グラズノフ 「四季」 デ・ワールト指揮
梅の花もほころんでまいりました。
寒いんだか、暖かいんだかわからないくらいに、ここ関東では気温の変化が大きいこの冬です。
雪国には雪も少なく、あるべく季節感のメリハリがなくなってきてしまった感があります。
音楽ではちゃんと四季を。
グラズノフ バレエ「四季」
エド・デ・ワールト指揮 ミネソタ管弦楽団
(1993.1 @オーケストラホール、ミネアポリス)
チャイコフスキーの西欧風ロシアロマン主義と、恩師R・コルサコフら、5人組のロシア民族主義、その双方のDNAを受け継いだような存在のグラズノフ(1865~1936)。
とくに、チャイコフスキーが拓いたロシアのバレエ音楽の意匠を引き継ぎ、ライモンダと四季、有名なふたつの作品、さらに8曲の交響曲でも、ロシアと西欧の融合というグラズノフの音楽の傾向は顕著です。
過去にアンセルメの演奏で取り上げた内容を修正しつつ転載。
1899年、プティパの依頼により作曲され、翌年、マリンスキー劇場にて初演。
35分ほどのバレエ音楽で、その名のとおり、4つの季節を、それもロシア特有の四季をほのぼのと描いた作品。
1~2分ぐらいのディヴェルティスマンの連続する、ある意味めまぐるしく変わりゆくその表情ある音楽たちの集積でもあり、特定の物語を持たないので、チャイコフスキーのような個性的なドラマ性とは遠い音楽でもあります。
でもそれが、演奏会や音盤だけで聴く場合に、そのメロディアスなサウンドや、甘味さ、優しい郷愁などが、ある意味人畜無害なピースフルミュージックとして楽しめるものでもあると思います。
「春夏秋冬」ではなくて、「冬春夏秋」という構成で、「冬」から始まるのが、いかにも、ロシアならではの風情であり、作曲者の感性であります。
第1場:厳しい閉ざされた季節のなかにも、霜や氷、雪などを幻想味ゆたかに表現してる「冬」。
第2場:ほのぼのとやってくる「春」は、小鳥や花の世界で、たまらなく美しい旋律が続出。
第3場:北国の短い「夏」は、春との境目が緩やかで、恵を予感させ、さらに緩やかな夜も舟歌を歌って楽しげ。
第4場:実りの「秋」は、祭りの秋、豊穣の秋だ。爆発的なバッカナーレがあります。
だが、しかし、最後には、冬の横顔もチラつきだしながらも、さらに夏も回顧しつつ晴れやかに幕!
いい曲ですよ。
「秋」の音楽は、どこかで聴いたことがある、たしか、ディズニーのアニメで、ミッキーマウス作品だったかと思うが、勇壮な場面で巧みに使われていたと記憶します。
自然豊かなミネソタ州の州都、ミネアポリスのオーケストラが奏でるグラズノフ。
マリナーの後を受けて、1986年から1995年まで首席指揮者を務めたデ・ワールトの指揮とともに、珍しいレパートリーだと思います。
バレエ音楽というよりも、生真面目にシンフォニックに演奏した感じで、CDで自室で楽しむのに、録音の良さもあって、これほどふさわしいスタンダードなものはないと思う。
もっと歌いまくったり、ガンガン鳴らしてもいいかもしれないけれど、そういうときは、スヴェトラーノフやアンセルメを聴けばいい。
夜にぼんやりしたいときとか、昼食後に少しまったりしたいときなどに、この素直で、クリアーな演奏はありがたいものです。
まだまだグラズノフは、いまいち知らない作曲家です。
交響曲も5番と8番しか知らないし、あとヴァイオリン協奏曲ぐらいで、ライモンダも聴いたことないもんだ。
ぼちぼち、ショスタコーヴィチを見出したシンフォニストとしてのグラズノフの交響曲にチャレンジしてみようと思う。
セレブリエールの全曲盤が管弦楽や協奏曲も含めた全集で、異常に安くなってる!
または、尾高さんか、ヤルヴィか・・・うーむ
こんな風に、探求と鬼集、いくつになってもやめられませんなぁ~
夕方に撮ったので、ぼけぼけだけど、赤いのも。
春待ち遠し、でも、怖いよ新型ウ〇イ〇、堪忍にて・・・・
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