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2017年3月26日 (日)

「ラヴェンダーの咲く庭で」 映画

Ravender

 その音楽だけは、ニコラ・ベネデッティの演奏するCDを通じて、とても気にいってたし、きっと、わたくしの理想とする英国の辺境の海辺の街が、すてきに描かれてるんだろうなと、想いをめぐらせていました。

いつも探してた。

そして、なんのことはない、近くのツタヤにありました。

そしてお借りして、じっくり鑑賞。

じんわりと、そして、あまりに同調もできる美しくも哀しい心情。

今日は、自分にも特別な日かもしれないのど、メルクマール的に、エントリーしておきます。

美しい映画の印象と、その思いは、またあとで、追加更新したいと思います。

(2017.03.26 追記)↓

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トリスタンとイゾルデを思わせる、コーンウォールが舞台。

老いても、また、落ちぶれても、どんな悲しみにあっても、人間というものは、愛を希求し続けるんだ。

その愛は、世相や、世間で許されないものであっても、愛を抱く気持ちには罪はなく、限りなくピュアなものだ。

と、心から、想いたい。

そんな気持ちにさせてくれる、美しい映画だった。

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年齢の違い、国の違い、などは考えにも足らず、ただひたすらに、優しさと愛おしさが貫く愛を、だれが間違いといえようか。

とんでもない想いだと、声を荒げる方もいらっしゃるかもしれないし、もしくは、ほのかに、自らの経験や想いに、同感なさる方もおられるかもしれない。

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わたくしは、ここでは表明しませんが、ともかく儚く、そして麗しい心情に、ことのほか、同感いたしました。

 英国、コーンウォール地方の海辺の町。

1936年のこと。
仲良く暮らす、二人の老人の域に間もなく達する姉妹。
そのもとに、難破のすえうちあげられた、若いポーランド人。

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彼を介抱しつつ、二人の姉妹に生まれる、ほのかな恋心。
そして判明した、才覚あふれるヴァイオリニストとしての隠れたる才覚。

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 おりからあらわれた、ドイツ系の若き絵描きの女性。

彼女には、高名なるヴァイオリニストの兄があって、ポーランド人に接触し、この才能を、世に出すべく、兄と画策。
 この憎むべき動きを察し、隠ぺいしようとした姉妹と、若きヴァイオリニストとの間で生まれた確執。
そこに、地場のローカルイズムや、初老医師の嫉妬、ユーモアあふれるお手伝いさん、などが、巧みにからまり、後半は緊迫のドラマとなる。

姉妹に、事情を説明し挨拶をしたい想いを封じられ、やむなくロンドンに消えたポーランド人から、ふたりのもとへ、謝罪と自画像、そして、近くロンドンで演奏会デビューする旨の手紙が届けられる。
 コーンウォールでは、気のいい村人たちが、ラジオの前に集まり、これから始まるポーランド人の演奏のライブに耳をすませる。

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そして、はじまったコンサート。
鳴り渡る、麗しくも哀しいメロディに、会場の人々は、感動のゆえ固唾をのみ込み、コーンウォールの村人たちは、誇らしげに、でも、失ったものへの悲しみに耐えつつも涙する。
コンサートの会場の感動した聴衆のなかには、ふたりの姉妹がありました・・・・

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コンサート後のレセプション。
ふたりの姉妹を見つけたポーランド人は、かけより、感謝と喜びをあらわしますが、つらいことに、この夜の花形。
この場の一番偉い、貴族から声をかけられ、本人の意思とは逆に、姉妹のもとを離れることに。
振り返る若きヴァイオリニスト。
でも、一番愛した、妹は、姉を促し、帰りましょうと・・・・

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コンサート会場を去るふたりの老姉妹。
そして、地元のコーンウォールの海辺を散策するふたりのシーンに切り替わり、この素敵な映画は終わりました。

 続いて流される、この映画の音楽。

そう、ニコラ・ベネデッティが奏でたあの曲。

ナイジェル・ヘス作曲の書き下ろし作品。

ともかく美しい。

映画では、ジョシュア・ベルが弾いてます。

美しくてなにが悪いんだろう。

こんな愛らしい気持ち、それは、世代も、身分も超えて、はぐくまれる愛情や想いは、本人たちしか、結論を見いだせないのだから、それはそれで、いいのではないのか。

そんな風に想う、3月25日でありました。

 

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2016年2月 3日 (水)

ロイヤル・コンセルトヘボウ オーケストラがやってくる

Rco_a

少し前ですが、応募した試写会があたり、少人数の濃密な空間で、この素晴らしい映画を観てまいりました。

そう、われわれ日本人が、もっとも好きなオーケストラのひとつ。
わたくしなどは、昔の名前、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団という名前で、さんざんに親しんできたものですから、RCO、すなわち、ロイヤル・コンセルトヘボウ・オーケストラと呼ばれるようになった昨今、ちょっと違和感を感じてるんです。

それはともかく、この映画。
2013年、楽団創立125周年のワールドツアーの模様を主軸に展開します。

ネタバレしちゃうとこもありますので、要注意。

このワールドツアーでは、わが日本にも、ヤンソンスとともにやってきて、英雄の生涯や火の鳥、チャイコフスキー5番などのプログラムでした。
 映画では、アルゼンチン(ブエノスアイレス)、南アフリカ(ソウェト)、ロシア(サンクトペテルブルク)の3ヵ国を訪れた様子が、現地の音楽を愛する人々と、コンセルトヘボウの楽員たちのエピソードや、自身の楽器の紹介などを交えながら描かれております。

ブエノスアイレスでは、クラシック好きのタクシーの運転手が、仲間の間では、お高くとまってしまい浮いてしまうので、クラシックのことは絶対に口にしない。
でも、一人、運転しているときは、クラシックを大音量でかけているのさ・・・・。
 夜のブエノスアイレスの様子や、美味しそうな肉(!)を食べながら音楽談義をする楽員なども興味深いものでした。
 チャイ5のリハーサルでは、ヤンソンスの耳の良さとマジックが!

そして、飛んで飛んで、南アフリカ。
街は、その土壌ゆえに赤っぽい。
そしてあふれるエネルギーと強烈なリズム感の持ち主の子供たち。
音楽を心から愛し、将来の目標なども目を輝かせて語る一方、常に犯罪と隣り合わせの危険な街に怯える姿も。。。。
でも、彼ら、彼女ら、ピーターと狼の演奏会には、からだじゅう、目いっぱい、よろこびを爆発させてますよ。
 人種差別と戦いつつ、ヴァイオリンを学んだ老人は、いまは、高名な音楽教師となって、南アフリカの子供たちに楽器を教えてます。
ここでも、子供たちの真摯な眼差しが心に残ります。

Rco_b

最後の地は、ロシア。
悲惨な過去を背負う生き証人のような老人が語ります。
サンクトペテルブルクにマーラーがやってきて、千人の交響曲を指揮したとき、それを祖母が聴いていたと。
その後、父は、スターリンの粛清に会い、さらにナチスが進攻してきたときに、ユダヤ人ゆえに囚われとなり、ポーランドの強制収容所に送られた。
幸いに戦争終結で、命は助かったと。

愛する妻もなくなり、いまでは一人ぼっちと、寂しそうに語るその姿は、今度は、コンセルトヘボウの演奏会場にありました。
演目は、マーラーの「復活」で、映画では、終楽章、静かに「復活せよ・・・」と、感動的に合唱が歌い始めるところから、最後の輝かしいエンディングまで、しっかり観ることができます。
大きな拍手のなか、先の老人の眼から涙が流れます。。。。。

この場面には、ワタクシもうるんでしまったし、近くにいた紳士も泣いてましたな・・・・

オーケストラのことはあまり触れませんでしたが、映画では、大規模な移動の模様と、そのハードさ。
驚きの移動ツールや旅慣れした楽員さんたちの行動などなど、音楽好きなら、目を離すことができない場面がたくさん。
 もちろん演奏風景や、楽器紹介のおもしろさ、ヤンソンスの指揮ぶりなどもたっぷり。

演奏する方々の音楽への想い、そして、それを受けとめる聴き手の音楽への想い。
その愛し方にはまったく違いがなくて、生きる糧でもあり、心の支えでもあるのだな、と痛感した次第です。

都内から順次公開。
春のかけて、全国各地でも上演予定ですよ。

http://rco-movie.com/

最近は映画をたくさん観てます。

「さまよえるシネマ人」化してる。
そっち系のブログでも起こそうかしら。

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