ラヴェル 高雅で感傷的なワルツ ミュンシュ指揮
久方ぶりに七夕まつりに行ってきた。
ここ周辺の地に育ち、子供時代は欠かさず行っていた七夕。
昔は、竹製がメイン、いまは樹脂やクレーンなどを駆使した大がかりなものに。
かつては、親に連れて行ってもらった。
その後、自分が子供を連れて行った。
いまは、孫と行くようになった。
歳とったもんだ。
ラヴェル 「高雅で感傷的なワルツ」
シャルル・ミュンシュ指揮 フィラデルフィア管弦楽団
(1963.3.14 @フィラデルフィア)
ミュンシュがフィラデルフィアを指揮した貴重な1枚。
しかも、レーベルがCBSで、当時のオーマンデイのもとでCBSにお抱え状態だったフィラデルフィアという、時代背景も偲ばせる1枚。
あと数年たてば、RCAへの録音となったかもです。
ラヴェルのほか、フォーレのペレアス組曲、ベルリオーズのファウストからオーケストラ作品などが収録されてます。
レコード時代、廉価盤化されたものを購入して初聴き。
そのときは、CBS時代のいわゆるフィラデルフィアサウンドが聴かれ、ミュンシュの剛毅さが、とくにベルリオーズでは活きている印象だったが、録音がちょっといまひとつに感じていた。
CD化されたものを聴いたら、印象がかなり異なり、3曲ともに、かなり落ち着きある、むしろ渋い演奏にも感じたのです。
キンキン感じた録音が改善されたことも大きく、横への広がりと程よい響きが実に美しく、フィラデルフィアのオケの巧さ、とくに弦のしなやかさと艶もとても心地よい。
ミュンシュの指揮は、豪快さよりは、抑制の効いた精緻なもので、酸いも辛いも経験してきた大人の音楽を聞かせる。
ことに、フォーレの美しさは、いまの自分には例えようもないです。
こうもむかしの印象とは変わってしまうなんて・・・
高雅で感傷的なワルツ、わたくしラヴェルの作品のなかでも結構好きなんです。
ミュンシュはもしかしたら、この曲、この録音のみなんですかね。
華やかで熱狂的な「ラ・ヴァルス」と違い、幻想味がまさる瀟洒な、でも寂しさも感じるシックな作品。
ミュンシュの力を抜いたかのような優しいタッチによる演奏は、フィラ管の名手たちのソロも際立ち、じっくりと聴くにたる桂演であります。
シューベルト風のスタイルで作曲したというラヴェル。
ピアノ原曲と併せて聴くと、ラヴェルのオーケストレーションの天才性もわかります。
以前にも書きましたが、ラヴェルのアニバーサリー年に、小澤&新日フィルでこの曲が演奏されましたが、静かにこの作品が閉じたあと、ラ・ヴァルスがとめることなく演奏されて、雲の間から見えてくる舞踏会をつぶさに体感することができました。
いくつになっても、七夕飾りは美しいものです。
高雅で感傷的なワルツ、初のレコードはアンセルメでした。
リズム感豊かな、スイス・ロマンドとの名コンビが生んだ名演。
いまは昔、むかしむかし、おフランスにパリという名前のお洒落な街がありました。
そんな感じのクリュイタンス盤。
クールで研ぎ澄まされたラヴェル。
70年代のブーレーズはすごかった、クリーヴランドもすごかった。
軽やかで歌心にあふれたアバドとLSO。
精緻なピアニシモは美しく、そんななかでも歌うアバドの指揮は好きです。
高雅で感傷的なワルツ、おしまい。
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