展開されました。

明るいアメリカ人、オケを乗せまくり、キューの出し入れも正確無比に決まりまくり、奏者もずばずば決めまくり、聴き手もいつしかのりのりに!

通俗名曲たるカルメンは、巧みな選曲で、前奏曲に始まり、途中、有名アリアや間奏曲をはさみながら、ジプシーの踊りで猛烈なアッチェランドをかけて熱狂的に終了。
盛り上がりました。
私的には、アリアの数々を、オケのソロ楽器によって代用されるのは、原曲のイメージが強すぎるものだから、聴いててちょっとつらい部分もありますが、それにしても都響のソロの皆様の巧さは、芸達者の域に達してました。
闘牛士の歌なんか、思い切り歌いたくなりましたよ!

最後の、スペイン奇想曲。
アランさんは、聴衆を制しつつ、指揮台に昇るやいなや、あの開放的な打楽器満載のメロディーを一挙に鳴らしました。いい!
大好きなこの曲、16分ぐらいの長さが、実はとても長く感じる大きな音楽として聴くことができたのです。
R=コルサコフならではの、オーケストレーションの鮮やかさを、卓越した棒さばきでもって、エキゾチックなムードも満載に描きつくした演奏です。
都響のソロたちの安定感を、ここでも微に入り細を尽くしたバトンのキューでもって完璧に引き出すさまは、後ろから見ていて痛快。
 めちゃくちゃ盛り上がった後半に、アラン・ギルバートの面白さと実力を感じました。

都響の首席客演指揮者としてスタートしたばかりの、アラン・ギルバート。
NYPO時代の演奏の数々は、同団のHPから、わたくしもかなり聴きましたが、マーラーやショスタコーヴィチなどは二重丸。
でも、古典系やロマン派は、まだまだの感あり、そのあたりを今後いかに自分のものとしていくか、都響でも今後、ハイドンやモーツァルトを取り上げていくようなので、見守っていきたいと思ったりもした次第です。

終演後、オーケストラの中に入って聴衆の拍手にこたえる様子、わたしたち聴き手に手を振る様子など、フランクで、気のおけない雰囲気をもったアランさん、都響にも、日本の音楽シーンにも、とてもいい存在になりそうです。

楽しいコンサートでした♪

Ueno_soba

今年も、チケットありながらいけなかったコンサートがいくつか。

何があるかわからない旅のような日々は、きっと来年も続くでしょう。

コンサートは、今年打ち止め。

あといくつか年内記事をUPします。

文化会館近くのお蕎麦屋さんで軽く一杯。
お皿が、めでた可愛かったのでパシャリ。

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