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2020年5月23日 (土)

オペラストリーミング大会の軌跡 ③

Shiba-01

ずっと曇りや小雨の関東。

この晴れの空が懐かしいと思われる今日この頃。

オペラ三昧の日々を記録していくシリーズ。

引き続き、ツイッターでの呟きを転載します。

Ariodante

 ヘンデル 「アリオダンテ」 ウィーン 4月9日

ヘンデル「アリオダンテ」ウィーン
シンプルでスタイリッシュなマクヴィカー演出は、スコットランドが舞台のオペラに相応しい。
男前で凛々しいサラ・コノリーさんが素晴らしい。
各幕のバレーも可愛いし、楽しい。
で、ヘンデルの様式美をクリスティがウィーンのオケから見事に引き出す。Wヘッダー①


Falstaff_20200523094501

 ヴェルディ 「ファルスタッフ」 MET 4月9日

メシテロな場面多数なMET「ファルスタッフ」
DVD化されてる名舞台。
60年代アメリカの飽食も読み込んだ、カーセンの鮮やかかつ、冴えた演出。
伝統的な演出をまず見てからの視聴をを推奨。
なりきりのマエストリのタイトルロールを始め、明るくもFatな出演陣は最高。
秀逸な舞台、Wヘッダー②終了


Parsifal_20200523094701

 ワーグナー 「パルジファル」 MET 4月10日

聖金曜日にパルジファルふたつをありがたくも鑑賞。
ウィーンの2007年プリミエの2015年、A・フィッシャー。

MET2013年のガッティ指揮。
まだ明日も他劇場予定。
パルジファル大杉。
思うこと多々あり、他も観てブログにて開陳予定。
ただ、貞子はあかんよMETさん(笑)


Don-pasquale-met

 ドニゼッティ 「ドン・パスクワーレ」 MET 4月12日

ドニゼッテイ「ドン・パスクワーレ」MET
ふだんあんまり聴かないベルカントもの。
連日のワーグナーの毒消しに最適の心地よさ。
イタリア語に、イタリアの旋律線、ヴェルディとはまた違った歌心に心和む。
10年前のネトレプコ、声がまだ重くなる前。
 でもまたすぐ、ワーグナーを聴いちゃうんだろな。


Cosi-met

 モーツァルト 「コジ・ファン・トゥッテ」 MET 4月13日

「コジ・ファン・トゥッテ」2018
メットらしい、凝った豪奢な舞台装置で、50年代のコニーアイランドでの遊園地が舞台。
内容は明快、今が旬の若い歌手たちも生き生きとしてる。
しかし、リベラル色もにじませ、否定はしないが、最後は??的な感じで、なにもそこまで的な思いもした保守の自分。

しかしまぁ、こんな上質のオペラを連日観れるなんて、配信ありがたいことです。
文句言っちゃいけませんが、ついつい・・・
おもに、メット・ウィーン・ベルリンを行き来する日々。
どこのハウスも、これでますますファンになりました。
早く、この不安の日々が収束しますように。


Vixcun

 ヤナーチェク 「利口な女狐の物語」 ウィーン 4月13日

「利口な女狐の物語」ウィーン
ヤナーチェクの優しさと、人間社会に対する厳しい目線。
輪廻転生という奥深い問題にも切り込んだ、短いけれどあじわい深いオペラ。
O・シェンクの具象的な穏健演出だから、最後には救いがちゃんとあった。
みんな可愛い、ウィーンフィルの音色もすてきだ。


Rusalka

 ドヴォルザーク 「ルサルカ」 MET 4月14日

「ルサルカ」MET
シネマのようなシェンク演出は、昨日のウィーンの「女狐」と同じく、ボヘミアの森と水の世界を美しく再現。
以前視聴したミュンヘンの演出では、春を売る宿に舞台を読替えていて、暗澹たる思いだった。
麗しのフレミングと適材適所な配役
シンフォニックなセガンのオペラ指揮が新鮮。


Parsifal-wien

 ワーグナー 「パルジファル」 ウィーン 4月14日

ウィーンの2017年「パルジファル」
ウィーン分離派・世紀末のリアルな舞台設定。
アールヌーヴォな装置は、それなりに美しいが、聖具が脳みそにとって代わり、心の病の治療の仕方による争いに読替えた感じ。
フロイトやクリムトなんかも意識させる、ウィーンならではの演出だけど意味不明。
虚しいよ。


このストリーミング、音が悪くて、ほぼモノラル。
最初から最後までずっと、なんでやねんでしたが、毎度のとおり、文句言っちゃいけませんねぇ・・・・


Boris

 ムソルグスキー 「ボリス・ゴドゥノフ」 MET 4月15日

「ボリス・ゴドゥノフ」MET2010
パペのボリスは初だけど、ルックスと甘く深い声がお似合い。
豪華な配役陣も、METならでは。
演出はスタイリッシュながら、妙に民衆の残虐性を強調。
ただ、歴史を繰るような巧みさもあり、アメリカが見たオソロシアみたいな反面教師的な側面を表したかったのかな。


Gambler

 プロコフィエフ 「賭博者」 ベルリン州立歌劇場 4月15日

ロシアン・ナイト2
プロコフィエフ「賭博師」ベルリン
チェルニアコフの演出がいい。
静かなサロンからスタートし、やがてクライマックのカジノへ。
派手さはなく、心理ドラマ。
金、金、金、しかし金では買えないものが大きかった・・・・クールで、熱烈、かっこいいプロコフィエフの音楽が最高だ!


Betrpyhal

 プロコフィエフ 「修道院での婚約」 ベルリン州立歌劇場 4月16日

プロコフィエフ「修道院での婚約」ベルリン2019
これもチェルニアコフ演出+バレンボイム
とてつもなく面白かった。
happy lifeを生きよう的な自己啓発スクールをみたて、9人の登場人物が、本来もっといる人物も掛け持ち。
劇中劇でもあり、全員がドラマの主人公で、かつ観衆であるという悩ましい筋立て
 。

「自分を外側から見るようにオペラを観るように心がけよ」的なフリップも出た。
この演出家の深い読みと、現代に合わせた問題提起は並々ならない。
歌手兼アクター、みんなすごすぎ!
最後に、プロコフィエフ充実期の甘さも辛さもある、それとリズミカルな沸き立つ音楽が最高だよう!

ラストシーンも感嘆しつつ、笑いを禁じ得ないもの。
オペラのありとあらゆる登場人物がみんな出てきた。
ウォータン、ヴィオレッタ、サロメ、ジークフリート、夜の女王、ルチア、トゥーランドット・・・いやもうたくさん(笑)


Proko

毎日、オペラに興じているように思われますが、初老のオッサンながら、ネットと電話でうまく立ち回ってます。
しかし、影響は必ずやってくると思われます、病気持ちだし、その時が恐怖。
が、ネガティブな思いは発しません、言霊ですから。
で、いまはこんなにありがたいオペラ配信に現を抜かすのみ。


こんな言い訳まで書いてます(笑)

しかし、このあと「戦争と平和」「炎の天使」も観ることができて、ますます、プロコフィエフのオペラに関心を持つようになりました。
音源も含めコンプリート目指します。

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Shiba-02_20200523093901

それにしても緑が濃くなってきましたね。

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コメント

 大変読み応えのあるオペラ公演レポートをありがとうございました。ウイーンのパルジファル見たいです。写真がとてもきれいでわくわくします。
 他には、なんと言ってもコジ・ファン・トゥッテです。この公演の演出はすごく大胆ですね。音楽はどんな風にながれているのでしょうか。私事ですが、もう20年ほど前ですが、来日公演でメットの演奏に接しました。それまでメットのオペラ演奏は音が割り切れすぎている感じ、さくさくしすぎていて苦手だったのですが、この公演で印象が変わりました。(我ながら大胆な物言いですいません。)その後、メットの上演は、上京した際にいくつか銀座、新宿の劇場で見て、感嘆しておりました。またそんな日々が戻ってくればと思います。
 ちなみに来年のウイーン国立歌劇場来日は、無事公演がなされれば、ムーティのコジのはずです。今から行ければいいなと楽しみにしております。

投稿: beaver | 2020年5月23日 (土) 21時25分

自分のための鑑賞記録でもありますが、お読みいただきありがとうございます。
ウィーンのパルジファルは、たしかに美しい、ウィーンの観光案内のような舞台でしたが、解釈は私には?でした。
 メットのコジの気球に乗ってるのは、フィオルディリージで、あの美しいアリアのシーンです。
こんな風にカラフルで楽しい舞台ですが、ちょっと社会政治色も滲ませているのも最近のメットかと思います。

来年のウィーンは、コジとばら騎士ですね。
なんとか実現して欲しいです。
あと、現セガン体制でのメットの来演も期待したいです。
定番、トゥーランドットに、思い切ってアダムズなんかも!

投稿: yokochan | 2020年5月25日 (月) 08時40分

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