R・シュトラウス 「影のない女」交響的幻想曲
秦野の街を見下ろす小高い山から。
弘法山、浅間山、権現山と3連の山、ここから本当は富士山がきれいに見えるのですが、この日は雲に隠れてました。
奥の山々は丹沢山脈です。
こうして山々に囲まれた神奈川県唯一の盆地の町が秦野です。
秦野はミュージシャンや俳優も多数輩出してまして、ルナシーとか、吉田栄作のほか、俳優やスポーツ選手もたくさん。
あとなんといっても、山田和樹も秦野の出身で、いまや世界のヤマカズとなりつつあります。
ちなみに、吉田栄作の実家は、もとは卸屋さんをやっていて、母の実家は隣町でお店をやっていたので、少年時代の吉田栄作も父親に連れられてしょっちゅう卸しに来ていたそうな。
余談が過ぎましたが、二期会の「影のない女」を観劇に行きます。
まいど大胆な解釈で驚かせてくれるコンヴィチュニーの新演出が目玉ですが、事前に発表されたカットや入替、大胆な設定替えなどを確認するにつけ・・・・・
ま、あしたのお楽しみということで。
今週は前夜祭ということで本編そのものを聴く時間はなかったので、オーケストラ編をいろいろ聴きました。
R・シュトラウス 「影のない女」 交響的幻想曲
1917年に完成、1919年に初演のシュトラウスの傑作オペラ「影のない女」。
近年、ヨーロッパでは上演頻度が高くなっていて、その都度、ネットでも聴くことができるので、私のCDと録音ライブラリーも充実の極みとなっております。
1946年にシュトラウス自身の手で、オペラの主要部分やおもなライトモティーフを用いて22分ぐらいの交響的作品が作られました。
こちらの幻想曲も、最近はコンサートで取り上げられることが多くなっていてシュトラウスのもう一つのオーケストラ作品として、たいへん好まれる存在になりつつあります。
第1幕の超カッコいい前奏そのものから開始し、バラク夫妻の優しい旋律に切り替わり、次いで乳母がバラクの妻に見せる黄金やかしずく女たち、若い男の場面となりキラキラする。
かいがいしく働くバラク、そのあとはバラクの優しい愛の歌となり、トロンボーンが歌い、バラクの妻もその思いを今さら知ることになる。
離れ離れのバラク夫妻、声に呼ばれ登っていく、皇帝と皇后も救われ、音楽は感謝と歓喜に包まれる。
ここでは、このオペラのいろんなモティーフがモザイクのように出てきて絡み合うが、さすがの練達のシュトラウスと感じさせる。
やがて、子供たちの声を思わせる柔和な雰囲気がうまく漂いだして、オペラの最後の場面となる。
手持ちの音源
・スウィトナー指揮 ベルリン国立歌劇場管弦楽団(1970)
・メータ指揮 ベルリン・フィルハーモニー(1990)
・J.テイト指揮 ロッテルダム・フィルハーモニー(1991)
・シノーポリ指揮 ドレスデン・シュターツカペレ(1995)
・ティーレマン指揮 ウィーンフィルハーモニー(2002)
エアチェック音源
・シュタイン指揮 NHK交響楽団(1987)
・ネルソンス指揮 ケルン放送響(2014)
・ペルトコスキ指揮 フランクフルトhr響(2023)
・ケレム・ハサン指揮 BBCフィルハーモニック(2024)
・ファヴィアン・ガベル指揮 トーンキュンストラ管(2024)
・ウェルザー=メスト指揮 ウィーンフィルハーモニー(2024)
正規音源としては、録音も含めてティーレマンが圧倒的な演奏。
それと美しくしなやかなのがテイトの演奏で、オペラの舞台も感じさせる豊かさがある。
スウィトナーも雰囲気豊かな、まさに晩年の作者とも近かった往年の指揮者ならではの味わいあり
エアチェックでは、シュタインの熱い演奏と、最新のメストとウィーンフィルの豪華な響きが眩い。
今後活躍しそうな若きペルトコスキの演奏も興味深く23歳の青年とは思えない選曲であり、演奏でありました。
曲は、平和に調和のとれたエンディングで静かに終わるが、明日のコンヴィチュニー演出の幕閉めはとんでもないことになるんだそうな・・・
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