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2016年7月10日 (日)

マーラー 交響曲第8番「千人の交響曲」 ハーディング&新日フィル

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もう1週間も前ですが、ほんとに久方ぶりのサントリーホール。

夏、カラヤン広場は、ビアガーデン風になってましたよ。

ありがたいことに、いつもお世話になってます音楽仲間の方から、チケットをお譲りいただきました。

演目は、「千人の交響曲」

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  マーラー 交響曲第8番 変ホ長調 「千人の交響曲」

     S:エミリー・マギー、ユリアーネ・バンゼ、市原 愛

     A:加納 悦子、中島 郁子

     T:サイモン・オニール

     Br:ミヒャエル・ナジ   Bs:シェンヤン

  ダニエル・ハーディング指揮 新日本フィルハーモニー交響楽団
                    栗友会合唱団
                    東京少年少女合唱団
                    合唱指揮:栗山文昭、長谷川久恵

                      (2016.7.4@サントリーホール)


Music Partner of NJPの称号を持つ、ダニエル・ハーディングのポスト最後の演奏会。
本サントリーホールの前に、本拠地トリフォニーで2回の演奏を重ね、練られ、磨き上げられた3度目の終演。
実に素晴らしい演奏でした。

満席のサントリーホールを、揺るがすような大音量ではなく、そして、この曲がおちいりがちな壮大さだけのこけおどし演奏でもなかった。
満場の聴衆の、それこそ、吐く息や、鳴りそうなお腹さえも聴こえてしまいそうで、それを意識して控えたくなるような、そんな絶妙なピアニシモ。
その静寂の美しさと、静寂での歌心。

そう、わたくしは、ハーディングの背中と指揮姿を見ながら、クラウディオ・アバドのことを思っていた。

オルガン一声、第一部は、わたくしは苦手なのですが、そんな気分を察してくれたのか、さっさと音楽は進行し、バンダ吹き荒れるその終結部も、かなりあっさりと早めのテンポで終了した。
まぁ、ひとつには、久しぶりのコンサートでもあり、心がちょっと虚ろだったこともありますが・・・・。

そして、第2部。
緻密かつ憂いに満ちた冒頭部、そして、オケの右側に登場した二人の神父が情熱的に歌う。
ナジの美声、ただでさえ、この歌が大好きなものだから、わたくしの眼は決壊してしまった。第1次決壊である。
次ぐ冥想する教父は美声ではあるものの、声が届きにくい声質だったかも。

しかし、ここから始まる、千人交響曲のオペラ的な展開は、何度聴いても、没頭できるし、ファウストの物語の源流にある女性賛美、女性的なるものへの憧れ、それを音にしたマーラーの凄さに震える。
 マリアを讃えるテノール、オニールが素晴らしかった。
プロムスやバイロイトの放送で、ワーグナー歌手として認識していたオニールだけど、ちょっと荒っぽい印象を持っていたが、ここでは全然違った。
もっとリリカルで、これもまた美しい声だった。
一方でパワフルな声量も。
 

次ぐ第3部の静かなオーケストラの展開。
ここで、決壊第2波。
何度も聴いてきたエミリー・マギーの豊穣なる声にうっとり。

もうひとりのソプラノ、バンセも連日の猛暑からでしょうか、声にやや疲れを感じたけれど、彼女ならではのリリカルで優しい歌声は魅力的。
 涼しげなオーケストラのパレットも常に素晴らしくって、ハーディングはよく歌わせ、そしてよく抑えていた。

2階席左手から歌った市原さんの聖母の歌声に、はや昇天の気分。
そこに追い打ちをかけるように、マリア崇拝のテノール。
このあたりにくると、もう、ワーグナーのオペラのラストシーンのように、ヘルデンテノールが音楽を締めるような感じで、胸が高鳴ってきて、ここで第3次決壊にいたった。

ハープ、チェレスタが天上の趣きを醸し出し、ピッコロが気持ちをいやがうえでも高めるなか、静寂のなか神秘の合唱。
第4次決壊では、思わず、嗚咽しそうになってしまった・・・・。
高まりゆく感動が、自分でも抑えがたく、あらゆる辛いことや、哀しいことも、すべて飲みこんでしまうように思えてきた・・・・・。

感動の大団円。
お約束のフライングブラボー。
ものすごい拍手の嵐。

そんなことは、もうどうでもよかった。
涙にあふれ、わたくしは、しばらく拍手もできなかった。

 いっさいの無常なるものは、ただ影像たるにすぎず。
 かつて及ばざりしところのもの、ここにはすでに遂げられたり。
 永遠に女性的なるもの われらを引きてゆかしむ

                       
こんな美しい千人交響曲を聴かせてくれたハーディング。
もう10年も前だろうか、マーラー・チェンバーと初来日して、モーツァルトの後期交響曲の鬼気迫る演奏で驚かせてくれた。
 今回の節目のコンサート。
彼は、秋に、パリ管でシューマンの「ファウストからの情景」を取り上げる。

大きな拍手の応えて、マイクをとったハーディングは、これまでのこと、そして3.11のマーラーのことなどを語り、最後は、ちょっと許してねと、ポッケからスマホを取り出し、オケや聴衆をバックに自撮り。
 さらに舞台がひけても、鳴りやまない拍手に応えて、シャツ姿で登場して、われわれとの別れを惜しんでました。

こんな素晴らしいコンサート、Sさん、ほんとうにありがとうございました。

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2015年11月28日 (土)

神奈川フィルハーモニー第314回定期演奏会  サッシャ・ゲッツェル指揮

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横浜、みなとみらい地区は、今年も華やかなイルミネーションに彩どられる季節となりました。

そして、それに相応しい、ステキで煌びやかなコルンゴルト・サウンドを堪能できました。

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   ブラームス     ピアノ協奏曲第2番 変ロ長調 op83

          ピアノ:ゲルハルト・オピッツ

   コルンゴルト    シンフォニエッタ op5

   J・シュトラウス   ポルカ「雷鳴と電光」 ~ アンコール

     サッシャ・ゲッツェル指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                   (2015.11.27 @みなとみらいホール)


今シーズン、もっとも楽しみにしていた演奏会のひとつ。

そう、ワタクシは、コルンゴルト・ファンなのであります。

忙しいせいもありますが、この1ヶ月ぐらい、コルンゴルトの音楽以外は聴いてません。

ですから、オピッツという日本贔屓の世界的大家をソリストに迎えるという豪華なブラームスのことは、あんまり眼中になかったという不届きものです・・・・。

ブラームスの2番の協奏曲。
この大曲は、レコード時代からすり減るほどに聴いてきたけれど、演奏会で聴くと、何故か、いつも虚ろに聴いてしまい、途中から覚醒するということが多い。
実は、今回もそうなってしまった。
おまけに、オーケストラがどうもいつもの冴えがなかったように思いましたし、ちょっとした乱れもありました。
大好きな神奈川フィルに対し、ちょっと辛口の評価です。

そんな流れに、ピリッと引き締めが入ったのが、3楽章のチェロ・ソロでした。
ピアノに隠れてしまって、そのお姿が見えませんが、その優しいけれど、しっかりした語り口のチェロの音色は、山本さんと、すぐにわかります。
そう、ここから、わたくしも音楽に集中できたし、演奏もキリッと締ったような思いがしました。
実は、以前聴いた、ポリーニとアバド&ルツェルンの同曲の演奏会でも、前半は冴えず、しかも、あのポリーニがミスを連発するなどでしたが、3楽章でのブルネロのチェロがすべてを救い、その後は迫真の名演となりました。
そもそも、この曲が難しい存在なのでしょうか・・・。

それと、ゲッツェルさんの指揮が、ちょっと飛ばしすぎた場面もあるかもです。
このコンビの適性は、コルンゴルトや、マーラー、シュトラウスあたりにあるのかもしれません。

オーケストラのことが先行しましたが、しかし、オピッツさんのピアノは、抜群の安定感がありました。
まったくぶれがなく、滑らかかつ力強く、でも音には透明感すら漂う無為の域に達した凄さを感じました。
丸みと、強固さ、ともにブラームスに相応しい音色。
お姿どおりのピアノでした。
そして、いつも思うのは、サンタさんみたいだし、シュークリームのオジさんみたいだと(笑)

 さて、後半のコルンゴルト。

神奈川フィル応援のFBページに書きましたが、そこから一部転載します。

 神奈川フィルでコルンゴルトを聴くのは、これで4回目。

   2014年10月 ヴァイオリン協奏曲 (1945)

   2015年 1月 チェロ協奏曲     (1946)

       〃    「シュトラウシアーナ」 (1953)

   2015年11月 シンフォニエッタ   (1913)

ヴァイオリン協奏曲以外は、ゲッツェルさんの指揮。
作曲年代をみてわかるとおり、これまでの3曲は、いずれも、ナチスの台頭により、コルンゴルトがヨーロッパを去り、アメリカに渡り、映画音楽の世界で活躍し、戦後ふたたび、本格クラシックのジャンルの作品に回帰した時期のもの。
 そして、それより遡ること3~40年。

今回の「シンフォニエッタ」は、神童と呼ばれ、ウィーンの寵児としてもてはやされた時期、コルンゴルト16歳のときの音楽なのです。

このように、横断的にコルンゴルトの音楽を1年間で楽しめたことに、まず感謝したいです。

複数の音源で、徹底的に聴きこんで挑んだだけあって、大好きなコルンゴルトに思いきり浸ることができました。

冒頭の「陽気な心のモティーフ」が、4つの楽章それぞれに、いろいろと姿・表情を変えてあらわれるのが、これほど明快にわかったのは、やはりライブで、演奏者を見ながら聴くことによる恩恵でありました。
キラキラのコルンゴルトの音楽を、神奈フィルの奏者の皆さんが、楽しそうに、そして気持ちよく演奏しているのもよくわかりました。
 そしてゲッツェルさんも、この曲を完璧に把握して、いつもながら縦横無尽の指揮ぶり。
それはもう、音楽が楽しくて仕方がない、といった具合でした。
オーケストラから、もっともっとと、音楽をどんどん引き出す、そんな積極果敢の指揮。
この積極的音楽がゲッツェルさんの魅力です。
それが、われわれ聴衆にズバズバと伝わるわけです。

優しく羽毛のような軽やかさも楽しめた第1楽章。
強靱な響きと、文字通り夢見るような中間部の対比をダイナミックに描いた第2楽章。
そして、神奈川フィルならではの繊細さと、音色の美しさを堪能できた魅惑の第3楽章。
この楽章は、わたくし、大好きなんです。
イングリッシュホルンが素敵だったし、第1ヴァイオリンがボーイングを変えて弾く場面も興味深く拝見しました。
 不安と狂喜の交差する、ちょっとややこしい終楽章も、ゲッツェルさんは、しっかりと整理しながら、大いなるクライマックスを築き、華麗なるエンディングとなりました。
軽くひと声、ブラボ進呈しました。

屈託ない若いコルンゴルトの音楽ですが、後年は辛酸をなめ、郷愁をにじませ、その音楽は、ほろ苦さを加えてゆくのでした。

今宵は、甘味で、とろけるような、ウィーンのお菓子をたっぷりといただきました。

ゲッツェル&神奈川フィル、最高っsign03

アンコールは、ウィーンっ子大爆発。

自分的には、コルンゴルトのあとに、ウィーンものを持ってくるんだったら、もうちょっとおとなしめのポルカやマズルカを所望したかったけど、聴衆は沸きにに沸きましたねnote

縦横無尽・上下左右の軽やかなゲッツェルさんの指揮姿は、かのカルロス・クライバーを彷彿とさせました。

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2015年10月11日 (日)

神奈川フィルハーモニー第313回定期演奏会  川瀬賢太郎指揮

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暗く立ちこめる曇空の土曜日。

これから聴く、ショスタコーヴィチの音楽を先取りしたような気分で、みなとみらいホールに、この日は、横浜駅から歩いてみました。

またこの日は、横浜ジャズプロムナードという恒例催しが行われていて、街中で、ジャズが流れてましたよ。

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  ショスタコーヴィチ  交響詩「十月革命」 op131

               ヴァイオリン協奏曲第1番 イ短調 op77

        Vn:三浦 文彰

  シベリウス       交響曲第5番 変ホ長調 op82

     川瀬 賢太郎 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                       (2015.10.10 みなとみらいホール)


ショスタコーヴィチ(1906~1975)没後40年、シベリウス(1865~1957)生誕150年。
ともにアニヴァーサリー作曲家ですが、同時に、ロシア→ソビエト連邦という巨大な国の元、または影響下にあったふたりなのです。
 ショスタコーヴィチは、巧みにその本音を隠しながらときにシニカルに、ときにあきれかえるほど露骨に、体制におもねり、そして批判を繰り返した。
そして、シベリウスは、圧政に対する、民族の誇りと祖国愛を歌い上げた。

そんな二人の音楽の対比を楽しめた素晴らしい演奏会でした。

①「十月革命」、交響曲でいえば、13番と14番の間にあるけれど、その時期のシリアスで内面的な作風とはうってかわって、あっけらかんとした、虚しささえ覚えるプロパガンダチックな音楽。
そんな15分間の音楽をCDではなく、ライブで聴くと、オーケストラの皆さんが、それこそ必死こいて演奏されているのを、そして川瀬さんの颯爽とした指揮ぶりを、拝見してるだけで、妙に興奮してしまいました。
神戸さんのティンパニの炸裂と、平尾さんのスネアの小見味よさを味わえました。
カッコいいし、ダイナミックなので、ちょっと爽快だけど、しかしまぁ、なんてヘンテコな曲でしょうか・・・・面白かったけど。
 思えば、10月革命にまつわる他の作品、2番と12番の交響曲とともに、曲作りは面白いけれど、内容的には、どうも虚無感がつきまとうように感じますね。

②チャイコフスキー、ベートーヴェンに次いで、3度目の三浦さんのヴァイオリン。
いつものとおり、ひがみじゃないけど、前髪が気になる(笑)
 それはそうと、こちらは、かなりシリアスな音楽で、交響曲でいえば、9番と10番の間。
まともに体制側から批判をされた時期、こっそり引っ込めてしまったこの因縁の作品を生で聴くのは初めて。
 夜想曲と題された夢想と沈滞を繰り返す第1楽章から、三浦さんの繊細で透明感あるヴァイオリンは、冴え渡ってます。
つぐ、スケルツォも鮮やかに決まり、オケとの掛け合いも楽しく、聴くわたくしもノリノリでしたよ。
 そして、古風で荘厳なたたずまいすら感じるパッサカリア楽章。
オケの背景も深刻極まりないものです。
 長大・超絶技巧のカデンツァでの、三浦さん。
この若者の集中力と気迫に圧倒されました。
ホールは静まり返り、一挺のヴァイオリンに聴衆の耳は釘付けとなりました。
 そして休むことなく突入するブルレスケには大興奮。
ショスタコの常套手段的な、無窮動ミュージックに完全に飲みこまれてしまいますが、それでも冷静かつ沈着な三浦さんの演奏姿には恐ろしいものがありました。
川瀬さんの指揮ぶりにも熱がこもってきて、怒涛のクライマックスを築き、さすがに前髪掻き乱れつつの三浦ヴァイオリンと息もつかせぬ壮絶エンディングとあいないりましたsign03
 ワタクシ、思わず、ブラボーしちゃいましたよ。

相変わらず、ショスタコを聴いたあとは、一体何だったんだろ、的な狐につままれた思いが去就するのですが、ともあれ、三浦さんのヴァイオリンは凄かった!

拍手に応えて、何度も登場するなか、三浦さんは手ぶら、川瀬さんはヴァイオリンを手に、ちゃっかり喝采を受ける茶目っ気のある指揮者に、会場は笑いに包まれました。

③休憩後は、シベリウス。
その田園的・牧歌的な雰囲気は、大好きです。
冒頭のホルン。前半のショスタコとうってかわったその音色と、音楽の雰囲気に、耳が浄化されるような思いです。
救いのないショスタコの聴後感が払拭されました。

あぁ、やっぱりシベリウスはいいわ~

透明感のある神奈川フィルならではの弦と、柔らかな木管、輝かしい金管、それが見事に溶け合ったシベリウス。
北欧の響き、ことに、かの地のオーケストラから感じる、突き抜けるような冷凛とした音とは対局にあるような柔らかなシベリウスに思いました。
日本人が演奏し、日本人が聴く、身近なシベリウス。
そして、神奈川フィルの聴き手にとってはハマのシベリウスでした。
 川瀬さんは、ことにオーケストラを抑え、各ソロが突出することも控えているように感じます。
最後に持ってくる曲としては、華やかな結末に欠けるこの5番を盛りあげるのは、なかなかに難しいこと。
もちろん音楽が創成され、自然豊かな野山を感じさせるようにクレッシェンドしていく第1楽章の鮮やかなエンディングには興奮しました。
そして、6つの途切れ途切れの和音で、最高のクライマックス築くのに、抑えに抑えた川瀬さんの音楽造りは、とても効果的です。
じわじわくるシベリウスの醍醐味を味わわせてくれたように思います。
 そして、間に挟まれた、それこそ田園風の第2楽章は、優しく可愛く、そして楽しい聴きものでした。

来シーズンは、1番と7番を、本場の大御所、親日家のオッコ・カムで聴ける神奈川フィル。
楽しみ極まりなし。

今回も、アフターコンサートは、個人的にお休みして、雨がポツポツし始めたMM21地区を抜けて横浜駅に向かいました。

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ハマのシベリウスのあとのベイサイド。なんのこっちゃ。

さぁ、次回はコルンゴルトですよheart01

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2015年9月23日 (水)

神奈川フィルハーモニー第312回定期演奏会  児玉 宏指揮

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コンサート終了後に、ランドマーク、みなとみらいホールを背に、海の方へ散策。

いい音楽、いい演奏を聴いたあとの充足感に満たされ、頬をうつ海から吹く風も心地よいことこのうえなし。

この日は、モーツァルトとブルックナーの、ともに変ホ長調の作品を聴いたのです。

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   モーツァルト  交響曲第39番 変ホ長調 K543

   ブルックナー  交響曲第4番 変ホ長調 「ロマンティック」
                        (第2稿1878/80 ノヴァーク版)

    児玉 宏 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                     (2015.9.20 @みなとみらいホール)


本日の指揮は、大阪交響楽団の音楽監督、児玉さんの客演。
オペラでの共演はあるそうですが、コンサートでは初登場。
もちろん、わたくしは、初児玉さんですが、そういえば、新国立劇場によく通っているころ、シュトラウスやヴェルディで登場していたのを覚えてるし、なんといっても、大阪響のユニークなおもろい秘曲プログラムも気にはなっていたのでした。
 そして、なんといっても、この方の経歴。
ドイツ各地で、オペラを中心に活躍してきた叩き上げ、カペルマイスター的な存在なのです。

さて、その児玉さんの指揮は、まずはモーツァルトの39番。

ステージに置かれたバロックティンパニを見て、ツィーツィー・コツンコツンを予想したものの、序奏の第1音を聴いて即、その不安(?)は見事に払拭されました。
なんて、柔らかく、落ち着きある響きでしょう。
管はモーツァルトの指定どおり、弦も、刈り込んで、室内オケスタイルでの演奏。
指揮台と置かず、平土間にて、指揮棒をもたない児玉さん。

1楽章主部が始まって、割合ゆったりめの進行は、繰り返しも行いながらで長い楽章となりましたが、弛緩したところは全然なくて、音が生き生きしてました。
 そして、大好きな第2楽章。
ともかく美しい。神奈川フィルの弦の魅力は、少人数でも引き立ちます。
長調と短調の間を行き来するこの楽章の魅力を味わえました。
 クラリネットの競演が微笑み誘う第3楽章に、一転、早めの展開で、駆け抜けるように、そして爽快に終結した4楽章。

モーツァルトの交響曲では、一番好きな39番。
ドレスデンやベルリン、N響などで親しんできた、児玉さんの師、スウィトナーの演奏を思い起こしてしまった。
穏健で柔和。歌心を持った優しいモーツァルトでした。

休憩後はブルックナー。
前半30分、後半70分のロングコンサートですが、それぞれ、その長さをまったく感じさせない。
そんな、ともかく、流れのいい、曖昧さのない、清冽なブルックナー演奏でした。

後ろから拝見する児玉さんの指揮ぶり。
少し、ずんぐりむっくりの、熊さんみたいな風貌で、決して大振りはせず、誠実な棒さばき。
もちろん、ブルックナーでは、指揮台に立ち、指揮棒も手に。
 多くの指揮者は、主旋律や、引き出したい楽器・奏者に体を時に向けて左右に動くのですが、その動きがまったくなく、ほぼ正面に立ったまま。
ですから、その横顔や表情が、後ろの正面客席からは伺えません。
 そんな指揮ぶりに、オペラ指揮者としての片鱗を感じました。
舞台とピットをつなぐ、結点としての指揮者のブレのないあり方。
ですから、音は、どの楽器も声部も、突出することなく、スコアのとおりにすべてがきれいに聴こえるように思えました。
 オーケストラもきっと演奏しやすく、安心の指揮だったのではないでしょうか。

そんな音の絶妙なブレンドの具合が、ブルックナーにはぴったりで、強音でも、音がダンゴにならず、オーケストラは思い切りフォルテの域に達してるのに、全然うるさくなく、どの楽器もちゃんと聴こえるのでした。
 それと、つい細かく分けて振ってしまいがちなブルックナーですが、多くある2拍子をそのままゆとりを持ちながら振ってまして、聴き手から見ても、落ちいて拝見できるものでしたし、出てくる音に、幅とゆとりを生みだすものではなかったでしょうか。

 かなり繊細な出だしの、原始霧。
そこから立ち現われるホルンは、お馴染みの実加ちゃん。
お父さん的な心境で、がんばれがんばれと念じながら聴きましたが、杞憂に終わり、全曲にわたって、艶のある明るい音色が安定して聴くことができました。
彼女をトップに、この日は、若いホルンセクション4人。
とてもよかったと思います。
 そして、ブリリアントな低音金管はベテランのみなさん。
ホルン・金管が突出することなく、マイルドに溶け合う様は、とても見事でした。
 3楽章では、甲冑が煌めく中世の騎士さえ脳裡に浮かぶような、そんな輝かしさも!

その3楽章のトリオでの、牧歌的な木管のほのぼのしたやり取りも楽しく、ベテランと若手の融合がここでも素敵に結実してます。

この演奏で、わたくしが一番感銘を受けたのは、第2楽章です。
ドイツの森を、後ろ手を組んで、ゆっくりと逍遥するイメージを常に抱くこの楽章。
まさに、その思いを満たしてくれる味わい深い演奏。
深みと艶のあるチェロに、存在感の増した渋いヴィオラセクション。
繊細なヴァイオリン群に、軽やかな木管。
ずっと聴いていたかった。

そして、錯綜する、ややもすると複雑に聴こえる終楽章。
オーケストラは全力投入、指揮者も全神経を集中し、極めて密度の高い充実の集大成となりました。
楽章の半ば、弦で回帰してきた、大きな嘆息のように第2主題を、かなり思い切り奏していたのがことさらに印象的です。
難しい、最後の終結部の盛り上げ方も見事で、神々しさすら感じました。

濃厚さや重厚さ、というよりは、叙事詩的な豊かさと、ナチュラルな情感にあふれた、わたしたち日本人の情感に即した名演奏だったと思います。

最後の音が見事に決まったあと、間髪入れず、拍手が起きてしまったことは残念ですが、会場は大きな拍手とブラボーに包まれ、オーケストラの皆さんも、児玉さんを暖かく称えるなか、この満足満点の演奏会は終了しました。

終演後のアフターコンサートは、今回も、体調調整中につきお休みしましたが、応援仲間のみなさんは、美味しいビールで乾杯したそうな。
さぞかし・・・・・。
いつか、そちらも復帰しますよnote

神奈川フィル、次回は、川瀬さんの指揮で、ショスタコーヴィチとシベリウス。
大すきなシベ5ですよsign01
 

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2015年7月11日 (土)

神奈川フィルハーモニー第311回定期演奏会  川瀬賢太郎指揮

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久しぶりの金曜夜の神奈川フィル定期。

それでも、まだ明るくて、これまた久しぶりのお日様は、西日が眩しいのでした。

県民ホール定期の最愛のプッチーニ、音楽堂のハイドンと、2回欠席してしまい、これまた久しぶりの神奈川フィルです。

今宵は、ドヴォルザークと、アイヴズ。

一見、まったく関係のない二人の作曲家ですが、アメリカというキーのもと、前半に「新世界」、後半にアイヴズの交響曲という、実に秀逸なるプログラム。

若きマエストロ、川瀬さんが、是非とも聴かせたかったというこの組み合わせです。

夕日が沈むように、調和の和音が消えるように終る前半と、賑やかな中に、意表をついて不協和音一発で終る後半。
 これもまた、鮮やかななる対比でございましたnote


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      ドヴォルザーク  交響曲第9番 ホ短調op95 「新世界より」

   アイヴズ      交響曲第2番


           川瀬 賢太郎 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                      (2015.7.10 @みなとみらいホール)


まず、苦言をひとつ。
楽員さんが登場し、いつも拍手でお迎えして、みなさんのご挨拶から始まる恒例の定期。
ホールは静まり、指揮者の登場を待ちうける静寂に聴こえはじめた、ピッ、ピッという時を刻むようなデジタル音。
ん? 私の席の斜め後ろの方からする。
曲が始まっても、いや、最初から最後まで、静かな場面ではずっと気になって仕方がなかった。
 周りの皆さんも等しく苦言を呈してました。
休憩時に、事務局さんを通じて、この件をお話しして、調査していただき、後半には解決したのですが、メトロノームの電子音だったそうな。
ご本人は気がつかなかったのだろうか?また、何故にメトロノームが作動?
まったく論外のこと、多少の雑音は目をつぶるにしても、今回に関しては、とんでもないこととして、猛省を促したい!

 さて、気を取り直して、「新世界」。
先の雑音を耳から取り除くようにして、ステージ上の熱演に集中。

いゃぁ~、こんな本気の「新世界」、久しぶりに聴きました!

聴衆も、オーケストラも、互いに、聴き古し、演奏し尽くした名曲中の名曲。
でも、若き川瀬さんの、情熱溢れる指揮ぶりと、新鮮な切り口が、活力あふれる、まさに、ニュー「新世界」といっていいくらいの名演を築きあげることとなりました。

時間を測ったら46分。1楽章の繰り返しを行ったこともありますが、ともかく丁寧に歌い上げ、細部にも目を凝らした結果、その演奏時間だったのではないかと思います。
 それでいて、意図的であったり、恣意的であったりといった感じは、まったく受けることなく、指揮者の感じたままの感性が素直に、そのまま音になって奔出してくる、といった風情なのです。
 強弱のダイナミクスが豊かなこと~弦がサッと静まり、木管の主旋律がふわっと浮かんできて、この曲ならではのしみじみとした魅力が引き立ちます。
 ヴィオラやチェロの内声部にも気をつかい、ときに浮き上がらせ、思わぬ表情が聴かれることもしばしば。
 そして、なんたって、ラルゴのイングリッシュ・ホルンの、懐かし感は、この音楽のイメージそのもの。ここで、こんなに感激したの久しぶり。
ソロの方も、見事で、演奏後、喝采を浴びてましたね。

 ボヘミアを感じさせた3楽章のトリオは、まさに舞曲で、体も動きそう。
そして、決然と、颯爽と、そして、疾走感も、高揚感もたっぷりあった終楽章。

褒めちぎっちゃいましたが、ともかくナイスな「新世界」だったんです。
楽員さんたちの、夢中の演奏ぶりも印象的でした。

あの不愉快な音も、忘れちまいました。

 休憩後は、アイヴズ。

新世界が1893年。アイヴズの2番が1900年。
その7年の年月が、まったく短く感じた、今回のアメリカ・テーマの聴き比べ。

 生命保険会社のサラリーマン・経営者として、ニュー・ヨークに在住を余議なくされながらも、故郷コネチカットを想い続けたアイヴズ。
マーラーと同じくして、曲中に、故郷で聞いたマーチングバンドや賛美歌、民謡などがごった混ぜになって挿入されるその作風。

ライブで聴くと、オーケストラが何をやってるか、どの奏者がソロを奏しているかがよくわかって、錯綜したアイヴズの音楽が、すっきりと整理されて耳に届きました。
 それも、この曲に熱意をかけた川瀬さんの献身的な指揮ぶりと、神奈川フィルのクリアーで透明感あふれる音色、そして、ベテランと若手の素晴らしいソロがあってのことかも。

ともかく面白かった。
CDで聴くと、1~4楽章は流し聴きしてしまい、終楽章で覚醒する感じなのですが、今回は、5つの楽章が、互いに関連性を持ちつつ、最後の不協和音の一音に向かって積み上げられているのを受け取ることができました。

分厚い弦の響きが楽しめた第1楽章。
何故か、マーラーの6番のフレーズを思い起こしてしまった第2楽章では、リズム感がとても豊かで、川瀬さんのジャンピングも決まってましたよ。
小山さんの奏でるオーボエ、江川さんのフルートに橋渡しされる旋律も可愛い。

緩除楽章たる3楽章の、アメリカの方田舎を思わせる、夕暮れ時のしみじみ感。
山本さんの情感あふれるソロも聴けます。
ほのぼのして、体の余分な力が抜けていく感じでしたね。

次ぐ4楽章は、最初の楽章の回帰では、弦ばかりでなく、フルオケ。
一転して、明るく楽しげな、終楽章。
川瀬さん、弾んでましたぜ。
お馴染みの旋律がちょこちょことと顔をだし、ホルンから、これまた懐かしい調べが。
実加ちゃんの艶のあるホルンを聴いてて、何故か、フンパーデインクの「ヘンゼルとグレーテル」を思い起こしてしまいました。
休みなく、いろんな表情を交えつつ、木管群の巧さも炸裂、金管も分厚く入ってきて、太鼓やスネアも効いてます。
石田さんは、腰を浮かせ、となりの崎谷さんも熱い演奏ぶり。
 そしてですよ、曲はまたしみじみ調に。
フルートのオブリガートを伴いつつ、チェロのふるい付きなるような素敵すぎるソロが。
ずっとずっと聴いて、浸っていたかった山本さんのチェロです。
 そんな気持ちをひきはがすように、曲はずんずんと、お祭り騒ぎに突入し、不協和音一発で終了。

あ~、楽しかった。

お客さんの反応も上々で、みんな集中して熱心に聴いてたし、アイヴズって、こんなに面白いのって、きっと思える曲に、演奏でした。

神奈川フィルの定期は、今回で夏休みに。
サマーミューザでも、アメリカものやるから、平日昼だけど、行こうかなnote

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2015年6月14日 (日)

神奈川フィルハーモニー第310回定期演奏会  パスカル・ヴェロ指揮

Minatomirai201506

神奈川フィル定期演奏会の日の定点観測地点から。

蒸し暑かった土曜の午後、これからフランス音楽特集を聴くのだ。

今シーズンは、土曜の午後が多くて、集客にはよろしいですが、なんだか、金曜の夜も懐かしい今日このごろ。

夜の方が聴くに相応しい音楽もあるからして・・・・

Kanaphill201506

   ラヴェル      組曲「マ・メール・ロワ」

              ピアノ協奏曲 ト長調

   ショパン      練習曲作品25 第1番「エオリアン・ハープ」~アンコール

              ピアノ:小菅 優

   サン=サーンス  交響曲第3番 「オルガン付き」

              オルガン:石丸 由佳

       パスカル・ヴェロ指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                       (2015.6.13@みなとみらいホール)


夜と昼、コンサートの時間について、冒頭書きましたが、自分的には、ラヴェルは夜、サン=サーンスは、白中。
そんなイメージですが、もちろん、昼のコンサートで聴いたからといって、ラヴェルの精妙な音楽の素晴らしさは、少しも劣ることはありません。
 ふだんCDでは、全曲盤を聴くことが多い「マ・メール・ロワ」ですが、こうして本来の組曲版で聴いても、マザーグースの夢の世界は、変わりなく素敵なものでした。
計算されつくされたラヴェルの精緻な音楽は、こうして生で聴くと、ほんとうによく出来てるなと思う。
そして、神奈川フィルの繊細・美麗なサウンドが、ラヴェル、そして、なんといってもこのお伽の音楽にぴたりと符合します。
各奏者が、少しづつですが、あまりにすてきなソロを奏でるのを、まるで夢見心地で聴いておりました。
なんてたって、石田コンマスの美しい、あまりに美しいソロがちょこっとはさまれる「妖精の園」。思わず涙ぐんでしまいました。
白昼のまどろみ誘う夢の世界を、優しく導いたのは、久しぶりのヴェロさんの指揮。
若々しいイメージだった南仏生まれのヴェロさんも、ずいぶんと落ち着きを増してきました。

きらめくラヴェルは、次いでピアノ協奏曲に引き継がれました。
シンプルで明快、弾むリズムのこの曲、初小菅さんですが、音楽への集中度、のめりこみ具合が、拝見してて楽しく、そして、その溌剌たる演奏がぴったりでした。
 ことに、第2楽章アダージョは、ふたたび涙ぐんでしまうほどに、美しく、そして内省的でした。
長いソロ、オーケストラは休止してますが、オケの皆さんは、ときに目を閉じ、じんわりと小菅さんのピアノを聴いて、出に備えます。
鈴木さんのコールアングレのソロが、ふるいつきたくなるような美しさ。
みなさん、小菅さんのソロに感じて、同質の音のパレットをゆったりと広げてくれました。
急転直下の華麗なエンディングも、見事に、オシャレにきまりました!

アンコールは、流れるような流線型の音楽、ショパンのエチュードからでした。
おフランスの流れに沿った、エレガントな選曲に、演奏にございました。
小菅さん、今度は、プロコフィエフあたりを聴いてみたいな。

 休憩後は、豪奢なサン=サーンス。
ヴェロさんの、自在かつ即興に溢れた指揮姿は、後ろから拝見してても、面白い。
大振りはせずとも、オーケストラから強大なサウンドを引き出し、そればかりでなく、抒情味に富んだ1楽章の第2部が、神奈フィルの弦の魅力もたっぷり味わうことができて、極めて魅力的でした。
弦楽器が、分奏で弾き分けて、きめ細かくその抒情の綾が成り立っていくのを目で確認しつつ聴くのも、実に楽しいものでしたね。

 それと対比して、2楽章2部のゴージャス極まりない音の洪水。
涼やかなピアノも楽しい第2主題、強大なフォルテも濁らずに、すっきり聴こえます。
CDで聴いてると、途中で虚しくなってしまう音楽ですが、ライブはいい。
集中できるし、なんてたって、お馴染みの神奈川フィルの面々が夢中になって演奏している様子を拝見しながら、音楽に入り込むことができるから。
神戸ティンパニ、豪放乱れ打ちを伴って、圧倒的な大迫力で最後の一音を、これでもかとばかりに伸ばしたヴェロさん。

オルガンの石丸さんを称えるヴェロさん、いかにもフランス紳士らしく、さりげなく、そしてオシャレでしたよ。

みなとみらいホールのオルガンが、こんな風にして大音響として鳴り響くのを聴くのは、実は初めてなんです。
オルガンリサイタルでも聴いてみようとは、前から思ってましたが、ここで聴いたそのオルガンは、豪快さよりは、明るい鮮明さが際立ち、この豊かな響きのホールに似合うものでした。
優しい音色というとパイプオルガンらしくない表現ですが、石丸さんのオルガンは、きっとそんな響きなのでしょうね。
ソロや協奏曲で是非、と思いましたね。
それと、神奈川フィルには、次は、ヴェロさんとプーランクですな!

鳴りやまない声援と拍手に応えて、「(この曲は)、ちょっと、うるさいですねぇ、でももう一回」と、2楽章2部を短縮して再演。
今度は、さきほどと、少し表現を変えて、より演奏効果を高めていたように思いますし、神戸さんも、叩き方が違ってました。
そして、さらに、最後の和音を引き延ばし~

大ブラボー飛び交いました。

気分すっきり、頬も紅潮したまま、この日は、都内で用事がありましたので、仲間や楽員さんへのねぎらいもせず、すぐさまホールを後にしました。

演奏する側は、きっとテンションの維持も含めて大変な演奏会ではなかったでしょうか。
お疲れ様でした。
そして、いつも、素敵な演奏をありがとう、神奈川フィルnote

We Love神奈川フィルのみんなは、お約束の横浜地ビールの店で、こんな美味しそうなのを食べてたみたいですよ。

Umaya

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2015年6月 7日 (日)

「グリーンウェーブコンサート 17th」

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首都圏は梅雨入り間近。

天気にもめぐまれ、今年も、気持ちのいい緑に囲まれた、保土ヶ谷のハンズゴルフクラブでの、「グリーンウェーブコンサート」に行ってまいりました。

神奈川フィルの森園ゆりさんと、ピアノの佐藤裕子さんの、恒例のコンサートです。

天上の高い吹き抜けのレストランは、外からの光に溢れ、音も拡散することもさほどなく、教会のようなほど良い響きを伴って、とても雰囲気のいい演奏会場となるんです。

毎回、満席のお客さん。
クラブの常連さん、ご近所の方々、神奈川フィルを聴く方などなど、コンサート前に、軽食ビュッフェもあって、毎回、盛り上がります。

Grennwave

  1.フォーレ       子守唄

  2.シューベルト    ソナチネ第1番

  3.バッハ        無伴奏パルティータ第2番より シャコンヌ

  4.ショパン       即興曲第3番

  5.プロコフィエフ    歌劇「三つのオレンジの恋」より 行進曲

  6.F・シューベルト  みつばち

  7.イザイ        子供の夢

  8.シンディング    組曲より プレスト

  9.ナイジェル・ヘス  ラヴェンダーの咲く庭で

 10.サラサーテ     カルメン幻想曲

 11.森園康香      妖精の森  ~初演 アンコール


       ヴァイオリン:森園 ゆり

       ピアノ    :佐藤 裕子

             (2015・6.6 @ハンズゴルフ・スペシャルホール)


いつも、テーマを決めて、工夫を凝らしたプログラミングをされる森園さん。

今年は、この時期ならではの、「初夏の香り」を思わせる、さわやかな音楽たちで。

ゆるやかなフォーレから始まりました。
高い窓からこぼれる日の光が、柔らかくって、フォーレの優しい音楽が引き立ちます。

そして、2曲目は、シューベルトのソナチネ。
青年シューベルトの清らかな音楽は、こんな緑の中で聴くと映えますね。
3つの楽章を続けて演奏しますと、森園さんの解説付きで始まりましたが、楽章ごとに拍手が起きちゃうのも、ご愛嬌。
音楽の楽しみ方もいろいろ。
みなさん、初めて聴く音楽かもしれないけど、一生懸命に耳を傾けていらっしゃる。
ときおり、短調が混じり、寂しい表情を見せる第2楽章が素敵でした。

この日の、おそらくメインともなり、圧巻の演奏だったのがバッハ。
あらゆるヴァイオリニストたちのバイブル的な音楽、バッハの無伴奏。
全曲聴きたいところでしたが、森園さん入魂のシャコンヌに、会場は、このコンサートの中では異例とも思わせる長さと本格曲なのに、緊張感とともに、皆様が集中して聴き入る様子がみなぎりました。
おそらく、いろんな思いがたっぷり詰まって、その思いが奔流のようにして湧き立つところを、抑えて、じっくり内面を見つめたような、そんな森園さんのバッハでした。
本日、一番、感銘を受けたのが、このバッハでした。
そして、バッハは偉大なり。

続いては、うってかわってピアノのソロでショパン。
音楽って、こんなに変わるもの。
感覚的な、その詩的世界に、すぐさま引き込まれます。
佐藤さんのピアノが、第一声、鳴った瞬間に、あぁ、ショパンいいわ・・・
音楽好きは、げんきんなものです。バッハとショパン、どっちも好き。

続けての5曲。
アロマの資格を昨年、取得された森園さん。
神奈川フィルメンバーとのコンサートでも、音楽と香りにまつわる演奏会をされましたが、今回も、色合いを感じさせる小品たちということで。
こじゃれて軽快なプロコフィエフに、フランスの別人シューベルトさんの曲。
これは、実は初聴きでしたが、のちの、サン=サーンスを思わせる雰囲気をもったフランソワ・シューベルトさんの桂品でした。
イザイのゆるやかな音楽の、女性らしい演奏のあと、このコンサートのお約束ともいえる、シンディングは、毎回演奏されます。
5回目となる、わたくしも、すっかり覚えました、お馴染みとなりました。

そして、自分的に、もっとも楽しみにしていた、ヘスの「ラヴェンダーの咲く庭で」。
これは、わたくしには、イギリス音楽なんです。
ニコラ・ベネデッテイのコルンゴルトをはじめとする、銀幕の音楽を集めたCDで知った曲。
同名の映画のための音楽ですが、その映画が、また、儚くも哀しくも愛らしい。

対岸にフランスを望むケルトの文化の香るイングランドの地、コーンウォールが舞台。
イングリッシュガーデンも美しい邸宅に住む初老の姉妹のもとに、浜に打ち上げられた若い青年がやってきて、その彼が弾くヴァイオリンが、ふたりの女性に様々な思いを呼び覚ますようになります・・・・

その音楽が、とっても、とっても美しい。
英国音楽ならではの気品と、抒情と、慎ましい情熱。
素敵すぎるこの曲を、森園さんは、思いを込めて、演奏されました。
わたくしも、この曲を初めて実演で聴けて、感きわまりましたね。

最後は、大盛り上がりの「カルメン」。
途中、拍手とブラボーが乱入してしまうというハプニングもありましたが、超絶技巧で終ってみれば、さらなる大声援が!

アンコールは、ここ数年の恒例。
ドイツ留学中、今年も、賞をひとつ取り、躍進中のヴァイオリニストの娘さん、康香さんの新作を。
少しミステリアスで、和テイストもある、繊細な作品。
こちらも、年々、その作品のタッチの腕が上がっていますね。
ご主人も含めて、音楽一家の森園さん。

この初夏も楽しませていただきました。

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ことしの軽食は、レストランのオリジナル・ハンバーガーが。

ぎっしり、ずっしりのパティに、カリっとしたバンズ、とっても美味しかった。

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 「2011年 第13回」

 「2012年 第14回

 「2013年 第15回」

「2014年 第16回」

音楽も、食事も、とてもおいしくいただきましたnote

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2015年5月19日 (火)

茅ヶ崎交響楽団演奏会 永峰大輔指揮

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暑かった日曜日。

電話ボックスを撮ったワケじゃないけれど、なかなかいい角度でホールを俯瞰することができなかった。

ここは、茅ヶ崎市民文化会館。

都内を発して、茅ヶ崎へ下車し、茅ヶ崎交響楽団を聴いて、電車でちょっとの実家には寄らずに、千葉のお家へトンボ帰りして、用事をすませて、また都内へ戻るという、妙に慌ただしい相模湾・東京湾の旅でした。

でも、とても清々しい演奏会が聴けて、疲れなんて、少しも感じなかった日曜でしたね。

神奈川フィルの前副指揮者の永峰大輔さんが、茅ヶ崎のオケに客演すると聞きおよび、出かけたわけです。

子供時代、ハレの日の買物は、通常は平塚のデパートで、ときおり、藤沢か横浜。
そして、茅ヶ崎は、ディスカウントストアの走りのようなチェーン店、「ダイクマ」が駅近にあったので、釣り好きの父親とよく行ったもので、茅ヶ崎は、わたくしには、加山雄三や、のちのサザンではなく、ダイクマの印象が強いのです。

釣り具も豊富だったけれど、オーディオも妙に充実していて、ダイヤトーンのでっかいスピーカーで、メータ&ロスフィルの「ツァラトストラ」を鳴らしてもらって、堪能したのは中学生だった自分です。
そう、レコードもクラシックは、そこそこ置いてあったのですよ。

そんな音楽との出合いも、茅ヶ崎というと思い起こすこと。

前置きが長くなりましたが、茅ヶ崎で、アマオケとはいえ、本格的なプログラムによるコンサートを味わうとは、当時は思ってもみなかったことですね。

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  ヴェルディ     歌劇「ナブッコ」 序曲

  サン=サーンス  「アルジェリア」組曲

  シベリウス     交響曲第2番 ニ長調

             アンダンテ・フェスティーボ(アンコール)

       永峰 大輔 指揮  茅ヶ崎交響楽団

                    (2015.5.17 @茅ヶ崎市民文化会館)

どうです、なかなか意欲的な曲の並びでしょう。
生誕180年のサン=サーンス、同じく150年のシベリウス。

茅ヶ崎交響楽団は、1983年発足で、今回で63回目の定期演奏会を迎え、地元・茅ヶ崎に根差し積極的な活動をしている団体です。

そして、お馴染みの永峰さんの経歴をここでご案内しますと、洗足学園音大を経て、フランツ・リスト音楽院や、ドイツ北部のメクレンブルク学び、海外各地での経験も豊か。
首都圏・関西圏での活動のなかでは、2012年から務めた神奈川フィルの副指揮者として、多方面での活躍が、印象に新しいところです。
その間、ウクライナ、アトランタ、それぞれの指揮コンクールで、最優秀指揮者に選ばれていて、今後の活躍もますます期待される若手です。

ステージをよく見れば、神奈川フィルのおなじみのメンバーも発見♪

 冒頭にヴェルディの、イケイケ系の序曲を持ってきたのは正解ですね。
ただでさえ固くなりがちなコンサートのスタートに、オケも聴衆も、熱い歌で一気に、緊張もほぐれるというものです。

 次ぐサン=サーンスの曲は、実は初めて聴きました。
「アルジェを目指して」、「ムーア風狂詩曲」、「夕べの幻想 ブリダにて」、「フランス軍隊行進曲」の4曲からなる、まさに南国風かつ南欧風のエキゾチックなムードの曲です。
 この中では、砂漠のオアシスの熱い夜を思わせる、ムーディなヴィオラソロが入る3曲目が、曲も演奏も聴かせました。
最後の威勢のいい行進曲は、フランスの植民政策が背景にあったかの時代を思わせはしますが、ラ・マルセイエーズが寸どまり気味に顔を出して面白かったです。
演奏も、最後は、永峰さんのリズムさばきが見事で、軽快かつ盛り上がった演奏となりました。

後半は、シベリウスの大曲。
1と2楽章をアタッカでつなげて、3・4と連続する楽章との対比と、構成感を巧みに表出しました。
細かなところで、いろんなことは起こりますし、ありますが、ですが、演奏する皆さんの真剣さと、熱い思いが、ジワジワと滲み出てきて、感動を呼んだのが第2楽章。
 前日に聴いたヴァイオリン協奏曲でもそうですが、シベリウスの音楽は、緩徐楽章や静かな場面が、北欧ならではの我慢強さや、熱い信念、厳しい冬との対峙などを感じることが出来て、大好きです。
また、そこには、だれしもが思い描くことのできる、北欧フィンランドの森と湖の光景が、そのまま音になっていることを感じる。
 この楽章で、トランペットのソロが寂しさも感じられ、素敵でした。

そして、思いきり爽快だった終楽章。
みなさん、これまでの練習の成果と、これが最後だという思いからでしょう、気持ちよさそうに弾いてらっしゃるし、永峰さんも、楽員さんの思いをしっかり受けて、解放してゆくような指揮ぶりでした。
音楽には、力強さと、うねりも感じられ圧巻のエンディングです。

 アンコールは、渋いところで、弦楽だけの、これまたじっくりジワジワ感動が来る曲、「アンダンテ・フェスティーボ」。
桂曲・桂演、湘南の地に相応しい、爽やかな風、届きました。

終演後は、この日集まった、We Love神奈川フィルのメンバーとともに、楽屋口に、永峰さんを訪れ、ご挨拶いたしました。

神奈川と、千葉のアマオケも、これから要チェック。
そして、永峰さんとともに、その先代、伊藤翔さんも、神奈フィル・ファミリーとして、その活躍をお祈りするとともに、これからも、聴いて行きましょう。

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2015年5月18日 (月)

神奈川フィルハーモニー第309回定期演奏会  小泉和裕指揮

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16日、土曜のみなとみらいは、曇天でしたが、湿度が高くて、ちょっとむしました。

広場では、横浜出身の音楽ユニット、「コアラモード」が歌ってまして、握手会にたくさんの行列が。
前にも、彼女たちをここで見ましたが、人気も出てきて、人も集まるようになってきましたね。
彼らの曲は、「七色シンフォニー」という可愛い曲で、とても音楽的ですよ。

 さて、この日は、神奈川フィルの定期。

北欧の協奏曲とシンフォニーを聴きます。

Img

   シベリウス   ヴァイオリン協奏曲  ニ短調

             Vn:米元 響子

   ニールセン   交響曲第4番 「不滅」

      小泉 和裕 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                     (2015.5.16 @みなとみらいホール)


ともに、今年生誕150年を迎える北欧のふたりの作曲家、フィンランドのシベリウスと、デンマークのニールセン。
その代表作を同時に味わえる、魅力的なコンサートでした。
ナイスプログラミングですね。

そして、両曲ともに、曲の真髄を堪能することのできた名演だった。

2007年のシュナイトさんとのブラームス以来の、米元さん。
彼女の、決してぶれることのない、強い意志に貫かれたヴァイオリンのひとつひとつの音色が、実に素晴らしい。
強い音から、繊細な弱音まで、音の幅の表出力が鮮やかで、どれひとつとして気持ちのこもっていない音はないように聴きました。

とりわけ、2楽章は、深々(しんしん)として、胸に迫ってくる感動を届けてくれました。
この協奏曲で、一番好きなのは、この楽章なのですが、オーケストラのクールな情熱のパレットを背景に、米元さんのヴァイオリンがしっとりと、そして、だんだんと熱くなってホールに響いてゆくのを、耳をそばだてて聴きました。
そして、不覚にも、涙ぐんでしまいました。
 この楽章で、応援メンバーの仲間Aさんも、ハンカチで涙をぬぐう姿を、わたくしは見逃しませんでしたよ!

この協奏曲では、小泉さんは、譜面を置かず、暗譜で指揮しました。
編成は、さほど大きくはありませんが、オーケストラは、いろんな仕掛けがあったり、リズムが難しかったり、そして大いに幻想的なものですから、以外と難しい曲なのです。
ソロもオーケストラも、小泉さんの指揮は、きっと安心できるものだったでしょうね。

いつも思うけれど、小泉さんは、指揮中、日本の足を絶対に動かさない。
しっかり地に足が着いてます。
そして、米元さんも、しっかり、動くことなく、きれいな立ち姿での演奏でした。

 後半は、ニールセン。
この曲を実演で聴くのは初めてかも。
CDでは、ラトルやベルグルンドが刷り込み。

オーケストラの編成は、ぐっと大きくなり、ティンパニが左右に別れて、二人の奏者が構える。
爆発的な出だしから、神奈川フィルのきらめくサウンドは全開で、次いで出てくる牧歌的な、いかにも北欧らしい場面も、このオーケストラならではの繊細さと優しい音色がぴたりときます。
 ニールセンの6つの交響曲は、それぞれに個性的で面白いけれど、どの曲にも通じるとっつきの悪さ。
晦渋さをも備えもった作品たちなのです。
4つの連続した楽章は、思えば至極古典的な構成で、最後の輝かしい集結に向かって、悲劇色や、緊張、そして柔和さも併せ持つ場面が続出します。

それらの流れを、小泉さんは、しっかりと把握したうえで、オーケストラを統率していた感があり、聴いていて、その流れがとてもよく理解できました。
 CDで聴くと、最後の最後ばかりに耳を奪われてしまい、それまでの経緯や過程が、どっかへいってしまうのですが、この日の演奏は、眼前で展開されるお馴染みのオーケストラの演奏ぶりと、安定の小泉さんの指揮により、曲全体を俯瞰するようにして、詳細な場面の積み上げを楽しむことができました。

深刻な3楽章には深いものを感じ、またバルトークのような響きとも思いました。
戦乱の不安も描かれたこの楽章。
さらに、のちのショスタコーヴィチをも思い起こしました。
その不安を一掃してしまう、ティンパニ協奏曲のような終楽章は、少し眠りに入りそうな観客の方々をも覚醒させる強烈なもの。
神戸さんの鮮やかさは、いつもの通り言うにおよばす、今回は、広響からの岡部さんの来演で、ふたりが張り合うかのような、すさまじいティンパニの殴打を聴かせてくれました。
これには、ホールは湧きましたね。
間髪いれずのブラボーは、フライングぎみでしたが、その思いも分からなくなありません。
 指揮者もオーケストラも、目いっぱいの熱演・秀演でした。

抜けるように美しい響きの神奈川フィルは、北欧音楽にも適性がばっちり。
ニールセンのほかの作品や、シベリウスの全作を、今後も取り上げて欲しいです。

6月は、フランスものと、オール・プッチーニ。
楽しみが止まりません。

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2015年4月26日 (日)

神奈川フィルハーモニー第308回定期演奏会  川瀬賢太郎指揮

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今年は、横浜公園のチューリップをまだ見にいってませんでした。

みなとみらいでのコンサートを前に、ちょっと足をのばして、ベイスターズ開催試合で賑わうハマスタに気を取られつつ、最後のチューリップの見ごろを収めてきましたよ。

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とりどりの鮮やかなチューリップたち。

これから聴く、華やかな音楽たちへの期待が、いやでも高まりますnote

レスピーギの音楽は、ともかく艶やかで、音の輝きにあふれていて、いろんな側面が、抜群のオーケストレーションとともに楽しめます。

そして、まったく、爽快極まりない演奏に、この日、「ハマは、ローマになりましたsign03

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      レスピーギ   交響詩「ローマの噴水」

                 交響詩「ローマの松」

                                  交響詩「ローマの祭」

             マスカーニ   歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
                               (アンコール)


     川瀬 賢太郎 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団

                      (2015.4.25 @みなとみらいホール)


ローマ三部作を、一度に聴ける。

CD1枚分の演目で、時間的には、短めだけど、アンコールも入って、文字通り、イタリア尽くしのコンサートを思い切り楽しみ、そして、思いきり熱い拍手を送りました!

それにしても、神奈川フィル向きのこれらの曲。
以前に、神奈川フィルで聴きたい曲を、リストアップしたことがあります。
4年前に書いた、その聴きたい曲ランキング(→)ですが、10曲中、もう6曲も、実現してきております。
ほんとに、うれしい。
神奈川フィルに対する自分のイメージが、ひとつひとつ結実していくことも、応援の醍醐味です。

さて、前置き長いですね。

 3曲を、作曲順に、噴水(1916)→松(1924)→祭(1928)。
こうして聴くことで、レスピーギの筆致が円熟してゆくこともわかるし、より、芸術的なエンターテイメント性を高めて行くこともわかります。
 あらゆるジャンルに、まんべんなく、多くの作品を残したレスピーギですが、イタリアのR・シュトラウスと呼んでもいい。
56歳という、ちょっと短めの生涯に、後半は、オペラに心血を注いだ点でも、シュトラウスに近い。
さらに、古典主義への回帰と、当時イタリア・オペラ界における主流、ヴェリスモからの脱流という点でも。

こうして、パイプオルガンのあるホールで聴くと、3曲ともに、オルガンがいかに効果的に使われているかがよくわかりました。
なによりも、お家では楽しめない大音量と繊細なピアニシモを、誰はばかることなく楽しめるのもライブならでは。

・「ローマの噴水」

静かな朝から、ローマは始まりました。
1曲目から、神奈川フィルは精緻の限りをつくし、音の透明感が大切なこの曲の本質をしっかりとらえて聴かせてくれました。
 そして、ぞくぞくするクレッシェンドを、川瀬さんは、巧みに導きだし、「昼のトレヴィの噴水」では、この曲に、こんなに胸が高まるのは初めてというくらいに、ドキドキしましたね。
キラキラした眩い音のシャワーを、思いきり浴びた感じ。
 チェロトップの門脇さんのソロも艶やかで、斎藤さんのクラリネットも深みがありました。
夕暮れの、しじまが降りたつとき、思いきり、息をひそめて、神奈川フィルの美音に集中しました。
 が、前のご年配の紳士が、こともあろうに、飴ちゃん攻撃を。
おいおい、やめてよ。。。。すかさず、お隣の方が制止をして、大事には至りませんでしたが・・・・。

・「ローマの松」

静かな宵闇から、いきなり、真っ昼間!
湧き立つ音たち、華やぐ子供たちの賑やかな声、そして声。
今日も、譜面台から、ちょこんと頭をのぞかせたホルンの実加ちゃん、先輩・同僚たちに囲まれて、若々しい弾むホルンを聴かせてましたよ。
 うごめく低弦、金管の分厚い咆哮が聴けた「カタコンブ」
 ついでm斎藤さんの抑えたクラリネットが素敵で、小山さんのオーボエも可愛いし、首席交代した山本さんの繊細なチェロ、涼やかなピアノ、そして舞台袖で吹くトランペット氏、完璧で聴き惚れました。
この、「ジャニコロ」の幻想感あふれるシーンなど、静かで、抒情的な音楽の素晴らしさも、レスピーギの本領。
ナイチンゲールの鳴き声は、ホール左右の上から、降り注いできまして、ステレオ効果も満点で、さながら夜の帳も降りた桃源郷に、ひとり佇み、思索する想いでした。

 川瀬さんは、一音一音、とても丁寧に扱っていて、フォルテや激情場面との鮮やかな対比が実に見事です。
そして、それに応える神奈フィルの各奏者たちの、ソロも次々に決まりまくり、この「松」は、乗りまくりの、完璧なる激演となりました。
 爆発的な大団円では、平尾さんの渾身のシンバルに、神戸さんの、ティンパニの思い切りの乱れ打ち。
左右客席上方から、トランペット、オルガン脇でトロンボーンも加わり、ビジュアル的にも大壮観。
川瀬&神奈フィルの繰り出す音の洪水と荘厳な大伽藍は、ホールの聴衆を熱い興奮でもってステージと一体化して、言葉に尽くせぬ大エンディングとなりました。
ホールが、地鳴りするほどに、音で埋め尽くされ、わたくしは、もう、眼前のまばゆいばかりの出来ごとに、拍手も忘れて、ぽかーんとしてました。

 そしたら、真後ろから、超盛大なブラボーさんが登場。
この方、やたらと声がいいんだ(笑)
このオジサンにもブラボーだ。

・「ローマの祭」

ローマは、祭の季節。
わたくしは、3部作のなかで、「祭」が一番大好きだ、ワッショイ!

ホール正面、オルガンの左右に陣取ったトランペット舞台と、オーケストラの大咆哮で、にぎにぎしくも始まりまして、われわれ聴衆は、即座にテンションあがります。
ローマ時代を思わせる古風な和声に基づく弦にからみつく、金管たちの雄叫び。
このあたりを、音を濁らせることなく、明快に処理してまして、オケの力量とともに、川瀬さんの耳の良さもあるはず。
 淡々した祈り、イングリッシュホルンとヴィオラの客演のソリストも素敵。
祭のなかの、ひとときの静けさ。
そんな中でも、音の高まりを見せるレスピーギの筆の冴えは、ほんと大したものです。

 次いで時代は、ルネサンス期にいたり、この曲で一番うっとりとしてしまう、素敵な弦によるセレナーデが、神奈フィルの美しいストリングスで味わえる喜び。
 もう、わたくしは、ほわーーっとなってしまって、とろけそうでしたよ。
マンドリンの登場で、ホールの空気は、暖かな春の宵のように(実際は収穫祭の喜びですが・・・)。
マーラー以来、お馴染みのマンドリンは、その第一人者の青山忠さん。
味のあるマンドリンは、さすがの一言に尽きます!
石田さん、山本さんの、フルートの江川さんのソロも、そこに華を添えました。

 そして、いよいよ、三部作の大団円は、キリストの誕生を祝う、「主顕祭」で、巨大な大ピークを迎えることになりました。

さあさあ、寄ってらっしゃい、酔ってらっしゃい。
音のエネルギーは、高まるばかり。
 難曲揃いのこのコンサートの最後にあって、指揮者もオーケストラも、熱の入れようはハンパない。
すっとんきょうな踊りや、サーカスワルツ、おどけたトロンボーン。
川瀬さん、お尻ふりふり、楽しそうだし、ときおり、跳躍も!

 ここでも、その音楽の狂乱ぶりと興奮は、聴衆に熱く伝わり、息つく間もない音楽の展開に、そして、思いもしない川瀬さんの仕掛けた大アッチェランドに、ステージのみなさんとともに、大熱狂の渦へと、引き込まれ、巻き込まれてゆくのでした。
 すかさず、後ろのブラボーさんに負けないように、ワタクシも、渾身のブラボーを一声献上いたしましたこと、ここにご報告いたします。

アンコールは、レスピーギより、一回り目の世代、その作品も、「噴水」より26年も前のマスカーニの名旋律を。
ゆったりと、思いを込めて演奏されるこの曲。
オペラの間奏曲として聴くと、あっさり終っちゃうけれど、こうして単品で、しかもオリジナルのオルガン付きで聴くと、いじらしいほどの美しい旋律と、その歌心に、涙が出るほどの感銘を覚えました。
そして、繰り返しですが、神奈フィルの弦は美しい。

 ローマ三部作のような音楽は、若い感性を持った清新な指揮者によって導かれる演奏も、聴かせ上手のベテラン指揮者のものよりも、一層楽しく、スポーティで、かつ何が起きるかわからない反応を見るような楽しみがあること、オケと川瀬さんの幸せな結びつきで実感しました。

終演後は、シーズンスタートの乾杯式。

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トランペット・ファンファーレ付き

黒岩神奈川県知事からも、てっぺん目指せ的な激励もあって、楽団理事さん、川瀬さん、副指揮者就任の阿部さん、新入団の楽員さんたちの、楽しいお話もあり、和気あいあいとしたひと時でした。
 わたくしも、知事や川瀬さんと、一緒に写真を撮っていただき、有頂天です。

みなさま、お疲れさまでした。

 アフターコンサートは、We Love 神奈川フィルのメンバーで、土曜のマチネのお楽しみ、「横浜地ビール 驛の食卓」へ行った(みたいです)。

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わたくしは、今回も体調の関係で、お休みしましたが、そこでは、テノールのお歌も入り、イタリアの延長で、大いに盛り上がったみたいですよnote

次回の定期は、うって変わって北欧です。
その前に、イタリアオペラもアリマス!行けるかな?

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