R・シュトラウス 「インテルメッツォ」交響的間奏曲
文化の日は、ニッポンの「菊」がお似合い。
亡父が菊や盆栽に、かなり凝っていくつもの鉢植えを作成せいていたけれど、無精なワタクシは、それをまとも受けつぐことができず、ことごとく枯らしてしまいました・・・・
いまとなっては虚しい数十年であります。
R・シュトラウスの数回目のオペラ全曲聴き、ブログ化としては2度目のものが進行中ですが、次は「ばらの騎士」で止まってます。
年末のノット&東響をひとつのピークに致したく、そのときにまとめ上げたいと考えてます。
「インテルメッツォ」を取り上げるのはまだ先のことになりますが、夫婦や家庭のことを描いたシュトラスお得意のモティーフとなるこのオペラ。
先日に観劇した「影のない女」(1917)の次のオペラ作品にあたりますが、「インテルメッツォ」は、1923年で、少し間があきます。
このふたつのオペラには、夫婦愛にまつわる内容で、さらにインテルメッツォではすでに成した子供が可愛い役回りを演じてます。
いまだにモヤモヤ感を引きずる「コンヴィチュニーとバルツの影のない女」。
その気分を明るくするためにも、「インテルメッツォ」の素敵な間奏曲を集めた幻想曲を秋晴れのもと聴きます。
R・シュトラウス 「インテルメッツォ」交響的間奏曲
ヨーゼフ・カイルベルト指揮 バイエルン国立歌劇場管弦楽団
(1961 @ミュンヘン)
全2幕のオペラに散りばめられた前奏曲と間奏曲。
これらを抜き出し、4つの交響的な作品に仕立てたもの。
オペラの副題には、「交響的間奏曲付きの2幕の市民喜劇」と書かれていて、オペラ全体そのものがシンフォニックな作りとも目されます。
シュトラウス自身の家庭をありのままに描いたようなオペラで、家庭交響曲と同じくするものです。
主人公が楽長さんで、作曲者そのもの。
嫉妬深いその妻は、シュトラウスの妻パウリーネ。
パパの擁護者、可愛い息子は、そのままシュトラウスの愛息フランツ。
口うるさく、姐御肌だった妻パウリーネ。
よく悪妻ともいわれるが、ただでさえ、勤勉で日々同じペースの生活をし、かつ天才肌だったシュトラウスの尻をたたいたので、こんなにシュトラウスは多作だったとも冗談のように言われたりもしますね。
しかしシュトラウスは、その反動で、妻や家庭も音楽として風刺して描くことができた、そんなしたたかさもあり、なんでも音楽にできちゃうというシュトラウスならではなのです。
妻にない多彩な女性の姿を台本作者と手を携えて描きつくすというシュトラウスのオペラの素材選びと音楽造り。
いろんな女性を描きたかったシュトラウスにとって妻のパウリーネの存在は思いのほか大きかったと思います。
この「インテルメッツォ」は、主人公が楽長で、作曲者そのもの。嫉妬深い妻は、パウリーネ。パパの擁護者、可愛い息子は、そのままシュトラウスの愛息フランツ。
全曲盤の細かく刻まれたトラックを見てみると、めまぐるしく変わる場のつなぎに、9つのオーケストラ間奏があります。
その間奏を見事につなぎ合わせて4つの部分に作り上げています。
①出発前の騒動とワルツの情景
②暖炉の前の夢
③カードゲームのテーブルで
④更に元気な決断
かまびすしい前奏曲、瀟洒なワルツや、静かで感動的な平和な家庭の雰囲気、明るく楽しく快活な大団円。
シュトラウス好きを決して裏切らない素敵な作品です。
今日は往年のカイルベルト盤を聴きましたが、61年録音とは思えない録音のよさ、暖かな音色のオーケストラで木質を感じさせる抜群のシュトラウスサウンドです。
この2年後にカイルベルトは「影のない女」と「マイスタージンガー」でシュターツオーパーの再開上演を指揮しました。
さらに同年63年に、ウィーンで「インテルメッツォ」を指揮していて、そのときのライブも聴くことができます。
次のオペラでのインテルメッツォ記事は、サヴァリッシュ盤をすでに取り上げたので、このカイルベルト盤にしようかと思います。
こちらの交響的間奏曲の音源はたくさん持ってます。
メータ、テイト、プレヴィン、ヤンソンス、ウェルザー・メスト、A・デイヴィスなどなど。
ともかく、聴いて幸せな気分になれる晴朗なシュトラウスの音楽はステキなのであります。
やっぱり、「コンヴィチュニー&バルツの影のない女」はいかんな!
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