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2020年12月28日 (月)

アディンセル ワルソー・コンチェルト ペナリオ&ドラゴン

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クリスマス以来、東京タワーはこのライトアップ。

「2021年も前に!ススメ☆」ということで、すべての人が幸せに、という願いを込めたものらしいです。

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真下からみても、ともかくキレイ。

昔の東京タワーは、夜はライトアップなんてしてなかったはず。
タワーと同期だけど、年々進化して綺麗になるのに、人間のワタクシはどんどん劣化。

思い出に生きる。

Hollywood

  アディンセル 「ワルソー・コンチェルト」

     Pf:レナード・ペナリオ

   カーメン・ドラゴン指揮 ハリウッド・ボウル交響楽団

             (1950年代後半)

この10分以内のロマンティックな曲が大好きなんです。
リチャード・アディンセル(1904~1977)は、英国の作曲家で王立音楽院出身の本格作曲家だけど、その名前は映画音楽・ドラマ音楽の作曲家として知られている。
一番、有名なのがこの作品で、1941年公開のテレンス・ヤングの原作、デスモンド・ハースト監督の映画「危険な月光」(Dangerlous Moonlight)のなかで演奏される曲であります。
「ドイツ軍のポーランド侵攻の戦時下を舞台にした、連合国側女性ジャーナリストと、ポーランド軍に帰属する戦闘パイロットでピアニストとの悲恋の映画 。
恋に落ちたふたり、でも彼の任務はドイツ空軍機に特攻をかけることで、その任務を遂行するが命は取りとめ、しかし記憶を失う。
回復し、ドイツ軍がロンドンを爆撃するなか、自身が作曲した「ワルソー・コンチェルト」を思い出し、過去の記憶も併せて思い出し、愛する妻に最初に語りかけた言葉も思い出し、再び「月が明るく出ているときは危ないよ」と優しく語りかけるのあった・・・・・」

まさに戦時下の音楽であり、この切ないほどのロマンあふれる音楽。
まるでラフマニノフなのは、ハースト監督が最初はラフマニノフに音楽を依頼したからとか。

アディンセルは、この音楽のほかにも、「チップス先生さようなら」とか「二都物語」「クリスマスキャロル」など、多くの映画に音楽を提供してます。

 そして、ペナリオもドラゴンも、ともにアメリカが生んだ才人。
ペナリオは、若き小澤征爾ともレコーディングがあるし、RCAに多くのレコードがあるし、ハイフェッツとの共演も有名。
ここでは、慎ましくも優しいピアノを聴かせてくれます。

あと懐かしい、カーメン・ドラゴン。
以前にも記事にしてますが、子供の頃、AM810 「FEN」(現AFN)をよく聴いていた。
アメリカ軍の放送局で、有名なディスクジョッキーの番組もあったし、アメリカ色満載で、耳で楽しむアメリカそのものだった。
そんななかに、日曜の朝のクラシック番組があり、その案内役がカーメン・ドラゴンだった。
「Hellow, This is Carmen Dragon」 で始まる、とてもいい声のドラゴンさんは、イタリア系のアメリカ人音楽家で、やはり映画音楽にも多く携わっていたほか、ワルターのコロンビア交響楽団とメンバーの出自を同じくする、ロサンゼルス・フィルハーモニック・アソシエーションという団体から成り立った「ハリウッド・ボウル交響楽団」を率いて、キャピタルレーベルに多くの録音を行った。
ライトなクラシックというイメージが強い指揮者だったけど、クラシック入門としては最適だし、ときに、ムーディにBGM風に耳を傾けるときなど、ドラゴンの手の入った名曲などいいものだ。
 そんななかに、「ワルソー・コンチェルト」が入ってまして、うれしくなって購入したもの。
何度聴いても、いい曲だし、短いからちょうどいいし、年代を感じさせる録音の具合もよろしい。

どっかの国にすっかり侵食されてしまったハリウッド。
かつての華やかなりし銀幕の世界はいまいずこ・・・・・
頑張れアメリカ!
MAGA!

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お月さんと一緒に。

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「ワルソー・コンチェルト」と東京タワーでした。

過去記事

「フィードラー&ボストン・ポップス」

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コメント

やはり東京タワーとは同世代なのに登った明確な記憶が無いのです。ただ高さ30センチほど(千分の一)のダイキャストモデルが家にあったので、恐らく幼時に出向いたのかも。半世紀前に足元のボーリング場には度々出かけましたが。またFMエアチェックをしていた頃は常に方向を意識していましたが今は昔で。

'75年に「愛ある限り」で全米トップとグラミー賞を獲得したキャプテン&テニールのキーボーディストのキャプテンことダリル・ドラゴンはカーメンの子息だったかと。と言ってもさほど詳しくは無いのですが。昨年逝去した由。ポップスへの関心は70年代前半で止まってしまいました。

本年もありがとうございました。やはり半世紀近く振りにアルコール抜きの年末年始となりそうです。中ぐらいどころか何も無い「おらが春」になりそうですが。良いお年をお迎えくださいませ…。

投稿: Edipo Re | 2020年12月30日 (水) 23時22分

新年明けましておめでとうございます。寒波襲来の中、2021年の幕開けとなりましたが、音楽界・音楽愛好家の皆様共々、御多幸かつ愉しき丑年でございますように。

投稿: 覆面吾郎 | 2021年1月 1日 (金) 00時43分

Edipo Reさん、新年おめでとうございます。
ご療養のお話しなど、わが身にも切実なることでしたので、わたしも自制すべきと思いつつ、今宵も。。。。

東京タワーに徒歩圏内におりますので、ふらりとまいりますが、さすがに上にはあがりません。
いつみても親しみを感じ、いいスタイルだなと思ってます。

ことしもわが道をゆく聞き方をしますが、宜しくお願いいたします。

投稿: yokochan | 2021年1月 1日 (金) 17時59分

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