ハイドン 交響曲第95番 デイヴィス&コンセルトヘボウ
お正月の松が取れましたが、同時に首都圏に緊急事態宣言。
昨年の緊急事態宣言では、宣言前夜、スーパーなどから食料品がなくなってしまう勢いでしたが、今回は大丈夫。
しかし、飲食業界は、まるでねらい打ちされたみたいで、もう少しどうにかならなかったのだろうか。
ということで、今日は、おとなしく、交響曲の父、ハイドンを聴きます。
新年にふさわしいと思ったもので、少しでも新しい年らしくね・・・・
次の懐かしいジャケット画像は借り物です。
ハイドン 交響曲第95番 ハ短調 HobⅠ-95
サー・コリン・デイヴィス指揮 アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
(1980.12 @コンセルトヘボウ)
コリン・デイヴィスのハイドン、ザロモン・セットは、70年代後半から2曲をA面・B面に1枚1枚発売されたシリーズでした。
CD時代になってから聴いたのですが、レコード時代の18世紀の風景画のジャケットも美しく、そして懐かしくて、上記画像を探し出しました。
ハイティンク時代のコンセルトヘボウが一番好きな自分ですが、フィリップスレーベルはハイティンク以外の専属指揮者とのコラボレーションをいくつも企画してくれました。
そんななかのひとりがデイヴィスで、このハイドンとストラヴィンスキーが代表的な名盤です。
コンセルトヘボウ・オーケストラの柔らかくもシルキーな音色と、穏健かつ端正なデイヴィスの音楽作りが見事なハイドンを聴かせてくれる、このザロモンセット。
デイヴィスらしい熱さや、音の厚みもここではハイドンの音楽に寄与していて、聴いてて納得の瞬間がいくつもありました。
そしていつもと同じく、フィリップス録音の木質感と重厚感あふれるすばらしさはここでも安定の響きで、分離もよい。
時代の変遷期であったゆえに、古楽奏法や室内オケ的なコンパクトな演奏とはまったく一線を画した、王道をゆく演奏。
これはまた、デジタルへの移行中という時期とも符合するかと思います。
あえて、ザロモンセットのなかの唯一の「短調」の交響曲を選んでみたけど、ほかの番号でも全然よかったんです。
これまでブログに書いてない番号だったこともあるので。
でもしかし、この曲は短調に支配されてるわけでもなく、むしろ短調と長調の対比が20分余りのコンパクトな4つの楽章のなかで味わえる、存外に素晴らしい交響曲と感じました。
序奏がなく、いきなり始まるのもいいし、ザロモンが弾く前提のヴァイオリンソロや、チェロのソロもはいることも、聴いていて素敵なアクセントに感じる。
モーツァルトの短調に通じるような、ちょっと感傷的な雰囲気のメヌエット、終楽章ヴィヴァーチェの集大成感も短いながら好き。
曲も、演奏も、録音も、ともに味わい深いハイドンなのでした。
内外ともにきな臭いことばかり。
音楽が救いだ。
ザロモン・セットは、手持ちはあと、ヨッフムとブリュッヘン。
アバドは完成しなかったのが残念。
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コメント
コンセルトヘボウと聞いてすぐ反応するbeaverです。今、私の住む新潟県は記録的な大雪で苦しんでいますが、雪かき(&雪下ろし)の後に、こうした品のあるハイドンを聴くと、とても心が和みます。同じ95番をCDで持っているので、今、聞いているところです。王道的なテンポと音色にハイドンの音楽の良さを感じさせる名演とずっと思っています。またLPの絵も懐かしいです。私も最高のジャケットの一つと思っています。
最近の古楽器奏法のハイドンは、バイオリンが神経質に聞こえて、どうも私はいい聞き手ではないようです。学生時代にマリナーのハイドンか、デイヴィスのハイドンかで迷ったのもいい思い出です。結局、両方買いました。
さて、デイヴィスのハイドンの中で、一番聞くのは104番の「ロンドン」です。音楽がよく流れて、しかも力強さや威厳があって、ベートーヴェンがそこまで来ているのを体感させてくれます。これから聞いてみようと思います。
コリン・デイヴィスは本当に懐の深い指揮者で、録音ではボストンとのシベリウスの交響曲全集が白眉だと思いますし、新潟に来た時の演奏会もいい思い出です。
さて、デイヴィスに惹かれすぎて、アバドのハイドンは聴いておりません。しまったという感じです。今は、アバドのハイドンのCDをどうやって手に入れようかと思案中です。コロナと大雪の間で、私にとってこうしたことを考えるのは楽しい時間です。
投稿: beaver | 2021年1月14日 (木) 18時47分
beaverさん、反応頂きましてありがとうございます。
そうなんです、私も104番の演奏が凛々しく、堂々としていてとても好きです。
そして、コンセルトヘボウの魅力も実に出てますね。
フィリップスは、マリナーでネイムズシンフォニーもシリーズ化してましたから、つくづくいい時代だったと思います。
マリナーは、パリ交響曲集は入手してますが、ほかはまとまった復刻がないので鶴首してます。
アバドは、従来奏法でありながら、室内オケできびきび・はつらつとした爽快なハイドンを成し遂げたと思います。
関東にいると雪はチラチラ程度ですが、日々の雪降ろしや、移動の大変さ、考えるだに、楽してる自分が申し訳なく思います。
気をつけて活動ください。
投稿: yokochan | 2021年1月16日 (土) 08時36分