神奈川フィルハーモニー演奏会 シュナイト指揮
今日は、午前中はお仕事。午後は、横浜へ行って神奈川フィルを聴く。
シュナイト音楽堂シリーズを楽しむようになって、土曜はこんなパターン。
今期のシューマン・シリーズ最後は「ライン」を取り上げることもあって、ほぼ満席。
でも、ブラームスとシューマンという、ドイツロマン派本流のプログラムは、渋いといえば渋い。
ブラームス ハイドンの主題による変奏曲
シューマン チェロ協奏曲
VC:山本裕康
交響曲第3番「ライン」
ハンス=マルティン・シュナイト指揮 神奈川フィルハーモニー
(6.7 県立音楽堂)
ブラームスのハイドン変奏曲を冒頭に持ってきたのは、オーケストラにとってもその実力開示の試金石みたいな曲だけに、なかなか大変だったのではないかしら。低弦だけの伴奏の上に乗って管が奏でる主題。硬さがひとつもなく、暖色系のトーンはこのコンビならでは。この曲、生て聴くとオーケストラの各楽器がいろんなことをやっていておもしろい。ピッコロやトライアングルも入ってピロピロ、チンチロやるが、そこはブラームス、浮ついたところがひとつもない。
そのあたりの燻し銀の中に南ドイツ風の響きを感じさせるところが、シュナイト師の毎度の真骨頂か。
チェロ首席の山本氏をソリストにした、協奏曲。
この旋律の明確でない、何か模糊とした協奏曲は演奏効果を発揮しにくい曲。
CDで聴いても、どうも判然としないことが多い。晩年のシューマンの持つ晦渋さを、どう解きほぐすか。そのあたりが聴きものだった。
山本氏のチェロ、1楽章は硬くまだほぐれていない感じで、う~むの雰囲気。
対するオケは、シュナイト師に絶妙にコントロールされて素晴らしい伴奏ぶり。
2楽章、山本氏の紡ぎ出す美音は、ここでついに本領発揮。弦楽器のピチカートに乗って、ロマンテックな旋律をそれは綺麗に歌う。オーケストラのチェロ独奏との絡み合いも、さすがに息のあった雰囲気で心和む。
リズミカルな3楽章の難しいパッセージの連続も難なく易々とこなし、オケを見渡しながらの演奏ぶりで、とてもリラックスしていた様子。
やはり、オケの一員としての協奏曲の演奏。シューマンのこの曲の場合、それでいいのだろう。とてもよかったが、この曲はやはり捉えどころがないな。
むしろ、「明日はシューマンの誕生日。ということで、バッハを」と笑いをとってのアンコール、無伴奏チェロ組曲「サラバンド」が、息を飲むほどに、抜群に素晴らしかった。
同僚のコンマス石田氏とのやりとりも楽しかったし、シュナイトさんの山本氏への思いやりとユーモア溢れる動作も微笑ましかった。
「ライン」は、シューマンの交響曲を聴き始めるのに「春」とともに、真っ先に馴染む曲。
私も、この曲から入ったけれど、ほかの番号の方(はっきり言って2番)にだんだんと魅力を感じ始め、この5楽章のバランスの悪い交響曲をあまり聴くことがなくなってきた。
そんな浮気な私に褐を入れんばかりの、シュナイト/神奈フィルの演奏。
1楽章の出だしから、ガツンとやられてしまった。
何と言う芳醇かつ暖かな音色なのだろう。すべてが自然で、いろいろ言われるシューマンの楽譜をいじくりまわした形跡など微塵もない。
有名な2楽章には、とうとうと流れるラインの様子を思い浮かべてしまう大らかさが充溢し、愛らしい雰囲気をやさしく表現した3楽章もこんなに楽しく聴いたことはないと思う。
そして、圧巻は4楽章。この楽章の重々しさと、終楽章の一転明るさが、いつも居心地悪く感じるのだが、そんなことを感じてた自分を恥じなくてはならないくらいに、その対比が見事だった。聖堂の大伽藍を仰ぎみるような気分で聴いた4楽章に、宗教的なものすら感じることができた。さすがに祈りの指揮者シュナイト師!
明るい終楽章は、走らず着実な演奏で、最後までテンポを守りぬいた堂々たるラスト。
満員の聴衆が湧いたのは、申し上げるまでもないです。
いやはや、なんだかんだで、このコンビに、またやられちまいました。
これで、9月までシュナイトさんの指揮はお休み。ひとまず、ドイツへお帰りになることだろうが、また元気に帰ってきて欲しい! 自他ともに認める「浜ッ子」なのだから。
アフターコンサートは、毎度お馴染み「神奈フィルを勝手に応援する会」が開催された。
今回の例会場は「一の蔵」が満杯であったので、小粋な中国家庭料理の店へ。
居酒屋と違い、酒飲みにとって「間」が持つかなとも思われたが、なんのことはない。
こちらもなんだかんだで、楽しく時は過ぎ、いい時間に。皆さんお世話さまでした。
シューマンの響きを思い起こしつつ、うつらうつらと、東京湾を半周して帰還。
あまりに満足だったので、寝ながらヨダレなんぞ流してなかったかしら・・・・・。
| 固定リンク | コメント (8) | トラックバック (1)
























