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2019年8月15日 (木)

ブリテン 戦争レクイエム ハーデング指揮

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もう何度か、ご紹介している少女像。

毎夏、町内はおろか、各地から寄せられる千羽鶴が飾られる。

家族が営むガラス工場が東京大空襲にあい、母と妹を失った少女。焼け跡から出てきたガラスのうさぎを手に、父と神奈川県二宮町に疎開。
駅に停めてあった貨物車両を狙った米軍の機銃掃射が、駅舎も襲い、そこで父を失う。
その時、亡くなったのは無辜の人々、5人。

二宮駅のホーム屋根の鉄骨には、今だ銃弾の跡があります。
わたくしの育った、小さな町も、海沿いということもあってか、相模湾方面から米軍機が終戦末期には飛来しました。
もちろん、お隣の平塚市が、軍事工場が多かったこともあって、空襲の被害はとても大きかったし、神奈川はもちろん横浜の空襲被害が大きかった。
そして、東京、名古屋、大阪の大都市圏も甚大な被害を受け、南方が陥落され、爆撃機が容易に本土各地にやってくるようになり、空襲被害は各地に拡大。
工場に加え、隣接する街々民家も、日本では木造であることこら、焼夷弾が使われ、一般国民の恐怖を煽る戦術を展開した。
 最期は、広島と長崎への原爆投下。
ふたつの原爆は、種類が異なり、アメリカはソ連に先んじて、投じることの効果も、さらに実験的な実証の狙いもあったわけだ。
空襲被害を受けていない、都市を選んでの、残酷な仕打ち。

一般人をこれほどまでに殺害したことは、戦争犯罪にほかなりません。
ドイツにはここまでやらなかったのは、民族差別的な思想もあったはずだ。
もちろん、日本軍もなにがしかの戦禍による、一般人の犠牲を巻き起こしたこともあるのは事実でしょう。

強い国であらんとしなくてはならない、アメリカは、日本の本気の強さ、手ごわさを身をもって知り、日本という国が二度とはむかってこないように、制度、教育、報道、あらゆる場面で、日本がすべて悪かったとの自虐思想を植え付けた。
 
戦後70年以上を経て、アメリカは、大切なパートナーとして、真の同盟国としての日本に、本当の意味での独立を促してます。
心優しい、われわれ日本人は、過去のことは水に流して、今をともに生きることを由とします。

二度と戦争になってはいけない。
日本がしたくなくても、強大化する某国が、太平洋への出口を狙っている。
そのための、ちゃんとした議論を正々堂々としていただきたい。
国民にも、すべてを知らして、理解させながら、反対意見もちゃんと聞きつつ、そんな国の運営を期待したい。

ちょっと保守的な、さまよえるクラヲタ人が、終戦の日に「戦争レクイエム」を聴きつつ、いつにないことを綴ってます。
もっと、もっと書いてしまいそうですが、レフト方面からボールが飛んできそうなので、これ以上、やめときます。

ただひとつ。
このガラスの少女像は、事実です。
どこかの国の少女像とは違います。

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ガラスのうさぎ

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   ブリテン 戦争レクイエム

     S:エマ・ベル
     T:アンドリュー・ステイプルス
     Br:クリスティアン・ゲルハーヘル

  ダニエル・ハーディング指揮 パリ管弦楽団
                ウィーン学友協会合唱団
                ウィーン国立歌劇場合唱団

         (2019.5.27 @ウィーン・コンツェルトハウス)

ハーディングとパリ管の、戦争レクイエムを引っさげてのヨーロッパ公演のうち、ウィーンでの演奏会をオーストリア放送協会のライブ放送で聴いたものを録音しました。
もん何度も聴きました。
これは、迫真の名演です。

ソプラノとテノールは、イギリス。
バリトンは、ドイツ人で、イギリス人が、フランスのオーケストラを指揮して、合唱はオーストリア。
まさに、ブリテンが望んだ、かつて戦った連合国と枢軸国の人々たちによる演奏。
ついでに、パリ管には日本人もいらっしゃいます。

音楽の演奏行為じたいもインターナショナル化した現在、ブリテンが作曲し、初演した当時と世界の枠組みはまったく変化してますし、こうした組み合わせも容易に仕立てることもできます。
それでも、超がつくくらいの集中力を感じさせ、全体をリードしていくハーディングの指揮振りには、なみなみならないものを感じます。
迫力あるディエスイレ、弦の刻みも克明で、パリ管の金管のシャウトもすさまじい。
一方で、ラクリモーサの哀しみも切度たかく、続く祈りも静謐。
ウィーンのお馴染みの合唱団も、とてもうまくて、絶叫にならずに、バランスもよろしく、とてもすてきです。
最期の、敵兵同士の邂逅と許しあいの感動的なシーンも、音楽を明快に聴かせるハーデングらしく、とても端麗な仕上がりだし、そのあとの平安に満ち、浄化されゆくエンディングも緊張を糸が途切れず、素晴らしいです。
会場をつつむ静寂も音楽の一部のようで、ライブならではの雰囲気を共有できるものです。

ちょっと歌いまわしが巧すぎるゲルハーヘルに、いかにも英国テナーらしい、透明感あるステイプルスの声の溶け合いのバランスもいいし、ワーグナーを得意とするベルの真摯なソプラノも好ましい。

あと、ウィーンの響きの豊かなホールもよく録音で捉えられてます。
ネット放送のありがたみをここでも満喫できました。

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敵同士が戦場でまみえ、やがてともに、許しあいながら眠っていく・・・というこのレクイエムの最期のシーン。
最前線の兵士の戦場の場面をオーエンの詩に託し、あと、死者を弔うことは、ラテン語の通常典礼文にて描ききったブリテンの名作です。
作者自身の手を離れて、つぎつぎに名演・桂演が生まれます。
これもまた、名曲たるゆえんでありましょう。

過去記事

「ブリテン&ロンドン交響楽団」

 「アルミンク&新日本フィル ライブ」

 「ジュリーニ&ニュー・フィルハーモニア」

 「ヒコックス&ロンドン響」

 「ガーディナー&北ドイツ放送響」 

 「ヤンソンス&バイエルン放送響」

 「ネルソンス&バーミンガム市響」

「K・ナガノ&エーテボリ交響楽団」

「ハイティンク&アムステルダム・コンセルトヘボウ」


「デイヴィス&ロンドン響」


毎年、おんなじような記事内容です・・・


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8月15日。
すべての戦没者に捧ぐ。

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コメント

ハーディング最新の演奏が流れているとは思いませんでしたが、新日フィルでの戦争レクイエムはすこぶる感動的でありましたヨ!

投稿: Ianis | 2019年8月15日 (木) 20時34分

ianisさん、まいどです。
新日は、墨田区のおひざ元ですから、大空襲にからめて、よく「戦争レクイエム」を取り上げます。
わたしは、前任のアルミンクの指揮で聴きました。
そしてハーディングの指揮は格別ですね。

投稿: yokochan | 2019年8月18日 (日) 15時58分

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