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2020年2月26日 (水)

ブラームス ピアノ協奏曲第1番・第2番 アシュケナージ&ハイティンク

Ooimachi-01

こちらは、神奈川県の大井町から見た富士。

ここは、東名高速からよく見えるけど、大きなビルがあって、そこはかつて第1生命のビルでした。

いまは、そのビルは、ブルックスコーヒーが買収して、オフィスビルと、ちょっとしたショッピングゾーンになってます。

逆光なのが残念ですが、夕日のシルエットだけでも美しい富士山です。

Brhms-p1Brahms-p2-ashke

   ブラームス ピアノ協奏曲第1番 ニ短調

         ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調

      ウラディミール・アシュケナージ

ベルナルト・ハイティンク指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団

               ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

       (1981.5 @アムステルダム、1982.10 @ゾフィエンザール)

引退を表明した、クラシック音楽界をけん引した2人の名匠。

もうじき91歳になるハイティンクは、2019年9月に指揮活動から引退。
アシュケナージは、82歳にして、1月にピアノニスト・指揮者から引退。

ともにいろんな演奏会やレコード時代からの数々の音源を通じて、親しんできた演奏家です。

ハイティンクは、1973年頃から、好きな指揮者となり、アバドと並ぶ押しの演奏家となりまして、当時、評論筋からはけちょんけちょんだったのが、そんなことはない、とも思いつつ、やっぱりそうかな?とも若い自分は思ったりもしてました。
でも、コンセルトヘボウと手を携えるようにした、その誠実な演奏が、やがて絶賛されるようになると、わたくしは、我がことのようにうれしかったりもしました。
ハイテインクの初レコードは、コンセルトヘボウとのブラームスの3番。

一方、アシュケナージもピアニストとして、1972年頃からFMを中心に聴き始め、当時はソ連からの亡命者、そしてなによりも、超絶技巧の持ち主と抒情派的な奏者として、大好きなピアニストとなりました。
デッカ(当時はロンドンレーベル)一筋。
初レコードは、ショパンの葬送ソナタがメインのライブ録音盤でした。

 でも、アシュケナージが指揮をするようになってしばらくしてから、わたしのアシュケナージに対する関心は薄れてしまうのでした。
ラフマニノフとかは、よかったんだけどなぁ。
なんか、これは、という1枚が、アシュケナージの指揮にはないような気もします。
いい人すぎるのか、エッシェンバッハのようにオペラもやらなかったし、アクの強さもなかったし・・・

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アシュケナージとハイティンクの共演盤は、このあとにラフマニノフの名盤を残すことになりますが、実演以外での初のこのコンビによる録音が、ブラームスの協奏曲。
ショスタコーヴィチの交響曲の録音に取り組んでいたハイティンクは、コンセルトヘボウで、このブラームスの1番の協奏曲と同時に5番の交響曲を録音してます。

1番は、重厚かつ芳醇なフィリップスサウンドで聴きなれたコンセルトヘボウが、デッカ録音で、どこかテカテカして聴こえて、さらに分離もよすぎて最初に聴いたときに、あれれ?と思った記憶があります。
それほどまでに聴き慣らされてきた、コンセルトヘボウ=フィリップスという音のイメージの強さに感じいった次第だし、レーベルが異なるとこうも雰囲気が変わってしまうのか、というものでした。
その後のショスタコーヴィチシリーズで、自分の中では、デッカの録音するコンセルトヘボウの音を受け入れて、明るさと豊かな響きと克明さを楽しむようにはなりましたが、でも、シャイーとの録音は、あまり好んで聴くものではありませんでした。

そんな前提条件で聴いた、80年代初めの1番はどうもしっくり来ずに、1番の協奏曲への苦手意識も伴って上滑りの気持ちに終始しつつ聴くこととなりました。
でも、アシュケナージのピアノも堂々としてるし、明晰で、音の粒立ちも際立っていて、しんねりもっつりとしたブラームスのイメージから遠いところで、1番を再現した名演だと思いますし、ハイティンクも共演指揮者の鏡として、アシュケナージのピアノにしっくりと噛み合った共感あふれるオーケストラとなってます。
 それでもしかし、曲への苦手意識とデッカ録音の当初のコンセルトヘボウでの録り方がしっくりこない、初聴きときのイメージはいまでも継続中なのでありました。
でも2楽章は、曲としていいな。

同じ、コンセルトヘボウのピアノ協奏曲1番であれば、FM放送でしか聴いてはないけど、ブレンデルとイッセルシュテットの録音の再発を強く望んでおきたいです。

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一方、ウィーンフィルのレコードにおけるイメージは、多くの同年代以上のリスナーがお持ちかもしれませんが、ゾフィエンザールにおけるデッカ録音であることは、共感をいただけることかと存じます。
のちに、DGでのムジークフェライン録音が、全レーベルの録音会場となり、どちらも等しくマイルドなウィーンフィルの音を伝えてますが、数々のオペラ録音や、イッセルシュテット、ショルティ、カラヤン、ベーム、ケルテスなどのデッカのウィーン録音は、やはりゾフィエンザールがあってのものだと思います。

そのイメージそのままの、ウィーンフィルを起用した2番の録音。
ひとことで言えば、ふくよかで豊麗なブラームスがここに聴ける。
当時の、いつものウィーンフィルの音色がふんだんに味わえる喜び。
柔らかなホルンに始まり、ピアノがそれを受けて入ってくる、さらにオーケストラの全奏がこれに応える。
ここまで聴いただけで、アシュケナージのおおらかかつ明快なピアノ、ハイティンクとウィーンフィルののびやかで、やわらかな音色。
そして、広がり豊かな素晴らしい録音。
ブラームスを、ピアノ協奏曲2番を聴く喜びを、ここでもう十二分に味わえ、この演奏がこの曲に相応しく、完璧なものであることがわかる。
初めて聴いた、もう37年も前の若き自分がよみがえるような気がする。
そう、若々しさも十分な演奏でもあるのだ。

2番の協奏曲は、高校時代に大いにはまり、この曲の初レコードだったバックハウスとベームの名盤を来る日も来る日も聴いたものです。
その録音も、同じデッカのゾフィエンザールでのもので、今聴いても、とても素晴らしい音がする。
そして、大学時代に聴いたのが、ポリーニとアバドの録音で、こちらもウィーンフィル。
DGはムジークフェラインで、これまたまろやかな録音で、演奏も若々しい春の息吹を感じるステキなものだった。

バックハウス、ポリーニ、アシュケナージのウィーン録音と、ブレンデルとアバドのものが、2番の協奏曲のわたしのフェイバリットであります。
ギレリスとリヒテル、ゼルキンなど、世評の高い盤は、いまだに未聴です。

ということで、繰り返しますが、1番はちょっと苦手です(しつこいですね)。

Azumayama-06

 こちらは毎度おなじみ、吾妻山からの富士で、お正月のもの。

よく見ると、気球が飛んでます、見えるかな?

Azumayama-07

ウィルスはおっかないけど、いつかは収束します。

いまは、お家で音楽を楽しむに限ります。

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コメント

'70年代、東名高速を通る都度、第一生命の巨大なビルが気になっていました。昨今は遠出の機会もなく、どうなっているのかと思いきや一大ショッピングセンターと化していたとは。当時はオフィスの地方分散の先駆けみたいに称されていたと記憶しますが、結局は回帰したのでしょうか。

ブラームスの2曲、1番が苦手なのは当方もです。交響曲の1番同様、肩に力が入り過ぎのようで。もっともこちらが若かった頃はさほどでも。2番はやはりバックハウス&ベームが最初でした。ところが数年前、ベーム&VPOも共に聴いた高校時代からの知友と呑んでたら
「色々聴いたが、あれちっとも特別に良いと思えんのだよ」と衝撃の?告白をしたのですね。もう少し年取ったら変わるだろなんてまぜっ返しましたが。ちなみに其奴は1番ともどもギレリス&ヨッフム推しで、当方も依存は無いのですが。

まあ2番は名盤揃いですが、ツィメルマン&バーンスタインも特にフィナーレのグラツィオーソ感が気に入ってます。またリヒテル&マゼールはまるでラフマニノフみたいで?

アシュケナージはLP時代から色々聴いたのですが、ピアノも指揮もついに実演には接しませんでした。だいぶ昔ですがステージで飛んでる蚊を見つけて退治し、両手をごしごしやりながらピアノに向かい、おもむろに演奏を始めたとか。

月曜の未明にBSプレミアムでハイティンクの最後から2番目の演奏会に接しました。考えてみればハイティンクも'97年にサントリーで同じVPOとブルックナー7番を聴いたのみで、同じ曲でしたから感慨もひとしおでしたが。およそ虚飾とは無縁のマエストロで、そのせいで若き日はなかなか人気が出なかったのかも。蘭フィリップスの推しも身びいきと受け止められたような。インタビューでもマーラーを二年間で全て録音しろと要求され閉口したと語っていました。

何かと騒がしい今日この頃ですが、一休宗純のように「雨降らば降れ、風吹かば吹け」と構えていれば良いのではなどと考えます。もっともそれすら許さないほど世間がヒステリックにならなければでしょうが…。

投稿: Edipo Re | 2020年2月27日 (木) 04時52分

Edipo Reさん、こんにちは。
旧第一生命ビル、ショッピングゾーンは1階のみで、そこにはドッグランとか、地場野菜売り場とか、飲食店など、なかなか魅力ありますが、そう何度も通う雰囲気でもありませんでした。
おいしいコーヒーが試飲できました!

1番が苦手の方は多いですね。
交響曲も、いまや苦手となってしまい、2番や3番の方を好みます。
ですので2番の協奏曲が同様に好きです。
ポリーニとアバド&ルツェルンの演奏会が心に残っております。

アシュケナージの引退は唐突でした。
体力的な衰えなどを感じたのでしょうか。
指揮だけならまだいけそうな気がしましたが・・・・

一方、指揮活動をやり尽くし、聴き手からみても、満足のゆく勇退となったのがハイティンクですね。
誰からも尊敬される飾らない大巨匠としての引退でした。
ハイティンクらしいエピソードもありがとうございました。

仕事柄、籠ることも可能ですので、日々ネットで音楽を楽しんでます。
世界中のオペラハウスの音源も聴けますので、最近の歌手たちのお勉強にもなります。
リヨンのウィリアムテル、ローマのオネーギン、メットのフィガロなど、楽しい聴きものでした。
早く収束することを願います。。。

投稿: yokochan | 2020年2月29日 (土) 08時53分

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