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2023年12月17日 (日)

ガラコンサート in ウィーン @1988

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六本木ヒルズ内の毛利庭園。

ここには通年ハートのモニュメントがあって、恋人たちの撮影スポットになってる。

そんなことには無縁のオジサンは、ここでの背景にできた麻布台ヒルズと東京タワーをいかにきれいに納めるか、だれも映さないで撮るかに全力集中するのであります。

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ヒルズ内のお馬さんのツリー。

ここは毎年JRAのツリーが飾られるのですが、人は少なめ、そのかわりこの先にある欅坂を見とおせる最高の撮影スポットが人だかりとなります。
この日は平日だったのに、とんでもない人で何重にも人が重なっていて、まったく写真も撮れず。
こんなことこれまでなかった。
しかも、7割がたが異国の方。

華やかな都会には月に1度か2度しか行きません。

耳のごちそう、ガラコンサートを聴きましょう。

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     Opera Stars in Concert

              1988年9月4日 ムジークフェライン

①「セヴィリアの理髪師」 トマス・ハンプソン
②     〃      パトリツィア・パーチェ
③     〃      フレデリカ・フォン・シュターデ
             トマス・ハンプソン
④「アルジェのイタリア女」テレサ・ベルガンサ
⑤「愛の妙薬」      アルフレート・クラウス
⑥「アッティラ」     ピエロ・カプッチルリ
⑦「マクベス」      マーラ・ザンピエッリ
⑧「トロヴァトーレ」   カティア・リッチャレッリ
             ピエロ・カプッチルリ
⑨「運命の力」      マリア・キアーラ
⑩「ドン・カルロ」    エヴァ・マルトン
⑪   〃        ジャコモ・アラガル
             クルト・リドゥル
             マーラ・ザンピエッリ

    ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

①「アンドレア・シェニエ」マテオ・マヌグエッラ
②「フェドーラ」     ニコライ・ゲッダ
③「ラ・ワリー」     カティア・リッチャレッリ
④「マノン・レスコー」  マーラ・ザンピエッリ
⑤「トスカ」       マリア・キアーラ
⑥「エウゲニ・オネーギン」 ニコライ・ゲッダ
⑦    〃        クルト・リドゥル
⑧「サムソンとデリラ」  クリスタ・ルートヴィヒ
⑨「ラ・ペリコール」   テレサ・ベルガンサ
⑩「カルメン」      テレサ・ベルガンサ
⑪  〃         パトリツィア・パ-チェ
⑫「カディスの娘たち」  フレデリカ・フォン・シュターデ
⑬「エロディアート」   トマス・ハンプソン
⑭「ロミオとジュリエット」 アルフレート・クラウス
⑮「ファウスト」      カティア・リッチャレッリ
              アルフレート・クラウス
              クルト・リドゥル

   アントン・グアダーニョ指揮 ORF交響楽団

70~90年代初めにかけて世界中で活躍したキラ星のごとくのオペラ歌手たち。

もう物故してしまった歌手も、引退した歌手も、はたまたいまだに現役の歌手も!

88年のウィーンでのガラコンサートで、かつてはこんな風な超一流歌手によるガラコンサートがよく行われていたと思う。

それにしてもすごいメンバーです。

ここにあと、カバリエとか、スコット、フレーニ、カレーラス、ギャウロウ、ミルンズなどが加わったらそれこそ世界イチでしょう。
ドイツものがあえてないので、3部構成で、ドイツ系の歌手もいれたらさらにすごいことに。

NHKFMの日曜午後のオペラアワーでは、本編のオペラ全曲の余白に、よくこうしたガラコンサートやアリアコンサートの海外ライブを放送していたと思います。
昨今では人気歌手たちをスケジュール的にも押さえることが大変だし、興行的にもかなりの高額チケットとなってしまい採算的にも売り上げ的にも厳しいのではと思います。

よくも悪くも、あのころはよかったということになります。

いまも現役、T・ハンプソンの生きのいいフィガロは大喝采を浴びてます。
そのハンプソンは、フランス物でも的確かつ熱い歌。
アバドもよく起用した、P・パーチェのリリックな声もよし。
蠱惑のヴォイス、シュターデのここでの登場もうれしくて、ドリーブの小粋な歌曲ではその魅力が全開。
心洗われる清廉なるクラウスの声、愛の妙薬も、われわれ日本人には懐かしいファウストもすんばらしい!

あと、なんたってカプッチルリのヴェルディ!!!
ほんもののヴェルディ歌唱ここにあり、リッチャレッリとのルーナ伯爵もすんばらしい!!
そのリッチャレッリの声も、わたくしにはお馴染みの声で、少しの陰りが極めて素敵で、カタラーニにも震える。
同時期に活躍、あまり録音に恵まれなかったキアーラの声も、わたしは好き。
正統派のソプラノ、キアーラの声には華がある。

ザンピエッリは強い声だが、その声に揺れがあるのがちょっと。
マルトンも立派だけど、若さ不足。
とか贅沢なことも感じるのがガラコンサート。

なつかしのニコライ・ゲッダ。
ルートヴィヒの定番のデリラには泣けましたな・・・・
マヌグエッラもいいが、ここではトニオが聴きたかったし、ジェラールならカプッチルリだな。
万能のベルガンサ、ブリリアントなお声と、スマートな歌いまわしで観客を魅惑しちゃってる。
いまも昔もウィーンの重鎮リドゥルに、これまた贅沢なアラガル。

隅から隅まで、もうニンマリし通しの歌の祭典。

これを引き締め、完璧にオペラのひとコマの雰囲気を出してるグアダーニョの指揮。

昨今の知らない人たちばかりの紅白歌合戦なんて興味ありません。
こんなCDばかり、聴いて年を越したいと思いますぞ。

今思えば、バブルの頃、NBSが企画した80年代前半の2度のガラコンサートに行きました。
そのときの日記を探して、いずれ記録に残しておきたい。
フレーニ(風邪でお休みで舞台でお謝っていた)、ボニッゾッリ、カプッチルリ、ギャウロウ、ヴァルツァ、ヤノヴィッツ、リザネック、イェルサレム・・・・・
若かった独身時代の自分。
めちゃくちゃ興奮して、ますますオペラにのめりこんでいったのでした。
懐かしいな。

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コメント

ご無沙汰しております。小田原在住のKENです。

>今思えば、バブルの頃、NBSが企画した80年代前半の2度のガラコンサートに行きました。

懐かしいです。小生もまいりました。フレーニが体調不良のため歌うことができず、舞台から挨拶しましたが、その声を聴いて「ああフレーニの声だ」と感動しているお客さんがいました。

カプッチッリのジョルダーノも素晴らしかったし、ボニソッリのフニクラフニクラも楽しかったですが、凄かったのはヴァルツァのカルメンで、後日、畑中良輔氏が新聞紙上で「声楽を学ぶすべての人よ、あのヴァルツァの発声テクニック、特にホール内の隅々にまで響きわたるピアニッシモの出し方に学べ」とコメントされていた記憶があります。プロにとっても衝撃的なステージだったのですね。今あのような企画をしたら、チケット代はいくらになるのだろうと思うと、なんか遠い昔の話のような気がいたします。

今年も残り少なく、また、寒さ厳しくなり、コンサートは第九中心にシフトしております(今のところ、秋山さん、広上さんとブライトコップ版の演奏が続いております)。ご自愛の上、よいお年をお迎えください。

投稿: KEN | 2023年12月18日 (月) 11時15分

大変失礼いたしました。ボニソッリが歌ったのはフニクリフニクラではなく、「見よ、恐ろしい炎を」でしたね。フニクリフニクラは小生が同時期に所有していた彼の録音(イタリア歌曲集)に収録されていたもので、一番最後のフニクラ~を楽譜とは異なる、高い音に上げて歌っていた印象が強烈で記憶がごっちゃになってしまいました。これも加齢による記憶障害かと(トホホ)。

ガラコンサートでのボニソッリの歌唱については、やはり畑中良輔氏でしたか、その発声の素人っぽさが指摘されていました。響きが均質ではなく、特に中音域以下のところで響きが胸に落ちて声が飛んでこないのは発声の未熟さによるとかなんとか。ただ、そのハイCの響きの輝かしさについてはやはり賞賛しておられた記憶があります。

以上、お詫びかたがた訂正させていただきます。今晩は都響サントリー定期でペンデレツキのクリスマスシンフォニーです。

投稿: KEN | 2023年12月19日 (火) 05時44分

KENさん、こんにちは。
ご丁寧に訂正のコメントまでありがとうございました。
わたしも記憶があいまいでして、誰が何を歌ったかが思い出せません。
日記もどこに書いたかわからなくなってしまいました。
ボニッゾッリはすごかったですし、聴衆を興奮させる術を持ってましたね。
くり返しのアンコールも得意になってやってました(笑)
氏のナポリ民謡集は過去記事にあります。
http://wanderer.way-nifty.com/poet/2011/07/post-dfef.html

良くも悪くも名歌手を身近にたくさん聴けたいい時代でしたね。

第9はここ数年ご無沙汰をしてますが、先だってデイヴィスのCDを久方ぶりに聴いて感銘を受けました。
実演で聴くとまたひとしおでしょうね!
それと、名匠ヴィット氏の指揮、うらやましいです。

投稿: yokochan | 2023年12月22日 (金) 10時34分

コメント有り難うございました。ボニソッリのナポリ民謡集の過去記事も拝見しましたが、このデザインはまさに小生が所有していたものと同じです(ただし、小生のはカセットテープ2個組で車のカーステレオで聴いてました)。

今にして思うと、昔は、発声テクニックは未熟で不安定、演技も下手でありながら、強烈な個性で聴衆を魅了した歌手がたくさんいたように思います。現在の歌手は、みな演技はうまいし、完璧な発声テクニックを身につけていて声の響きも音程も極めて安定・正確。それはライブビューイングなどで映像が残るし、クローズアップされるので、正確な歌唱と指の先までの演技が求められるようになったからと聞いたことがあります。でもなんかスケールが小さくなってしまったように思われるのは昭和の感覚なんでしょうか。

ところで、昨晩、サントリーホール入り口前で配られていたチラシの束に英国ロイヤルオペラの来日公演の案内が含まれていました。S席72,000円だそうです。まあ円安だからこれでも主催者側は苦しいのでしょうが、ちょっとビックリ!

投稿: KEN | 2023年12月22日 (金) 11時24分

KENさん、こんにちは。
役者のような演技力の高さとビジュアルの良さ、そして歌のうまさは、昨今の歌手が求められる必須事項でもありますね。
それはそれでいいのですが、わたしも同様に昭和感覚の人間ですので、声に圧倒されるという感動を求めたいですね。。。

ロイヤル・オペラの高値、わたしもびっくりしました。
演目もポピュラーなものだし、せっかくのパッパーノ最後の来演なのに・・・・
オケだけきますが、メットが来たらもっとすごいことになるんでしょうね。

投稿: yokochan | 2023年12月27日 (水) 09時10分

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