カテゴリー「ビートルズ」の記事

2013年11月30日 (土)

ジョージ・ハリスン

Queens_square_2

みなとみらい、クィーンズスクエア。

はいもうなにもいうことないですね、きれいです。

何度もいいますが、ワタクシはイルミネーション大好きなんです。

George_harison


11月29日は、ジョージ・ハリスンの命日でした。

もう12年も経ちます。
2001年に、ジョージが58歳の若さで、肺癌と脳腫瘍とで亡くなって。

あのときは、ほんとうに驚き、悲しみました。

ビートルズの一番若いメンバーで、80年に凶弾に倒れたジョン・レノンに続いての大ショック。

解散後すぐのころに聴きだした中学時代から、ジョージが一番好きだった。

物静かで、瞑想的で、その歌声も優しく、音楽造りもナイーブ。
初期時代は、まったく目立たなかったけれど、中期あたりから、インド音楽に目覚めたり、ギターの名手として、メンバーに確固たる存在を示し出したジョージ。

その音楽はちょっと陰りある抒情派。
シタールを取り入れて、オリエンタルなムードも漂わせた「ラバー・ソウル」あたりからが本領でしょうか?

解散後も、独自の活動で、音楽仲間とのコラボレーションでは一番豊かだった。
バングラデッシュの分離独立には、音楽によるサポートの巨大なムーヴメントを造った。
コンピューターミュージックの領域にも入り込み、クラシカルなコンテンポラリーサウンドにも近づいた。

晩年は、シンプルで透き通るような存在と、その音楽だった。

こんなジョージが好きでした。

「アビーロード」にある名作「サムシング」がとても心に沁みる今宵。
泣きそうになっちゃった。
この曲を聴いて、もう40年だよ。

ほかにも、ジョージの好きな曲はたくさん。
このベスト盤のことも、また次の機会に譲りたいと思います。

時の経過を無残に思いつつ、でも、音楽とその声は色あせないのでありますね。

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2012年8月12日 (日)

「サージェントペッパーズ」&「アビー・ロード」 ザ・ビートルズ

London_night

残りわずかとなりましたロンドン五輪。

有終の美へと、カウントダウンに入りました。

日本の活躍する競技には、必ずアジアの近隣の国々が・・・・。

アメリカやヨーロッパ、アフリカ勢と競合することがあんまりなくなってきた気がします。

隣国同士が同質化しているのでしょうか、それとも、少し先んじた日本に追いつけ追い越せの風潮なのでしょうか・・・・。
国同士の競争は、相手方が必死なほど、悔しそうにすればするほど、どうも後味がよろしくないようで・・・・。

ご褒美がありすぎるもの考えもので、内政の不安を紛らわせるという常套手段は、オリンピックに政治はなしとの原則を、どうも反故にしていると思うんですが。

それはそうと、イギリス音楽としてのビートルズです。

わたしの、英国音楽好きは、もしかしたら中学時代のビートルズから来てるかもしれません。

今日は、それぞれ2度目の記事となりますが、一番好きなビートルズの2枚です。

Sgt_peppers

「サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」

1967年とは思えないくらい、今でも斬新で、次々に繰り出されるバラエティ豊かな曲調のナンバー造り。
ライブでなく、スタジオレコーディングなのに、一夜のコンサート仕立てとした巧みな仕掛け。
もう完璧極まりない、レコード芸術です。

しかも、メンバー4人の個性が、それぞれに際立っていて、4人のソロアルバムを1枚にしたみたいだけど、ビートルスが4つの個性豊かな音楽家の集積であるこを体感させてくれます。
これはまた、グループの成り行きとして、4人の危機をも感じさせることになるわけだが、このロック・ポップスのひとつの行きついた先としての完成度の高さは永遠のものかもしれなません。

Sgt_peppers_2

こんな風に、ポールだけ、後ろ向いちゃってますの中ジャケ。

「Lucy in the sky in the daiamonds」「A day in the life」「She's leaving home」「With you without you」「When I'm sixty hour」
このあたりが好きです。
ちょっといっちゃってる風のJ・レノンに、ポップス王道をゆくパール・マッカトニー、インド音楽を極めてしまったジョージ・ハリソン、とぼけた味のチームの緩衝役リンゴ・スター。

Abbey_road

「アビー・ロード」

もしかしたら、これが一番かも。

裸足のポールは、彼の死亡説すら生み出しました。

サージェント・ペッパーズがコンサートを卒業封印してしまったビートルズのレコード上のコンサートだったのに対し、こちらは、録音芸術からさらに転じて、本来のビートルズのロック魂とアコーステックサウンドを希求したような1枚に思います。

4人の分裂の危機は、すでに訪れていたのですが、これじゃいけない、昔みたいに・・・との思いを感じます。
そして、当時ソロへの動きも示していたジョージ・ハリソンが、ジョンやポールと同じくらいに自己主張をしております。
抒情的で爽やかな音楽造りは、名曲「Something」「Here comes the Sun」でもって結実してます。
この2曲、ほんとにいい曲だし、大好きです。

「Come together」「Oh Darling」「Octopas's garden」「I want you」などに続いて、レコードB面は、オムニバス的な組曲みたいになってます。
こちらは、休みなく連続で聴くのがいいです。
なかでも、「Golden Slumbers」は、泣けてしまいます。
「The long and windingroad」とともに、来し方行く末を歌っているように思えます。

オリンピックの最後の閉会式にも、きっといいんじゃないかと思います。

前にも書きましたが、わたしにはビートルズは英国音楽です。
そして、ロック・ポピュラー・ジャンルのモーツァルト的存在です。

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2012年7月13日 (金)

「HELP」 ザ・ビートルズ

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ザ・ビートルズの映画「HELP」を久々に観ました。

以前NHK放送されたものを録画しておいたものです。

ロンドンオリンピックも近づいてきましたし、私的には、今や伝説的な彼らは、立派な英国音楽のジャンルにいれてしまいたいです。

そして、オリンピックに合わせて、ビートルズ臨時再結成のうわさも・・・・。

ジョン・レノン(1980没)、ジョージ・ハリソン(2001没)の後を継ぐのは、それぞれの息子たちということで。

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映画「ヘルプ」は、1965年の作品で、ビートルズとしては、「ビートルズがやってくる、ヤァヤァヤァ」に次いで2作目。

リチャード・レスター監督(スーパーマンのシリーズも一部この人)によるもので、前作はモノクロの渋い内容だったけれど、今回は、世界を股にかけたロケを行い、まさに世界のアイドルだったビートルズならではのコメディ・サスペンス(?)。

今見ても結構笑えます。

キモは、famousという言葉。

そう、「有名な」、デス。

モンティ・パイソンを生んだ、時には辛らつなまでのユーモアの国。
自分たちが有名!ということに、やたらとこだわった、でも全然鼻につかない爽快さが、若きビートルたち。

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物語は、当時の東洋、ことにインドへの嗜好なども反映されたかのような、カリブのカルト教団に追い回される4人のドタバタを描いてます。

リンゴ・スターが、ファンからもらったこの真っ赤なリング。
これを付けてる人を生贄にしなくてはならない教理をもとに、「カイリー」と決まり文句を叫ぶ連中が、ロンドン、ソールズベリ、オーストリア、そして地元カリブと追いかけ回します。

どっかの楽劇みたいな、「リング争奪戦」は、これが強靱で希少なものだから、狂信的なイギリスの学者も参戦してごちゃごちゃに・・・・。

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ビートルズの演奏場面は、いくつもあります。
こちらは、ロンドンのスタジオで。

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こちらは、ロンドンの自宅で。

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ソールズベリの遺跡ストーンヘンジで・・・。

そして、カリブの青い海で。

ここで思ったことは、彼らのファッションセンスのよさ。

スタイルの変遷こそあれ、いま、また彼らのセンスは時代にぴったりに思いましたね。

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若すぎるビートルたち。

ポール・マッカートニーは、いまも変わりませんねぇ。

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変装して、国外に逃げるわけなんだけれど、その変装ぶりが、実は後年の思いがすれ違いだした頃のメンバーの姿にまるで一緒なことを発見した。

思えば、この3~4年後なわけです。

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間抜けな追跡チームが乗っていたのは、ハロッズのボックスカー。
こんなのあるんですかね。
ロンドン市内のインド料理店や、王室御用達の宝飾店、果ては宮殿までが、パロディ風に出てきちゃう。

これが英国のユーモアなんです。
お堅い日本じゃ考えらんない。

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この映画を含めて、1作目と、「Let It Be」の3つを同時に観たのは、友人と有楽町で、中学3年の冬でした。

中学・高校時代は、すでに解散していたけれど、その後のソロ活動も含めて、ビートルズは友達たちとの間で、カリスマ的な存在。
クラヲタ君兼ビートル・マニアだったのでした。

ちなみに、この映画を見た帰り、銀座のヤマハで買ったレコードは、「ブーレーズのワーグナー」と「アュケナージのショパン」なのでした。

「HELP」 CD盤

※ちなみに、イトーヨーカ堂では、繁忙時間に「HELP」がかかります。
従業員の皆さん、レジ応援して下さい、だそうですよ。

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2011年5月10日 (火)

「LET IT BE」 ザ・ビートルズ

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薔薇と東京タワーです。

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ビートルズの名盤、「Let It Be」です。

ポール・マッカートニーの結婚を祝して

そして、いまの日本に

1970年の発売のビートルズ最後のアルバム。
作品的には、これまた超名作の「Abbey Load」の方が後になるけれど、個性と才能あふれるメンバーたちがぎくしゃくしてしまった。

わたしは、中学3年でビートルズに目覚めたけれど、奥手で、まわりにはファンが一杯。
でも、第9や春の祭典や惑星、ディーリアスやリングを聴きながらビートルズを聴くヤツはいなかった。
いま思えば、逆にこんなわたしも、クラシックを友達に影響を与えることができていたようで、1000円の廉価盤を融通しあっていたもんだ。

そして、忘れもしない中学3年の冬休み。
ビートルズの映画3本だてを、東海道線に乗って、有楽町まで友達と観に行った。
「ビートルズがやってくる、ヤァ!ヤァ!ヤァ」、「HELP!」「LET IT BE」。
モノクロの渋い1作目、インド風エキゾティックで怪しげでドラッキーなヘルプ、そして4人がよそよそしいけれど、無口に音楽のみを求道してゆく姿とロンドンの街が印象的なレット・イット・ビー。
その後もテレビで何度も観たけれど、この時のスクリーンの4人は、ずっとずっと印象的に覚えております。
(ちなみに、この映画鑑賞のあと、銀座のヤマハに行って買ったレコードが、ブーレーズとニューヨークフィルのワーグナーだった)

この映画のサントラがこのアルバム。
ビートルズのアルバムで何が好き?と聞かれたら、口では「アビーロード」か「サージェントペパーズ」と言ってしまうかもしれないけれど、本心ではこの「レット・イット・ビー」かもしれないです。
ともかくレコードの溝が擦り切れるほど聞きまくり。

1.Two of us
2.Dig a pony
3.Across the universe
4.I Me Mein
5.Dig it
6.Let it be
7.Maggie mae

1.I’ve got a feering
2.One after 909
3.The long and winding road
4.For you blue
5.Get back


全部くまなく聴いていたけれど、やはり始終、針を落とすのは、A面の6とB面の3。
「Let It be」 と 「The long and winding road」でしたね。
いまでも、カラオケで歌っちゃったりしますよ。

このレコードは、生々しくシンプルなバンドをバックにしたサウンドで、それはあの映画の、たとえばアビーロードスタジオかどこかの屋上で大音量で演奏した場面そのものの雰囲気だったりする。その場面では、ロンドンのあの山高帽の警察官が屋上までやってきて困った顔をするなかで、平気で歌う4人組が、そのまま映されていた。
それこそ、Get Backでしたな。

聴きまくった2曲以外も、みんな大好き。
ジョンの不可思議な魅力の「Two of us」に、「Across the universe」
ポールのシャウトする若々しい声が素晴らしい「I’ve got a feeling」。
4人の中で、一番好きだったジョージの歌う「I me mine」とカントリーなタッチだけど哀愁あふれる「For you blue」。

そして、オーケストラ付きの「The long and winding load」は、思わず指揮してましたよ。
中学生ながら、この長くて曲がりくねった道ということは、これから歩む人生のような気がして、思わず目をすぼめて遠くを見てしまうような気分にさせてくれましたね。

「Let it be」、さきのロングアンド・・とともに、いくつかバージョンがあって、わたしは、LPのものがいまだに好き。

「Let it be」~なすがままに・・・・

このフレーズを何度も何度も口ずさみました。
なすがままに、なるようにしかならない。
こんな言葉が今もって心に響きます。

本来、原点回帰=シンプルなロック回帰を目論んでいたメンバーだけれど、その思いに反し、契約の問題やプロデューサーの関係などでアコーステックなバックを追加せざるをえなかったという。
そういう意味では、わたしが好んだ2曲以外の方がリアルな彼らの望んだサウンドかもしれない。
そして、それを汲みした音源が2000年代になって発売されたこともご存じのとおり。
タイトルに、NAKEDと付いたそのCDも購入したけれど、これはこれでよいのですが、曲順も違うし、慣れしたんだLPとどうも違う。

いずれにしても、ジャケットとともに、永遠のビートルズを私に刻みつけてる音源は、当初のものなんです。

Let_it_be

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2010年3月 5日 (金)

The BEATLES

5
これを見て、どこどこのハンバーグ、しかもメニュー名まで当てられたら、あなたは都心以外に住んでる方かも。
ハンバーグのファミリーレストラン、「びっくりドンキー」。
チーズパケット・デッシュ。デッシュとはご飯、サラダがワンプレートに乗った品で、ドンキーの一番人気。そして、私が食べたチーズパケットは、中にしめじとチーズが包まれていて、切るととろけたチーズがトロリと出てくるんです。
安くてウマイ。
私の家の周辺には郊外なものですんでたくさんありまして、週末は行列しております。
The_beatles_white_album
ハンバーグとは関係なく、今日は久しぶりにビートルズ
イギリス音楽のジャンルに入れちまいます。
1960~1970年の10年間に活動した、わがクラシック畑でいえば、モーツァルトのような存在。
ロック・ポップスに、クラシックのオーケストラ、弦楽四重奏、チェンバロ、ホルンなど、はたまたインドのシタールをも導入した革新性もある。

短い期間に偉大なヒット作品を放ち続け、世界中を魅惑し、あらゆるミュージシャンに影響を与え、むなしくも解散してしまった。
メンバーそれぞれの個性が際立っていたことも他のバンドにはないことで、よけいにその反動はあったのかもしれない。
67年頃から、メンバーそれぞれが独自の活動を始め、ヨーコ・オノも登場して、4人の絆がほころび始めた68年に、いわばメンバーのソロの集積のような形でもって作りあげられたのがこの白いジャケットの「The BEATLES」。

通称「ホワイト・アルバム」。

中学生の頃にビートルズにはまり、ほとんどのレコードを集めたけれど、このホワイト・アルバムだけは買わなかった。
2枚組で、ちょっととっつきの悪い内容に思われたし、有名曲は、録音したりして済ましていたから。
そう、この2枚組は、当時かなりコンテンポラリーで、哲学的・瞑想的な内容であったりもするんだ。
ジョージを中心として、インド的なるものにはまっていて、4人でインドに長期滞在したりもして、その間に書きあげた曲もいくつかここには録音されている。
全部で30曲。
若い頃、聴きにくいと思った曲も、いまこの30曲を順に聴いてみて、緩急緩急がとてもよく付けられていて、実に考え抜かれた配列で、全体の流れで一気に聴ける。
 個々の曲も、4人の個性がそれぞれに味わえる。
親しみやすいメロディ、時にシャウトする抜群の歌唱力のポール。
電子音楽の域にまで踏み込み、ミニマムの世界にも近づきつつあり、孤高の境地とドラッギーなジョンのロック魂。
優しいほほ笑みと神秘的な不思議領域を体現しつつあった繊細なジョージ。
どこまでも人がよさそう、少し面白くなさそうなリンゴは、ドラムのテクニックで聴かせる。

DISC1
 1.Back in the U.S.S.R.          2.Dea Prudence
 3.Glass Onion                 4.Ob-La-Di、Ob-La-Da
 5.Wild Honey Pie      
 6.The Continuing Story of Bungalow Bill
 7.While My Guitar Gently Weeps  8.Happiness is a Warm Gun 
  9.Martha my dear                    10.I’m so tired
11.Black Bird                           12.Biggies            
13.Rocky Raccoon                    14.Don't pass mi by
15.Why dont we do it in the road  16.I will
17.Jullia

DISC2
 1.Birthday                            2.Yer Blues
 3.Mother natuers Sun            
 4.Everybody's Got Something to Hide Except me and Monckey
 5.Sexy Sadie             6.Helter Skelter
 7.Long Long Long                 8.RevolutionⅠ
 9.Honey Pie                10.Savoy Truffle
11.Cry Baby Cry                   12.Revolution9
13.Good Night


The_beatles_white_album2 
これらの中で、なんといっても一番好きなのは、ディスク1の7曲目、「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリ・ウィープス」。文字通り、泣きギターはジョージの朋友E・クラプトン
そして優しすぎるよ、ジョージ・ハリソン
「世界を眺めていると、回っていることに気がついた、僕のギターは秘かにむせび泣く。
 失敗を重ねながら、いろんなことを学ぶんだ、僕のギターは秘かにむせび泣く・・・」


けだるい、もう疲れちゃったの「アイム・ソー・タイアード」のジョンの歌。
「ひどく疲れちゃった もう一睡もしてないよ 心が粉々に壊れそう 起き上って飲み物でも作ろうか いや やっぱりやめとこ・・・・」

イギリスの庭の景色と鳥の声が聞こえてきそうな、ポールのすてきな「ブラックバード」。
可愛い歌と詩の背景には、政治的な気配も匂わせている・・・。

ディスク1より、難解な2にあって、最後に心安らぐ「グッド・ナイト」
ジョンが息子ジュリアンのために書いた子守唄をリンゴが優しく、そしてちょっと眠そうに歌う。心安らぐ名品で、この大作は終わる。

いやぁ、お腹一杯。

ビートルズ過去記事

「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」
「アビー・ロード」

「ヘルプ」
「ラバー・ソウル」

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2008年11月22日 (土)

「ラバー・ソウル」 ザ・ビートルズ

2横浜に遊びにいってきました。
雑踏の西口で買い物をして、中華街で食事をして、みなとみらいのイルミネーションを楽しみ、ランドマークタワーに登りました。

さまよえる神奈川県人としては、おもに文教及び買い物で横浜には始終縁があったけれど、横浜博を経てからのこの街は、さらなる一大観光地となったと思う。
若い頃は、西口か伊勢佐木町、元町くらいしかなかった気もする。
横浜というイメージもあるが、首都圏という大消費地の真っ只中にあることで、徳している面もある。
でも東京とは明らかに異なる文化と、進取の気性、以外なディープさとあっさり感。
横浜は楽しい!

Rubber_soul 今日は久しぶりにビートルズ
第6作目のレコードで、1965年12月アビーロードスタジオでの録音。
その頃、そのスタジオでは、クレンペラーやバルビローリが指揮をしていたことを思うと、なんともビートルズが革新的に思えてくる。
今から、43年も前のこととはとうてい思えないが、メンバーのうち二人、ジョン・レノンとジョージ・ハリソンはもう物故してしまっているし、存命の二人も70歳に手が届こうとしているから、歴史的な存在になりつつある訳だ。
 ビートルズに熱中した私は、高校1年の頃にこのレコードを買った。
その時は、もうとっくに解散していたし、10年前の録音を聴いたわけだけれど、スピーカーから出てくる音は、少しデッドだったものの、左右の分離が鮮やかで、やたらにステレオ効果を狙った、とても新鮮な音だった。
昔話ばかりで恐縮してしまうが、子供時代、ステレオで左右で音が別れて聞こえるって、とても嬉しいことだった!

このアルバムには、超名曲は入っていないけれど、どの曲もある意味革新的で、いろんなアーティストに影響を与えたし、その後の数々のブームを作ったトレンドLPなのである。
そのトレンドとは、まずインドの楽器シタールの使用。
ポピュラー音楽にシタールを使ったのは彼らが初めて。
ジョージ・ハリソンがインド音楽に傾倒し、ラヴィ・シャンカールと交遊を深めた背景があって、以降ビートルズのLPには、ジョージのシタールをともなった作品が続出する。
それを受けてあらゆるジャンルにシタールは溶け込んでいったはずである!
 それと、ミッシェルにおけるシャンソンのようでジャジーな音楽。ロックグループがこんなにムーディかつブルーな音楽を歌うことじたいがすごいことだった。
しかも、サビはフランス語だし!
(ちなみに、ワタクシこの曲、カラオケの愛唱歌であります。唯一歌えるおフランス語にて)
さらに、バッハを思わせるクラシカルなフレーズも取り入れられた曲(イン・マイ・ライフ)などもあったりする。

こんな風に、一曲一曲が、実に綿密かつ精度が高いのがビートルズであり、レノン=マッカートニーと、一歩引きながらも抒情性に溢れたジョージや、ほのぼのリンゴのコンビネーションの圧倒的な素晴らしさなのである。まさに、モーツァルト!

 1..ドラ
イヴ・マイ・カー
 2.ノーウェジアン・ウッド(ノルウェーの森)
 3.ユー・ウォント・シー

 4.ひとりぼっちのあいつ
 5.嘘つき女
 6.愛のことば
 7.ミッシェル

 8.消えた恋
 9.ガール
10.君はいずこへ
11..イン・マイ・ライフ
12.ウェイト
13.恋をするなら
14.浮気娘

アコーステックギターとシタールが鳴り響く清涼なノーウェジアン・ウッド。
なんだか寂しいけれど勇気づけられる「ひとりぼっちのあいつ(Nowhere Man)」
愛こそ強しの「愛のことば(The Word)」
そして「ミッシェル(Michelle)」は、ポールの甘い歌声が冴えわたる、シャンソンのような一幅のラブソング。
美少女に翻弄され、悩ましいロリータソング「ガール」は、ジョンのひたむきさと怪しげな歌がとてもいい按配。
我が人生を語る趣きあふれる「イン・マイ・ライフ」は、真面目なジョンの歌で。中間部のバッハの平均律風な挿入部がうれしい。

いつまでも色あせないビートルズの音楽は、もはやクラシックの領域。
そして、私には大好きなイギリス音楽のひとつと認識。
イギリスはおいしい!

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2008年5月 2日 (金)

ビートルズ 「ABBEY ROAD」

London4 ロンドンのピカデリーあたり。
タワーレコードですよ。
もう大昔、たびたび書かしていただいているが、花のロンドン・パリ7日間の視察出張に恵まれたが、いずれもレンタカーを借りての活動で、その運転は地獄絵図のような思いだった。

今は中心部への乗り入れ規制などで、そうでもないだろうが、どちらの都市も交通量は多く渋滞だらけ。
怖かったけれど、いい思い出。

Abbey_road_1

ビートルズ・エイジのちょっと下。
クラシックにのめり込んでいた中学生時代、解散後だったが、AMラジオでは常にビートルズがかかっていたし、学校でもマニアがたくさんいたもんだ。
当時、好きな女の子もビートルズ・ファンとわかりレコード収集にも熱が入った。恥ずかしいわ。

ビートルズが残したアルバムの最高傑作の呼び声が高いのは、「サージェント・ペパーズと「アビーロード」。

1969年の録音で、発売順では最終アルバムの「レット・イット・ビー」の後にあたるため、実質的にビートルズ最後の1枚。
4人の不仲は決定的で、翌年に解散してしまうのだが、あまりに有名な並んで渡る4人の写真。ポールだけが裸足で、死亡説まで生んだのはもう歴史的なお話になってしまった。

斬新さとその完成度の高さは、いまこうして聴いてもまったく変わらない。
左右、ステレオ効果を意識した録音効果は当時を感じさせるが、今もって生々しい音がするし、いろんな効果音も満載で、中学時代それもまた楽しみだった。

Abbey_road_2 レノン・マッカートニーの作品のなかに、2曲あるジョージ・ハリソンの曲。
これがまた好きだ。「Something」と「Here comes the Sun」、どちらも抒情的でやさしい平和主義者のジョージならではの名作に、今もほのぼのかつ、目が潤む思い。
時にシャウトする、ポールの圧倒的な歌唱力は、ロックンローラーの原点を見るようで、「Oh!Daling」や「Golden Slumbers」などは惚れ惚れする。
また、ジョンの不思議世界に遊ぶかのような無垢な歌、「Come togeter」、「I want you」、「Because」は深淵さまで漂うくらい。人のいいリンゴの「Octopus's garden」は、イエローサブマリン的な海底世界。
レコードB面は、まるでオペラのように、各曲が連続している。
その巧さといったらない。
ビートルズが行き着いた先は、悟りとも思えるシンプルかつ、澄み切った心境だったのかも・・・・・。

多くのファンがそうするように、今度ロンドンに行けたらば、アビー・ロードの横断歩道を闊歩してみたいぞ。

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2008年2月15日 (金)

ビートルズ HELP!

Neko 今日の「にゃんこ」
正面のイケメン顔は拝めなかったけれど、この美しい後ろ姿は、かなりのナイスなお顔が想像できる。
どう見ても、男子ですわな。

お~い、どこいくんだ!

Help 今日はちょいと、はみ出して英国の音楽でも非クラシックの「ビートルズ」を。
UK-JAPAN2008賛同企画であります。

1962年公式デビュー、1970年解散。
4人のビートルズとしての短い活動時期の極めて充実した創作は、クラシック音楽の分野でいえば、さながらモーツァルトのような天才にも通じるものだと思う。
ジョンとポールがいうまでもなく音楽の中心だったが、ジョージの独創的・抒情的な才能も開花したし、リンゴのバランスあるキャラクターがメンバーの与えた重しも見逃せない。
ジョンとジョージが物故してしまい、ますます伝説化しつつあるビートルズを英国とゆかりのある今年、聴くのもいい。

私のblogでは、名作「サージェント・ペパーズ・・」をすでに取上げたけれど、今晩はさらに遡って、1965年の「ヘルプ!」。
私くらいの世代だと、誰もが通る道がビートルズ。
中学生の時にむちゃくちゃはまった。その時は、解散してまだ間もない頃で、ラジオをつければビートルズばかりだった。
レコードもぎょうさん買った。
映画も観た。
「A Hard Days Nighat」、「Help!」、「Let It Be」の3本の映画を映画館で観たのも懐かしい。
映画「Help」は、ちょっとドタバタのバカらしい映画だったけれど、極彩色のかなりサイケな雰囲気の映像で、ジョージ・ハリソンを中心にのちにのめり込んでゆく、インド風かつカリビアンな異国情緒にも溢れていた。劇中、狂信的な宗教集団が出てきて、リンゴを追いかけまわすのだが、彼らが「カイリ~」という合言葉を口々に叫んでいたのをいまだに覚えている。

その映画で使われた音楽を中心に組まれたこのアルバム。
ヨーカ堂のBGMでも流れるタイトル曲「ヘルプ」(購買欲を刺激するのかしら?)、「涙の乗車券(Tiket ToRide)」、「Yesterday」といった名曲中の名曲に加え、シンプルでわくわくするような音楽が目白押し。
わたし的には、ジョージの「I Need You」がナイーブでとてもいい。
それでもって、クラシカルな「イエスタディ」は古今東西稀にみる名曲だな。
オヤジのわたしは、カラオケで歌ってしまう。
昨今の若者は、これを知らんから困る。

短い曲だけれど、弦楽四重奏を大胆にも起用した彼らの天才。
これを聴きながら、アイリッシュ・モルトウィスキーを傾ければ、思いははるか昔に飛んでゆく・・・・・。

   Yesterday
  all my troubles seemed so far away
  Now it looks as though they're here to stay
  Oh I believe in yesterday

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2007年4月11日 (水)

「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」 ビートルズ

Beatles_sjpappers クラシック以外のアルバムで、古今東西最強の名作は、「ザ・ビートルズ」の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」であろう。これに準じて、「アビー・ロード」が来る。

私にとって、いまや古典となったビートルズも「イギリス音楽」。
誰しもが通る道がビートルズ」、と思っていたら、最近はそうでもないみたい。
そりゃそうだ、若い人にとっては、お爺さんの世代の音楽だもの。
1964~1970年が活躍年度。
私のような、オジサンでも小学生だったから、目覚めたのは中学生以降で、すでに彼らは解散していたし。
そんでもって、中学時代にビートルズのLPを買い集め、詩集を揃えたり、映画を観たりで、すっかり「ビートル・マニア」だった。それというのも、好きな女の子がビートルズ・ファンだったからであります・・・。
同時にクラシックも聴いていたけれど、両親は急にロック・ポップスばかり聴きだしてしまったものだから、大いに心配したもの。今となれば、なんのこともない。柔な話でしょ。
4人が存命中から、彼らのソロアルバムまで、そこそこ聴きまくった。
ジョン・レノン」と「ジョージ・ハリソン」の死去は本当に悲しかった。

「サージェントP」が発売されて、今年は40年!!を迎えるそうだ。
驚きの境地。本国イギリスでは、このLPのカヴァー・アルバムが企画されているそうだ。
ともかく、音楽のジャンルの領域を越えたクロスオーヴァー的な名作なのだ。

Beatles_sjpepperas_1 こちらは秘蔵のLPジャケットから。
ジャケットは、かつてのサイケの代名詞のようなものだが、考え抜かれたユーモアと風刺のセンスに満ち溢れ、それこそ天才的な出来栄え。

全13曲のすべてが個性に満ちあふれ、 いまここで生まれてきたばかりのような初々しさに、驚いてしまう。
ジョージが好きなものだから、彼がインドに惹かれ、「ラヴィ・シャンカール」とも親交を持ち、シタールを伴なった「With you Without you」が大好き。
J・レノンは、この頃ヤクをやってた核心の行ってしまっている曲や、P・マッカートニーがモーツァルトに近いと思わせるメロディーメーカーであり、抜群の歌唱力を見せつける曲。
付けたしのようだけど、人の良さとメンバーの中和剤のようなリンゴ・スターの歌。

どれもこれもが、この1枚になくてはならない曲で、一夜のバリエーション豊かなライブを楽しむ思いだ。

繰返し言うが、40年前の作品に思えないし、ここまで来るとクラシックの分野と紙一重。
こんな音楽を聴いていると、過ぎ去りし大昔が語りかけてきて、思いきり当時に舵をきってみたくなる思い。

それからもうひとつ、これらの曲の詩の素晴らしさ。
当時、翻訳と対比しながら、何度もその英語を確認した。
私の中学時代は、英会話なんて夢のまた夢だから、語学の世界の英語学習だったから、ビートルズの詩はちょうどいい素材だった。
今の日本の若者は、日本の歌手の歌ばかり聴くし、事実、日本ポップスは数段の進化をアジアの中で遂げている。だから、文学的な英語からはますます遠くなってしまう。
詩的な世界をもう一度味わっていただきたいな。

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