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2019年8月10日 (土)

夏の音楽 その1

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私にとっての夏の風景。

こんな景色を眺めながら聴けたらいい「夏の音楽」の多くは、英国音楽の数々。

夏の音楽、その1は、これまで何度も書いてきた英国音楽をチョイスします。

やはり、ディーリアス。
四季おりおり、季節に応じた作品が多いのもディーリアス。

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  ディーリアス 「夏の庭園で」

    バリー・ワーズワース指揮 ロンドン交響楽団

ディーリアスが妻イェルカのために書いた愛すべき音楽。
まさに、自然を活かした英国庭園で過ごす、夏のひと時、みたいな印象そのままの音楽。
物憂い暑さ、蜂の羽音、遠くに子供たちの声・・・・
そうした描写的なシーンのなかにも、ほれぼれしてしまうような歌にあふれた旋律が滔々と流れる。
この旋律を客観的に美しく演奏したワーズワースやハンドレーが好き。
あと、愛おしく、想いのたけを注ぎ込んだバルビローリも。
でも、珍しくディーリアスを録音してたオーマンディは自分にはダメだった。

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バルビローリとハンドレー、ともにハレ管のもので、ディーリアスの音楽は、いずれもジャケットも素敵。

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  ディーリアス 「夏の歌」

 サー・チャールズ・グローヴズ指揮 ロイヤル・リヴァプールフィルハーモニック

「夏の歌」、この曲も大好き。
ほどよく短いのもいいが、そのなかに凝縮されたドラマティックな夕焼けのような音楽。
海と山、夕暮れに別離、そんなディーリスの終生好んだ素材が詰まってます。
どうしても初聴きの、グローヴズ盤が忘れがたい想いでの演奏です。
あと、ここでも、バルビローリにハンドレー、あとA・デイヴィスも好き。

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  ディーリアス 「夏の夜 水のうえにて歌える」

     エリジアン・シンガーズ・オブ・ロンドン

ディーリアスの数々あるパート・ソングはいずれも涼しげで、夏の木陰や、夕涼みのひとときにぴったり。
2つのパートソングからなるこの作品。
レコード時代、ロンドンレーベルから出たこの曲のレコード、キラキラした水面に浮かぶ舟が、とても印象的で、ハルシー・シンガーズの演奏だった。
オリジナルジャケットで復活しないかな。

あと、「川の上の夏の夜」とかもあり、ディーリアスの「夏の音楽」は、自分には「夏の音楽」の代表格です。

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   エルガー 序曲「南国にて」

  サー・マーク・エルダー指揮 ハレ管弦楽団

エルガーの夏の音楽は、大オーケストラによる「南国にて」。
南フランスからイタリアにかけて旅行したエルガーが、陽光も眩しく明るくきらめく風土に感化され書いた音楽。
かなりダイナミックな音楽でもあり、20分以上かかるし、演奏効果もあるから、コンサートの最後でも大丈夫。
でも、この曲の一番魅力的なシーンは、中間部のビオラソロによる美しいセレナード。
夏の月夜に、夢見るようなこの素敵な旋律はぴったりきます。
 エルガーの交響曲や、オーケストラ作品のカップリングによく入っているので、たくさんの音源を持ってます。
エルガーと無縁そうなムーティがスカラ座フィルと珍しくもこの曲を録音しているのも、この作品の「南国」っぷりをあらわしてますが、わたくしは、残念ながらその演奏は聴いたことがありません。

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   ホルスト ふたつの東国の絵から、春と夏

     ホルスト・シンガーズ

「惑星」のホルストにも、小粋な作品がたくさんあります。
そして、先のディーリアスのように、英国作曲家ならではのパートソングも。
そのなかから、いかにも東洋好きのホルストらしい、東国の絵からインスパイアされたふたつの歌。
伴奏がハープで、これまた、さわやかで涼しげ。
このジャケットのとおりの音楽ですよ。
ダイナミックな惑星の作曲家とは思えない、楚々とした慎ましい音楽、これこそホルストの神髄です。

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   バックス 交響詩「ティンタジェル」

  ブライデン・トムソン指揮 アルスター管弦楽団

この曲、夏ばかりか、年中聴いてる大好きな音楽。
コーンウォールにあるティンタジェルの街を訪れたバックス。
アーサー王伝説も残る、真夏の荒涼としたティンタジェル城跡。
海と風、日の光を感じさせる渋いけど、輝かしい音楽です。
ダイナミックなトムソン盤は、シャンドスの名録音のひとつで、7曲の交響曲を7枚のCDに、管弦楽曲もカップリングして、その素敵なジャケットとともに、わたくしの宝物。
バルビローリ、エルダー、ダウンズ、ともに好き。

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   ブリッジ 交響詩「夏」

 サー・ネヴィル・マリナー指揮 アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ

フランク・ブリッジの後期ロマン派風の作風は、その作品数はあまり多くはないが、いずれも自分には素晴らしいものばかり。
季節を描いた曲として、「春のはじまり」とこの「夏」もあります。
とても幻想的な音楽で、とりとめのない中に、夏の物憂さや、いずれ去る夏をいとおしむような雰囲気を感じます。
夏の、午後2時ぐらいの感じの音楽といえばいいでしょうか・・・
イギリスの四季の音楽を集めた、サー・ネヴィルの透明感感じる美しい演奏に、グローヴズの大人の演奏もステキ。

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   ブリテン 歌劇「真夏の夜の夢」

  サー・コリン・デイヴィス指揮 コヴェントガーデン王立歌劇場

ブリッジの弟子だったブリテンは、パーセル以来のオペラ作曲家となった。
シェークスピアの戯曲を、先達のパーセルと同じくオペラ化しました。
これが幻想的かつ、抱腹絶倒の素晴らしいオペラなんです。
実際の舞台も観たし、ハイティンクのナイスなDVDも楽しみ、過去記事にしました。
音楽だけ聴いても、十分に楽しいし、ブリテンの筆の確かさと鮮やかさがわかります。
ちょろっと全部聴くわけにはいきませんが、つまみ聴きしても、クールな筆致のブリテンの音楽は、まさに真夏の夜のひとときの夢そのものを思わせます。
暑い夏の一夜、妖精たちに遊ばれてしまうのも一興です。
作曲者以外には考えられなかった頃に、ブリテンのオペラ録音に果敢に取り組んだデイヴィスの指揮で。

英国音楽作品には、まだまだ「夏の音楽」はたくさんあります。

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コメント

数年前、貴ブログでエリジアン・シンガーズによるディーリアスのパートソング集の存在を知り、即座に購入したのです。と申すのもやはりLP時代にハルシー・シンガーズのロンドン盤(確かアーゴ原盤)を購入し、三浦淳史先生の解説と名訳で親しんでいたので。先生がオケ版「二つの水彩画」よりもパートソングばかり夏場には聴くと書いておられたことにも共感しました。

以前、ウェーベルン「夏風のなかで」を取り上げておられましたが、それと並んで好きな曲はオネゲル「夏の牧歌」です。交響曲からオペラまで、さほどオネゲルには共感する点が多くはないのですが、こればかりは例外かも。やはり英国の夏と大陸の夏の違いを感じるのは当然でしょうか…。

投稿: Edipo Re | 2019年8月16日 (金) 09時15分

Edipo Reさん、こんにちは。
ハルシーのロンドン・アーゴ盤、わたくしは、FMで聴いたのみで、この夏、猛烈にあのジャケットが恋しくなり、あのままの姿で復刻してくれないものかと願望してます。

ウェーベルンも、オネゲルも、「夏の音楽 2」で取り上げる予定ですが、あの晦渋なオネゲルにあんな爽やかな作品がらるなんて、と思います。
そして、英国の夏の音楽は、日本の夏にも通じる島国の四季を感じますね、同感です。

投稿: yokochan | 2019年8月18日 (日) 16時14分

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