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2020年6月26日 (金)

オペラストリーミング大会の軌跡 ⑩

Ajisai-shiba-01

アジサイ真っ盛り。

土壌のPH値で、紫陽花の色合いが変わるといいます。

簡単に言うと、酸性だと青系、アルカリだとピンク系。
リトマス紙に同じであります。
なんかかわいい。

さて、毎日オペラを諸所工夫しながら見てます。
だいたい、ウィーンとメトに集約された感じだし、配信も安定してます。
でも、時に、ウィーンは音が悪かったりします。

Andorea

 ジョルダーノ 「アンドレア・シェニエ」 ウィーン 2018年

カウフマンのヴェリスモ、声の力感と悲劇性が申し分ない。
 が、頭抜けるなにか、情熱の輝きがちょっと自分の中で違う。
私にはLPで長く親しんできたデル・モナコ、ライブで聴いた片足を一歩前に出して歌うカレーラスの声が忘れられない。


年輩を迎えた自分の耳の軌道修正も必要かとも思った。
だがベテランのフロンターリの純正イタリア歌唱を聴いても、同じくバスティアニーニと実演で聴いたカプッチッリの声から逃れられない。
 そんなオペラなんだ。
デル・モナコとゴッピ絶対のオテロはもっと柔軟に受け入れてるから自分には特別か・・・
カプッチッリのジェラールはガラコンサート。
オケの一番後ろのプルトの女性のおさげ髪を、舞台に出てくるたびに、ちょいとイジるユーモアあふれる仕草が、いまでも脳裏に刻まれてます。
粋なイタリア男でもありました!
 伝統解釈のウィーンもいいけど、新国でのアルロー演出もよかったな。

Lulu_20200626091501

ルルって?
ベルクだれ?
ヴォツェック、なに?
子供のときはわからないことばかり。
いまは、それらを嗜む大人となりました。

Otello

 ヴェルディ 「オテロ」 MET 2015

まず、セガンの指揮がいい。
活気あふれる鮮度高いオケの響きがピットから立ち上る。
アントネンコのオテロも、自爆への突進ぶりがなかなかのもので、あと最後の高貴な悲劇性が出れば申し分ないかな。
ルジッチは人のいいイメージがありすぎて、悪になりきれない風に見えちゃう。

ご無体なオテロに翻弄されるデスデモーナのヨンチェバのよろしい。
一見、スタイリッシュな舞台だけど、目新しいところもく、ある意味安心のMET。
 ワタクシの生涯初のオペラは高校時代の二期会のオテロ。
若杉さんの指揮で、当時、オペラはワーグナー以外は日本語上演だった。
「よっろこーべ~」 「剣を捨て~ろ」「口づけを~」なんて感じで、みんな覚えちゃったし。
その後いくつもオテロは観劇したけど、残念だったのはクライバーを逃したこと。
テレビでクライバーとドミンゴのすさまじさに釘付けになった・・・
エアチェック音源はお宝です。

Thais

   マスネ 「タイース」 MET 2008

この機会に初視聴。
モッフォとシルズのレコードが出たとき気になってたけど、3枚組だし、おっかない女性のジャケットだったから手が伸びなかった。
それから40年。
長く聴いてるとこんな出会いもある。
実によろしきオペラ。
悪人なし、みんないい感じに機能する登場人物たち。

最後には現実の愛の渇望に負けてしまう、いわば生臭坊主。
対する奔放なタイースは彼の導きで神の道を歩んで昇天するという物語。
あの瞑想曲がこんな場面で鳴る、最後の決め所でもくる。
不覚にも涙ぐんでしまった。
 いいオペラだ。
ムーディなフレミングがここでは最高。
ハンプソンもナイスガイだ

Adriana-01

   チレーア 「アドリアーナ・ルクヴルール」 ウィーン 2014

「アドリアーナ・ルクヴルール」ウィーン 2014
METに続いて同じくマクヴィカーの演出。
ネトレプコもよかったし、2017年ウィーンでは彼女が歌ったけど、ゲオルギューのアドリアーナは、隣のきれいなお姉さんてきな親しみを感じるし、儚さもいい感じ。
 それ以上にツィトコーワのブイヨン公妃が最高!

Adriana-02

ツィトコーワには思いいれあり、新国で、オクタヴィアン、フリッカ、ブランゲーネを観劇。
小柄で、いろんな所作が可愛くて、でも声は力強い。
去年のバイロイトでタンホイザーを食ってしまったヴェーヌスが彼女です。
好きすぎて、こんな画像も作成しました。

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チレーアの抒情的・旋律的なオペラは高校時代にNHKイタリアオペラで観劇。
プッチーニ以外のヴェルディの後をいろいろ聴くきっかけになりました。
 このオペラの肝は、女性達の恋のさや当てでもあり、でも愛する女性を後押しするミショネの顔で笑って背中で泣く優しいバリトン役があること。

Boliss

 ムソルグスキー 「ボリス・ゴドゥノフ」 ウィーン 2016

ムソルグスキー原典版による休憩なし、省エネ時短ボリス。
ボリスの死で幕となる。
かつてはR=コルサコフ版が主流で、華麗な戴冠式とボリスの死がクローズアップされる版だった。
いまは、粗削りで、ロシアの民衆に光をあてたムソルグスキー改定2版がメイン。

2007年プリミエで原典版の選択は面白いが、やや洗練されすぎ。
スーツ姿は旧ソ連の高級幹部みたいな感じ。
偽ドミトリーのグリゴリーに乗る民衆は、ほぼなく、シュイスキー公が幕切れ、次の権力を匂わせる場面があり、変わらぬ権力闘争が継続することを描いていた。
パペのボリス、滑らかな声が最高
でも苦悩は弱めかな。
 この演出の前のウィーンのボリスは、1991年のタルコフスキー演出。
そう、83年にロンドンでアバドがタルコフスキーを起用したもので、ウィーンでもアバドの独壇場だった。
94年に引越し公演があり、眼前で暗譜で指揮するアバドの集中力高い姿に釘付けになった。

Iolanta

 チャイコフスキー 「イオランタ」 MET 2015

青髭と抱き合わせ上演。
悪人がひとりもいない、愛すべき美しいオペラ。
これほどわかりやすく、幻想的な舞台はないな・・と、ネトレプコ、ベチャーワの声も堪能。
でも、最後にあれ?
父、へそ曲げた?
ん?怖い顔して喜びの輪に不参加で、ラストスポットもあびちゃう。

もやもやを引きづりつつ、青髭へ行ったが、振り返ってわかった。
映像を多用し、それも立体的で美しく、イオランタが絡めとられるような雰囲気。
あと、父が鹿を狩りで仕留め、娘の部屋は鹿さんのレプリカだらけという謎・・・・
ゲルギエフ指揮。

Blue-01

 バルトーク 「青髭公の城」 MET 2015

イオランタの後半公演。
こちらも立体的な映像が多様され、登場人物たちがそこに組み込まれる仕組みで、配信映像では効果的だけど、実際の舞台からみた現物はどうだったろう。
城内の移動は無機質なエレベーター映像を絡ませ、それなりの効果はあり。
ピークの第5のドアの場面は、なかなか盛り上がるシーンだし、METらしく金がかかってる。
しかし、おどろおどろしいイメージ画や音の動画の挿入はいかがなものか。
いつも思うけど、作曲者の書いた音楽の力を信じないのだろうか、聴衆をバカにしてるのだろうか。
バルトークの音楽はそのまま鮮烈だよ!

Blue-02

青髭を見て、片方手袋のイオランタの父親に繋がった。
娘の盲目を本人に隠し、溺愛し、愛する彼氏の登場にへそを曲げるチッちゃい男に描く。
 青髭は、コレクターのような異常さ際立つ存在。
最後は、完全に取り込まれてしまったユデーット。
鹿、薔薇、森、密閉小部屋、イオランタに共通モティーフ。

Josef

 R・シュトラウス 「ヨゼフの伝説」 ウィーン 2015

R・シュトラウスの3つあるバレエ音楽のひとつ。
めったに聴くことはできないが、ちょっと古いがノイマイヤー演出のウィーン上演。
なかなか始まらないと思ったら、前半はクープランのクラブサン曲を編曲した部局。
ヨゼフはアルペンとかアリアドネと同じ時期の作品。

安心してください、はいてます。
超大編成のオケを指揮するのは、ミッコ・フランクでウィーンの音色も生かした洗練されたシュトラウスサウンド。
旧約聖書の物語で、サロメと同じく、牧童のヨゼフが、買主の豪商の妻の強引な欲望の対象となり、罪を着せられ、最後は天使と昇天。
実際の旧約聖書では後日談もあるが、このバレエでは、精神と肉体の欲の葛藤で、精神の勝ちで終わり、極妻が破滅する筋立て。
豊饒な旋律をベースに、サロメやエレクトラにも通じる強烈な音楽だ。
若杉さんのCDが世界初全曲録音であることも特筆ものです。

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 フンパーディンク 「ヘンゼルとグレーテル」 MET 2008

英語版での上演だけど、違和感なし。
壁紙の魔術師リチャード・ジョーンズの描くフォーレスト・ルームは森の怖さも神秘感もうまく出していた。
魔女は故英国テノールのラングリッジでさすがに上手い。
兄妹もナイスなコンビで、特にこの頃、シェファーは可愛い。

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NYの有名菓子店のリアルスイーツがマジで美味そう。
しかし、食べ物を粗末にしちゃあかんで。
でもこんがり仕上がった魔女は、みんなで美味しくいただきました・・とさ。
皮肉とユーモアと恐怖のエンディング。

姿からは、童話オペラを指揮してるとは思えないユロフスキの明快なオケもよろし。
すっかり楽しめましたよ。
すっかりもてあそばれる魔女の婆さん・・・

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  R・シュトラウス 「ナクソスのアリアドネ」 ウィーン 2017

J・テイトが指揮する予定だった公演で、氏の逝去によりシュナイダーが指揮。
さすがの熟練、ふくよかなウィーンの音色と歌手の声を第一にしたオケピットを創出。
2度目のストリーミングで、この度はじっくり鑑賞。
疑問に思った最後の作曲家の登場だが・・・

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序劇はパトロン出資でオペラを造っていく人々のドタバタ。
本編は、その人々の作り出す地中海風オペラの本番。
このふたつを、巧みに結び付けた演出意図がよくわかった。
嫌いな同志のテノールとプリマ。
一応、オペラでは壮大な二重唱を歌いつつ、劇場を去るや即決裂(笑)

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序劇でのツェルビネッタと作曲家のちょっと気になる関係が、本編オペラで完結する仕組み。
これをメインに仕立てあげた演出かと。
バイロイトのタンホイザー・トリオが万全。
METの可愛いママさんコロラトゥーラ、モーリーさんがステキ!
この秋もティーレマン指揮で再演で、モーリーも再び!

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    プッチーニ 「西部の娘」 ウィーン 2013

スマートでプッチーニの斬新なオーケストレーションが透けて見えるようなウェルザー・メストの指揮がいい。
西部時代から1970年代のアメリカの炭鉱の町に設定を移した舞台は、とても写実的で面白かった。
そして切実なる銃社会も見せてくれて、今がいまだけに悩ましい・・・

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ミニーは、働く男たちのアイドルである以上に精神的支柱で、縛り首寸前の恋人ジョンソンの助命を説いてまわると、簡単に男たちは許しちゃって旅立たせてしまう。
で、カラフルな気球で去るところが、えー、なんでやねん!
ラストシーンの恋敵ジャックのピストル自殺暗示の深い解釈とそぐわない気が・・

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嫉妬に狂うコニュチュニーのポリスが実によくて、このオペラによくあるテノール役を食ってしまう事象がここでも。
そんなオペラだけど、カウフマンは適役だし、なんたって体当たり的な鉄火場女を歌い演じたシュティンメが素晴らしい!
METの配信に続いてありがたく視聴しました。
Danke Wien!

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METの「西部の娘」2011を振り返り。
さすがのお膝元、日本が「蝶々さん」で一家言あるように、王道の西部劇描写。
ヴォイトのミニーが適役すぎ。
あとなんたって、ジャック・ランスのルチオ・ガッロが役になりきりすぎで、憎々しい存在。
このオペラに限ってはMETに軍配だな!

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新国で観たホモキ演出でも、ガッロが最高に輝いてた!
段ボールを1000個も重ねて舞台設定した日本の技術とのコラボ。
東洋での演出もにらんだ、他民族国家の問題点も描いたアメリカのウォールマート風のスーパーが舞台だった。
METやウィーンより、社会派演出。
今後は難しいオペラだな・・・

Ajisai-shiba-02

まだまだ続くよ、梅雨とオペラの日々。
METは7月もストリーミング配信続行。
魅惑のラインナップも発表されワクワクしてる自分。
音楽視聴生活もすっかり変わってしまった。

これが自分の新しい生活様式ということか・・・・・

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2020年6月 6日 (土)

オペラストリーミング大会の軌跡 ⑨

Shibapark-05

バラの季節も去り、紫陽花の色づきも濃くなりました。

関東は梅雨入りを待つばかりですが、相変わらずオペラデイを満喫中。

しかし、オペラ疲れも否めない。

6月一杯は、ウィーンもMETもストリーミングプログラムを予告していて、ほかのハウスも限定配信を継続中。

でも正常化したとしても、オペラ上演はオーケストラ以上に判断が難しいだろう。
野外オペラは一手かもしれないが、観客数をどう確保するか。
無観客での常時有料配信が、正常化後は常態化するかも・・・・

コロナであぶりだされた問題が世界で続出、しかも米中を中心に特筆すべき事態に突入しつつある・・・
でも、わたくしはオペラ配信に感謝しつつ、平和を祈るのみ。

Twitterでの呟きを転載し、自身の記録としておくべきブログ⑨

Manon-lescaut

 プッチーニ 「マノン・レスコー」 MET 5月28日

「マノン・レスコー」 MET 1980
レナータ・スコットを称えて、ということで過去の名舞台をうれしい配信。
スコットもドミンゴもぴかぴかしてた頃、しかもレヴァインも熱血漢だった。
セピア調に古めかしい映像にサウンドだけど、昔はブラウン管テレビで、こんな映像を見て音楽生活を養ってきたもんだ。


演出がメノッティであることも歴史そのもの。
2幕の二重唱の熱さ、間奏曲の陶酔感、4幕のスコットの迫真のアリアの素晴らしさ。
贅沢なもので、声の垂れ流しともいえるドミンゴの豊饒さに、こちらの耳が疲弊するような思いがした。
耳が飽きを覚えたんだろうか
齢86歳のスコットさん、ずっと健やかに!


Salome-02

今日は、なんてこった、トロイとトリスタンだよーー。
しかも月末だし、時間が・・・・
 昨日のリンドストロムのサロメを確認し、ラストの文字通りの「オチ」に脱力す・・・・


そう、ウィーンのサロメで、最後の音が完全に落ちた。
ヘロデがあの女をころせーといったと、急転直下のエンディングの3つのジャカジャン、その最後ティンパニと金管の一部(たぶん)がそっくり落ちたんです。
だからへろへろな感じの末尾でした(笑)
振り落としですかね、オケですかね・・・

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 ベルリオーズ 「トロイアの人々」 MET  5月29日

「トロイアの人々」MET 2013
この前のウィーンに続いて、この長大なベルリオーズのオペラが観劇できることに感謝。
欧米ではレパートリー化したこの作品、新国あたりでもなんとかと思いますが、当面無理かも。
実質デビューのイーメルのエーネアスが大喝采。
バカでかい声で存在感満点。
 
この役のパイオニア、ヴィッカースにも似てる。
 あとディドを当たり役にする、S・グラハムの女性らしい、そして知的な歌唱が素晴らしかった。
ルイージの熱狂に溺れない歌にあふれたオーケストラもよかった。
 おかげさまで、このオペラがますます、親しめるようになりました。


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 ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」 ウィーン 5月29日

「トリスタンとイゾルデ」 ウィーン 2015
マクヴィカーの演出で、2010年に新国で観劇。
でも、微妙に違うような感じ。
 二人は、そもそもが魅かれあう、愛し合う存在で、媚薬は単なるきっかけ。
飲んだあと、待ってましたとばかりの熱い抱擁。
 そのあとは死をひたすら求める二人という解釈。


テオリンさまは、新国でこのイゾルデ、ブリュンヒルデ、トゥーランドットを観劇したけれど、ややヴィブラートが増したが、その気品と強い声は素晴らしい。
リリックだった、元ルチア・ポップの旦那、ザイフェルトの心境著しいトリスタンも見事。
で、で、シュナイダー先生の指揮が万全!


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 ベルリーニ 「夢遊病の女」 MET 5月30日

「夢遊病の女」MET2009
DVDで出てるけど初見、面白かった♪
スイスの山村が舞台の牧歌的な背景を、NYのビルの一室のミュージカル演習場に置き替え。
恋愛リアリティーゲームみたいな展開でこの時期なんとも・・
夢遊病で客席や、ビルの窓の外を歩くアイデア。
しかし最後はちゃんとスイスきた!


Sonnambula-02

ナタリー・デセイの繊細で完璧、精緻な歌。
この公演の数年前、彼女の来日コンサートを聴いたけど、裸足で歌う集中力高い名唱の数々と、殿方(ワタクシ)の心を奪うステキなステージマナーもいまだに忘れられない。
指揮は、その時もピドさん。
フローレスも相変わらずスゴイもんだ!
楽しかった♬


Salome-met

 R・シュトラウス 「サロメ」 MET  6月1日

「サロメ」MET 2008
歌って踊れる、しかも高度な演技を要求されるサロメ。
驚きだったマッティラの挑戦は大成功かと。
わがまま少女→魔性の女→狂気走る女
この3段階を見事に歌い演じた。
おっかないドラマテックな強いサロメとは違う側面のはしりだったかもしれない。


ベグリーのヘロデが、サロメが首を所望したときに酒を吹く場面が最高じゃん。
演出のユルゲン・フリムはバイロイトのミレニアムリングを担当した人で、ちょびっと政治色をにじませる方。
アメリカっぽい他民族・多様さもちょっと出してた。
モダーンな感じだけど、味わいは因習的。


新国で伝統的なエヴァーディング演出を観て、その後の二期会のコンヴィチュニーが衝撃的だった。
観客席に普通にいた人が、最後に、あの女をやれーーっと立ち上がって叫んだ。
ヘロデじゃなく、観客から声が上がるぐらいに敢えて過激な内容に仕立てたビックリ演出。
METではこんな過激さは無理かも。


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 R・シュトラウス 「アラベラ」 ウィーン 6月1日

「アラベラ」 ウィーン 2017
2度目のストリーミング配信。
前回はシルマーの指揮で、キリリとしたシュトラウスで、今回はシュナイダーのベテランならではの、馥郁たるウィーンの香り感じさせるオーケストラ。
共通キャストも含め、この年の配役もステキなもので、可愛いズデンカが好き。
 
レイスさん、2008年に新日フィルのばら騎士でゾフィーを聴いて、とても好ましく思った。
 そして、新国で観たアルロー演出の「アラベラ」は、演出の意図として、ズデンカに視点を向けたものだった。
思えば、彼女の行動がすべてのキーポイントなんだ。

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ニールントは最高のシュトラウス歌手になりました。
マンドリーカは、スコウフス。
このあたりは往年のヴァイクルが懐かしいな。

 ラストシーンのコップの水、好きなシーン。


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 R・シュトラウス 「影のない女」 ウィーン 6月2日

「影のない女」 ウィーン 2019
5月のプリミエに続いてのありがたい配信。
ティーレマンと映像で確認できたほぼウィーンフィルが重厚自在で前よりよい。
 ニールントとシュティンメが相変わらず素晴らしい。
われらが藤村さん、前半は中低域がやや不調に感じたけど後半は見事。
シャガーとコニチュニの男声陣は5月(グールドとコッホ)の方がよし。

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ぎっしり満載のオケピット。
しかし、無料で楽しみながら文句言うのは演出。
音楽と歌の力を信じないんだろか、無駄に人が出てきて説明的にすぎて、想像力を阻害する。
魔笛にも通じる夫婦への試練の場が妙になった感じ。
シェローに学んだフランスの若手演出家。
猫好きらしいから、まあいいか。


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ベームのFM録音で刷込み。
84年のドホナーニ&ハンブルクオペラの来演で初観劇。
リザネック、ジョーンズ、デルネッシュというワーグナー歌手に酔いしれた。
3幕の皇后の語り、Ich will nichit !
泉の輝きが皇后のリザネックの顔に反映、その言葉とともに真っ暗に、背筋に戦慄が走りました。


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あの時自分は若かった・・・・・

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 アデス 「テンペスト」 ウィーン 6月3日

アデス「テンペスト」 ウィーン 2015
MET上演の配信はスルーし、ちょっと躊躇したけど観てみたらとてもよかった!
英国音楽好きとしては受入れ可能な、保守的な作風。
ルパージュの演出は、嵐で漂着した先がスカラ座という舞台設定。
主役のプロスペローは、ウォータンのように槍っぽいものを持ってる。


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その復讐相手の弟の息子と愛娘が恋に落ちる。
愛するわが娘の旅立ちと別れもあるので、ウォータンでも納得感あり。
 黒子てきな妖精さん役のコロラトゥーラが、それこそ超々高音駆使のハイコロラトゥーラでとんでもない。
シェイクスピアの原作ゆえか、ブリテンの真夏の夜の夢にも似た役柄設定も。


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愛する二人には、こんな美しい場面もありました。
これを哀しくも見守る父プロスペローでありました。


アデスのオペラ、音楽がしっかりしてるし、物語に入り込める安心感もあり。
他の作品も次週METでありそうなので観る!かも。

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 ベルク 「ルル」 MET 6月4日

「ルル」MET 2015
Black Tuesdayで公開時間が半日に。
早寝なので、早朝ルルにチャレンジ。
途中で止まるかとヒヤヒヤしてたけど大丈夫だった。
ブラウザを消さなければ、今も繰り返し見れちゃうということに今さらわかったオジサンです。
 で、我、ファムファタル・ルルにまたも魅せられし男なり。


手書きのイラストの映像やマッピングが多用される演出。
ルル逮捕後の監獄シーンは、ベルクが映像を利用と指定していたことをいいことに、全編背景が目まぐるしいことおびただしい。
 ルル役は、リリックな声とコロラトゥーラ的な技量と力感も必要で歌だけでも難役。
ペーターゼンは理想的なルル。

Lulu

ラスト、切り裂きジャックによる殺害シーンはなしで、映像でルルの似顔絵が血に染まりつつも、だんだん優しい顔に浄化される。
道連れグラハムのゲシュヴィッツ譲がいい。
いつも思うが、ベルクが描いたルルには確たる意思はなく、なされるがままに生きて破滅していく哀しさがある・・・・

早朝ルルは血圧上がるな....

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1週間分終了して現在に近づいた。

ウィーンとMETばかりになりつつあるが、どちらも保守的な劇場だから、あれこれ考えたり、推量したりして悩むことが少ない。
でも、最近のプリミエ演出になればなるほど、現代風のテイストを混ぜ合わせつつ、保守的な観客とも折り合いをつけたような舞台となってる感じだ。

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2020年6月 3日 (水)

オペラストリーミング大会の軌跡 ⑧

Hibiya-02

 休日になまりきった身体に、かなり歩きます。

早朝なのでひと気の少ない日比谷公園。

そして日比谷公会堂。

いまは休館中だが、90年の歴史を持つ老舗ホール。

私は、1982年にここで、アンタル・ドラティ指揮する読響で、ハイドン104番と、マーラー1番を聴きました。
デッドなホールで生々しい音が迫力満点。
動きの好きないドラティの指揮から、どうしてこんな爆発的な音が出るんだろうと驚いた若き日の思い出です。

1975年に来日したクーベリックが、ここでマーラー9番が予定されていたものを、文化会館に変更させたという話は有名です。
そのときにこちらで変更されて演奏されたのがベートーヴェン7番だったかと。

Ballo-maschera

 ヴェルディ 「仮面舞踏会」 MET  5月21日

「仮面舞踏会」MET 2012
最初から最後まで豊富なメロディにあふれるヴェルディ中期の名作。
オーケストラがこのあたりから雄弁になり、大胆なリズムや和声も特徴。
ルイージの指揮がメリハリと明快さで見事。
 アルバレスと亡きホロストスキーのコンビの友愛と憎悪の歌と演技もかっちょいい!

オールデンのスタイリッシュな演出は読み替えは少なめ、空間の活かし方と群衆の動かし方のうまさが光る。
終場の舞踏会のシーンは、鏡面を巧みに利用し、人物たちがフェイスマスクをしつつ、交差し、やがて起きる暗殺がどうなるのか?というスリリングな予感を聴衆に抱かせるという見事なものだった。


Turandot-1

 プッチーニ 「トゥーランドット」 MET 5月22日

「トゥーランドット」 MET 2019
昨年10月の新しい上演記録で、セガンの初プッチーニである以上に、同年亡くなったゼッフィレッリの追悼上演。
 お馴染みの豪華絢爛舞台。
でも細かいところ、とくにトゥーランドットが心動かされ、表情にもそれを表出させる細やかさが見事。

 カラフのエイヴァゾフはネトレプコの今の旦那だけど、ドラマティコでないから、強力なゲールケの王女さまに圧倒されっぱなし。
ウォータンしか思い起こせないその声、モリスのティムールに、気の毒なブラットーのリュウもよかった。
で、セガンの躍動感あふれる、振幅豊かな指揮がよし!


Turandot-2

「トゥーランドット」MET
しかし、漢民族はこのオペラでもわかるように残虐だし、おまけに周辺民族への弾圧ぶりが激しい。
プッチーニが描いた東洋の様子は「蝶々夫人」とともに、最大公約数をしっかりつかんでる。
「西部の娘」のアメリカ西部劇的な世界と合わせて、正しい認識だと思う。


Faust

 グノー 「ファウスト」 MET 5月24日

「ファウスト」MET 2011
あの震災の年の暮れのプリミエでセガンの指揮で私は初見。
ファウストの書斎は、アトミック研究所のなっていて、そこに出現したメフィストフェレスは戦前にタイムスリップさせて若返りをはかる。
ワルプルギスの場面では、原爆投下後と思わせる被爆者も登場、なんじゃこりゃ!


原爆投下国がこの、無理筋の演出を取り上げるのか。
もう一度会いたいというファウストが遡って、マルガレーテと会い、彼女は昇天するが、最後は戻ったファウストが原爆開発をあきらめ、老死するというシナリオ。
むちゃくちゃすぎ、被爆国をなんと思うんだ!


演出はNO!
主要歌手の3人は素晴らしい。
演出意図に反対して降りたゲオルギューに代わってのポプラフスカヤが相当にいい。
 1973年のNHKイタリアオペラでの、クラウス、スコット、ギャウロウの3人が、テレビとFMですっかり刷り込みにすぎて、なかなか他はダメ
あの音源、正規化されないかな・・


Arabella-1

 R・シュトラウス 「アラベラ」 ウィーン 5月24日

「アラベラ」ウィーン 2014
シュトラウスのオペラでも大好きな作品で、実演も何度か。
ベヒトルフ演出は、ここではかなりビジュアル的にも麗しい。
妙なことはしていないのがいいが、舞踏会がいかがわしい雰囲気だし、女装の男たちが始終出てる。
これはズデンカが男の子として生きてきたことの反証か
 ?

美人のシュヴァンネウィリムス、ウォータンより、ずっといいコニチュニー。
 3人のアラベラ追っかけ隊が、成金、ヲタク、フリーダム人とになってて、実に趣きあり(笑)
ステキなラストシーンは、過去の写真を破り捨て、抱擁するふたりに、予言を的中させた占い師が何気に出てきて、物語を完結。


Manon-met

 マスネ  「マノン」 MET  5月25日

「マノン」 MET 2012
ローラン・ペリーの美しく、かつユーモアあふれた舞台。
ネトさまが、シルクハットの紳士たちを指一本で操り、3幕の名アリアでは、あっちへお行き、と命じるとさっと解散してしまう男たち。
数えたら、だいたい30人、あら虚しい。


坂や勾配をうまく使ったペリー演出が、ビジュアル的にもよろしく、終幕の監獄の遠近感はよい。
美しいマスネの音楽が、最近耳にこびりついてやまない。


Zu

 モーツァルト 「魔笛」 ウィーン 5月26日

「魔笛」ウィーン 2017
面白かった。
タミーノの笛で出てきたのは、くまさん、ゴリラくん、恐竜、サイ、そしてそろりそろりとダチョウさん。
これには客席も笑いが。
ぽっちゃりタミーノは美声で実によかった。
パペ以外はみんな初の歌手たち、ウィーンの専属歌手たちのレヴェルの高さと安定感はさすが
 。
 もう何十年も前の初ウィーンで見たオペラが「魔笛」。
でもフォルクスオーパーで、タミーノはのちにトリスタンも歌う歌手に成長したR・ガンビルだった。
中学生ぐらいの子供たちもたくさん観劇してて、やはり、パパゲーノは人気者!
「魔笛」は、ウィーンの観光の目玉だね。


Ernani

 ヴェルディ 「仮面舞踏会」 MET  5月27日

「エルナーニ」MET 2012
音源でしか接してなかったけど、こうして豪奢な舞台を観ると、筋立てのムチャクチャぶりがよくわかる(笑)
広大な領地、ハプスブルク、神聖ローマ帝国などを手中に収めることになるのちのカール大帝が人の家に忍び込んだり、墓から出てきたりで、軽やかな存在。


そのホロストスキーが素晴らしい。
他の歌手たちの歌唱もビジュアルもメットならではの豪華さ。
ヴェルデイ比較的初期作品だけど、歌が満載、そして興奮呼ぶ劇性もあり、中期・後期とは違ったヴェルデイのオペラの楽しみが味わえました。


Rentai

 ドニゼッティ 「連帯の娘」 ウィーン  5月27日

「連隊の娘」ウィーン 2016
いやぁ~面白かった。
いくつかのアリアは聴いてたけど、全曲を初視聴。
ローラン・ペリーのユーモアとセンスあふれる演出は、N・デセイでブレイクした演出だけど、ほんと楽しいし、人と群衆の細かな動かし方が巧み。

以前より気になってたJ・フックスの歌も演技も、所作もチャーミングなマリー役がステキ。
フローレスのハイCに慣れてしまった耳には、ちょっと気の毒だけど、イケメン、テシエ氏は頑張りました。
しかし、面白いオペラだな、2幕冒頭ではここでは、英語のミュージカル風の歌が挿入されてた。


Salome-01

 R・シュトラウス 「サロメ」 ウィーン 5月28日

「サロメ」 ウィーン 2020
コロナ前、今年1月24日の上演。
1972年から続く伝統と格式の演出は、日本への引越し公演もあり。
1980年のベーム最後の来日の時にはホルライザーが指揮し、テレビとFMで視聴。
クリムト風の世紀末と旧約聖書の物語の融合はいまでも色あせない。


リンドストロムのサロメ。
注目してたドラマテックソプラノだけど、キンキン声が改善され、北欧出身ならではの硬質さに、繊細な歌いまわしが加わった感じで、とてもよかった。
マイアーさんの鬼ママもいいし、フォレ、ペコラーロもさすが。
ただ、なんで最後にオケがこけたんだろ・・・・


リンドストロムさんを初聴きのブログをリンク。
あと、3月のパリ、セガン指揮の影のない女でもよかった。
美人さんなのがまたいい。

フランケッティ「ゲルマニア」
http://wanderer.way-nifty.com/poet/2011/10/post-fdb7.html

Hibiya-01

緑が濃くなってきました。

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2020年6月 1日 (月)

オペラストリーミング大会の軌跡 ⑦

Shiba-04

もう2か月前のチューリップ。

季節のめぐりがとても速く、自粛生活を国民が続けている間に初夏となってしまった。

桜が咲いて、春が爆発的にやってきて、花が咲きまくって・・・、でも新緑になると色とりどりの花は少なめに。

アジサイ以外、なんか色合いが寂しい季節なので,撮りだめた春の色彩をここに。

で、相変わらずのオペラ生活。
改めてですが、ツイッターでつぶやいてる内容を、自身の鑑賞記録のためにもここに残していくシリーズ。
ずっと終わらないよ・・・

Ariadone

 R・シュトラウス 「ナクソスのアリアドネ」 ウィーン 5月13日

「ナクソスのアリアドネ」ウィーン2014
美しい舞台。
初見。いつもより穏健なベヒドルフ演出だけど、序幕はよしとして、本編オペラで作曲家が、ツェリビネッタのピアノ伴奏をするのはいいけど、最後まで出てきて、本編のワーグナー的な主役ふたりに代わって、しかもチューしちゃうのはどうだろう。


同演出で、初稿の「町人貴族」版もあるが、長くなるのを覚悟で両版ともにやるのもいいかも。
 ビジュアルよし、声量歌唱いまいちの準主役。
その真逆の主役ふたり。
コッホさんと、愉快なハルレキンたち、いずれもしっかり固める、さすがのウィーン。
そのウィーンフィルあってのテシーレマンの凄さ
 。
劇中劇をあえて、かなりリアル化させた演出で、その枠でのツェリビネッタと作曲家との恋愛にフォーカス。
その意味で準主役となったのバッカスが出てきて、思い切り歌ったら、執事の爺さん、びっくり椅子からころげ落ちて、思い切りわろた( ´艸`)


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 R・シュトラウス 「ナクソスのアリアドネ」 MET 5月14日

「ナクソスのアリアドネ」MET 1988
30年前NHKで放送されたものを録画して楽しんだのが、このオペラの詳細を知ることになったきっかけ。
懐かしい出演者たち、ト書きに忠実な原点のような演出に舞台。
あらゆるオペラにいえるけれど、こうした舞台を観てから、新しい演出のものに挑戦すべきかと思う。


そういう意味では、METとウィーンと東京は伝統解釈がいまも中心かな。
亡くなってしまった方が多いが、やはりノーマンの声の存在感は抜きんでてるし、ジークムントのようなキングもヘルデンしててあの時代ならでは。
あとなんといっても、トロヤノスが素晴らしすぎる!

一世を風靡したバトルはコケティッシュで所作も可愛いけれど、その後にグルベローヴァを知ってしまったので、歌唱面ではちょい甘めかな。
レヴァインの全盛期の指揮は明朗快活で、シュトラウスの地中海的な澄んだ世界にぴったりだ。

映像の最後に、映像監督ブライアン・ラージの名前が出てくるのも、20世紀末の映像作品ならでは!
懐かしいひとときをありがとう~Thank you MET!


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 ドニゼッティ 「ドン・パスクワーレ」 ウィーン 5月14日

ドン・パスクワーレ」ウィーン 2016
めちゃくちゃ面白かった♪
2015年のプレミアで、演出はイリーナ・ブルックで、かのピーター・ブルックの娘さん。
華やかだけど、品があって嫌みのないビューティフルな舞台で、人物たちの動きも含めて納得感とユーモアをともなった面白みがしっかり決まっている。


ブリテンの「真夏の夜の夢」も彼女の演出だった。
その時の可愛いなと、思って見ていたひとりが今回のヒロイン、ノリーナ役のナフォルニツァ。

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ドン・パスクワーレさんじゃないけど、美人・スタイルともによしで、おじさんメロメロ。
ペルトゥージのタイトルロールは最高の面白さ、とんでもいい!

完フローレス、パパゲーノでブレイクしたプラシェトカもいい味だしてる。
ベルカントオペラ指揮者の最高峰、ピド氏がウィーンフィルを万全に指揮するのもさすが。
本日30年前のメットのアリアドネと同時に観たこのドン・パスクワーレ。
演出も歌唱も時代の変化を感じた。

陶酔的に歌うのでなく、スマートな歌いぶりが求められ、かつ高度な演技力が必須の現代。
伝統解釈ばかりでなく、時代を変えたり、ドラマの解釈に読込みを求められる演出。
劇場でしか味わえなかったオペラが、スクリーンやモニターで楽しむ時代になり、仔細なまでにこだわる必要性がいやでも生まれた。


こうした時代の変遷に、歌手も演出家も装置家も進化しつつ対応ているのが現在のオペラ界だと強く認識。
伝統解釈でもそれは同じく。
で、なによりも、そのすべてを掌握して統率しなくてはならない指揮者も、オペラを降らない人との実力格差が出るのではとますます思う。


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 ワーグナー 「ラインの黄金」 ウィーン 5月15日


「ラインの黄金」ウィーン 2019
久々にワーグナーに帰ってきた感じ、謹慎がとけて自宅の風呂に入ったかのような慣れ親しんだ安心感をまず味わう。
ベヒトルフ演出は簡略にすぎる舞台で、ちまちまと動きすぎる人物たちが妙にそぐわな憾じ。
同時期のウォーナーのトーキョー・リングの方がはるかに面白い。
コバーさんの指揮がよい。
この指揮者、かつてのシュタインやシュナイダーのような貴重な存在となりそう。
ウォータンのコニチュニーは、どうにもその声が苦手で、悪玉テルラムントにしか思えない悲しみ。
あとはいい感じ。
ウィーンの無難な演出はリングぐらいになると、もっとひねりが欲しいな。


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 ブリテン 「ピーター・グライムズ」 MET 5月15日

「ピーター・グライムズ」MET 2008
2008年のライブストリーミングで映画館でみたもの。
あのとき味わった、救いのない暗澹たる気持ちがよみがえる。
ヴォツェックにも通じる、自らどんどん深みにはまってしまう宿命的な主人公に、目線を合わせたブリテンの社会派的な思いは、実は優しい。


燻されたような壁に囲まれた閉鎖的な家並みのなか。
演出家は、漁師町出身でピーター・グライムズの物語に即したものを再現。
狭い社会での監視・密告社会に、アウトローのピーターははみ出してしまう。
彼を擁護する同情心あふれるふたりがいい。


Lucia

 ドニゼッティ 「ルチア」 MET  5月16日

「ランメルモールのルチア」MET 1982
伝説級の舞台でDVDにもなってるが初見。
主役ふたり合わせて110歳。
サザーランドは最盛期をとうに過ぎてたけど、さすがの貫禄と美声で、懐かしさも充分。
そして素晴らしいのはクラウスで、耳洗われる清流のような歌唱、息の長い名テノールだった。

ともに逝去し、いま健在は、指揮のボニングかな。
ベルカントとバレエ音楽の達人だった。
シンフォニックな作品や協奏曲が皆無というユニークな指揮者。
エンリーコがミルンズあたりだったら、ほんとはもっとMETっぽかったな。
Thanks MET♪


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 モーツァルト 「イドメネオ」 MET 5月19日

「イドメネオ」MET 2017
荒唐無稽で、生真面目なセリアなので、今の時代、ポネルの伝統演出を切替えたり、時代考証を経たオーケストラピットからの音でもって、もっと刺激的な舞台であってもよいのかも。
 しかし、パヴァロッティより続くこの伝統演出はMETは、おいそれとは変えられないんだろな。

METのイケメンテノール、ポレンツァーニ君のイドメネオが予想以上によかった。
あと怒ってばっかりのエレットラのヒーファーさんがよい。
レヴァインは相応で、聴衆から大喝采。
今思えばあれで、活動末期の頃かな。
しかし、モーツァルトの歌満載のイドメネオ、いいオペラです。


Gotter-1

 ワーグナー 「神々の黄昏」 ウィーン 5月19日

「神々の黄昏」ウィーン 2017
ウィーンっ子のシュナイダーが、聴衆から大喝采。
年度を替えての2度目のウィーンのストリーミング・リング。
黄昏が歌手も含めて一番充実してた。
テンポがゆったりになったが、弛緩した感じが一切ないのは、音がすべて有効で雄弁だから。
ワーグナーを知り尽くした指揮。
1984年ショルティが降板したバイロイトリングの急場を救ったシュナイダー。
85年だけど、エアチェックした音源はお宝です。
その時の演奏時間が4時間16分。
今回は、4時間35分。
シュナイダー先生、ばら騎士で2回、リングオケバージョンで1度聴いてます。
スワロフスキー門下の名匠、ずっとお元気で!

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ジークフリート殺傷の場面。
打ち合わせしていたのに、なんでやねん的な素敵なアイフェのグンターが好き。
このウィーン・リング、舞台が暗くて、簡素すぎるのに、歌手が動きすぎの演出、ぼちぼち新しいのが欲しいところ。
C国資本が蔓延したウィーン、コロナ後のリングでもマジで描いてみて。


Freischtz

 ウェーバー 「魔弾の射手」 ウィーン 5月20日

「魔弾の射手」ウィーン 2018
同年がプリミエの新しい舞台。
ウィーンには珍しい、読み替え演出は、ラートさん。
射手マックスを作曲家に見立て、アガーテの祖先がウェーバーそのもの。
この作品には、ドイツの森が出てきて欲しいが、それはちょっとだけで、あとは無機質なモダーンな室内仕立て。


狼谷では楽譜を1枚1枚書いて行き、ピアノに火が付き、狂気の作曲家になってしまう。
ここ面白かった。
ラストシーンでは悪魔くん・ザミュエルが懲りずに出てきて、救われたマックスとアガーテがふたり共同で作曲する様子を眺め見る。
これは、魔界に魅せられたワーグナー夫妻のことなのか??


アガーテのガブラーさん、同性愛風な存在のエンヒェンのレイスちゃん(彼女、実演で接し好きなんです)がよろしい。
指揮はプリミエのネトピルに代わって、お馴染みのヴァイグレ。
演出は、1度観ただけじゃわからんが、音楽面ではさすがのウィーンクオリティ!


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 ワーグナー 「ローエングリン」 MET 5月20日

「ローエングリン」MET 1986
DVDでも高名なこの舞台、初見。
バイロイトのG・フリードリヒ演出でのP・ホフマンが刷り込み状態で、こちらのメットでのホフマンもいい!
スポーツで鍛え抜かれた肉体と、ロックも歌う強靭な喉、真っ直ぐな張り詰めた無駄のない声!
素晴らしいホフマンのローエングリン
 。

旬を過ぎたが、すさまじいリザネックのオルトルートに、カーテンコールでは投げ花の嵐バラ

エヴァーデングの演出、84年のハンブルクオペラの来演で観たものと同じで懐かしかった。
その時と同じテルラムントのロアーもいい。」
なんといっても気合とやる気に満ちたレヴァインとオーケストラが素晴らしい。

幾多のローエングリンを聴いてきたけど、いまの時点でのローエングリン・ランキング。
コロとホフマン(同率No1)→トーマス→フォークト→キング→コーンヤ・・・こんな感じ。


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なんだか、4月と5月はあっという間で、あまり記憶がない気がする。
諸所、正常化を目指す6月は、梅雨ではありますが、鮮やかな初夏、そして心も晴れるような日々であってほしい。

そして各地のオペラハウスからの配信は6月も続く。
とくに、ウィーンとMETの日替わりメニューはため息したでない・・・あ~忙しい~

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2020年5月30日 (土)

オペラストリーミング大会の軌跡 ⑥

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5月29日、東京の空にブルーインパルスが飛びました。

医療従事者のみなさんへの感謝をこめて!

2周しましたが、あっという間にやってきて、1週目は見逃し。
2周目をかろうじてスマホ撮影。

ずっと内向きだったここ数か月。
空を見上げることの喜びを、だれしも皆さん感じたことだろうよ思います。
東京だけでなく、基地周辺では、コスト度外視で各地でやってほしいな。

で、まだまだやってます、オペラの毎日。

Igor

 ボロディン 「イーゴリ公」 MET  5月4日

「イーゴリ公」MET 2014
ヘヴィーだった。
ハイティンクの映像で刷り込まれた伝統解釈とまったく違う。
いや、別の作品と言っていい。
もともと、ボロディンのオリジナルの筆は完全に残されてなく、五人組諸氏が書き添え完成したものを習慣的に上演していたものと思えば、これはこれで成り立つ読み込み
 。

チェルニアコフ演出にまたもやられた感じ。
ロシアのイーゴリ公が戦争をしかけ、拉致られた相手は共産圏風。
映像の多用で、さんざんに描かれた公の敗戦の様子と、その反動と後悔がラストの指導者としての民衆が望んだ立場の放棄と、自らの手で人々と復興していこうという民主的な姿が描かれる。

 この落としどころがあるから、保守的なMETも、こうした曲の大幅な解釈変更も受け入れたのかも。
最後は涙ぐむことも可能な演出に驚きだ。
 アブドゥラザコフの深々としたバスが凄すぎ!
あとダイナミックなラチヴェリシュヴェリに、美しいウクライナのディーカさん、気にいったし。


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 ベルク 「ヴォツェック」 ネーデルランド・オペラ 5月5日

「ヴォツェック」ネザーランドオペラ2017
ベルクの本編が始まるまで、超長い前置きがあり、子供たちが演じるダンスや、そこからはじかれたヴォツェックの息子が疎外されるシーンはやりすぎ。
医師の実験のもと、妄想と狂気に歩んでいくヴォツェックだけど、箱庭的な細部へのこだわりが失敗かな。

 息子が最後に水槽に人体部位を投げ込みながら、ヴォツェックが絶えていくさまもなんだかなぁ~
この場面での宿命的な甘味な音楽が台無しだよ。
場面展開のうまさは認めるけど、ベルクの音楽との乖離を感じたな。
 豊満なウェストブロックと、狂気な感じのマルトマンがよかった。
でもありがとう蘭国。


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 ブリテン 「ピーター・グライムズ」 ボローニャ歌劇場 5月5日

「ピーター・グライムズ」ボローニャ2017
イタリアの劇場のブリテン。
メインキャストは英米。
なにかやらねば的な、映像挿入など、中途半端な感じもあるけど、よけいなことはしてなかった。
普通にPGを観劇できる。
気の毒な少年に同情と悲しみを誘うが、ブリテンの思いも一部そこにあったと認識。


社会からはじかれ、疎外感一杯の主人公は、ヴォツェックに同じで、対人を拒絶する少年もその感じを引き継いでいる。
そして取り巻きや、村人が犯人あぶり出しに狂奔し熱狂していく。
最後は、何事もなかったかのような日常が来るが、どの場面も、新国のデッカー演出に及ばないと思った。
辛い結末・・


ボローニャ劇場のありがたい配信は、S席あたりからの定点カメラ。
ときおりアップになる。
劇場では、本来こんな見え方で、昨今の映画的なビジュアルはないけど、これはこれでよし。
でも音がちょっと・・・


Onegin-wien

 チャイコフスキー 「エウゲニ・オネーギン」 ウィーン  5月6日

「エウゲニ・オネーギン」ウィーン2019
2008年、東京オペラの森との共同制作。
日本では当時、小澤征爾の指揮で、今回が初見。
氷と降りしきる雪で表出された、ブルーでクールな舞台。
スマートすぎて、ロシアの憂鬱、なんでやねん的なご無体ぶりは弱め。
しかし、なんたってウィーンのオケがいい。


歌手たちはロシアの若手、いずれも初の方々だけど、かの国の層の厚さを実感。
ピンハウセヴィチ(?)のオネーギンは今後よくなりそうで、タチャーナのレベッカさんもよろし。
しかしまあ、どんな演出でも、オネーギンの空気読めない身勝手ぶりは特筆ものだが、最後はどれも因果応報で寂しいぼっちに
 。

Puritani

 ベルリーニ 「清教徒」 ウィーン 5月7日

「清教徒」ウィーン2015
ベッリーニはノルマしか知らない、苦手なベルカント系だけど、各ハウスの配信を観ることができて徐々に克服。
 ウィーンの「清教徒」は音楽が旋律満載でよろし。
しかし、美しいとこもあるけど暗い舞台に、解せない日本刀や和風鎧帷子。
イングランドの史実感をあえてなしに。


しかしまあ、なんといいましょうか、狂ったり、正気になったり、このあたりのオペラの主人公は忙しい。
見たくないものから逃げるんじゃなくて、本気で、あなたは誰?になっちゃう設定。
 この演出、原作のハッピーエンドを回避し、最後はトリスタン的なあの世で・・・になってたのがそこだけ驚き。


33歳でなくなったベッリーニが、もう少し存命であったなら、ヴェルディとワーグナーより10歳若いので、どのように彼らに影響を与えたろうか。
また、そのベッリーニも、さらにどんなオペラを書いたのだろうか・・・
気になる音楽史のひとこま。


Wertel-wien

 マスネ 「ウェルテル」 ウィーン 5月8日

「ウェルテル」ウィーン 2017
見てみれば、手持ちのガランチャの歌うDVDと同じ演出。
ウェルテルの登場は、まるでカウフマンかと思った。
バリトンのデジエがタイトルロールで、マスネが残したバリトン版での上演。
前半はよかった、でも、オシアンの歌はやっぱりテノールの熱烈・逼迫感がないとな。


本場のフランス語、わからないけど、デジエとコッホ、どちらも流麗で美しく聴ける。
60年代頃の時代設定も、クリスマスツリーとか郷愁を誘うようで悲しい。
 CDで聴くと感じないけど、4幕でなかなか死なないウェルテルが、映像だともどかしく感じて、これまた虚しい。
美しい舞台に音楽でした。


Capuriccio-met

 R・シュトラウス 「カプリッチョ」 MET  5月8日

「カプリッチョ」MET 2011
DVDになってる英国のコックスの演出で初見。
具象的で豪華な舞台、時代設定は18世紀から、シュトラウスの時代ぐらいに。
最後のオペラ、作曲者の到達した明朗なる澄み切った世界が魅力の音楽。
それを損なわない、ユーモアも兼ね備えた美しい舞台。


マジで弾いてた(と思う)フレミングさん、言語含めてムーディに流されるけど、ビジュアルが伴うと説得力抜群。
6人の主要登場人物たちが、それぞれの芸術上の立場で思いを発し、行動するので慣れないと混乱するオペラ。
しかし、最後のマドレーヌの言葉と音楽、どっちが大事、悩む姿に収斂される。

この演出では、どちらでもない、文学者・音楽家、いずれも選べない彼女が、どちらかを選んだかに見せるところがまた、秀逸に感じました。
オペラに勤しむ上流階級を揶揄する執事たちや、影の存在のプロンクターたちにも光をあてるシュトラウスの凄腕をうまく描くシーンも見事。
でも結論は不明・・的な


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 プッチーニ 「ラ・ボエーム」 MET 5月9日

「ラ・ボーエム」MET 1977
今日のオペラストリーミング、まずはお約束的な70年代のメットの舞台。
いにしえの映像に感じますが、わたくしにはちょっと前。
フレーニ没し、同年代のスコットさんのミミを、パヴァロッティとともに堪能。
ずっとお元気で、お健やかに!


Fire-engel

 プロコフィエフ 「炎の天使」 バイエルン州立歌劇場 5月9日

「炎の天使」バイエルン 2015
こたびの各地のストリーミング配信で、いくつものプロコフィエフのオペラを観劇し、一挙にファンになった自分。
最後のダメ押しは、これ!
まずは、大好きだった暴力的甘味な第3交響曲が、ほぼほぼ鳴る。
これでもう、音楽的には陶酔境とこみ上げる興奮の坩堝!


5つ星ホテル→ベッドの下から貞子かい→占い師のこっくりさん的な→本屋・魔法師→妄想の恋敵→悪魔の居酒屋→地獄のような磔刑イエスの修道院→残された二人はいかに・・・
ホテルの一室を舞台に、二人の主人公を狂気と荒廃へと変えていく手法はお見事!
最初、あんなに綺麗なお部屋だったのに。


出ずっぱりのヒロインのスヅダレヴァの没頭的な強靭な歌と演技。
神経質な旅人から、ヒロインとともに狂気の旅をするニキティンのすさまじいまでの姿と巧みな歌唱。
アレなコナーズの悪魔くんもいい。
息子ユロフスキも魔的なピット姿だった!
プロコのオペラ、あと戦争と平和を見たいぞ!


Bruggen

 オペラ疲れを癒す日曜の1曲。
リコーダー奏者だった若き日のブリュッヘン。
「涙のパヴァーヌ」
16世紀ファン・エイクの作品。
ダウランドの「あふれよ、わが涙・・」による変奏曲で、リコーダー1本。
無垢なるシンプルすぎる音楽がしみる。
故皆川先生もレコ芸で絶賛した1枚
はよコロナ消えてくれい!


Pariaccio

 マスカーニ 「カヴァレリア・ルスティカーナ」

 レオンカヴァッロ 「パリアッチョ」   MET 5月11日

「カヴァ・パリ」MET 2015 ルイージ指揮
どうにも、カヴァが苦手になった、作品からすると道化師の方がかなり緻密だし、出来栄えがよろし。
マスカーニは、血なまぐさいヴェリスモより、抒情・田園志向。
レオンカヴァッロは劇作家でもあり、多面的。
そんなことを思いつつ観劇したマウヴィカー演出。


両作を歌ったアルバレスは、前半はセーブぎみ、カニオでは大爆発でナイス。
サントゥツァのウェストブロックは厳しいな、でもネッダのラチェッテはぽっちゃりカワイイ。
ガニーゼのアルフィオ&トニオはカンタービレとは程遠いが破壊的で面白い。
暗めのカヴァ、カラフルなパリアッチョ。


ルイージの熱い指揮ぶりと、豊かな歌心は素晴らしい。
2006年に新国で、ルイージのカヴァパリを観てました。
1976年のドミンゴのNHKイタリアオペラはテレビ観戦。
チケット売場のおばさんに、シモンとチレーアしか買わない自分に、「兄さん、ドミンゴはいいの?」と言われたこと、よく覚えてる(笑)


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 プロコフィエフ 「戦争と平和」 マリンスキー劇場 5月12日

「戦争と平和」マリンスキー劇場 2003(たぶん)
二日かけて観劇。
長いといいながら、ワーグナーほどじゃないことに気が付く。
プロコフィエフ後期のオペラで、政治的な側面もありつつ変化多いその作風が反映。
トルストイの大小説に、ほぼ忠実なオペラ。
前半が平和なロシアの権謀術策な恋愛模様。


後半は戦争の現場、とそのアフターで、このあたりの急展開は急ぎすぎで、お国の政策に従った無難な落しどころに。
叙事的な大物語にプロコフィエフの音楽は実にさまになってる。
前半と後半でその音楽ががらりと変わる。
交響曲でいえば、5番以降の音楽な感じで、メロディアスであり、スマートクール。

 メットとの共同制作で、なんといってもゲルギエフの献身的な指揮が素晴らしい。
いまでは考えられないゲルギー。
超若いネトレプコのナターシャがすてき。
小説は若き日に断念、BBCのドラマを昨年全部観て、「戦争と平和」を刷り込ませた。
 人物多すぎのややこしい物語を把握してからの観劇が必須。


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BBCのドラマ(2015)は実によくできてて、そのときの人物たちのイメージ通りが、そのずっと以前のオペラに。
トルストイが描いたそのままといえるのかも。
ドラマでのリリー・ジェームズの演じたナターシャがすごく可愛かったんだわ。


Shiodome

 まぶしい陽光の季節になりました。

あのくウィルスは、気温の上昇と湿度で弱まるとされるが、まだ感染は止まらず。
2週間前の自分が、どこで何をしてたかを、しっかり記録し記憶しておくことが肝要かも・・・・

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2020年5月28日 (木)

オペラストリーミング大会の軌跡 ⑤

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紫陽花も色づいてきて、梅雨の到来も近い5月末。

そして、毎日観てきたオペラの記憶をここに続けて残しておきます。

Anna-bolena

 ドニゼッティ 「アンナ・ボレーナ」 ウィーン 4月24日

「アンナ・ボレーナ」ウィーン2011
なぜか、ドニゼッティの日。
苦手なベルカント系。
しかし、こうしたチュ-ダー朝の世とか、矛盾あふれる世界とお決りの狂乱の場をからませるオペラ。
おかげさまで、だんだんと慣れてきた。
美人二人に目が行くが、ほかも素敵だ。
ピドの指揮が極めていい。


Lelisir-damore

 ドニゼッティ 「愛の妙薬」 バイエルン州立歌劇場 4月24日

「愛の妙薬」ミュンヘン2015
ドニゼッティ②
近未来の戦場の址。
市民のメイクはゾンビ風で、やってきた兵士も一部血みどろで、軍曹の顔にも爛れた傷跡あり。
薬売りは、宇宙船のような日本のアニメのような球体で到着。
むちゃくちゃだけど、思えば筋が通ってる。
小心のメモリーノを応援したくなる。


ドイツのハウスは、常に普通を否定するところからくるのでややこしい、けど好き。
好奇心を刺激してくれるから。。
シリアスな、英国女王シリーズよりは、「愛の妙薬」や「ドン・パスクワーレ」の方が好きかもしれん。
と言いながら、メットが予定しているクィーン三部作を楽しみにしている自分だよ!


At-home

  アット・ホーム メトロポリタンガラ 4月26日

MET-Gala at Home
METならではのワールドな企画。
エア指揮のセガンに、メトオケ。
世界を股にかける名歌手たちが、いまこの時、どんな家で待機してるかわかる、そこからいつもの声を発信していただける贅沢。
家でもみんな即オペラ歌手!
世界・日本の音楽家、愛好家のためC国Bコロナ早期
撲滅を!


Media

 ケルビーニ 「メディア」 ベルリン州立歌劇場 4月27日

ケルビーニ「メディア」2018
無理やり、現代に時代設定し、古代宝物の闇倉庫のオークション会場か。
一緒に拉致られた異教徒メディアの怒りがすさまじく、野獣のようにおどろおどろしい感じで出ずっぱりで、逆にドン引き。
ギリシア神話的な厳しい悲劇をやはり訴求すべきかと。
バレンボイムすごい!


Cenelentra

 ロッシーニ 「チェネレントラ」 MET 4月27日

「チェネレントラ」2014MET
アメリカンなサクセスストーリーをイタリア人演出家が軽やかに再現。
ふたりの意地悪ねえさんが、やたらと面白い。
前から見たかった映像で月曜の憂鬱を吹っ飛ばしてくれた。
ディドナートがナイスで、ルイージの指揮もキレ味よし。
グロイスベックの新国のリンクを貼ります
 。

ウェディングケーキを切り分けで食べてた。
ケーキ大好きだけど、節食中でつらい映像。
新国の演出はポネル。
カサロヴァにシラクーサ、豪華な喜悦の一夜でした。
アバドの音源とともに、このときの舞台、そして今日のMET、チェネレントラは大好き黄色のハート

 新国 http://wanderer.way-nifty.com/poet/2009/06/post-d3af.html

Anna-bolena-met

 ドニゼッティ 「アンナ・ボレーナ」 MET 4月28日

「アンナ・ボレーナ」MET2011
ウィーンでの同年の上演を先週観たばかり。
17世紀・英国チューダー王朝の王女シリーズ①
ウィーンと同年、この頃が、声に張りも艶もあったネトレプココあっての舞台。
彼女以外はウィーンに軍配。
演出はマクヴィカーのセンスあふれる、ちょっと暗めの方が英国風でいい。


Butterfly

 プッチーニ 「蝶々夫人」 ウィーン 4月28日

「蝶々夫人」2016 ウィーン
ただでさえ、どっちの国にもツライ設定のオペラ。
国辱的な気分の日本、ごめんなさい的なアメリカ。
女性への優しい目線を主体に作曲したプッチーニ。
演出は日本人か米国人限定にしてほしい。
細かな所作が気になりすぎて仕方がないので・・
歌手もウィーンのオケも最高。


Maria-stearda

 ドニゼッティ 「マリア・ステュアルダ」 MET 4月29日

「マリア・ステュアルダ」MET 2013
ドニゼッテイ英国テューダー朝の女王シリーズ②メアリー・ステュワート
アンナ・ボレーナの残した娘エリザベス1世と、スコットランドの王女マリアの憎しみ合いの物語
女王が愛した廷臣レスター伯(ロベルト・デヴリュー)はマリアを愛し、彼女は断頭台に。


アンナ・ボレーナも断頭台に消えたが、そのときのラストシーンをそのまま引き継いだかのようなエンディング。
あの時母の傍らにいた少女がエリザベス。
 ディドナートの素晴らしさが絶賛。
私はエリザベスのヘーファーがより凄いと思った。
3幕はやや冗長ながら、求心力あふれる優れたオペラと思う。


Gloryana-2

 ブリテン 「グロリアーナ」 ロイヤルオペラ 4月29日

「グロリアーナ」ロイヤルオペラ 2013
現王女、エリザベス2世の戴冠式奉祝で作曲されたブリテンの隠れた名作。
1世エリザベスの権力と孤独を寂しく、哀しく扱ったオペラで、物議を醸し埋もれてしまったが完全復権。
 劇中劇風にした舞台で、各人物たちは役柄を演じつつも、外側からまた演じてる.


Gloryana

悩みながらも、寵臣エセックス公(ロベルト・デヴリュー)の戦犯処刑のサインをする王女の苦悩。
老いとの葛藤も。
ワーグナーも歌う、S・ブロックの体当たりの王女役。
T・スペンスのブリテンテナーとしての見事さは、ピアーズの系譜を思わせる。
オペラ作品としての精度は高いと思う。


http://wanderer.way-nifty.com/poet/2013/12/post-5e2d.html

過去のブログ記事をリンクします。
マッケラスはこのオペラを復刻したひとり。
今後、上演機会が増えるものと思われます。
ちなみに、ROHの演出では、歴代の王たちの紹介もあり、それとそもそも、この劇中劇の観覧者として、若きエリザベス2世の登場もあります。


Robert-de

 ドニゼッティ 「ロベルト・デヴリュー」 MET 4月30日

「ロベルト・デヴリュー」MET 2016
ドニゼッテイのチューダー朝、女王シリーズ。
主役はエリザベス1世、タイトルロールは、女王の愛した寵臣でエセックス公。
舞台中に宮廷の人々をオペラの観衆も兼ねさせた、客観的な劇中劇をも表出。
史実だけど、いろんな説もありなので、そう来たか。


歌手はこのシリーズでおなじみだけど、今回のエリザベス役のラドヴァノフスキーの終幕ラストシーンに泣ける。
 毛髪も寂しくなり、でも自分よりは、国や民を思う女王が描かれ、歌われるのは、ブリテンのグロリアーナに同じ。
現エリザベスとともに、愛されるエリザベス1世を描いた優れたオペラです。


Toroy

 ベルリオーズ 「トロイの人々」 ウィーン 5月1日

「トロイの人々」ウィーン2018
LP時代はデイヴィスの5枚組で高値の品。
CDでも4枚。
この長大なオペラが世界のハウスでの定番に。
 「ディドとエネアス」のパーセルのオペラに、前半、トロイの木馬のシーンを合わせた作品。
前から観たかったコヴェントガーデンのマクヴィガー演出と同じもの。


木馬は、メカゴジラみたい。
紀元前の時代から、18~19世紀ぐらいに設定を移動。
偶像崇拝がやや異質ながら、違和感はなし。
 熱狂や大音響もあるけど、ベルリオーズの本質はここでも抒情と豊かな歌。
ディドナートの難役の絶唱が素晴らしい。
アルティノグリューは万能オペラ指揮者と認識。


Aida-met

 ヴェルディ 「アイーダ」 MET  5月2日

「アイーダ」MET 1985
アメリカの生んだ大ソプラノ、レオンタイン・プライスの最終オペラ公演。
貫禄・風格・マナーともに大歌手。
しかし、この時はもう聴くに辛い感じ。
大味のマックラッケンも同じ。
 しかし、耳にびんびんくる、正統メゾ、コソットのとてつもない素晴らしさ。
あとエステスすごい


爽快なマーラーを次々と録音してた頃のレヴァイン、これがまた快活でよし!
70~80年代、この頃に音楽をむさぼるように聴き、クラヲタ君になっていった時期。
古びた映像でも、その頃の、音楽に接する喜びと感動が蘇る。
このとんでもない時に、懐かしのいい時代を振り返る、いい時間をありがとう。


Tcahiko-jordan

 チャイコフスキー 交響曲全集 パリ・オペラ座 5月2日

ジョルダンとパリ・オペラ座管のチャイコフスキー全曲が公開中。
明日までみたい。
全部、暗譜で、俊敏かつ熱烈なチャイコフスキー。
オケに対するリスペクトは、愛され指揮者の理想的な姿で、聴衆の熱狂ぶりもあわせてわかる。
ウィーンは、いい伴侶を選んだものだ!
オペラ座のサイトから。


Luiza-miller

 ヴェルディ 「ルイザ・ミラー」 MET 5月3日

「ルイザ・ミラー」MET 2018
滋味溢れる父親役を演じるようになった齢75歳のドミンゴが光る。
愛国ドラマから、人間心理ドラマへと、その音楽の作風も変えつつあったヴェルディの見逃せないオペラ。
でも、麗しいアリアが満載で耳にもご馳走!
テノールには、古今のオペラで最高のメロディの一品が!


そのテノールのベッチャーラが素晴らしかった。
ビジュアルとお声も両立のヨンチェヴァもよいね。
しかし、手紙のいくつかで、人が死に追い込まれるシラーの旧態依然な運命翻弄ドラマを、いま素直に描くのもある意味大変なことだな。
でも、こうしたオーソドックスも作品理解にも大切なことだ。


Nabucco

 ヴェルディ 「ナブッコ」 チューリヒ歌劇場 5月3日

「ナブッコ」チューリヒ2019
映像にNHK様の刻印があり、テレビを見ないので、すでに放送されたのかもしれませんが。
 これは面白かった!
忠実なMETとは全然違う切り口のヴェルディ。
ホモキの演出はこれまで数々観てきたけど、シンプルな舞台装置、場の回転による劇変、衣装による集団の選別など。


王位廃止のイタリア近世の時代に設定を移し、王冠をめぐるいさかいを、父と異母姉妹の娘たちに愛憎に置き替えた。
同時に、王侯・貴族系と市民との闘いも、旧約聖書時代から近時に。
ラストは、まさかの涙誘うシーンで、父と妹は王冠を捨て置き悲しむ・・・
この置き替えには驚き。
あとルイージ最高!


Peleas

 ドビュッシー 「ペレアスとメリザンド」 ウィーン 5月4日

「ペレアスとメリザンド」ウィーン2017
泉を水辺に置き替え、全編、水を張った静的な舞台。
フォルテや早いテンポの少なめのドビュッシーの静謐な音楽ゆえに、説明的なまでに、出てない人まで常に露出させる雄弁さはちょっと億劫だな。
この幻想的ともいえる夢幻の音楽には多言は無用だ。


ドビュッシーの音楽は、ある意味、雄弁に思う。
アルティノグリュウーはアグレッシブすぎだけど、でもウィーンフィルの音色が優しい。
歌手たちのなかでは、キーリンサイドのゴローさんが素晴らしい!
ちょっと批判めいたけど、ドビュッシーの「水」を意識した舞台はこれで美しくて、素敵なものだった


Ajisai-01_20200528084701

 築地の神社の紫陽花。

紫陽花は、神社仏閣がよく似合う。

Tsukiji-honganji

こちらは築地本願寺のひとこま。

親鸞聖人とあじさい。

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2020年5月26日 (火)

オペラストリーミング大会の軌跡 ④

Shibapark-24

薔薇の季節、おかげさまで、「ばらの騎士」もいくつか観劇。

Rondeine

 プッチーニ 「ラ・ロンディーヌ」 MET 4月16日

愛すべきプッチーニの「つばめ」ラ・ロンディーヌ。
好きすぎて結構集めた。
10年前METシネマでも見た素敵な舞台を配信いただいた。
当時夫婦だったゲオルギューとアラーニャの涙誘う濃厚接触。
身を恥じ、別れを告げる切ないドラマで、プッチーニの紡いだメロディーは悲しいほどに美しい。


  http://wanderer.way-nifty.com/poet/2009/02/post-f546.html (10年前のブログ)

Rosen-wien

 R・シュトラウス 「ばらの騎士」 ウィーン 4月17日

ウィーンの「ばらの騎士」
やっぱり安心の舞台。
1986年の来日公演で、シュナイダーの指揮で初観劇。
シェンクの伝統演出は、この先も永遠に残してほしいウィーンの香り。
数えたら7度、いろんなバラキシの実際の舞台に接してきたけど、2017年上演、演奏面は、これはとても秀逸に思いました
バラ

ウィーンで「ばらの騎士」を観ることと、バイロイトで「リング」を観ることが、案外、自分の夢でしたが、いまの情勢ではもう無理かも・・・・
ゆえに、こうした映像配信は、ほんとありがいたいです。
Danke Wien!


Ory

 ロッシーニ 「オリー伯爵」 MET 4月17日

ロッシーニ「オリー伯爵」初めての視聴。
我が国のあの震災からの1か月後、というのが微妙な上演ですが、まあよしとしよう。
ドン・ファン的なフローレスの超絶ぶりがすごい。
ダムラウに、ディ・ドナートもこの時、ピッチピチ。
「ランスへの旅」と同じ旋律、親しみもあるよ、こんな状況下、楽しい。


Algeri

 ロッシーニ 「アルジェのイタリア女」 ウィーン 4月18日

「アルジェのイタリア女」ウィーン
ワーグナーからロッシーニまで、粋な指揮者だった故ロペスさんがナイスです。
よりどりの歌手たちが、ポネルの名舞台で生き生きと。
このポネル演出、いまの世相ではちょっとNGなとことかあるかも。
ほんと、厄介な世の中になったもんだ。
ロッシーニの音楽は楽しい
 。

Ohne-schatten-munch

 R・シュトラウス 「影のない女」 バイエルン州立歌劇場 4月18日


「影のない女」バイエルン2013 ペトレンコ指揮
演出は正直ややこしいが、美しく幻想的。
いろいろ意味を込めたのに、最後のシュトラウスの描いた本来古風な夫婦唱和の大団円で、その演出意図が過ぎたるは及ばざるを得ず・・的になっちゃった感あり。
音楽がそこまでの読み込み求めてないという典型か。

 ピエチョンカ、ポラスキ、パンクロヴァ、ボーダ、コッホ、みんな素晴らしく、ワルキューレを組めるキャスト。
 キレのよいダイナミクス、かつ透明感あふれ、オペラの感興あふれる指揮ぶりのペトレンコもいい。
 ウィーンの「影なし」とともにありがたき配信でした。
Danke!


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 チレーア 「アドリアーナ・ルクヴルール」 MET 4月19日

チレーア「アドリアーナ・ルクヴルール」メット2019
順当かつ豪華なマクヴィカー演出。
ネトレプコの声はもう重いけど、でも貫禄たっぷり。
恋敵は今ひっぱりだこのラチヴェリシュヴィリで、ふたりのさや当てはものすごい迫力、オペラの楽しみこれに尽きる。
ベッチャワの甘さもよろし。


このオペラの日本初演1976年のNHKイタリアオペラを観劇しました。
以来、ビターチョコのような苦い恋愛模様が満載のこのオペラが大好きになり、数々聴いてきました。
カバリエ、コソット、カレーラスの伝説舞台に接しえたことが、今でも自分の音楽ライフのなかの一大モニュメントです(自慢)。


Capriccio

 R・シュトラウス 「カプリッチョ」 ウィーン 4月20日

シュトラウス・ナイト2
「カプリッチョ」2018 ウィーン
フレミングのあとの伯爵夫人、そしてこちらのマドレーヌ役も引き継いだニールントの貫禄。
ブルー・シルバーの色調の美しい舞台。
身の引き際を決したマルシャリンと、ひたすら選べず悩むマドレーヌ。
どちらもシュトラウスの描いた美しい女性

ばらの騎士、カプリッチョ、どちらも悩める女性の心理を巧みに音楽に反映したシュトラウスが優しすぎる。
全部のシュトラウスのオペラのなかで、大好きな2作。
バラキシ、カプリッチョ、どっちを選ぶの?
どちらも私には選べません・・・


Rosen-met

 R・シュトラウス 「ばらの騎士」 MET 4月20日

シュトラウス・ナイト1
MET「ばらの騎士」2017
手持ちのDVDザルツブルク、カーセン演出と基本同じ。
フレミングとガランチャのゴールデンコンビ、この年がそれぞれのロール、卒業。
しかし美しい二人以上に、ニュー・オックスを作り上げたクロイスベックがキッレキレで、この日の主役かな。


軍需産業の民間業者ファーニナルが、上得意の貴族へ忖度し娘を人身御供にしてしまう前提。
3幕は春売り宿で、オックスは完全に奥手でやりこめられる。
最後は、幸せに酔いしれる二人の背景に、第一次大戦の影がリアルに見えて、オクタヴィアンもいずれそこに・・・
シュトラウス後の歴史を読んでる
 。
しかし、歳を経るとともに、自分のなかの、このオペラの見どころは1幕の最後に。
鏡を見て、つくづく悟った元帥婦人。
女も、男もない。
忍び寄る年月、時間の刻印を感じる日が、突然にやってきて、それといつしか折り合いをつけなくてはならない。
自己投影できる、ばらの騎士、世代ごとかも
 ・・・

Electra-met

 R・シュトラウス 「エレクトラ」 MET 4月21日

「エレクトラ」MET 2016
サロネンのクールかつ激熱なオーケストラが素晴らしい。
故シェローの演出は、ビジュアル的には渋く静的な感じ。
しかし、極めて演劇的で、個々の歌手たちに求められる演技力は指一本に至るまで厳しいものと思われる。
悪の権化みたいな母と、娘エレクトラの母娘の情。

 これを表出した秀逸な解釈で、他の多くの出演者も、みんな演者として細かに機能してる感じ。
バイロイトのリングで革命的な演出をなしたシェローの行き着いた先、それはもしかしたら、日本の歌舞伎や能の世界かもしらん、しらんけど。
マイヤーさんと、シュティンメさんが素敵すぎました。


Tosca-met

 プッチーニ 「トスカ」 MET 4月22日

「トスカ」MET2018
久々にちゃんとした「トスカ」を堪能。
マクヴィカーの原点回避・ローマ観光地巡りのような豪華・写実演出は、こうなるともう褒めるしかない。
この演出で聴く音楽は、本当によく書かれていると思う。
プッチーニの凄さを今さら認識。
 しかし、トスカさんは、強くておっかない女性
 。
一途の愛は強いね。
グリゴーロさん、あれこれありますが、真偽は不明なれど、カーテンコールではとてもイタリア人的なナイスな感じで、ほんと好感度!
 余談ながら、見た目、Yメンバーに似てる。
スカルピアというより、リゴレット風なルジッチ。
ヨンチェバは声よし、美人だけど・・


Fidelio-wien

  ベートーヴェン 「フィデリオ」 ウィーン 4月23日

「フィデリオ」ウィーン2019
苦手なオペラのひとつ。
長大なレオノーレ序曲が挟まれて、劇的な流れが途切れる。
ウィーンの伝統的な上演ではそれも含め定番。
シュヴァンネウィルムスの凛々しさがよろしい。
レイスさん、マイヤーさんも日本でもお馴染みでうれしー。
フッシャー指揮がとてもいい!


Hoffmann-met

 オッフェンバック 「ホフマン物語」 MET 4月23日

「ホフマン物語」MET2009
今日は苦手なオペラがふたつだった。
長い、出演者多い、版多数、ストーリーいまだわからず、歌・アリアばかりでつながり悪し。
今回もよくわからず。
10前のMETのリアル感が体感できるけど、すいません、私の守備範囲でない音楽。
無料ストリーミングへの勝手な不満でした。


Hoffmann-petibon

  オッフェンバック 「ホフマン物語」 モネ劇場 4月23日

音源もってない「ホフマン物語」のよすがは、プティボンの変な演出のDVD。
でも発見、直近モネ劇場での4役をこなしたパトリシア・プティボン。
オランピアをまず確認。
ブロンディか、マドンナか!
超絶技巧と芸達者のプティボン。
わたくし彼女の超ファンです、来日した時のサインも宝物です。


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 緊急事態宣言は解除されましたが、ワタクシの毎日オペラは継続、と宣言しておきます!


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2020年5月23日 (土)

オペラストリーミング大会の軌跡 ③

Shiba-01

ずっと曇りや小雨の関東。

この晴れの空が懐かしいと思われる今日この頃。

オペラ三昧の日々を記録していくシリーズ。

引き続き、ツイッターでの呟きを転載します。

Ariodante

 ヘンデル 「アリオダンテ」 ウィーン 4月9日

ヘンデル「アリオダンテ」ウィーン
シンプルでスタイリッシュなマクヴィカー演出は、スコットランドが舞台のオペラに相応しい。
男前で凛々しいサラ・コノリーさんが素晴らしい。
各幕のバレーも可愛いし、楽しい。
で、ヘンデルの様式美をクリスティがウィーンのオケから見事に引き出す。Wヘッダー①


Falstaff_20200523094501

 ヴェルディ 「ファルスタッフ」 MET 4月9日

メシテロな場面多数なMET「ファルスタッフ」
DVD化されてる名舞台。
60年代アメリカの飽食も読み込んだ、カーセンの鮮やかかつ、冴えた演出。
伝統的な演出をまず見てからの視聴をを推奨。
なりきりのマエストリのタイトルロールを始め、明るくもFatな出演陣は最高。
秀逸な舞台、Wヘッダー②終了


Parsifal_20200523094701

 ワーグナー 「パルジファル」 MET 4月10日

聖金曜日にパルジファルふたつをありがたくも鑑賞。
ウィーンの2007年プリミエの2015年、A・フィッシャー。

MET2013年のガッティ指揮。
まだ明日も他劇場予定。
パルジファル大杉。
思うこと多々あり、他も観てブログにて開陳予定。
ただ、貞子はあかんよMETさん(笑)


Don-pasquale-met

 ドニゼッティ 「ドン・パスクワーレ」 MET 4月12日

ドニゼッテイ「ドン・パスクワーレ」MET
ふだんあんまり聴かないベルカントもの。
連日のワーグナーの毒消しに最適の心地よさ。
イタリア語に、イタリアの旋律線、ヴェルディとはまた違った歌心に心和む。
10年前のネトレプコ、声がまだ重くなる前。
 でもまたすぐ、ワーグナーを聴いちゃうんだろな。


Cosi-met

 モーツァルト 「コジ・ファン・トゥッテ」 MET 4月13日

「コジ・ファン・トゥッテ」2018
メットらしい、凝った豪奢な舞台装置で、50年代のコニーアイランドでの遊園地が舞台。
内容は明快、今が旬の若い歌手たちも生き生きとしてる。
しかし、リベラル色もにじませ、否定はしないが、最後は??的な感じで、なにもそこまで的な思いもした保守の自分。

しかしまぁ、こんな上質のオペラを連日観れるなんて、配信ありがたいことです。
文句言っちゃいけませんが、ついつい・・・
おもに、メット・ウィーン・ベルリンを行き来する日々。
どこのハウスも、これでますますファンになりました。
早く、この不安の日々が収束しますように。


Vixcun

 ヤナーチェク 「利口な女狐の物語」 ウィーン 4月13日

「利口な女狐の物語」ウィーン
ヤナーチェクの優しさと、人間社会に対する厳しい目線。
輪廻転生という奥深い問題にも切り込んだ、短いけれどあじわい深いオペラ。
O・シェンクの具象的な穏健演出だから、最後には救いがちゃんとあった。
みんな可愛い、ウィーンフィルの音色もすてきだ。


Rusalka

 ドヴォルザーク 「ルサルカ」 MET 4月14日

「ルサルカ」MET
シネマのようなシェンク演出は、昨日のウィーンの「女狐」と同じく、ボヘミアの森と水の世界を美しく再現。
以前視聴したミュンヘンの演出では、春を売る宿に舞台を読替えていて、暗澹たる思いだった。
麗しのフレミングと適材適所な配役
シンフォニックなセガンのオペラ指揮が新鮮。


Parsifal-wien

 ワーグナー 「パルジファル」 ウィーン 4月14日

ウィーンの2017年「パルジファル」
ウィーン分離派・世紀末のリアルな舞台設定。
アールヌーヴォな装置は、それなりに美しいが、聖具が脳みそにとって代わり、心の病の治療の仕方による争いに読替えた感じ。
フロイトやクリムトなんかも意識させる、ウィーンならではの演出だけど意味不明。
虚しいよ。


このストリーミング、音が悪くて、ほぼモノラル。
最初から最後までずっと、なんでやねんでしたが、毎度のとおり、文句言っちゃいけませんねぇ・・・・


Boris

 ムソルグスキー 「ボリス・ゴドゥノフ」 MET 4月15日

「ボリス・ゴドゥノフ」MET2010
パペのボリスは初だけど、ルックスと甘く深い声がお似合い。
豪華な配役陣も、METならでは。
演出はスタイリッシュながら、妙に民衆の残虐性を強調。
ただ、歴史を繰るような巧みさもあり、アメリカが見たオソロシアみたいな反面教師的な側面を表したかったのかな。


Gambler

 プロコフィエフ 「賭博者」 ベルリン州立歌劇場 4月15日

ロシアン・ナイト2
プロコフィエフ「賭博師」ベルリン
チェルニアコフの演出がいい。
静かなサロンからスタートし、やがてクライマックのカジノへ。
派手さはなく、心理ドラマ。
金、金、金、しかし金では買えないものが大きかった・・・・クールで、熱烈、かっこいいプロコフィエフの音楽が最高だ!


Betrpyhal

 プロコフィエフ 「修道院での婚約」 ベルリン州立歌劇場 4月16日

プロコフィエフ「修道院での婚約」ベルリン2019
これもチェルニアコフ演出+バレンボイム
とてつもなく面白かった。
happy lifeを生きよう的な自己啓発スクールをみたて、9人の登場人物が、本来もっといる人物も掛け持ち。
劇中劇でもあり、全員がドラマの主人公で、かつ観衆であるという悩ましい筋立て
 。

「自分を外側から見るようにオペラを観るように心がけよ」的なフリップも出た。
この演出家の深い読みと、現代に合わせた問題提起は並々ならない。
歌手兼アクター、みんなすごすぎ!
最後に、プロコフィエフ充実期の甘さも辛さもある、それとリズミカルな沸き立つ音楽が最高だよう!

ラストシーンも感嘆しつつ、笑いを禁じ得ないもの。
オペラのありとあらゆる登場人物がみんな出てきた。
ウォータン、ヴィオレッタ、サロメ、ジークフリート、夜の女王、ルチア、トゥーランドット・・・いやもうたくさん(笑)


Proko

毎日、オペラに興じているように思われますが、初老のオッサンながら、ネットと電話でうまく立ち回ってます。
しかし、影響は必ずやってくると思われます、病気持ちだし、その時が恐怖。
が、ネガティブな思いは発しません、言霊ですから。
で、いまはこんなにありがたいオペラ配信に現を抜かすのみ。


こんな言い訳まで書いてます(笑)

しかし、このあと「戦争と平和」「炎の天使」も観ることができて、ますます、プロコフィエフのオペラに関心を持つようになりました。
音源も含めコンプリート目指します。

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それにしても緑が濃くなってきましたね。

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2020年5月22日 (金)

オペラストリーミング大会の軌跡 ②

Shibapark-25

バラが花盛りな5月も、終盤。

そして続くよ、オペラストリーミング大会。

Manon

 マスネ 「マノン」 ベルリン州立歌劇場 3月31日

昨日はリンデン・オーパーの「マノン」。
マスネはウェルテル以外聴いたことがなかったけれど、ネトレプコ&ヴィラソンのコンビは嫉妬を覚えるほどにイイ。
1950年代のモードを次々に披露するマノン、最後は哀れなり。
ネトレプコあっての舞台に演出。
10年以上前だけどいまだ色あせてない。

バレンボイムの指揮。

Korsakov

 R・コルサコフ 「皇帝の花嫁」 ベルリン州立歌劇場 3月31日

今日のリンデン・オーパーは、R=コルサコフの「皇帝の花嫁」
めちゃくちゃ面白かった。
シチュエーションを大幅に変え、違和感なく現代ある問題提起にも喚起する演出。
今のマスコミの在り方などにも思いが及ぶ。
バレンボイムの懐の深さと、歌手のレヴェルの高さに感心!


Poulanc

 プーランク 「カルメル派修道女の対話」 MET 4月1日

昨夜は、プーランク「カルメル派修道女の対話」MET。
シリアスなドラマと音楽に感銘。
舞台の奥行を十字架を配して生かしたシンプルな演出。
美人なイザベルさんの心のこもった歌とベテラン名歌手たち。
生き生きとしたセガン。
素晴らしいオペラ、Thank you MET


Sevillia

 ロッシーニ 「セビリアの理髪師」 MET 4月1日

今宵は、METの「セビリアの理髪師」(2007)
名曲すぎて、普段観たり聴いたりしないけど、今回マジで面白かった。
 マッティ、ディドナート、フローレス、スター級の歌い手たちの名人芸に酔い、不謹慎ながらも、PCを前に笑ってしまう自分。
オペラは楽し
黄色のハート

Nixon

 アダムス 「ニクソン・イン・チャイナ」 MET 4月2日

アダムズ「ニクソン・イン・チャイナ」MET
このタイミングでこのオペラ。
音だけでは聴いてきたけど、初舞台視聴。
ミニマルを基調にしたアダムズ作風が全編に。
でも、親しみやすい・クセになる音楽。
ちゃんとアリアも満載。
今後の将来、トランプとキン〇ーでどんなオペラができるかな・・・・


Ohne-schatten

 R・シュトラウス 「影のない女」 ウィーン 4月3日

「影のない女」ウィーン。
最愛のシュトラウスのオペラのひとつ。
昨年、音源だけは接していたけど、ありがたくも舞台視聴。
演出はイマイチで、雑多な登場人物多すぎ。
歌手は完璧、特にシュティンメとニールントがよい
ティーレマンもいいけど、シュトラウスには重厚さより明澄さをより求めたいな。


Don-carlo

 ヴェルディ 「ドン・カルロ」 MET 4月3日

「ドン・カルロ」MET
10年前のセガン。
劇的な場面での興奮誘うオーケストラは見事ながら、カンタービレ不足。
今はピットの経験も積み、自在で新鮮な表現に行き着いたのは直近のプーランクで確認済み。
 ロシアの二人の女声は違和感。
アラーニャのみよし。
でもしかし、やっぱヴェルディはいいわ。


Bizzet

 ビゼー 「真珠採り」 MET 4月4日

「真珠採り」MET
名アリアが散りばめれたビゼーの佳作。
初めての観劇。
夫婦で出てるダムラウの声の美しさに感嘆。
甘声のポレンツァーニ、渋いが美声のクヴィエチェンもよかった。
ノセダもこうした作品を器用に軽やかに指揮するもんだな。
Thank you MET 明日はマクベス!


Macbeth

 ヴェルディ 「マクベス」 MET 4月5日

ヴェルディ「マクベス」MET
ネトレプコの歌とビジュアルを楽しむべき映像。
2016年だけど、2019年の放送と声質がかなり違う。
同じ2019のトスカや運命の力でも感じたけど、重たくなり疲弊も感じるが、3年前は絶頂期だったのか。
しかし、ヴェルデイの意図したドスの効いた声は、今こそが相応しいかも。


Cosi

 モーツァルト 「コシ・ファン・トゥッテ」 ベルリン州立歌劇場 4月5日

緊急事態宣言前夜にコシ・ファン・トゥッテ、ベルリン。
もう18年も前の舞台だしDVDも出てるけど初見、ありがとう。
60~70年代、フリーダムを標榜するヒッピー化した男声陣が、ファッションとか流行を追う女声陣を陥落させる。
ミニのワンピースとか、パンイチとか、歌手も大変だなぁ。


Electra

 R・シュトラウス 「エレクトラ」 ウィーン 4月7日

ウィーン「エレクトラ」、エレベーター殺人事件。
暗い舞台で、金持ちの圧政家庭の残虐性を解放する闇を背負った姉妹弟たちかな。
しかし、お願いだから、懐中電灯で自分の顔を下から照らして驚かせるの、やめて欲しい( ´艸`)
この次期ブリュンヒルデ、ゲールケさん立派だけど、その声ちょっと苦手。


Britten-summer

 ブリテン 「真夏の夜の夢」 ウィーン 4月8日

ブリテン「真夏の夜の夢」ウィーン
昨年ネット視聴してから、観たいと思っていた舞台、大好きなオペラ、ありがとう。
CTとコロラトゥーラ、4人の恋人、6人の踊れる芸人、2人の王夫妻、少年合唱団、そしてダンスのできる狂言回し。
これを揃えないと上演できない傑作オペラ。
シモーネ女史good job!


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毎日、オペラを観る生活が定着したが、これはこれで実に忙しい。
実家に帰ったりすると、観れないので不安になるという、こりゃもう、中毒ですな(笑)

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こうして、人を避けつつ、歩き回ることも忘れてはいませんぞ。

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2020年5月21日 (木)

オペラストリーミング大会の軌跡 ①

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引きこもっての生活、そしてお仕事もしてます。

もともと、テレワークチックな生活スタイルだったから、難なく受け入れ、おまけに世界のオペラを駆け巡ることも同時にやっちゃったりしちゃったりしてます。

そこで、さかのぼって、これまで観てきたオペラを自分の記録のためにも、書き連ねておこうと思います。
日々、ツイッターに書いたことをコピペです。

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 ワーグナー 「神々の黄昏」 びわ湖ホール 3月7日

ギービヒ家、びわ湖ホールに似たり。
10年前のトリスタンのときのお写真。

ブリュンヒルデ、世界を救う!
やっぱり、女性は強い!

不安な日々に、救済の動機が胸にしみる。
2日ともに観劇。
関係者の皆様、本当にありがとう!
数々聴いてきたけど、黄昏の自己犠牲のエンディング演奏で、両日ともに最高に感動的だった。


(何年か前に、びわ湖ホールでトリスタンを観劇したときのブログ写真を貼りました。
ラインのほとりのギービヒ家がこの写真を思い出したものですから)

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 ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」 ベルリン州立歌劇場 3月19日

白昼、昼休みに、ベルリン・シュターツオーパーのバレンボイム、トリスタンを観てしまう。
ファンキーな軽い感じの演出だわ。
内外ともに配信だらけで、忙しくてならん。
あとは、夜の楽しみに。


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  チャイコフスキー 「エウゲニ・オネーギン」 3月23日

今日は、メットの「エウゲニ・オネーギン」
DVDにもなってる2007年の上演を初観劇。
カーセンの美しい舞台演出と豪奢な衣装。
なんといってもホロストフスキーのThe Oneginともいうべき美的なタイトルロールが素晴らしい。
フレミングもゲルギーもこの頃が一番よかった。


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  ワーグナー 「トリスタンとイゾルデ」 MET 3月24日

今日はメット、トリスタン2016。
潜水艦生活、密閉空間・密集場所・密集場面でみんなアカンやつ。
閉ざされた空間で閉塞感満載。
映像の多様も面白くないし、ファンタジー不足。
 シュティンメの安定感、スケルトンの破壊的な声、甘~いパペ。
歌手よし、多少デジタルなラトルもよろし。
音だけでOK。


しかし、無料の開放で、こんだけ楽しんで、文句言ってすいません深くお辞儀した人

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  ワーグナー 「ラインの黄金」 MET 3月26日

昨日もMET。
ハリウッドなリングのスタート。
歌手も演出も、明快でアメリカン。
これもまたありだな。
10年前のこのリング、恥ずかしながら初見・初聴き。
不謹慎ながらありがたい。
レヴァインとルイージの指揮の違いも、後半は楽しみ。


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 ワーグナー「ワルキューレ」 MET 3月26日

今日は、MET「ワルキューレ」
少し大味な、アメリカンダイナーで食す、歯ごたえ満点のデカいステーキを食った感じ。
そんななか、カウフマンの悲劇を背負うジークムントが素晴らしい。
愛の様々なカタチを描き尽くした、愛のデパートとも呼ぶべき「ワルキューレ」を味わうに、実にわかりやすい演奏!


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 ワーグナー「ジークフリート」 MET 3月27日

MET、今日は「ジークフリート」
水・森・火、リングに必須の要件はちゃんと表出。
竜も、鳥ちゃんもリアル。
演出の意図を推し量るため必死こく必要もなく、ト書き通りの安心の舞台。
降りたB・ヘップナーと次の候補者に次ぐ、ハンター・モリス。
イケメンだけど、声が明るすぎ、でも舞台映えよし。


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 ワーグナー「神々の黄昏」 MET 3月28日

神々の黄昏、MET。
喜怒哀楽が激しくアメリカ的。
饒舌手前の具象性は、ライトモティーフにも忠実。
大味な歌手のなかで、W・マイヤーが舞台を引き締めた。
演出からするとレヴァインが合ってるけど、ルイージの音楽は少しサラリとしてて、もたれない、いま風のワーグナー。
リング完了、Thank you MET。


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  朝から名歌手 複数の音符  (と呟いてる自分)

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 ワーグナー 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」 MET 3月29日

METのマイスタージンガー視聴。
フォレとクレーンツィル、現在最高のザックスとベックメッサーと思う二人。
コスキーやヘアハイムのような面白さや冴えはないが、シェンクの伝統的な舞台は安心して観ていられる。
恰幅のいいレヴァインの音楽もいい。
終日部屋ごもりでワーグナー♬


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 ワーグナー 「神々の黄昏」 ウィーン 3月29日

ウィーンの神々の黄昏、視聴。
黄昏しか観てないけれど、METのリアル感とは真反対の舞台。
明らかに舞台は霊感不足だけど、人物たちが以外と味わい深い動きをする。
何度も接したテオリンとグールドの安定感。
で、A・コバーの指揮が実によろしく、実務的な中に、ワーグナーの肝を確実に押さえてる!
 

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 ワーグナー 「タンホイザー」 MET 3月30日

MET「タンホイザー」
音楽の教科書に出てくるような典型・定番の舞台。
ほんと久しぶりの普通のタンホイザーは、かえって新鮮。
何も起こらないから、音楽だけ、ながら聴きにもOK。
マッティのヴォルフラムと亡きボーダ氏がいい。
ちなみに私の教科書の挿絵は、ヴィーラントのタンホイザーだった。


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このように3月は、METは、Wagner week を企画し、ウィーンはリングの通し放映、ベルリンも追従で、怒涛のワーグナー視聴となりました。
METとウィーンは、ストリーミングが安定していて、こちらでPCの負荷をかけるようなことをしない限りストレスなく、しかも高音質で聴くことができました。
ベルリンはストリーミングはやや不安定で、ときおりクルクル、youtubeの日もあり、そちらは安定。
ほかの劇場も、日本の新国をはじめ、配信を始めたのが3月の半ば以降でした。

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1枚目の写真と、ちょっと撮り方を変えてみましたの図。

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