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2025年1月 9日 (木)

J・シュトラウス 皇帝円舞曲 ジュリーニ指揮

2025

遅ればせながら、2025年、ことしも好きな音楽ばかり聴いて、観てまいります、勝手ながらよろしくお願いいたします。

画像は、まだ紅葉の頃、富士の頂きの見える丹沢湖周辺で撮影しました。

今年の音楽家アニバーサリーは、有名どころでは、ヨハン・シュトラウス(Ⅱ)の生誕200年とショスタコーヴィチの没後50年です。

それなりに歳を食ったので、J・シュトラウスの生誕150年の1975年をよく覚えてます。
ウィーンフィルハーモニーがベームとやってきて、伝説となった名演の数々を残しましたが、モーツァルト41番とともに、ウィンナワルツのコンサートを行いました。
一方のウィーンの雄、ウィーン交響楽団もハインツ・ワルベルクの指揮でウィンナワルツの演奏会を開きました。
NHKFMでも、ウィーン音楽週間、ザルツブルク音楽祭でのシュトラウスの演奏の数々を放送しました。

Giullini

      J・シュトラウス 「皇帝円舞曲」op.437

 カルロ・マリア・ジュリーニ指揮 ウィーン交響楽団

       (1975.4.14  @ORF スタジオ、ウィーン)

めずらしき、ジュリーニのウィンナワルツ。
この録音も1975年のシュトラウス・イヤーでのもの。
ジュリーニのDG時代以前の録音をあつめたグレートコンダクターシリーズのなかの1組。
放送録音から取られたもので、いまや貴重な音盤だと思います。

ジュリーニは、ウィーン交響楽団の指揮者となり、同じ75年前後には、大曲ばかりを取り上げていて、先に書いた通りNHKFMでも何曲か放送されました。
ミサ・ソレニムス、ヴェルディのレクイエム、マーラーの9番などでしたが、それらに交じって「美しく青きドナウ」もありました。
いずれも録音しましたが、いまやヴェルディのみがまともに聴ける状態。
青きドナウは録音に失敗し、片方のスピーカーしか鳴らないという残念な結果に終わりました。

Wiener-simphoniler

しかし、わたしはライブでジュリーニの青きドナウを聴けました。
1975年秋に来日したこのコンビ。
10月3日に文化会館で聴きました。
公演パンフは67年のサヴァリッシュとの来日の様子が表紙でした。

  ウェーベルン パッサカリア
  モーツァルト 交響曲第40番
  ブラームス  交響曲第1番
  シュトラウス 美しく青きドナウ~アンコール

このような今思えば夢のようなプログラム。
指揮棒を拳で握ったようにして指揮するジュリーニの姿と、圧巻のブラームスは、いまでも脳裏にしみついてます。
青きドナウでは、会場がホッとしたように、柔らかいウィーンの響きに一瞬で和んでしまったものです。

この音盤で聴く「皇帝円舞曲」は、ジュリーニらしい、ゆったりと勇壮、キリリと引き締まった演奏で、それでありつつ柔和な表情と歌心にもあふれてます。
ときおり漏れ聞くことのできるジュリーニのうなり声と鼻歌のような声。
明るいイタリア人気質さえ感じるけれど、そこはブラームスがお好きのジュリーニ。
真面目一徹のユニークなウィンナワルツでした。

Wiener-simphoniler-1

ジュリーニとウィーン響のコンビは短い期間だけでしたが、幸せな結びつきだったかと思います。
正規録音がブルックナー2番、ワイセンベルクとのモーツァルト、ミケランジェリとのベートーヴェン、ベルマンとのリストと協奏曲ばかりだった。
この時期にDGがもっと録音をして欲しかったと思うのは私だけではないでしょう。
ずっとのちの、ウィーンフィルとのコンビより、ウィーン響の方が時期的にもジュリーニはよかったと思うので。

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