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2020年7月18日 (土)

バーンスタイン ウェストサイドストーリー シャーマーホーン指揮

Takeshiba

どんより空と止めどない雨が継続の関東。

日々、こもりっきりなので、ちょっとのやみ間を見つけては歩きまわります。

羽田空港への飛行経路が変更されて、都心上空から空港へ向かう飛行機が眺められるようになりました。

レインボーブリッジの下には、再開した東京湾クルーズ船も見えます。

まだ空いてるけれど、若いカップルさんが楽しそうに乗船待ちしているのを何組も見ましたね(byオジサン)

こちらは日の出桟橋からの運航で、一方、竹芝桟橋からのクルーズ船は、コロナ禍にあって、事業撤退してしまい、船は寂しく停泊したままになってます・・・・・

West-side

 バーンスタイン ウェストサイド・ストーリー

  マリア:ベッツィ・モーリッソン  トニー:マイク・エルドレッド
  アニタ:マリアンネ・クーク    リフ :ロバート・ディーン
  その他多数

 ケネス・シャーマーホーン指揮 ナッシュビル交響楽団

          (2001.9.17~18 @ナッシュビル)

言わずと知れた作品で説明不要。
現代版、といってももう60年以上前の「ロメオとジュリエット」。
ポーランド系とプエルトリコ系のともにアメリカ人のグループ同士の抗争と、それに巻き込まれた恋人たち。

ジェローム・ロビンスの原作に、音楽担当がバーンスタインのミュージカルで、1957年ブロードウエイ初演。
舞台は見たことがないけれど、1961年の映画版は、テレビで何度か観た。
そう、淀川長春さんの解説の「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」の日曜洋画劇場です。
日曜夜の洋画は、けっこう楽しみだった。
大河ドラマが終わって、洋画を見て、23時で、もう月曜日の憂鬱が始まる、そんな毎週の繰り返しだった子供時代。
 余談ですが、亡父がホテル系の仕事だったので、若い頃勤務してた熱海の施設に、淀川さんがよく湯治に来ていて、ネクタイをもらったりして、ちょっと親しくしていたらしい。
水色の水玉のネクタイ、まだ実家のタンスにあります。

Westside

これも実家にあった映画のパンフレット。
ナタリ・ウッドとジョージ・チャキリスのマリアとトニー、憧れました、かっこよかった。
よき時代のアメリカ映画を見て、アメリカってすごいな、的にいつも思ってました。

それがいま、どうでしょう。
この映画は、アメリカの縮図のひとつ、ポーリッシュとプエルトリカンは、ごく一部で、多種多様の人種の他民族・自由と民主の国がアメリカ。
数回前のブログで少し書きましたから、もう触れませんが、大統領選を控えて再選阻止を図る国内はおろか国外勢力の暗躍が、アメリカを混沌に陥れようとしている・・・・

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West-side-berstein

この作品を、オペラ的に演奏してCD録音した84年のバーンスタインの自演盤は、記事にしたかと思ったらしてなかった。
初出以来、よく聴いたけれど、カレーラスとテ・カナワといった人気歌手たちの声が立派すぎて、バーンスタインも重厚すぎたりで、何度も聴くと疲れるかもしれない。

Bernstein-west-side-story-1

もうひとつ、ワーズワースとロイヤルフィル、ボニーの歌った盤も持ってますが、こちらはスマートでかつ耳当たりのいい心地よいウエストサイド。
ボニーのマリーがステキな1枚ですが、英国風で上品な仕上がり。

そして、今回とりあげたのが、ナッシュビル録音。
ここに聴かれる、アメリカの日常感は、肩ひじ張らず、さらりと聴けるし、シンプルに音楽の良さ、歌の良さ、リズムの良さなどを楽しめる。
あまり知らない歌手たちも、普通でよろしく、オペラ的な歌唱はなく、これなら聴き疲れすることはないかもしれない。
オーケストラについて、どうこう聴きとれるものは、このような作品ではありませんが、テネシー州の州都、ナッシュビルのオーケストラは、ネット配信などで、最近の演奏をいくつか聴いてますが、なかなかの実力です。
 バーンスタインの弟子でもあったシャーマーホーンは劇場経験も豊富で、若い頃、バンドでトランペットを吹いたりしていたこともあり、実に雰囲気豊かな、軽やかな指揮ぶりに思います。

アメリカのオーケストラ巡りシリーズ。
ナッシュビル交響楽団は、1946年の創設で、初代ストリックランドという音楽監督のもとに発展。
ずっと年月を経て、1983年、本盤のケネス・シャーマーホーンが指揮者となってから大躍進して、実力を高めたが、長く続いたシャーマーホーン時代は、2005年の氏の逝去により終了。
そのあとを救ったのが、ビルダーのスラトキンで、ナクソスへの録音も引き継ぎ、2006年の新しいホール完成もスラトキンの指揮でこけら落とし。

Schermerhornsymphonycenter

そのホールが、美麗な、その名もシャーマーホーン・シンフォニー・センター。

2008年から、ニカラグア出身のエルシステマ系の指揮者、ジャンカルロ・ゲレーロで、この指揮者といま蜜月にあって、録音もアメリカ音楽を中心にたくさん出てますし、日本人コンマスとして二人目の岩崎さんが、現在もコンマスを務めてます。

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ナッシュビルは、多くの古い建物や景観条例などがあって、ユニークな建造物が多いようです。
西部のアテネとも呼ばれ、原寸大のパルテノン神殿もあるそうな。

Schermerhorn-2

で、シャーマーホーン・センターの外観もこんな感じで、重厚です。

Nashville-01

アメリカ中南部に位置するテネシー州とその州都ナッシュビル。
月並みながら、Wikiを参照に、街紹介。
周辺の都市圏を併せると、人口190万で、Music Cityと言われるくらいに音楽業界の中心地で、カントリー・ミュージックの聖地みたいな都市。
チェット・アトキンス、グレッグ・オルマン、ジョニー・キャッシュ、グレン・キャンベル、エイミー・ブラント、ドリー・パートン、パット・ブーン、エミルー・ハリス・・・etc
多くの著名なミュージシャンが、この街とゆかりがあります。

Nashville-02

このように、川に囲まれ、さらに位置的に鉄道路線の要でもあったことから、南北戦争当時、ナッシュビルを奪取することが戦争の行方を支配するとされたことから、ここは激戦地となったそうな。
美しい街並みからは、そんなことはいま想像もつかないが、古いものへのリスペクトや、カントリー・ミュージックが興隆したのは、こうした歴史もあることからかもしれません。

Nashville-04

 近年、ナッシュビルは経済的にも急成長して、工業・商業ともに2000年代以降は大進展。
日産の米国会社の本社も当地にあって、ニッサンスタジアムも建造され、フットボール場として街の中心、このオーケストラホールの近くにあります。
ちなみに、メジャーリーグはなくて、マイナーリーグの「ナッシュビル・サウンズ」という、いかにもなチーム名になってる(笑)

Nashville-05

名物料理は、ホットチキンと、この画像に代表される「ミート・アンド・スリー」というもの。
メインの肉料理に、3つのサイドディッシュメニューをそれぞれ選べるもの。
いかにもアメリカっぽいっ!
この歳になると、自分には日本の一汁三菜の方がはるかに良いです(笑)

ナッシュビルの最近の現地ニュースを見てみたら、コロナ感染は延べ16,000人で、死亡者数は151人。
ほかのアメリカの都市に比べたら、そんなに多くはない。
問題のデモも、ここでは大きなものは起きてないが、警戒した市行政は、一時、夜間外出禁止令を出したりしてました。
あと、市長がマスクの着用を執拗に呼びかけていて、マスク不着用者やディスタンスを守らない悪質な連中を見つけて発表するようなこともしてます。
日本のマスク着用や、非土足文化が見直されてますが、マスクはどうしても嫌いなようですな。

もう海外旅行なんて、ずっとずっとできないのではないかと思われます。
そして行けない以上に、来れないのが困る。
今年の外来演奏家は、ほぼ全部無理。
来年も危ぶまれます。

Bulue-01

晴れない話題に後半はなりましたが、ここでもう一度、気持ちいい画像を。

早く青空が見たいな。。。。。

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コメント

こちらにもお邪魔いたします。「日曜洋画劇場」のエンディング、同じ気持ちで眺めておりました。コール・ポーター「ソー・イン・ラヴ」のまるでラフマニノフっぽいアレンジを聴いて「あぁまた新しい週がやって来るのか」と憂鬱の種子を感じたり。

「WSS」(と映画好きは略していました)は'69年夏休みのリヴァイヴァルで観ました。初公開の頃は「モスラ」に夢中でしたので。幸い兄が留学先から持ち帰ったサントラLPがあり聴き込んでいたのですんなり入れました。TBS初オンエアの吹き替えは最悪でしたが。今でもヒドいキャストを記憶してます。K.T. O.S. S.K. A.J.てな具合で。

こちらも余談ですが、亡母が銀座で商いをしていてすぐ向かいに東宝東和の本社と試写室があり、やはり淀川サンや小森のオバチャマもしばしばお見かけしました。お二人とも隣の甘味処がご贔屓だったようで。

ナッシュヴィルのホールは素敵ですね。アメリカナイズされた楽友協会みたいで。またレニーのDG盤は丁度LPとCDの端境期にLPで買ってしまったせいで、余り聴き込むことがありませんでした。メイキングで観たカレーラスぶちギレシーンのみ記憶に。

ワーズワース盤はやはりボニー目当てでしたが、16年前に母が転院していた埼玉のリハビリ病院への行き帰りに埼京線車内で聴いておりました。ラッシュと逆方向でしたので、ゆっくり様々な曲を楽しめた記憶が。病院近くにあったアメリカンバーのバイト女子が、ダンスのレッスンに使いたいというのでしばらく貸しましたが。

そういえば'85年IPOでシンフォニックダンスも聴いていました。前に話題にしたマーラー9番の記憶が強烈過ぎて、つい忘却の彼方へと追いやってしまいがちですが。後半のブラ1ではVPO盤と違ってティンパニを随分追加していた記憶が。脱線でスミマセン…。

投稿: Edipo Re | 2020年7月19日 (日) 13時25分

こんにちは。
日曜洋画劇場のあの音楽、最初、アディンセルのワルソーコンチェルトが、その曲だと思い込んでいて、初めてアディンセルを聴いたときには、ちょっとガッカリしました(笑)
いまでは大好きな曲ですが。
でもあのラフマニノフ風のテーマ、今でも脳内再生すると日曜の夜の雰囲気になります・・・・

アメリカ北部とくらべて、南部は騒動も少なく穏健なようです。
ホールでオケは育まれますので、もっと聴いてみたいオケなのですが、いまでも新譜で出るのはアメリカの現代作品ばかりなところが・・・

ワーズワース盤をお持ちでしたか、また逸話もお聞かせいただきありがとうございました。
 バーンスタインのIPO来日時の演奏は、大阪の放送局がテレビ収録して、関東ではお正月に流した記憶がありますが、初詣で観れなかったです。

投稿: yokochan | 2020年7月22日 (水) 08時25分

「日曜洋画劇場」のエンディング、'70年代のレコ芸相談室で、やはりラフマニノフではとの質問に出谷啓氏が明快に「ソー・イン・ラブ」モートン・グールド編と回答されてた記憶が。まあ中村紘子サンもラフマニノフと思い込んでいたとかですし。アディンセルも映像込みで刷り込まれている感が。

映画に脱線しますが、英国の巨匠デイヴィッド・リーンが「逢びき」でラフマニノフ2番を使ったのが以降に大きな影響を及ぼしたかも。ビリー・ワイルダーが「七年目の浮気」でマリリン・モンローに「これがクラシックなのね♥️」と囁かせるパロディもですし。

大阪朝日放送の秘蔵VTRでは'84年のカラヤン&BPOで「海」と勘違いし振り始めたカラヤンが「ドン・ファン」が鳴り出したので慌てて眼を見開きオケを止め、気を取り直して何事もなかったようにやり直した映像があるとか。是非とも観たいですが未来永劫門外不出でしょうねぇ…。

投稿: Edipo Re | 2020年7月22日 (水) 10時46分

さすがのデーヤンですね。
いまはネットのヤフー相談箱みたいなものがあるので、そちらでのクラシック系の質疑を見たりして、なかなかのヲタクぶりに感心したりもしてますが(笑)

映画とクラシック音楽、いまに至るまで相関を見てみると、名映画には、名音楽ありです。
映画と音楽が完全に結びついたのが、Jウィリアムスであり、古くはコルンゴルトだったりで、その界隈が好きなものでワクワクします。

大阪シンフォニーホールの開館の折りの演奏ですね。
歴史的にも貴重なものです!

投稿: yokochan | 2020年7月27日 (月) 08時57分

yokochanさん
シャーマーホーンは、MARCOPOLOレーベルで好く目にした人ですね。
1988年に香港フィルと来日しましたが、ド名曲プロだったので行っていませんでした。
時代は、バブル期で来日オケもラッシュ状態で、メジャーどころの影で目立たぬ存在でした。
それにしても、2005年に亡くなられていたとは...

投稿: さすらう人魚 | 2020年8月 8日 (土) 17時31分

さすらう人魚さん、コメントありがとうございます。
シャーマーホーン氏のマルコポーロ録音は、たぶんナクソスに引き継がれて、多く出ていたと思いますが、いまはあまり見かけません。
香港フィルとの来日、オケの記憶はなんとなくありましたが、シャーマーホーンが指揮者だったのですね。
アメリカのメジャーオケが次々に来日して、わたしも少しばかり恩恵うけてました。
今思えば、いい時代でしたが、もうそんなことは起きえない世界となりましたし、香港フィルも今後どうなるのか、不安です。

投稿: yokochan | 2020年8月10日 (月) 13時28分

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