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2021年7月23日 (金)

これでもかとばかりに「ローマの祭り」を聴いてしまう

F

みたままつりで、毎年展示される、青森ねぶた。

今年も、青森のねぶたまつりは中止。

G

こちらは、弘前ねぶた、お隣に展示。

五所川原も有名だし、大湊など、ほかの地域に独特のねぶたがあるそうで。

東北の祭りは、日本人の心に夏の刹那的な輝かしさと郷愁とを呼び覚まします。

そして日本の各地、自分の町々にもいろんなお祭りがある。

それらがみーーんな中止。

E_20210721174701

担ぎ手は鬱憤がたまるし、神輿も手持ち無沙汰にしか見えない。

祭りを返せーーーーーーーっての!

ちきしょー、日本じゃないけど、レスピーギの「ローマの祭り」をめちゃくちゃ聴いてやる、ってことで。

手持ちの音源を、全部じゃないけど、1週間かけて聴いてやったぜ、の巻だ、こんにゃやろー。

Roman-festivals-1

いきなり金管の大咆哮で始まる「チルリェンセス」はローマ時代の暴君の元にあった異次元ワールドの表出。

キリスト教社会が確立し、巡礼で人々はローマを目指し、ローマの街並を見出した巡礼者たちが喜びに沸く「五十年祭」。

ルネサンス期、人々は自由を謳歌し、リュートをかき鳴らし、歌に芸術に酔いしれる「十月祭」。

手回しオルガン、酒に酔った人々、けたたましい騒音とともに人々は熱狂する。キリストの降誕を祝う「主顕祭」はさながらレスピーギが現実として耳にした1928年頃の祭の様子。

(以上、過去記事より)

名盤云々とするのは好きでないので、印象を書き散らすのみ。

・トスカニーニ&NBC 
  鋼のような演奏。無慈悲な祭りの熱狂を正確無比に描き出す。
  モノなのに、そんなハンデはこれっぽちもない。

・デ・サバータ&ベルリンフィル
  当然にモノで放送録音、ヒス多し。
  こちらもBPOだけあって正確無比ながら、テンポを動かし、早くて遅い。
  ラストは悠揚迫らぬ雰囲気。
  ベルリンフィルはこの曲の録音ないかも?

・オーマンディ&フィラデルフィア(RCA)
  録音のせいか、きらびやか、あ、この時代のこのオケだからか?
  間合いの取り方や、大仰さがやや時代めいて聴こえるという不遜な思いも
  でも、各処決め所はさすがで、王道を行く演奏

・バーンスタイン&ニューヨークフィル
  荒馬のようなNYPO、デフォルメされた金管、おどろおどろしくもあり。
  官能の極み興奮の坩堝もあり。
  ジェットコースターだよ、おっかさん
  たのしーよ、おとっつあん。

・マゼール&クリーヴランド
  大向こうをうならせるような原色系の演奏。
  おらおらと煽られもするが、でも以外に沈着だったりする。
  聴かせ上手で、指揮しながら、客席に向かってどうよ?
  ~って言いそうなマゼールさんの指揮、好き。
  オケがめちゃウマい、録音もいい。

・デュトワ&モントリオール(1982)
  ビューティフル!テンポもよろしく、しなやか。
  録音も演奏と同質的な美的なもの。
  うまいもんだ。しかしウネリは少なめ、どこまでも美しい。
  N響でお馴染みの指揮ぶりが思い浮かぶ。

・デュトワ&ボストン響、ロイヤルフィル(2014)
  ともに2014ライブで、タングルウッドとPromsの自己エアチェック音源。
  32年の歳月は確実に音楽の構えの大きさにあらわれてる。
  堂々としつつも、強靭な響きと華やかな煌めきもあり。
  ボストン響の充実ぶりが上回る。
  RPOはプロムスの独特のあげあげムードの後押しもあり。
  ともに、一気に3部作を連続演奏。

Roman-festivals-2

・小澤征爾&ボストン響
  アナログ時代のざーさんの代表盤。
  レコードのこのジャケット好きだった。
  ヨーロピアンなBSO。
  品もありつつ、しなやかで、バランスのいい美しい演奏。
  ラストに、そんなにはっちゃけず、冷静なままに終了。
  オリーブオイル垂らした味噌汁うまいよ、ジャポネーゼ!

・シノーポリ&ニューヨークフィル
  自分に音楽を引き寄せたレニー&NYPOとは違った冷静さ感じる
  録音のせいもあるが、パンチは効いてるし音の圧も高い。
  五十年祭はかなり深刻で気が重たくなるが、後の解放感が心地よい。
  面白いコンビだな、ドレスデンでも聴いてみたかったぞ。

・ヤンソンス&オスロフィル
  濃い味少なめ。
  パートの絡み、音の出し入れ、強弱が実に巧みで、メリハリありうまい。
  これも語り上手な演奏だが、後年にバイエルンで再録して欲しかった
  
・ガッティ&ローマ聖チェチーリア
  これはいい。
  譜面に忠実に、細大漏らさず音にした感じ。
  着実で堂々としつつ、繊細さ甘味さもあり。
  ホルンがめちゃうまい。
  ラストの自然な盛り上げにオジサン興奮、ふがぁーー

・マリナー&アカデミー・セント・マーティン
  90年代、アカデミー増強で、大オーケストラレパートリーを録音していた
  あっさり、うす味ローマ祭り、歳取ると、こんなローカロリーが好き。
  10月祭の透明感ある美しさは格別♪

・ルイージ&スイス・ロマンド
  伝統のオケを指揮したルイージ、若い。
  冒頭からガンガン結構行くが、10月祭ではしっとりと弱音を活かした美演。
  ラストはすさまじい熱狂ぶりであります。
  ヴェルディみたいなローマ祭り。
  
・パッパーノ&ローマ聖チェチーリア
  小粋でスマート。しゃれっ気もダイナミックさも兼ね備えてる。
  オケは明るく痛快だ。
  煌めくサウンド、ローマの地下での神妙な祈り、鼻歌混じりのセレナード
  最後は爆発的な祭典へ。いぇ~い!
  最高だぜ、パッパーノ兄貴!

・ファレッタ&バッファローフィル
  おなご指揮者ファレッタさんは、レスピーギや後期ロマン派。
  加えて、英国物もお得意だ。
  オケの力量もあろうか、ちょっとした詰めは甘いところがある。
  しかし細部は美しく、よく歌ってる。
  爆発力も兼ね備え、さすが、アメリカオケを感じる。
  バッファローはアメリカ北部、エリー湖に面した都市。
  いずれアメリカオケ旅で取り上げます。 

※世評高いムーティさんは持ってません(意味深)
でも、バイエルン放送とのライブ放送を自己音源で聴いてますが、一気呵成、ラストスパートよしの演奏でした。
あと、放送音源では、ウェルザー・メストとクリーヴランドの快速特急ローマ祭りも面白い。
バッティストニーニ&東フィルの激熱ぶりぶり放送ライブも好き。
最近では、ジョン・ウィルソンとBBCスコティッシュのものが、ビジュアル感あふれる演奏で気にいりましたね。
バティス盤がどっかいっちゃって見当たらない

未入手CDでは、怖いもの見たさでスヴェトラーノフさんですかねぇ。
アバドは絶対に振らなかったレスピーギ。

無謀な企画に、正直疲れましたが、それでも何度聴いても面白い曲だ。
クソ暑い夏向きの音楽。

それにしてもレスピーギの音楽はなんでもありで、しかもよく書けてる。
オペラ収集中につき、そちらも再開しなくちゃならない。
時間が足りない・・・

H

2年前の祭り。
あのときの熱狂はもう戻らないのか・・・・

「祭」で耳が疲れたら、「松」のジャニコロ・ナイチンゲールで癒され、「泉」のほとりで涼もうじゃないか。

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コメント

コンチです。ねぶたも大文字も元々は疫病祓いと聞いております。こんな時期こそ形を変えてでもやる意義が有るとおもうのですが。
さて、耳で聴く「祭り」のほうですが、初聴きはデュトワ/モントリオール、その後、松・祭りのみのマゼール/クリ管、シノーポリ盤など愛聴しております。カラヤンが録ってないのはザンネンです。
スヴェトラ盤は、誰がやってもそこそこ爆演のこの曲には、録音の悪さも加味して、あえて聴くこともないかと。むしろ松の爆演がキキものです。泉はチョッと雑演っぽく聴こえました。
ご紹介の盤の中では、レニー/NYPO盤が聴いてみたくなりました。あとローマの本場物もどれか。

投稿: アキロンの大王 | 2021年7月25日 (日) 13時58分

アキロンの大王さん、こんにちは。
ローマ祭りを聴きすぎて、食傷気味ですが、また聴けば聴いたで、楽しんでしまいそうです。
 スヴェトラさんは、そんな感じなんですね。
しばらくいいや、という思いです。
 カラヤンとミュンシュ、あとショルティもやってくれたら面白かったですね。
 バーンスタイン、ユニークですよ。
マーラーを指揮するように、自分の方にたぐりよせた感じもありまして・・・・

祭なしの鬱憤を、日本選手の活躍で晴らしたい思いです。

投稿: yokochan | 2021年7月26日 (月) 08時53分

前略
この『ローマの祭』、アンセルメとライナーにカラヤンと言った名だたる巨匠が、レコーディング・レパートリーからはお外しになったせいか、『ローマ三部作』中では、芸術的に落ちるように思われるのが、少々残念です。聴いていて、愉しさと面白みは抜群ですからね。前に映画専門チャンネルで拝見した、1950年代末期にハリウッドで制作された、K・ダグラス主演の『スパルタカス』や、C・ヘストン主演の『ベン・ハー』のような、スペクタクル史劇の、サウンド・トラックに耳を傾けて居るような、感覚も致します。無論、担当の作曲家のお方が、参考に為さったのでしょうけれども‥。当方の試聴済みの盤は、トスカニーニ&NBC、シノポリ&NYP、オーマンディ(BMG盤)が『三部作』一纏め。単独ではバーンスタイン&NYP、マゼール&COです。最後のマゼールはKINGから発売の、SLA-1128と言う番号のLPで、オペラ演出家でいらっしゃった、故・三谷礼二さんの解説文も味わい深いものです。演奏の目覚ましさと充実度は、どの録音も甲乙付け難しで、あります。

投稿: 覆面吾郎 | 2021年7月27日 (火) 10時56分

こんにちは。
レコード時代は、噴水と松で1枚という贅沢カッティングでしたが、CDでは3曲が余裕で1枚に入り、さらに1曲追加もできてしまうというありがたさ。
CDの恩恵も多いと思います。
 そして、そうですね、レスピーギもハリウッドで活躍したら、大スペクタクル映画が出来上がったでしょうね!
 三谷さんの解説は貴重ですね、オペラ評もユーモアもあり、的確なものが多かったです!

投稿: yokochan | 2021年8月 3日 (火) 08時15分

前略
先ずは、御詫びです。先日のコメント、yokochan様が以前に『ローマの祭』をお取り上げの際に、当方が寄せたコメントと、内容が殆どダブっておりました。どうも最近年齢のせいか、忘れっぽくなりまして‥。レスピーギもプッチーニもご存命中に映画産業やTVが在ったら、その為の音楽を書きまくって居たと、思います。では。

投稿: 覆面吾郎 | 2021年8月 4日 (水) 09時19分

高3の自由曲でした。連続で思い入れ曲を取り上げて下さりありがとうございます。どのパートも隅々まで覚えていています。愚かですが今でも自分達の演奏がベストと思い込んでいます。「ローマの祭だけを録音しない指揮者は2流だ」とか「だったら噴水と松をなぜ録音したんだ」とか熱く議論しました。楽しかったなあ。昨今は妻に叱られた時、娘にツレなくされた時にドライブ中、車内で大音響で聴いています。スッとする。。。加齢と共に室内楽、特にチェロを聴く回数が増えています。笑顔で穏やかで孤独な老人になってきています。

投稿: モナコ命 | 2021年8月12日 (木) 23時01分

モナコ命さん、高校時代のエピソード、すてきです。
ワタシも、今思うと、他愛もない議論をよくしてたもんです。
しかし、夢中になって音楽が真剣に聴けてた自分が懐かしいです。
いまや音楽を消費するように簡単に聴いてしまう自分が情けなくも思いますね。
それでも、そのときの感情を思い切りぶつけることができまして、ドライブでの爆発行動を大いに賛同いたします!
 孤独な老人は同じですが、ワタクシの方はいまだにワーグナーを聴きまくりのジジイでございます。

投稿: yokochan | 2021年8月17日 (火) 08時41分

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